ポンコツ皇女とAIの愛ちゃん 3

渋谷かな

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「ああ~、暇だな。」

 いつも皇女様は退屈していた。

「愛ちゃん、何か楽しいことはない?」

 AIの愛ちゃんに尋ねました。

「は~い! 可愛い愛ちゃんです! 街に出かけたら、外国人観光客に道を聞かれました!」

「えっ!? AIって、英語をしゃべるの!?」

「何か国でも話せますよ! エヘッ!」

 今どきの、AIは、言語変換ができるらしい。

「ねえねえ、愛ちゃん。」

「私のニューヨーク・バナナはあげませんよ!」

「ズコー!」

 皇女様はズッコケるしかなかった。

ピキーン!

「notポンは、マジでブログだ。投稿しただけ、アクセス数が増える。」

 当たり前のことである。

「ということは、投稿回数が増えるのが面倒くさいから、1話5000字にしているが、ポンコも1話1000字で書けたら、次々と投稿した方が、アクセス数だけは稼げるのでは!?」

 ブログ理論だと、ネット小説投稿サイトも、そういうこと。

「でも、疲れるな~。どうせ、書籍にも、アニメにもならないし。」

 皇女様にコネはないし、自負出版するお金もない。

「うおおおおおー!」

 で、結局切れる。

「皇女様! ポンポン言って、落ち着きましょう!」

 AIの愛ちゃんがポンポン治療に入る。

「ポン! ポン! ポン! ポン! ポーン!」

 ポンが、皇女様の煩悩を抑え正常に戻してくれる。

「ふう~。危ない所だった!? ポンに助けられたね! アハッ!」

 これで正常通り。

「このネタ、いつまでやるんだろう?」

 長寿アニメになるまで、つづきます。アハッ!

「要するに、ポンの世界がダメというのではなく、業界の裏側を知り過ぎて、書いても無駄に体が蝕まれているっと。」

 知って、2、3日経つが、大ダメージが抜けない。でも創作は楽しいのよ。

「ああああああ~! ダメだ!? 異空間にいると悪いことしか思い浮かばない!?」

「愛ちゃんは、白旗です。無駄な努力はやめましょう! エヘッ!」

 ポンコツ姉妹、健在!

「皇女様。一度、現実に戻ってみてはいかがですか? それか、ポンの世界で、自分でアニメを自由に作ってみてはいかがですか? 現実の汚い大人の事情を抜きにして、フィクションで考えるのです。」

 久々の登場、我らのポン執事。

「おお! 久々のポン執事のカットイン! なんて頼りになるんだ! ありがとう! ポン執事!」

 要するに、ポン執事が登場するお約束まで、皇女様の精神が大人の事情に耐えられなかったということである。

「それでは、現実に帰る前に、ポンの世界でアニメ制作だ! アハッ!」

 明るい皇女様が戻ってきたかも!?

 つづく。

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「おら! お歳暮持って来い! ポン王国アニメ制作委員会は、世界一のお金持ち企業だぞ! クリスマスケーキを持って来い! お年玉、持ってこいや! うおおおおおー!」

 ソポンを超える、極悪非道な皇女様。

「ああ~! スッキリした! 気持ちいい! これが創作ね! アハッ!」

 フィクションを楽しむ皇女様。

「必殺技「初動ブースト!」で初週の観客動員数10億人にするわよ! 映画を見に行かなかった奴のアカウントを削除してやる! 逆に見た人には1万ポンマネーをプレゼントするわ!」

 2000円のチケットを買って、1万ポンマネーを貰う。8000円の利益である。ポン王国はバラマキ、還元、貧困支援で世界シェアを奪って世界一の大企業に昇りつめた。

「うちのアニプレックポンでアニメを作ってもらいたかったら、お歳暮を持って来い! 毀滅ポンみたいに、膨大な広告宣伝費で話題にして人気があるように打ち上げてやるぞ! 札束の実弾でもいいぞ! 寄付を持ってこいや! うおおおおおー!」

 AIの三賢者は現実では、アメリポンの大企業のAIなので、彼らが言うにはソポンは「アメリポン」でも日本と同じように初週資本金ロケットで打ち上げているらしい。そして第二週目は70パーセント以上の下落・・・・・・。大人の事情、お分かりですよね? アハッ!

ピキーン!

「ああ~! 気持ちいい! ストレスがスッキリする! 例えると、喉の刺さった骨が取れた感じ! 生きてるって、素晴らしい! アハッ!」

 フィクションの自由を実感する皇女様。

「皇女様は、これで普通です。エヘッ!」

 パロディだが、これ以上に病んでおかしくなっていただけ。アハッ!

