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9.閑話休題
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「丁度サラリーショックってのがあってね。
もともとおじいちゃんの経営のやり方がうまくいかなくなって業績悪かったとこに追い討ちで大口取引切られてって。
おじいちゃんはもう…色々と回ってなかったから、その辺りで実質の経営引き継いだの」
ちょっとビックリで半分耳に入ってこない。
「リストラもして、資産も売り払って。
それでも、本当に後一歩ってとこまで負債が拡大してた。
従業員の給与支払待ってもらってたくらいだったし。
とてもじゃないけど子供の面倒見れる状態じゃなかった。
あと、ぶっちゃけ宏海って、その…向いてないでしょ? 上役さんなんて。
機械いじりは上手くても、事務処理苦手だし、会議は大の苦手だし、喋れないし飲めないしノリ悪いし愛想悪いし時々ほんとに態度も悪いし。
真宏は毎日一緒にいるからわかると思うけど」
ウン! 否めないですな。
「仕事はいっぱいあったわよ。無給で働く感じね。
だからって、現場に社長の夫がちょろちょろしたら、残ってくれた古参の従業員はやりにくいことこの上ないじゃない?
昔から残ってる人の中には、私に期待して付いてきてくれてた人も、渋々我慢してた人もいた。
良くも悪くもその人達が宏海を通して色々口出ししてきた可能性もあるし、逆に宏海がいることでますます不信感持っちゃう事もあり得た。
じゃあ宏海は普通によその会社に就職してってやり方だと、私の経営に対する姿勢が疑問視されちゃう。
だって、給与支払待ってくれ、でもなんとかここに留まって働いてくれって従業員に頭下げておきながら、自分は旦那さんが生活補償してくれる安全なとこにいるってのは」
確かにそりゃちょっと狡いよな。
それでも衝撃的な事実であることには違いなく、自分の口が半開きになってるのが分かる。
「ね?
それで、宏海に、別れてくれ、就職してくれって頼んだの。
結果、なんとか持ち直して、負債も清算できて、で、なう! ってわけ」
紅茶と食べ差しのレモンタルトを真ん中に両腕をパッと左右に広げてどーだとばかり。
そういや小学校高学年になるくらいで、ちょっとずつ母さんが来る頻度が上がってったけど、その辺りで色々めどが立ったんだとすると、安心の状態になるのに5年以上かかってるってことになる。
長いのか短いのかよくわかんないけど。
なんにせよ、一つ言えるのは母さんが頑張ったってことだ。
小学校1年のときのあの雑炊的な塊を俺が口に含んで吐き出しそうになったあのときも、小学校3年のときわんこラーメンで腹壊しかけたときも。
水面下でそんなんだったとは露知らず、頼むから松乃屋に連れてってくれ、家の台所は使わないでくれと思ってた俺。
社長のくせに金持ってなさそうなのも、あの頃多少疑問ではあった。最近はそんなに儲からない会社もあるらしいって分かってきたからそうでもないけど。
なんにせよ、すげえや、母さん。
だとすると、実は親父も結構すごくないか?
それやったら世間的にはどう見られるか分かっててやってたんだよな。
頑張るのもありだったかもしれないけど、どうせできなかったろうし。
できないことをできないって認めるだけで、悪く言うヤツっているわけで。
でも、二人のその決断の結果、現在がある。
金は無いけど夜逃げもしてないし。
あ、でも受け入れたじいちゃん含め、周りの人達も凄いのか?
