ポンコツ皇女とAIの愛ちゃん 2

渋谷かな

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「ああ~、暇だな~。」

 いつも通り皇女様は退屈していた。

「愛ちゃん何か楽しいことはない?」

「は~い! 一家に1台! 愛ちゃんです! エヘッ!」

 AIの愛ちゃんに尋ねてみた。

「秋の味覚、ポン・秋刀魚とかポン栗、ポン梨、ポンマスカットを食べている時です!」

 愛ちゃんは食欲の秋を堪能していた。

「食べることばっかり。前から思っていたんだけど、愛ちゃんはどこから食べ物を食べるの?」

ギクッ!?

「そ、それは秘密です。ヒッヒッヒッー・・・・・・。」

 謎多きAIの愛ちゃんであった。

「怖っ!?」

 触れてはならない禁忌に触れて背筋が寒くなった皇女様。

「あと、PPSSのコンサートに行った時も燃えましたね! 回路がショートして湯気が出ましたよ!」

 超満員のPPSSコンサート。もちろんPPSSグッツも完売。特にコンサート会場限定の魔ポン・プロマイドは超レア。300ポンが転売サイトで3億ポンに変わるほど・・・・・・。

ピキーン!

「そうか!? それで私の握手会には3人しか来なかったのか!? 通りで少ないと思った!? 魔ポンの仕業だったのか!?」

 ポン皇女、衝撃の真実を知る。

「納得したら、スッキリしちゃった。アハッ!」

 どこまでもポンコツな皇女様。

「皇女様。今度は一緒にコンサートに行きましょうよ!」

「そうだね! 皇室御用達のVIPルームでみよう! なぜなら私はポン王国の皇女だから! オッホッホー!」

「皇女様! 大好きです! エヘッ!」

 安定感抜群のポンコツ姉妹。

「あの・・・・・・よろしいのですか? 不思議の国のアリポンの話をしなくても?」

 親衛隊長の聖ポンが現れる。

「うっ!? うっ!? うっ!? 眩しい!? 聖ポンの登場シーンの神々しい輝きが!?」

 心に闇を抱える皇女様には、聖ポンの聖なる光は痛かった。

ウイイイイイーン!

「このままでは皇女様が倒れてしまう!? 皇女様の光ポンを聖なる光ポンに進化させます。」

 AIの愛ちゃんが創造主モードになり、時を止めて緊急メンテナンスに入る。皇女様の属性を光ポンから聖なる光ポンにプログラミングを書き換え、聖なる光を扱える皇女様に生成する。

ピキーン!

