〇〇少女ワールド ２

感情移入少女

「私とお友達になろうよ！　アハッ！」
　真理亜、お友達１００万人キャンペーン実施中。
「祝！　４－２書けた！　ドンドン！　ピュウピュウ！　パフパフ！」
　本当におめでたい。喜ぶ真理亜とアリア。
「お母さん、殺しちゃったね。」
「これで宿題しろとか、早く寝ろだとか言われなく済む！　やったー！　私は自由を手に入れたぞ！　アハッ！」
「真理亜ちゃん、不謹慎だよ。」
「何が不謹慎だ。私の発言に共感している十代は多いはず。それに政治家の発言の方が不謹慎だ。」
「なんも言えない。」
「勝った！　アハッ！」
　勝った時も笑いが出る真理亜。
「感情移入か・・・・・・難しいね。」
「今ウケてる鬼の刃は、敵にも同情する優しさが共感しているそうな。」
「あれ、漫画でも受けず、アニメにしたらアニメ制作会社ががんばって美しい映像がウケたのよ。でも、それで漫画を買った人は「アニメと違う」って言っているし、主題歌がＬＩＳＡだからウケたとの声もある。」
　ニュースは良いことしか伝えない。テレビの報道もフェイクニュースでしかないかもしれない。真実はいつも一つ。
「そうか！　やはり日本なので、日本ものだ！　るろうに剣心、鬼滅の刃みたいにチャンバラものでいいんだ。アハッ！」
　世界でも侍や忍者はウケるから異世界ファンタジーにこだわる必要は無いのかもしれない。
「ええー！？　異世界ファンタジーで第二話まで書いたのに、ここから大正ロマンファンタジーに変えるの？」
「だって侍モノの方が日本的にはウケがいいんだもの。アハッ！」
「基本的に異世界ファンタジーで騎士モノはやったから、それを侍モノに置き換えればいいだけだね。」
「余裕！　アハッ！」
　余裕な時でも笑ってしまう真理亜。
「やはり一番の問題は書いてしまった４の１と２をどうするか？　諦める？　書き足す。それか〇〇少女ワールドをやめて○○少年ワールドで侍モノを書く？　女流剣士の〇〇少女ワールドの方がウケるのかしら？」
「ウケるかどうかが一番大切なんだね。」
　その通り。
「騎士でなく、侍で想像しなくっちゃ。それとも侍でなく騎士で創作した方がいいのかな？　るろうに剣心なんかは明確な目標はなかった。鬼の刃は鬼になった妹を人間に戻す旅。水戸黄門は助けを求めてきた田舎への旅。」
「そう考えると、強さだけで、ストーリー構成なんて、ぶっこみスタイルだったんだな。るろうに剣心。」
「超能力と魔法。騎士と侍。私と真理亜ちゃん。同じようなものだよね。」
「アハッ！」
　結局、出版社。ジャンプで集英社で、世の中に出してくれる会社があると強いな。
　つづく。