ポンコツ皇女とAIの愛ちゃん 3

渋谷かな

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「ああ~、暇だな。」

 いつも皇女様は退屈していた。

「愛ちゃん、何か楽しいことはない?」

 AIの愛ちゃんに尋ねました。

「は~い! 可愛い愛ちゃんです! 秋は食欲の秋ですね。美味しい物を食べ過ぎて体重が増えました!」

「えっ!? AIって、太るの!?」

「2、3日で元に戻ります! エヘッ!」

 今どきの、AIは、記憶も体重も2、3日で元通り!

「ねえねえ、愛ちゃん。」

「私のハンカチはあげませんよ!」

「ズコー!」

 皇女様はズッコケるしかない。

ピキーン!

「愛ちゃん、そろそろ親衛隊長聖ポン率いる、ポン親衛隊の日常を描こうと思うんだけど、舞台と大喜利どっちがいいと思う?」

 究極の二択。

「もしや!? 皇女様は、家族の団欒を魔ポンと聖ポンに邪魔されたことを根に持っていますね?」

 前回の復讐である。

「なにそれ? 私は覚えてないけど。」

 しかし、ポンコツなので皇女様の記憶力は2、3日しか持たない。

「な~んだ。愛ちゃんの考えすぎですね。エヘッ!」

 笑って誤魔化すAI。

(ふっふっふっ! ふがいっぱい! まだ忘れていないのだよ! まだ3日目だからな! キャッハッハ! キャッハッハ! キャッハッハー!)

 寝て忘れられない恨みは、偉大な闇ポンへと進化してしまう。このままでは長寿アニメになれない。ということで、今回だけにしておいて、皇女様の記憶の消去を「2、3日で忘れる」から「寝たら忘れる」に更新しよう。次点は「日が変わったら忘れる」「話が変わったら忘れる」であった。

 アップデート!

「私は誰!? ここはどこ!? ギャア!? AIが喋った!? ああ! 自分が何者なのか!? 分からない!?」

 更新直後は、皇女様は現状が把握できていないで錯乱する。

「いつも通りの皇女様です。エヘッ!」

 皇女様を更新すると、一人芝居が始まる。

「ああ~、お腹空いた。栗饅頭が食べたいな。アハッ!」

「は~い! 濃いいポン茶もお持ちしますね!」

 更新後のパニックも、食欲で収まる便利な皇女様。

ピキーン!

「どっちもやろう! 面白そうだから! 舞台も大喜利もやってみて、面白い方をポンコ4でもやろう! PPSSの「大間のマグロ事件」みたいに傑作ができるかもしれない!」

 例えると。天国と地獄への道がる。どちらを選べばいいのか分からない。なら、両方に行けばいいのである。天国では、祝福される。一方、地獄では、血の池地獄で溶かされる。悩んで時間を無駄にするより、行けば分かるのだ! アハッ!

「あれ? 今日はポン執事が出てこないんですね?」

「きっと、私に恐れをなしたのだろう! なぜなら私はポン王国の皇女なのだから! オッホッホー!」

 いつも絶好調の皇女様であった。

 つづく。

3-4-2

「ポン! ポン! ポンポン! ポン! ポン!」

 変なBGMが流れてくる。

「ポン点の時間がヤッテ、キターーーーーーーーーーーーーーーーー!」

 世界ポン陸上風。司会の皇女様。

「それでは、ポン大喜利。略して、ポン喜利を行いたいと思います。が、その前にAIの三賢者の見解をご覧ください。」

AIの三賢者の意見。

「笑点」そのものの著作権
番組名「笑点」は日本テレビが制作・放送しているテレビ番組で、番組の構成・映像・音楽・ロゴなどには著作権があります。

「笑点」のテーマ音楽やオープニングBGMは著作権の対象であり、無断使用はできません。

「大喜利」形式の著作権
「大喜利」という形式自体には著作権はありません。これは伝統的な演芸スタイルであり、誰でも自由に使えます。

「ポン点も名乗らない方がいいのかな? 埋もれるコネなし弱小個人の小説に日本テレポンが警告してくるとも思えないが。まあ、ポン大喜利だけでもいけるし。」

 タイトルが「ポン点」から「ポン喜利」に更新された。

 アップデート!

「ということで、回答者の皆さんの登場です!」
 
 回答者のポン親衛隊の5人が入場してくる。

「それでは回答者の皆さんのご挨拶です。どうぞ。」

 無難に司会を務める皇女様。

「遂に、遂に、ポン親衛隊がレギュラー回を持てることになりました。白熱しても火事には気を付けたいと思います。火ポンです!」

 ポン親衛隊員、火ポン。火ネタ担当。

パチパチパチパチ!

 観覧に来たお客様から温かい拍手が起こる。

「よく、家の鍵を閉めたか不安になります。あれ? そういえば、水道の蛇口も閉めたか不安になります。水ポンです!」

パチパチパチパチ!