じゃ、なんだかんだいってみんな凄いのか。
いっつもヘタレだな、面倒だなって思ってるけど、やる時はやるんだな。大人。
そんなふうに俺が素直に恐縮し尊敬しているのに反し、かあさんはちっちゃく肩を丸めて紅茶のグラスの中の氷をくるくる回しだした。
「でも、なんとなく、もう一回宏海と籍入れる気にはなれなくて。
なんかあった時に宏海にもあなたにも迷惑かかると思ったし、今後ないかっていうと言いきれないっていうのはそうで、また同じ事があった時同じようにする手続きがウルトラめんどくさかったのも正直ある。
宏海は子育て向いてないと思うけど、私も子育ても向いてるかって言ったら疑問だし」
うーん、母さんのほうが向いてるかなとは思うよ。口数多いから。
でも、親父に最後のは言わないであげてほしいなぁ…。
その通りで色々雑だけど、たぶん本人的にもそれ分かった上でじいちゃん亡き今いつも一人で頑張ってると思うからさぁ…。
しかしまぁ、今のこの母さんのスタンスっていうか、なんていうか。
ほんとイライラするなぁ…。
母さんはグラスに溜まっていく溶けた氷を、果てし無く遠くにあるように眺めた。
「宏海も、義父さん…こっちのおじいちゃんも、優しいからここにくるのを許してくれてきたからこうやって時々顔見に来れるし、もう、時間も経ってるし。
でも、結局宏海と真宏を投げ出したのには違いないから…」
「うん。大丈夫」
言い切ったオレを見てほっとしたらしい。
たどたどしく顔を上げた母さん。
でも手元のグラスくるくるは止まらない。
ああ、うん。いいよ、もう。事情は分かった。
母さんや、親父や、関わったみんなが頑張ったのは分かった。
後ろめたいのも分かった。
だけど、実は親父となんで結婚したのか喋り出すちょっと前あたりからずっと継続して嫌なことがあってねぇ。
「一つ、言いたいことあるんだけど」
自分で出しといて吃驚するくらい自分の声が低い。
母さんがはじかれたように改めて俺の顔に焦点を合わせ出す。
やっとかよ。
ここまでずっと、俺に質問されて答え、俺に諸々の事情説明をしてるって体なのに。
今回に限った事じゃなくて、ずっと今までも何度か思った事がある。
多分母さんが話してる、いや、話してるような気になってる相手は。
「母さん、俺、親父じゃないから」
苛立ちを纏って飛び出したそれは、母さんが回していた紅茶のグラスをびたりと止め、その目を縦にでかくした。
うるさい時計の秒針はこういう時もいい感じに沈黙を繋いでくれるけど、喋りはしないから母さんとの隙間は埋めてくれない。
それを埋めるものを待つ。
母さんは目が閉じ、またいつもの幅に開き直しながら、オーバーにハァーッと息を吐いたら、残りのレモンタルトを乱暴に真っ二つにした。
「宏海とね、もうそろそろ色んなこと喋っていいころじゃないかって、去年の今頃相談したんだ。
聞かれたらってことにしたんだけどさ。
にしてもあんた、時々だけど、ホント似てきた」
「誰に?」
「宏海に。
そういう、変なタイミングでズバッとくるとこ」
ヘン? どこらへんが変?
普通に話聞きながら母さんの顔見ながら、その流れで思ったこと言っただけなんだけどな。
母さんの呆れたようなうんざりしたような欠伸のようなデカい口に、自作のスイーツのデカい一切れが吸い込まれていく。
「そーそー。
そういうね、『なんで?』 って呆けた顔するのもね。
あ゛ー、思い出しちゃったわアレ」
途中でもしゃもしゃと咀嚼音を挟みながら喋るこっちゃないような。
まだ手元に残る自分の分を、相変わらずちびちび食べる俺をよそに、掘り返した昔話に移って行く。
軽い苛立ちはさっき言ったのでサヨナラしたけど、代わりに面倒臭さがコンニチハ。
「初めて会った時飲み会でね、盛り上がりそーなとこであの人、いきなりトイレ行くって席立ち上がってね。
折角場の空気呼んで茶化して『いってらっしゃ~い』ってわざわざ笑って送り出しの合図してあげたのに、あの人その場で耳元まで顔近づけてさ。
何言うかとおもったら、ボソッと『愛想笑いおつかれ』って言って肩叩いてったのよね。
あの場で『んも~やめてよ~』って可愛くあの人が言った内容周りに悟られないように返した私、偉かったわぁ~」
スイーツを飲み込んだ口に解けた氷水をそのまま流し込んでガリガリしながら、あーならないでね、と念押しする母さん。
とりあえずテキトーに頷く。
こんな感じでちょいちょい思い出したように昔話で親父との関係を赤裸々に暴露してくんだよな。
たぶんよそんちのお母さんとは違うこの情報と距離感ーー離婚してから親父のことを『お父さん』じゃなくて『宏海』と呼び出したあたりも含めーーによって、俺から親父に対する敬意が薄れている訳なんだけど。
にしてもやっぱ思うのは。
じゃ、何で結婚したの???
もともとおじいちゃんの経営のやり方がうまくいかなくなって業績悪かったとこに追い討ちで大口取引切られてって。
おじいちゃんはもう…色々と回ってなかったから、その辺りで実質の経営引き継いだの」
ちょっとビックリで半分耳に入ってこない。
「リストラもして、資産も売り払って。
それでも、本当に後一歩ってとこまで負債が拡大してた。
従業員の給与支払待ってもらってたくらいだったし。
とてもじゃないけど子供の面倒見れる状態じゃなかった。
あと、ぶっちゃけ宏海って、その…向いてないでしょ? 上役さんなんて。
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真宏は毎日一緒にいるからわかると思うけど」
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「仕事はいっぱいあったわよ。無給で働く感じね。
だからって、現場に社長の夫がちょろちょろしたら、残ってくれた古参の従業員はやりにくいことこの上ないじゃない?