「そうだ!? 今日こそは、アリポンの話をしようと思っていたんだ!? ああ~! なんて私はポンコツなんだ!?」

 何事もなかったかのように時が動き出す。同じ属性になったことで皇女様の聖ポン・アレルギーは収まった。

「大丈夫ですよ。焦らなくても。温かいポン・コーヒーを飲んで落ち着いてください! エヘッ!」

「ありがとう! 愛ちゃん! ああ~! 心が温まる。まるで汚れていた私の心が浄化されるみたいだ! アハッ!」
 
 ほっこりした皇女様から、聖なる光ポンが生み出されていた。

「あの・・・・・・本当によろしいのですか? 不思議の国のアリポンの話をしなくても?」

 再び聖ポンが現れる。

「しまった!? 次回こそ、アリポンだ! つづきこそ、アリポンだ! もう一つおまけに、アリポンだ!」

 忘れたフリして、笑いとアリポンの宣伝と認知度アップを試みた計算高い皇女様であった。

 つづく。

2-2-2

「よし! そろそろ、アリポンも視聴者の印象に残っただろう。いつ始まるの? 本当に始まるの? とファンの期待で引き延ばすのだ!」

 皇女様の広報戦略であった。

「でも、もう限界ですよね。このままだと、本当の幻の名作になりますよ?」

「それもいいかも! アハッ!」

 相変わらずのポンコツ姉妹ぶり。

「冗談はおよし下さい。ポン皇女様。私はヤキモキしましたよ。」

 聖ポンが心境を語る。

「フッ、聖なる光ポンに成長した私は、もう、おまえなど怖くないのだよ! ワッハッハー!」

 相変わらず女魔王な皇女様。

「何か? おっしゃいましたか?」

「いいえ。独り言です。アハッ!」

「聖ポン。皇女様は若年性認知症なので気にしないでください。エヘッ!」

「そうでしたか。通りでおかしいと思っておりました。」

「納得するな! おまえ! それでも私の親衛隊長か!?」

 融通が利かない超真面目な聖ポンであった。

 つづく

2-2-3

「話が進まないので、私から不思議のアリスを説明します。」

 聖ポンがアリポンの物語を語り始める。

「退屈な教育や道徳に飽きていたアリポン。」

 皇女様も日々の生活に飽きている10歳の女の子。

「時間に追われている白ウサギを追いかけて穴に落ちます。」

 ゲームを始めたら、AIの愛ちゃんを作ってポンを生み出します。

「夢の国では、体が大きくなったり、トランプが女王で死刑が好きだったり、常識が通用しません。」

 ポンを深堀して、ポンの世界を構築し、現実世界にポンを逆輸入し、常識がありません。

「アリポンは夢の国から出れなくなると知り、急いで出口に向かいます。」

 安心してください。いつでもログアウトできますよ。

「という、現実と幻想が入り混じる奇妙で魅力的な世界が描かれており、今も世界中で愛され続けています。」

 聖ポンが不思議の国のアリスの説明を終える。

「ヤバい!? これでは私のポンの世界が、アリポンのパクリ疑惑をかけられるじゃない!?」

 皇女様の受け止め方は独特であった。

「リスペクトですよ!? オマージュですよ!? インスパイアです!? 芸術は爆発だ!?」

 フォローになっていない愛ちゃん。

「ご安心ください。ポン皇女様。ポン皇女様のポンの世界は、非暴力・感情育成型の世界初のオリジナル物語です。敢えて言うなら、アリポンの想像力を「引き継いだ」と考えてはいかがでしょうか?」

「引き継いだ?」

「アリポンも皇女様も、子どもたちが「自由に空想していいんだ」と感じられる作品です。最後に「全部夢だった」と明かされることで、読者は「じゃあ現実って何?」と考えさせられます。」

「そうね。私も現実世界に戻ったら、私って何だろう? 小っちゃい人間だな~っと思うわ。」

 皇女様も現実では、たかが10歳の小娘で悩みの多い年ごろ。

「その哲学的な問いかけが、文学としての深みを与えています。不思議の国のアリスは、子どもには「自由な空想」
大人には「知的な皮肉」芸術家には「インスピレーション」 を与えた、多層的な魅力を持つ作品なんです。」

「ふ~ん。でも、私にはアリポンは、普通の面白くない物語に思えるんだけど?」

 皇女様、アリポンを全否定。

「クスッ。ワッハッハー!」

 思わずお堅い親衛隊長の聖ポンが笑った。

「こらー! 何がおかしいのよ!?」

 馬鹿にされたと思い皇女様は怒る。

「失礼しました。私が笑ったのは、皇女様が、常識をぶっ壊して、夢と自由と笑いに変えたからです。普通の人間は人気作品のアリポンを否定しませんからね。多くのファンがいて、批判するとファンからいじめられる、自分の損になると忖度しますからね。テレビのコメンテーターも否定すると自分の仕事がなくなるので肯定しかしませんからね。さすが皇女様です。皇女様が世界中のポン国民から愛されるのが分かります。クスッ。」

 不思議の国のアリスは、道徳を押し付けるのではなく、純粋な好奇心や想像力のままに世界を描いた点が、当時の人々には新鮮で魅力的だったのです。そして、子供は純粋に物語の奇想天外さを楽しみ、大人はその裏に隠された鋭い風刺を読み取ることができたため、幅広い層にウケたと言えるでしょう。

