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8.第四界
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先に話し出したのが武藤さんのお母さん、後の謝ってばっかりなのが武藤さんらしい。
武藤さんが謝る事なんてあるんだ。
しかもお母『様』? 体育祭のときのお父『サン』お母『サン』っていうのは外向きの呼び方ってことか。
コウダはほふく前進で窓下のスペースに隠れて俺の方に寄ってきた。
俺の横で起き上がってしゃがむ。
「今だったらあっちから出ても本人はいないってことだろうから、急いで出るぞ」
コウダのこの耳打ちはなるほど。
なんだけど、でも。
「さっき武藤さん、こっちにきてる感じだったんだよ?」
「本人が複数いるのはレアケースだから、サトウくんのときと結び付けて考えないようにしろ。
俺達がこの部屋に来た後で『中』が変わって、ムトウさんの行き先も変わったと考えるのが妥当。
とすると、武藤さんは窓の外にいる一人だ」
「だとしてもさ。来た道がどうなってるかわかんないんでしょ?
居なくなってから窓脱出した方がよくない?」
俺の再提案はコウダにぼそっと否定された。
「両方居なくなるとは限らないだろ」
確かに。
二手に別れられる前に出る方がましか。
俺とコウダが相談する間も、窓の外のなんかの練習とお母さんの罵声は続いた。
「だめ! 全然だめ!
何歳からやってるの!?
いまさらプリエがなってないなんてありえないから!」
絡まりそうだった紐をコウダが改めてたぐり寄せているその間にも、外のお母さんの声はヒートアップしていった。
盛大でこれ見よがしな嘆息。
「これじゃなんのために生んだんだか。
金が出せて余裕がありそうな男のうちで身長があって柔軟性もあるのを吟味して吟味して選んで我慢したの。
実際身長も165まで出たし、手足は私に似て長くなったし、顔も含めた見た目総合的にもプリマになれる要素は揃ってる。
遺伝子の選択は完璧だったはずなの。
なのになんで膝も股関節もそんなに硬いのよ!!!」
武藤さんの声は聞こえない。
代わりにとん、とんという、床からジャンプして着地したと見られる音。
「そこから立ちなさい。ゆっくり。
そう、そう、そう、…ちーがーうーかーらぁああ!!」
ずかずかと数歩歩く音がしたと思った矢先。
パァン
平手打ち。おそらくお母さんから、武藤さんの頬に。
窓のほうは見ない。絶対に見ない。
聞いてるとすごい口が乾いてからからだし、胸糞悪い。
あいつら早く消えてくれ。
逆か。早く出ようこんなとこ。
「あーもう! この体たらくの癖に食べた分だけ太るとこはあの人そっくりなんだから。
分かってる?
ねぇ、あなたのことよ?
私はバレエやめてもこの通りだけど、あなたはやめたら…ね。
ブタよ豚。豚一直線なの。
だから、これしかないのよ。
…なによ。なんなの? その目。
じゃ完璧になさい。ほら次! 直ぐよ直ぐ!」
コウダに続いて部屋から脱出しにかかるべく、見慣れてきていた欠けた円のある柱を後にする。
その間際、ちらりと窓に目をやると、窓枠の中の武藤さんは軽やかに宙に飛び立った後、ばねのようになるはずだったろうその脚で体を支えられず、崩れるように地面に落ちた。
どさっという音を後にして部屋から廊下へ出たとき、今まで『中』で感じてきたのとは異質な安堵感が全身に染み渡った。
…まだ口の中ねばねばする。水分欲しい。
コウダに続いて入ってきた時よりさらに細く長くなってる廊下を横向きに進みながら、思い出さないようにと思っても思い出してしまう。
聞いてただけで気分悪かったあの罵声。
あんなの毎度毎度聞いてるからあんなに学校でああやって周りにきつくなるんだろうか。
逃げ出そうにも自分の家。どうしようもないから我慢してんのかなぁ。
体格差的にはもう殴り返せば勝てるんじゃないかって気がするのに。
しおらしくというより、お手を仕込まれた犬のように返事をする武藤さんの声は虚ろで。
すごく見ちゃいけないものを見たというか。
唾液とともになんだか苦いものが込み上げた。
いかんいかん。切り替えないと。
なにせ道がめんどくさ~い感じに変化してるんだから。
ところどころ壁や床から突っかえ棒的な円柱状の細長い突起が生えてきた上に、床にランダムな四角い黒い模様も付いてて障害物が見えずらい。
気を付けて避けるのが一苦労の今、そんなの思い浮かべてると…おっとぉ。
ほら。突っかえた。
頑張って股を開けるだけ開いて横に。
あれ、もしかして紐ひっかかってる?
