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「長いよ。」
美代先生は16話を読んでいない。普段読書などしない美代先生には、ここまでの作業でも長く感じてしまう。
「みなみも、もう、フラフラです。」
「キュル~。」
普段、本など読んだことのない歯科助手とパンダも目をクルクル回していた。
「ここで全体の3分の1ですよ。」
「まだ半分も超えてないのか!? ほえ~。」
「キュル・・・。」
バテバテの歯科医師と歯科助手とパンダ。
「みなみちゃんもアホな歌を歌ってるじゃないか。」
美代先生は16話を読んだ。私は可愛いみなみですの歌を歌っている。
「美代先生の金の亡者カモネギの歌より、よっぽどマシです。」
「キュルキュル。」
どっちもどっちと思っているパンダ。
「みなみちゃん2がいよいよ始まったね。」
「始まりましたね。奇跡を感じますね。さすが、みなみです。」
「キュル。」
パンダも奇跡を感じている。
「でも、あれだね。一人の人間が生涯に残せる作品というのは、少ないんだろうね。」
「そうですね。さらにヒット作として世の中に出る作品も少ないですね。」
「キュル。」
世の世知が無さも感じるパンダ。
「倉朝君か、みなみちゃん。二人の恋は進展したの?」
「え? 私たち別に付き合ってはいませんよ。」
「そうなんだ。もったいない。」
「そうですね。公務員だし、もったいない。」
「キュル。」
飼い主が公務員と結婚すれば、自分の生活水準も良くなると期待しているパンダ。
「それにしても倉朝君の虫歯は、漢字で愛という字が生えてきただけど、そこはピンクのハートが生えてきたの方が良いかもね。」
「なんだか新作の編集会議みたいですね。」
「だって大人だもの。」
「キュル。」
大人は仕事をしないといけない。という価値観を子供の頃から植え付けられている。でもお金持ちのお坊ちゃまやお嬢様は仕事をしない。やるとすればボランティアの方がお金持ちの御子息御令嬢が多く、玉の輿に乗りやすいというオチである。
「どうして非公開なんだろう?」
美代先生は、なぜか先に非公開のみなみ3のまえがきを読んだ。
「今となっては、通常のみなみの内容ですね。」
「分からんな。」
「キュル。」
悩み事の多いパンダである。人生に答えは無い。表もあれば、裏もある。表だけでも大人らしく社会人らしく、辺り触らず接すればいいのに、現実は上司に媚びを売るハエ、他人に危害を加えるゴミばかりが出世していく。逆に良い人や優しい人は会社から去って行く。悲しいね。
「おっと、真面目なシリアスな文章になっているぞ!?」
「これはラノベですよ!? 重い重い!? みなみは尻の軽い女の子ですよ!?」
「キュル。」
「アハハハハ!」
作品が重たくなったので、笑って誤魔化す歯科医師と歯科助手とパンダ。
「パンダライセンスか・・・忘れてた。」
美代先生は17話を読んだ。歯科治療の日本政府公認のシークレットライセンスは覚えているが、パンパンをペットとして飼える中国政府公認のパンダライセンスなんてものを創作したことは忘れていた。
「みなみも忘れていました・・・飼い主失格です。」
「キュル。」
そうだそうだとうなずくパンダ。
「きれいにみなみちゃんの夢も希望も無い日常が描かれているな。」
「まだみなみは外出するだけマシですよ。最近は引きこもり女やネット依存症女ばっかりなんですから。」
「そうだね。みなみちゃんは小説の主役だしね。」
「はい。みなみは美代先生の助手です。」
「キュル。」
うまく話がまとまって嬉しいパンダ。
「やっぱりパンダは上野だよね。」
美代先生は19話を読んだ。現在のパンダブームを先取りするかのように、パンダを、ここまで登場させる作品も他には無いだろう。戦える武器、唯一の強み、独自のパンダ路線は、この物語の長所である。
「日本には和歌山の白浜にもいるそうですよ。」
「キュル。」
堂々と胸を張るパンダ。