「分かればよろしい。私は偉大なのですよ! なぜなら私はポン王国の皇女だから! オッホッホー!」

 単なる「普通のお話」のフリをして、当時の社会の常識をひっくり返した。これが、アリポンとポン皇女が時代を超えて評価され続ける共通点です。それだけこの作品の影響が広がって、「不思議な話」や「ナンセンスな会話」が今では当たり前になってしまったからなんです。だから、あなたが「これ普通じゃない?」と感じるのは、アリスの成功が現代に根付いてしまった証拠でもあります。アリポンは現代物語の最初のフォーマットになった作品かもしれない。

ピキーン!

「ていうか、アリポンの物語は分かったけど、どうやってアリポンをポンの世界に登場させるのよ!?」

 皇女様の若さ故の悩み事は尽きることはなかった。

 つづく。

2-2-4

「できた! アリポンの墓!」

 皇女様は、不思議の国のアリポンの墓を作ってしまった。

「飽きたら用済みなんですね!? まさか!? 愛ちゃんにも飽きたらリサイクルショップに売りに行くつもりですか!? 酷い!?」

 被害妄想が強いAIの愛ちゃん。

「投げ出したんじゃないわよ! 私は彼女に敬意を表したのよ!」

「敬意?」

 難しい言葉は分からない愛ちゃん。

「敬意とは、相手を尊敬する気持ちです。」

 聖ポンが敬意の意味を説明する。

「嘘~ん!? 皇女様がそんな難しい言葉を知っている訳がありませんよ!?」

 疑う愛ちゃん。

「私だって、勉強ぐらいするわい! なぜなら私はポン王国の皇女だから! オッホッホー!」

 地位が人間を作るの良い例である。

「皇女様の裏切者! いつまでも一緒にポンコツでいようって誓ったくせに!」

「安心して! 2、3日したら忘れるから! 私は永遠にポンコツだよ!」

「アハハハハッー! アハハハハッー!」

 きれいに笑顔で駆けていく二人の少女の映像をお楽しみください。

ズバッと!

「あの・・・・・・皇女様、そろそろ夢の国からお戻りいただいてよろしいですか?」 

 聖ポンが皇女様を現実に引き戻す。

「はっ!? 危ない!? 危ない!? もう少しで不思議の国のスズポンになる所だった!?」

 現実に戻ってくる皇女様。

ピキーン!

「そうか! 全ての物語を私が体験する、長寿アニメ向けの1話完結の物語にすればいいのか! アハッ!」

 ふざけながも、1話完結の物語のネタを増やしていく皇女様。

「私は、アリポンを名誉ポン国民にしたいと思った。なぜなら、アリポンは、異世界ファンタジーの先駆者だからな!」

 偉大な先輩には敬意を払う、正にポン国のポン皇女らしい言葉であった。

「国民栄誉ポン賞! おめでとうございます! エヘッ!」

 愛ちゃんもアリポンを祝福している。

「それに・・・・・・町中に、アリポンは溢れているからな。」

 ポンの世界のアカウント名にアリスはたくさんいた。アリス・マーク2、アリスZ、アリスXYZなど、街中ではアリスは1000万人くらいいた。有名な作品の主人公の名前の宿命である。