おぉっ…ととととまってまって、えーっと…どこ?
ああ、これか。
斜め下のあたりにぴよっと飛び出た出っ張りから紐をそっと外しにかかる。
たわんだ紐の下に指を差し入れて広げたその時、しゅるりと紐が引っ張られた。
痛たたた…。
コウダが気づかずに前に進んだらしい。俺の指は紐に挟まれた。
引っ張られて気付いたらしく、振りかえって片手でゴメンと謝られる。
はー。外れた。よかった。これで前進できる。
その棒をうまいこと跨ぐと、どうももうすぐこの狭い空間から出られそうなことが分かった。
今回こういう地味~なダメージ多いなぁ。
川藤さん・安藤さん・佐藤までの『中』ってあんなハードな感じだったのに、こういうちょっとした怪我って無かったんだよね。
地味で命に別状ないけどそれなりに痛いっていう。
そしてこんなしょーもない仕掛けで傷を負う自分の能力のなさがもっと痛いっていう…。
出るころには青痣・生傷いっぱいになってる気がする。
この足元の縦になった棒を避けつつ目の前の横向きの棒をくぐれば…道の出口は後一歩。
っとよし! よかったこれでこのニョキニョキ棒ゾーンから離れられる!
「気を付けろ。そこ…」
コウダの話をちゃんと聞こうと前を向いた。
「足元、模様じゃなくて穴だから」
ごすっ
棒をくぐった向こうの一歩目の着地点。
丁度足の裏の長さマイナス3cmくらいの横に長い穴。
爪先だけ向こう岸に付いてたけど、踵がハマった。
腕でバランスをとりながら前に…と思ったけど、真の罠は後ろだった。
痛だっ!
さっきくぐった棒が後頭部をノック。
いかん、このままだと後ろに尻餅。しかもあの辺って、床から縦に棒が生えてたから…。
想像できた時、既に俺のケツは重力に従って自由落下し始めていた。
嫌ァ! ホールインワンはイヤァァア!!
武藤さんが謝る事なんてあるんだ。
しかもお母『様』? 体育祭のときのお父『サン』お母『サン』っていうのは外向きの呼び方ってことか。
コウダはほふく前進で窓下のスペースに隠れて俺の方に寄ってきた。
俺の横で起き上がってしゃがむ。
「今だったらあっちから出ても本人はいないってことだろうから、急いで出るぞ」
コウダのこの耳打ちはなるほど。
なんだけど、でも。
「さっき武藤さん、こっちにきてる感じだったんだよ?」
「本人が複数いるのはレアケースだから、サトウくんのときと結び付けて考えないようにしろ。
俺達がこの部屋に来た後で『中』が変わって、ムトウさんの行き先も変わったと考えるのが妥当。
とすると、武藤さんは窓の外にいる一人だ」
「だとしてもさ。来た道がどうなってるかわかんないんでしょ?
居なくなってから窓脱出した方がよくない?」
俺の再提案はコウダにぼそっと否定された。
「両方居なくなるとは限らないだろ」
確かに。
二手に別れられる前に出る方がましか。
俺とコウダが相談する間も、窓の外のなんかの練習とお母さんの罵声は続いた。
「だめ! 全然だめ!
何歳からやってるの!?
いまさらプリエがなってないなんてありえないから!」
絡まりそうだった紐をコウダが改めてたぐり寄せているその間にも、外のお母さんの声はヒートアップしていった。
盛大でこれ見よがしな嘆息。
「これじゃなんのために生んだんだか。
金が出せて余裕がありそうな男のうちで身長があって柔軟性もあるのを吟味して吟味して選んで我慢したの。
実際身長も165まで出たし、手足は私に似て長くなったし、顔も含めた見た目総合的にもプリマになれる要素は揃ってる。
遺伝子の選択は完璧だったはずなの。
なのになんで膝も股関節もそんなに硬いのよ!!!」
武藤さんの声は聞こえない。
代わりにとん、とんという、床からジャンプして着地したと見られる音。
「そこから立ちなさい。ゆっくり。
そう、そう、そう、…ちーがーうーかーらぁああ!!」
ずかずかと数歩歩く音がしたと思った矢先。
パァン
平手打ち。おそらくお母さんから、武藤さんの頬に。
窓のほうは見ない。絶対に見ない。
聞いてるとすごい口が乾いてからからだし、胸糞悪い。
あいつら早く消えてくれ。
逆か。早く出ようこんなとこ。
「あーもう! この体たらくの癖に食べた分だけ太るとこはあの人そっくりなんだから。
分かってる?