「一気にパンパンに出番を奪われた感があるな・・・。」
「仕方ありませんよ。みなみ3はパンパンが主役なんですから。」
「キュル。」
ついに主役の座を射止めたパンダ。
「我々はパンパンのおまけだね。」
「パンパンが可愛いから許します。」
「キュル。」
自分のことを可愛いと思っているパンダである。
「終わっちゃったね。」
美代先生は20話を読んだ。みなみ3も終わりである。
「感動しましたね。シクシク。」
「キュルキュル。」
感動して涙を流す歯科助手とパンダ。
「どこに泣くところがあるんだ?」
「全編に盛り込まれているじゃないですか!?」
「キュル!?」
抗議する歯科助手とパンダ。
「バズーカまで撃ってる人間がよく言うわ。」
「みなみ、バズーカ砲のライセンスは持ってませんよ!」
「キュル。」
みなみちゃんはシークレットライセンスで何でもできる、ラノベ独特の特性を生かしたキャラである。
「でも先生、どうして過去作を読み返したんですか?」
「みなみちゃんにしては、いい質問だね。」
「キュル。」
パンパンは読み終えて清々しい気分で合いの手を入れている。
「それはね。やっぱり過去があるから現在がある訳であって、それを踏まえて未来がやって来るのね。」
「はい。」
「だから過去作を復習して、次の話を書かないと、内容に矛盾が生じるでしょ。」
多くの普通の読者は気にしないんだけど、1部の編集と揚げ足取りのクレーマー対策である。
「大変なんですね。」
「キュル。」
「そう大変なんだよ。一般素人でもラノベ小説を書くの・・・って、おい。みなみちゃん、あなたが主役でしょ!?」
「あ、そうでした。これからもがんばります。」
「キュル。」
これでも歯科モノである。
「みなみ、いきます!」
「キュル!」
飛び立って去って行く歯科助手とパンダ。
「あ!? こら!? 逃げるな!?」
置いていかれた歯科医師。
「みなみ、逃げます!」
「キュル!」
自由の翼が付いているラノベ主人公の歯科助手とパンダであった。
つづく。
美代先生は16話を読んでいない。普段読書などしない美代先生には、ここまでの作業でも長く感じてしまう。
「みなみも、もう、フラフラです。」
「キュル~。」
普段、本など読んだことのない歯科助手とパンダも目をクルクル回していた。
「ここで全体の3分の1ですよ。」
「まだ半分も超えてないのか!? ほえ~。」
「キュル・・・。」
バテバテの歯科医師と歯科助手とパンダ。
「みなみちゃんもアホな歌を歌ってるじゃないか。」
美代先生は16話を読んだ。私は可愛いみなみですの歌を歌っている。
「美代先生の金の亡者カモネギの歌より、よっぽどマシです。」
「キュルキュル。」
どっちもどっちと思っているパンダ。
「みなみちゃん2がいよいよ始まったね。」
「始まりましたね。奇跡を感じますね。さすが、みなみです。」
「キュル。」
パンダも奇跡を感じている。
「でも、あれだね。一人の人間が生涯に残せる作品というのは、少ないんだろうね。」
「そうですね。さらにヒット作として世の中に出る作品も少ないですね。」
「キュル。」
世の世知が無さも感じるパンダ。
「倉朝君か、みなみちゃん。二人の恋は進展したの?」
「え? 私たち別に付き合ってはいませんよ。」
「そうなんだ。もったいない。」
「そうですね。公務員だし、もったいない。」
「キュル。」
飼い主が公務員と結婚すれば、自分の生活水準も良くなると期待しているパンダ。
「それにしても倉朝君の虫歯は、漢字で愛という字が生えてきただけど、そこはピンクのハートが生えてきたの方が良いかもね。」
「なんだか新作の編集会議みたいですね。」
「だって大人だもの。」
「キュル。」
大人は仕事をしないといけない。という価値観を子供の頃から植え付けられている。でもお金持ちのお坊ちゃまやお嬢様は仕事をしない。やるとすればボランティアの方がお金持ちの御子息御令嬢が多く、玉の輿に乗りやすいというオチである。
「どうして非公開なんだろう?」