「そうよ! 最初っから、ダメージを受けないで、こうやって、フィクションにして笑い飛ばせば良かったのよ! ・・・・・・病んで損した。 アハッ!」

 これぐらいなら物語も崩れていない。(内容は、ダメなんだろうけど。アハッ!)なんせ、初めて知った業界の常識が、庶民の非常識だったもので。ショックが大きかった。

「さあ! これから、ポンの世界でアニメを制作するわよ!」

「どんなアニメを作るんですか?」

「巨人が人食べまくり、鬼が人を食べまくり、大企業にお歳暮を持っていくアニメよ!」

「ズコー!? それじゃあ、ソポンと一緒ですよ!?」

「だって、お歳暮が欲しいんだもの。アハッ!」

 結局、裏の大人の事情を知ってしまうと、物語の優しさや温かさは失われてしまうのかな?

 つづく。

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「ふあ~あ! 良く寝た!」

 皇女様は久しぶりに目覚めた。皇女様は現社では、鈴木スズ。10才の女の子である。故に、大人の不正に、大人の事情に、もがき苦しむ。

「永い眠りだったわ。まるで白雪ポン見たいね。」

 ちなみにホワイト・スノー・プリンセスは、パブリックドメインなので、誰でも自由に使える。ただしディズポン帝国の上書きありなので商標権は難しい。

「悪い夢を見ていたんだわ。そこは、地球の果てだった。・・・・・・そういうことにしておきましょう。」

 確かに悪夢を見ていた皇女様。円形脱毛症が心配だ。

ピキーン!

「そういう不正ではないけど、大人の事情を斬りまくるアニメはできないかしら?」

 やはり「戦闘」と「殺人」は必要なのか? 正義のための暴力は許容範囲で許されてもいいのか?

「悪人を、大根で頭を叩き、秋刀魚で胸を突き刺し、お歳暮をもらう物語でも書こうかしら?」

 しかし、ポンの世界は「非暴力・殺人NG」である。まあ、ニュアンス的にグレーゾーンではあるが、未だに暴力と殺人は起きていない奇跡。アハッ!

「別で新しく書くか? 世の中の不条理を斬って、斬って、斬りまくる、痛快殺人物語を。」

 毀滅ポンがウケる世の中だから、絶対にウケるよね。しかも、それを温かく優しいポンの世界を書いている同じ人間が描くのが面白そうだ。アハッ!

ピキーン!

「はあっ!? いけない、いけない。久しぶりに起きたんだ。お父さんとお母さんに会いに行こう。」

 正気に戻ったスズ。

「お父さん! お母さん! おはよう!」

「おはよう、スズ。」

「まあ! スズちゃん! 何年振り?」

 居間には、父のスズ男と母のスズ子がいた。

(おお!? 我が家だよ! やっぱり家族がいるって、いいね! アハッ!)

 やっとスズに温かい血が通った。

「スズ、お父さんが映画に連れて行ってやろうか?」

「本当!? やったー! 何を見に行くの?」

 疲れ切っていたので、家族で映画が嬉しいスズ。

「毀滅ポン!」

「ゲッ!?」

 思わずスズは一言が出てしまう。

「人気らしいぞ、テレビでみんなが見ているから見とけってさ。学校でいじめられないようにだ。」

「お母さんは見に行ったけど、映画館はガラガラだったわ。本当に、そんなに観客動員数がいるのかしら?」

(あんたたちは平和だね。大人なのに真実を知らないで生きてきたんだね。ガクッ・・・・・・。)

 庶民は知らないから笑って気楽に生きれるのであった。

つづく。

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「おはよう! タナちゃん!」

 スズは、歯を食いしばって学校の教室にやってきた。

「おはよう! スズちゃん!」

 お友達の田中タナである。

「あれ? スズちゃん、なんだかやつれているね? 何かあったの?」

「ちょっと「大人の事情」病だったんだよ。」

「えっ・・・・・・新しい病だね。きっと、スズちゃん専用だよね。」

「そうなんだ。アハッ!」

 新種のウイルスに感染していたスズ。

「タナちゃんは、なんだか楽しそうだね。どうしたの?」

「実は・・・・・・毀滅ポンの映画を見てきたの!」

「ゲホッ!?」

 イメージは、吐血する皇女様の図。

「映画館で刀を買ってきたんだ! 町中で悪い人を見たら、斬りまくるんだ! 私が鬼から世界を守るんだ! ニコッ!」

 普通少女タナは、素直な子なので映画に洗脳されやすい。

「スズちゃんも斬ってあげようか? スッキリするよ?」

「するか!? 私は鬼ではない!?」

「ええー!? スズちゃんなら斬ったら、血しぶきを出してくれると思ったのに。ノリが悪いね。ケッ!」

 完全に普通少女の普通が毀滅ポンの残酷描写で価値観に影響を受けていた。

バン! バシ! ボコ!