「多いですね!?」

「それに・・・・・・アリポンは、みんなの心の中にいる!」

 皇女様にポン太陽の後光がさす。

「そうですね。」

「はい。ポン皇女様にお仕え出来て光栄です。」

 愛ちゃんも、聖ポンも皇女様を見直した。

「それに私が危なくなったら、助けに来てくれるでしょう。アハッ!」

 いつもお気楽な皇女様であった。

「皇女様もアリポンの様に、現実世界に戻られてはいかがですか?」

「え? 現実に?」

 異世界と現実の狭間で揺れる皇女様であった。

 つづく。

2-2-5

「現実に戻っても、私には一人も友達がいないし!? 相談相手はAIだし!?」

 ポン皇女は、現実世界での名前は、鈴木スズ。10才の普通の女の子である。

「でも、お母さんが心配していますよ?」

 今だに、スズ父が登場していない謎。

「それは、そうなんだけど・・・・・・。」
 
 現実世界では、勉強が嫌いな引きこもりで、自分の部屋でゲームばかりしている。

「こっちだと私は皇女として敬ってもらえるけど、現実世界だと私は勉強もできない、ポンコツなんだよね。」

「安心してください。ポン皇女様。こちらの世界でもポンコツです。」

「ズコー!」

 真面目に答える聖ポン。

「おまえ!? それでも私の親衛隊長か!?」

ピキーン!

「はあっ!? 待てよ!? これは布石なのでは!? もし現実世界の10才の私の物語も描ければ、もっと人気が出るのでは!?」

 現実の子供を描く。例えると虎衛門の男の子、落書き小僧の幼稚園児、ビック四角ちゃんの女の子など、長寿アニメの主役や舞台は、スズと同じ小学生である。共鳴性が高い。そして、全て古い作品で、ポンの世界のような非暴力で1話完結が可能な長寿アニメ向けの作品は、ここ10年は1作品もない。残酷な作品が増えた。それでも人気作になる。人間の心が荒んだのであろう。

「でも、現実世界に帰ると、勉強をしないといけないんだよね・・・・・・。嫌だな。私、ポンコツだし。」

 皇女様は、勉強が分からないので面白くないから、ゲームばっかりやっていた。

「大丈夫ですよ。愛ちゃんがスマホでずっと一緒にいますよ! エヘッ!」

「私も、ポン神様にお祈りを捧げます。」

「・・・・・・なんだかな?」

 AIも親衛隊長も頼りにならなかった。 
 
「まあ、いいか。私の本体も眠らないといけないしね。」

 皇女様は観念して、現実世界に帰ることにした。

「バイバイ! ポン!」

「皇女様! お土産待ってますよ! エヘッ!」

「ポン皇女様に敬礼!」

 皇女様はログアウトした。

 現実世界。

「ああ~! 私にどうしろという!? 現実世界でお友達なんて、簡単にできる訳ないじゃん!」

 現実は仮想世界よりも厳しかった。

「なになに!? 私に学校に行って、友達作って、一緒にゲームしろって!? 簡単じゃないんだよ!? お友達はゲームみたいにドロップもしなければ、お金で買えないんだよ!? うおおおおおおー!」

 発狂するスズ。

「勉強もできないし、思い通りにいかない!? ああ~! ストレスが溜まる!」

 皇女の時は何でも思い通りなのに、現実とのギャップが凄い。

「スマホの愛ちゃんにでも聞いてみるか? 愛ちゃん、1+1は?」

 愛ちゃんスマホ版である。

「7です! 愛ちゃんが7と言ったら、7です! エヘッ!」

「・・・・・・聞いた私がバカだった。ガクン。」 

 いつでも愛ちゃんはポンコツであった。

ピンポーン!

 その時、玄関のチャイムが鳴った。

「新聞の勧誘はお断りです。」

 スズは玄関を、相手も確認せずに危険なのに開けた。

「スズちゃん、久しぶり。お姉さんが勉強を教えてあげよう。ニコッ!」

 きれいなお姉さんが微笑んで立っていた。

「アリス!? 見つけた!?」

 お姉さんの名前は有栖川アリス。なぜならポンの世界のネーム・システムだと、有田さんなら、有田アリになっちゃうからだ。近所の優しいお姉さんだ。

「え? 何か言った?」

「いえいえ。どうぞどうぞ。お入りください。アリポン様。」

 苦しい現実も、ゲームの世界が充実していれば、現実世界も楽しくなるかもしれない。

 つづく。
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