美代先生は、なぜか先に非公開のみなみ3のまえがきを読んだ。
「今となっては、通常のみなみの内容ですね。」
「分からんな。」
「キュル。」
悩み事の多いパンダである。人生に答えは無い。表もあれば、裏もある。表だけでも大人らしく社会人らしく、辺り触らず接すればいいのに、現実は上司に媚びを売るハエ、他人に危害を加えるゴミばかりが出世していく。逆に良い人や優しい人は会社から去って行く。悲しいね。
「おっと、真面目なシリアスな文章になっているぞ!?」
「これはラノベですよ!? 重い重い!? みなみは尻の軽い女の子ですよ!?」
「キュル。」
「アハハハハ!」
作品が重たくなったので、笑って誤魔化す歯科医師と歯科助手とパンダ。
「パンダライセンスか・・・忘れてた。」
美代先生は17話を読んだ。歯科治療の日本政府公認のシークレットライセンスは覚えているが、パンパンをペットとして飼える中国政府公認のパンダライセンスなんてものを創作したことは忘れていた。
「みなみも忘れていました・・・飼い主失格です。」
「キュル。」
そうだそうだとうなずくパンダ。
「きれいにみなみちゃんの夢も希望も無い日常が描かれているな。」
「まだみなみは外出するだけマシですよ。最近は引きこもり女やネット依存症女ばっかりなんですから。」
「そうだね。みなみちゃんは小説の主役だしね。」
「はい。みなみは美代先生の助手です。」
「キュル。」
うまく話がまとまって嬉しいパンダ。
「やっぱりパンダは上野だよね。」
美代先生は19話を読んだ。現在のパンダブームを先取りするかのように、パンダを、ここまで登場させる作品も他には無いだろう。戦える武器、唯一の強み、独自のパンダ路線は、この物語の長所である。
「日本には和歌山の白浜にもいるそうですよ。」
「キュル。」
堂々と胸を張るパンダ。
「一気にパンパンに出番を奪われた感があるな・・・。」
「仕方ありませんよ。みなみ3はパンパンが主役なんですから。」
「キュル。」
ついに主役の座を射止めたパンダ。
「我々はパンパンのおまけだね。」
「パンパンが可愛いから許します。」
「キュル。」
自分のことを可愛いと思っているパンダである。
「終わっちゃったね。」
美代先生は20話を読んだ。みなみ3も終わりである。
「感動しましたね。シクシク。」
「キュルキュル。」
感動して涙を流す歯科助手とパンダ。
「どこに泣くところがあるんだ?」
「全編に盛り込まれているじゃないですか!?」
「キュル!?」
抗議する歯科助手とパンダ。
「バズーカまで撃ってる人間がよく言うわ。」
「みなみ、バズーカ砲のライセンスは持ってませんよ!」
「キュル。」
みなみちゃんはシークレットライセンスで何でもできる、ラノベ独特の特性を生かしたキャラである。
「でも先生、どうして過去作を読み返したんですか?」
「みなみちゃんにしては、いい質問だね。」
「キュル。」
パンパンは読み終えて清々しい気分で合いの手を入れている。
「それはね。やっぱり過去があるから現在がある訳であって、それを踏まえて未来がやって来るのね。」
「はい。」
「だから過去作を復習して、次の話を書かないと、内容に矛盾が生じるでしょ。」
多くの普通の読者は気にしないんだけど、1部の編集と揚げ足取りのクレーマー対策である。
「大変なんですね。」
「キュル。」
「そう大変なんだよ。一般素人でもラノベ小説を書くの・・・って、おい。みなみちゃん、あなたが主役でしょ!?」
「あ、そうでした。これからもがんばります。」
「キュル。」
これでも歯科モノである。
「みなみ、いきます!」
「キュル!」
飛び立って去って行く歯科助手とパンダ。
「あ!? こら!? 逃げるな!?」
置いていかれた歯科医師。
「みなみ、逃げます!」
「キュル!」
自由の翼が付いているラノベ主人公の歯科助手とパンダであった。
つづく。
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