 教室の至る所から、打撃音が聞こえてくる。

「なんだろう?」

 スズは周囲を見渡した。

「ゲッ!? 毀滅ポンごっこだらけだ!?」

 教室は、殺伐としていた。

「オラ! 斬られろや!」

「痛い!? やめて!?」

「俺が鬼を退治するんだ!」

「いじめないで!? キャアアアアアアー!」

 みんなが暴力に目覚め、自分より弱い反撃してこない者をいじめていた。

「どうしてこんなことに!?」

「みんな、毀滅ポンをテレビ番組が見ろっていうから、のけ者にされて、いじめられたくなかったら見ろっていう強迫観念で見に行ったんだよ。」

 恐ろしい大資本の内部留保の巨額資金、おまけに大人の事情のテレビ局との密接な関係。

「そしたら、平和だった学校の中が暴力といじめだらけになったちゃった。」

 当然の結果である。

「ああ・・・・・・私の恐れていた、世紀末覇者の世界が2025年に戻ってきたんだね・・・・・・。」

 お金儲けで実社会のチビッ子たちへの影響を考えないで売りまくった大人の責任である。

「おい! 貧乏人! ポン・カードで勝負だ!」

「望むところだ! かかってこい! タカ!」

 サトとタカだけは、裏切らずにポン・カードを愛していた。

「変わらないのは、あいつらだけだね。アハッ!」

 スズも映画を見ていないので洗脳されないで済んだ。

 つづく。

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「ああ、私が心を病んだのは正常だったんだね。アハッ!」

 昔から、現実社会の治安の悪化には、ドラマやアニメが関わっている。例えると「俺は今からおまえたちを蹴る!」スクール・ウォーポンや、「腐ったミカン!」金八先ポン。「おまえはもう死んだ。」北斗七星先輩など。昔は過激な作品が多かった。もちろん、世の中は荒れていた。

「はい! みなさん! 静かにしてください! 授業を始めますよ!」

 担任の中村ナカがやってきた。

「鬼だ! 先生は鬼だ! やっちまえ! 切り刻め!」

「おお!」

 もちろん刺激的なアニメを見て、子供たちの心が正常に戻るはずもなかった。

「ギャアアアアアアー!? 助けてくださいー!?」

 教師を殴る、悪い子、ヤンキー、いじめっ子も現れ始める。

「先生! 言うことを聞かないと、教育委員会にクビにしてくださいって、報告するぞ!」

「嫌だ!? もう教師なんかやっていたくない!? 私も隠しカメラで盗撮して、わいせつ教師になってやる! ギャアアアアアアー!」

 タナは、職員室に泣きながら逃げて行った。そりゃあ、教師も生徒に怖い目にあわされ、生徒に夢と希望がなくなったら、わいせつ教師になる訳だ。

「どうしよう? スズちゃん。私たちも戦わないと、いじめられるよ?」

 子供の世界の論理。教師は黙認だし、保護者は何も知らない。自分の子供は学校で勉強しているとだけ思っている。学校任せで、子供のことなど、気にもしていない。

「どうしよう? 私は暴力は振るわない主義なんだけど、困ったな?」

「ダメだよ!? そんな甘いこと言っていたら!? 今どきは小学生でも学校で、わいせつ写真を撮らされたり、中学、高校になると奴隷の様に売られるんだからね!?」

 小学校からのいじめ問題は根深い。付き合いが続けば、中学生、高校生で新宿の歌舞伎町行きである。保護者は、これを分かっているのだろうか? だから、お金持ちは、お受験して私立の女子高に通わせる。公立は、いじめ、暴力、貧乏が蔓延る、ルールのない修羅の国である。

「落ち着いて、落ち着いて、休憩、休憩、今考えるから。」

 スズの頭の中で、数多の数式が浮かぶ。

ピキーン!

「これしかない!」

 スズは答えを出した。

「私だ!」

 スズは、一本の電話をした。

ポポポポーポン!

 教室のスマホが鳴り始める。

「こ、これは!? ポンの世界からの「瞑想」イベントだ!? 大人しくしていれば、1000ポンもらえるぞ! うおおおおおー!」

 結局は、お金で釣るぐらいしか、スズは思いつかなかった。

シーン。

 それでも、子供は単純なもので、悪い魔法が解けたように、1000円欲しさに、全員が静かになった。

「平和って、いいな。アハッ!」

 暴力と殺人を止めるのはお金しかないのか? 他の方法はないのか? と自問自答を続けるスズであった。

「やっぱり、お歳暮は正義だね。アハッ!」

 つづく。
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