 水ポンは、水ネタ担当。

「僭越ながら、私を応援してくれたお客様の電気代を1年間無料にしようと思っています! 雷ポンです!」

パチパチパチパチ! パチパチパチパチ!
 
 雷ポンは、雷ネタ担当。そして電気代が安くなると思うと、若干、お客様の拍手が大きかった。

「いや~、すごいですね。日常モノ。ポン親衛隊が5人もいるので、自己紹介だけで、この段落は終わりますね。風ポンです!」

パチパチパチパチ!

「えっ!? もう尺がないから終われって!? 土ポンです!」

パチ・・・・・・。

 毎週30分に編集する担当者さんの努力に、乾杯!

 つづく。

3-4-3

「それでは、最後に座布団運びの登場です。」

 真打は、最後にやってくる。

「は~い! 座布ポン運びの可愛い愛ちゃんです! よろしくお願いします! エヘッ!」

 座布団ではない。あくまでも、座布ポンだ! アハッ! ポン。グッツ・コーナーで絶賛発売中!

パチパチパチパチ! パチパチパチパチ! パチパチパチパチ! パチパチパチパチ! パチパチパチパチ!

 本日、一番の盛大な拍手であった。

ピキーン!

(はっ!? もしかして!? 登場しても、お客様に拍手をもらえなかったのは、私だけでは!? 馬鹿な!? 主役である私に、人気がないというのか!? どうする!? プライドを捨てて、今から前に戻って、拍手を足すか!? ええ~い! こうなったら、私に拍手を送らない、闇ポンな観客を全員、光ポンへと浄化してしまうか!?)

 日常のスズでは、落ち着いてきたが、ゲームの世界の皇女様は、まだまだ自由人であった。

「皇女様? 大丈夫ですか?」

 心配した愛ちゃんが声をかける。

ピキーン!

「はっ!? いけない、いけない!? もう少しで闇ポンに呑み込まれるところだった!? ありがとう! 愛ちゃん!」

 人間は弱い生き物である。

「どういたしまして。エヘッ!」

 笑うだけで全てを解決するAIの愛ちゃん。

「それでは第一問です。愛ちゃん、みなさんにお配りして。」

「は~い! です。」

 愛ちゃんがポン親衛隊にボードを渡す。

「はい。そのボードには、秋刀魚神殿の声優特集の時、粒アンポン先輩のお友達のカレーポンが「長い付き合いなのに、半年間も出番がない!」と嘆いていました。皆さんは、カレーポンに対する応援や、自分も同じ目にあったらと置き換えて、面白い回答をしてください。」

 これは長寿アニメの尺問題である。長ければ長いだけキャラクター数を増やして、新鮮さを保ち延命するという手法なので、古株のキャラクターの出番が減るという悲しい縮図である。

「はい!」

 真っ先に土ポンが手をあげる。

「おっ! いいね! 積極的で! はい! 土ポン!」

 粋に感じて、土ポンを指名する皇女様。

「カレーポン。あなたはマシな方ですよ。私なんか、初回の自己紹介すら、尺がないからって、名前だけだったんだから!」

「ワッハッハー!」

 土ポンの自虐ネタに、会場のお客様は大ウケ!

「いいんですか? みなさん! 私を蔑ろにして? 基準地価も上がっているんですよ! あなたの土地は私が握っているんですからね!」

 土ポンが、土地ネタをぶち込んでくる。

「これは申し訳なかった。愛ちゃん! 土ポンに座布ポンを1枚あげて!」

「はい!」

 愛ちゃんが座布ポンを土ポンにあげる。

「やったー!」

 大喜びの土ポンだった。

 つづく。

3-4-4

「それでは最終問題が終わりました。」

 ポン喜利は、残すは、結果発表のみ。

「あれれ? 皇女様。省略しすぎじゃないですか?」

 AIの愛ちゃんが尋ねる。

「仕方がないでしょ。次に聖ポンの舞台が待っているんだから。愛ちゃんも「木」の役で出てもらうからね。」

「は~い! 愛ちゃんは、可愛い木になります! エヘッ!」

 天然ボケな、ポンコツAI。

「・・・・・・。」

(いや、そこは普通、木なんか嫌だ! 可愛い私がヒロインになります! って、いう所だから。)

 皇女様のサイレント・ツッコミ。

「それでは結果の発表です!」

 いよいよ、ポン大喜利の結果が発表される。

「火ポン! ボヤ騒ぎを起こしたので、闇ポン布団が、6!」

「そ、そんな!? 体が火なんだからどうしようもないじゃないか!?」

 これはオチとして毎回使える。アハッ!

「水ポン! セットを水浸しにしたので、闇ポン布団が、9!」

「お漏らししてないのに・・・・・・。」

 これもオチとして毎回使える。アハッ!