ねぇ、あなたのことよ?
私はバレエやめてもこの通りだけど、あなたはやめたら…ね。
ブタよ豚。豚一直線なの。
だから、これしかないのよ。
…なによ。なんなの? その目。
じゃ完璧になさい。ほら次! 直ぐよ直ぐ!」
コウダに続いて部屋から脱出しにかかるべく、見慣れてきていた欠けた円のある柱を後にする。
その間際、ちらりと窓に目をやると、窓枠の中の武藤さんは軽やかに宙に飛び立った後、ばねのようになるはずだったろうその脚で体を支えられず、崩れるように地面に落ちた。
どさっという音を後にして部屋から廊下へ出たとき、今まで『中』で感じてきたのとは異質な安堵感が全身に染み渡った。
…まだ口の中ねばねばする。水分欲しい。
コウダに続いて入ってきた時よりさらに細く長くなってる廊下を横向きに進みながら、思い出さないようにと思っても思い出してしまう。
聞いてただけで気分悪かったあの罵声。
あんなの毎度毎度聞いてるからあんなに学校でああやって周りにきつくなるんだろうか。
逃げ出そうにも自分の家。どうしようもないから我慢してんのかなぁ。
体格差的にはもう殴り返せば勝てるんじゃないかって気がするのに。
しおらしくというより、お手を仕込まれた犬のように返事をする武藤さんの声は虚ろで。
すごく見ちゃいけないものを見たというか。
唾液とともになんだか苦いものが込み上げた。
いかんいかん。切り替えないと。
なにせ道がめんどくさ~い感じに変化してるんだから。
ところどころ壁や床から突っかえ棒的な円柱状の細長い突起が生えてきた上に、床にランダムな四角い黒い模様も付いてて障害物が見えずらい。
気を付けて避けるのが一苦労の今、そんなの思い浮かべてると…おっとぉ。
ほら。突っかえた。
頑張って股を開けるだけ開いて横に。
あれ、もしかして紐ひっかかってる?
おぉっ…ととととまってまって、えーっと…どこ?
ああ、これか。
斜め下のあたりにぴよっと飛び出た出っ張りから紐をそっと外しにかかる。
たわんだ紐の下に指を差し入れて広げたその時、しゅるりと紐が引っ張られた。
痛たたた…。
コウダが気づかずに前に進んだらしい。俺の指は紐に挟まれた。
引っ張られて気付いたらしく、振りかえって片手でゴメンと謝られる。
はー。外れた。よかった。これで前進できる。
その棒をうまいこと跨ぐと、どうももうすぐこの狭い空間から出られそうなことが分かった。
今回こういう地味~なダメージ多いなぁ。
川藤さん・安藤さん・佐藤までの『中』ってあんなハードな感じだったのに、こういうちょっとした怪我って無かったんだよね。
地味で命に別状ないけどそれなりに痛いっていう。
そしてこんなしょーもない仕掛けで傷を負う自分の能力のなさがもっと痛いっていう…。
出るころには青痣・生傷いっぱいになってる気がする。
この足元の縦になった棒を避けつつ目の前の横向きの棒をくぐれば…道の出口は後一歩。
っとよし! よかったこれでこのニョキニョキ棒ゾーンから離れられる!
「気を付けろ。そこ…」
コウダの話をちゃんと聞こうと前を向いた。
「足元、模様じゃなくて穴だから」
ごすっ
棒をくぐった向こうの一歩目の着地点。
丁度足の裏の長さマイナス3cmくらいの横に長い穴。
爪先だけ向こう岸に付いてたけど、踵がハマった。
腕でバランスをとりながら前に…と思ったけど、真の罠は後ろだった。
痛だっ!
さっきくぐった棒が後頭部をノック。
いかん、このままだと後ろに尻餅。しかもあの辺って、床から縦に棒が生えてたから…。
想像できた時、既に俺のケツは重力に従って自由落下し始めていた。
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