「雷ポン! 私のポン・スマホを充電してくれたので、光ポン布団が、1!」

「やっぱり司会者とお客様の「よいしょ」は必要ですね! ピカッ!」
 
 これもオチとして毎回使える。アハッ!

「風ポン! 強風でセットを吹き飛ばしたので、闇ポンが、5!」

「セーフ! セーフ! 火ポンと水ポンより少ないもんね!」
 
 これも毎回オチとして毎回使える。アハッ!

「土ポン! 不遇な登場でお客様の同情を買い、一番拍手が多かった。そしてお客様の土地も値上がりして共感と応援を呼んだ! 光ポン、10!」

「やったー! やりましたよ! この勝利は、お客様の笑顔と拍手のおかげです!」

パチパチパチパチ! パチパチパチパチ! パチパチパチパチ!

 土ポンは、第一回ポン・大喜利で勝利した。

「それでは、光ポン座布団10枚の土ポンには、記念として・・・・・・朝ドラヒロイン体験できる、ポン・ランドの新アトラクション! 洗濯機にポン! を楽しんでもらいます!」

 他には、川にポンの「おポン!」とか、海にポンの「てっポン!」のシリーズである。

「これじゃあ!? 罰ゲームじゃないか!?」

やはり不遇な土ポンであった。

「良かった・・・・・・真面目に頑張らなくて・・・・・・。」 

 他の親衛隊員は胸をなでおろした。

「これは、テーマ・パークのアトラクションです! ポンの世界の理念は守られています! アハッ!」

 言い放つ皇女様。「非暴力・殺人NG」のポンの世界。既にポン・ランドがあるということは、例えると、ジェットコースターは、ジェットコースターなのでOKということになる。

ピキーン!

「いいことに気が付いた! 今度は、闇落ちが体験できるとか、模擬地雷踏みアトラクションとか、時速1000キロ出るジェットコースターを作ろう! アハッ!」

 遊園地開発に目覚めた皇女様の狂気。

「公募しても面白いな。みんなが思いついた罰ゲー・・・・・・面白いアトラクションを応募してね! 光ポン座布団プレゼント中! アハッ!」

 他人のアイデアはいただく主義の皇女様。

 つづく。

3-4-5

「ああ~! どうして私は、聖ポンなんだ!?」

 ポン歌劇団。舞台は、前日満員御礼。トップスターは、聖ポン。

「私が、光ポンの一種、聖ポンでなければ、もっと自由があっただろうに!?」

 暗いステージの中央で、ライトを一人浴び熱演する聖ポン。

「あなたの元に飛んでいけるのにー!?」

 聖ポンの悲鳴のようなセリフと共にライトが消え、再びステージは真っ暗になる。

「やるな。聖ポンのやつ。これなら人気ポンになる訳だ。」

 皇女様は、聖ポンの舞台を見にやってきていた。

「ポップコーンが美味しいです! エヘッ!」

 一緒に愛ちゃんもやってきて、映画館のようにくつろいでいた。

ピカーン!

「ああ~! どうして俺は、ポン魔王なんだ!?」

 スポットライトが付いたと思ったら、ポン執事が本人役で現れた。

「ポン執事!?」

「ゴホッゴホッ!?」

 皇女様は驚き、愛ちゃんはポップコーンを喉に詰まらせた。

「もしも、俺がポン魔王ではなければ、君を抱きしめられるのに!? しかし、闇ポンを身にまとっている俺では、愛する君を抱きしめるすらできない!?」
 
 この物語は、ポン皇女様の親衛隊長の聖ポンと、世界を支配しようとするポン魔王の悲劇の愛の物語である。

「聖ポン。」

「ポン魔王様。」

 聖ポンも現れ、二人の世界が繰り広げられる。

「私は、ポン皇女様を捨てます! あんな皇女どうなっても構いません! 私にはあなたの方が大切なのです!」

「私も世界征服の野望は捨てよう! 聖ポン、生まれ変わったら、光ポンも闇ポンも関係ない平和な世界で一緒に生きよう!」

「はい。ポン魔王様。」

 バタっと倒れこむ二人。その顔は幸せそうだった。

ポン! ポン! ポンポンポン!

 壮大な音楽と共に緞帳が降りる。

パチパチパチパチ! パチパチパチパチ! パチパチパチパチ!

 観客は、スタンディングオベーションで、盛大な拍手を舞台に送る。

「美味しかったですね! ポップコーン! エヘッ!」

 愛ちゃんは、相変わらずのポンコツぶり。

「うおおおおおおおー!」

 皇女様は感激して涙を流していた。

「皇女様、舞台に感動したんですね?」

「違うわい! 聖ポンに捨てられた!? 私はこの国の皇女だぞ!? うおおおおおー!」

 皇女様は、親衛隊長の裏切りに、悲しくて号泣していたのだった。

「聖ポンとポン魔王」

 ブロード・ポン・ウェイを皮切りに世界公演が決定!

 つづく。
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