昔から残ってる人の中には、私に期待して付いてきてくれてた人も、渋々我慢してた人もいた。
良くも悪くもその人達が宏海を通して色々口出ししてきた可能性もあるし、逆に宏海がいることでますます不信感持っちゃう事もあり得た。
じゃあ宏海は普通によその会社に就職してってやり方だと、私の経営に対する姿勢が疑問視されちゃう。
だって、給与支払待ってくれ、でもなんとかここに留まって働いてくれって従業員に頭下げておきながら、自分は旦那さんが生活補償してくれる安全なとこにいるってのは」
確かにそりゃちょっと狡いよな。
それでも衝撃的な事実であることには違いなく、自分の口が半開きになってるのが分かる。
「ね?
それで、宏海に、別れてくれ、就職してくれって頼んだの。
結果、なんとか持ち直して、負債も清算できて、で、なう! ってわけ」
紅茶と食べ差しのレモンタルトを真ん中に両腕をパッと左右に広げてどーだとばかり。
そういや小学校高学年になるくらいで、ちょっとずつ母さんが来る頻度が上がってったけど、その辺りで色々めどが立ったんだとすると、安心の状態になるのに5年以上かかってるってことになる。
長いのか短いのかよくわかんないけど。
なんにせよ、一つ言えるのは母さんが頑張ったってことだ。
小学校1年のときのあの雑炊的な塊を俺が口に含んで吐き出しそうになったあのときも、小学校3年のときわんこラーメンで腹壊しかけたときも。
水面下でそんなんだったとは露知らず、頼むから松乃屋に連れてってくれ、家の台所は使わないでくれと思ってた俺。
社長のくせに金持ってなさそうなのも、あの頃多少疑問ではあった。最近はそんなに儲からない会社もあるらしいって分かってきたからそうでもないけど。
なんにせよ、すげえや、母さん。
だとすると、実は親父も結構すごくないか?
それやったら世間的にはどう見られるか分かっててやってたんだよな。
頑張るのもありだったかもしれないけど、どうせできなかったろうし。
できないことをできないって認めるだけで、悪く言うヤツっているわけで。
でも、二人のその決断の結果、現在がある。
金は無いけど夜逃げもしてないし。
あ、でも受け入れたじいちゃん含め、周りの人達も凄いのか?
じゃ、なんだかんだいってみんな凄いのか。
いっつもヘタレだな、面倒だなって思ってるけど、やる時はやるんだな。大人。
そんなふうに俺が素直に恐縮し尊敬しているのに反し、かあさんはちっちゃく肩を丸めて紅茶のグラスの中の氷をくるくる回しだした。
「でも、なんとなく、もう一回宏海と籍入れる気にはなれなくて。
なんかあった時に宏海にもあなたにも迷惑かかると思ったし、今後ないかっていうと言いきれないっていうのはそうで、また同じ事があった時同じようにする手続きがウルトラめんどくさかったのも正直ある。
宏海は子育て向いてないと思うけど、私も子育ても向いてるかって言ったら疑問だし」
うーん、母さんのほうが向いてるかなとは思うよ。口数多いから。
でも、親父に最後のは言わないであげてほしいなぁ…。
その通りで色々雑だけど、たぶん本人的にもそれ分かった上でじいちゃん亡き今いつも一人で頑張ってると思うからさぁ…。
しかしまぁ、今のこの母さんのスタンスっていうか、なんていうか。
ほんとイライラするなぁ…。
母さんはグラスに溜まっていく溶けた氷を、果てし無く遠くにあるように眺めた。
「宏海も、義父さん…こっちのおじいちゃんも、優しいからここにくるのを許してくれてきたからこうやって時々顔見に来れるし、もう、時間も経ってるし。
でも、結局宏海と真宏を投げ出したのには違いないから…」
「うん。大丈夫」
言い切ったオレを見てほっとしたらしい。
たどたどしく顔を上げた母さん。
でも手元のグラスくるくるは止まらない。
ああ、うん。いいよ、もう。事情は分かった。
母さんや、親父や、関わったみんなが頑張ったのは分かった。
後ろめたいのも分かった。
だけど、実は親父となんで結婚したのか喋り出すちょっと前あたりからずっと継続して嫌なことがあってねぇ。
「一つ、言いたいことあるんだけど」
自分で出しといて吃驚するくらい自分の声が低い。
母さんがはじかれたように改めて俺の顔に焦点を合わせ出す。
やっとかよ。
ここまでずっと、俺に質問されて答え、俺に諸々の事情説明をしてるって体なのに。
今回に限った事じゃなくて、ずっと今までも何度か思った事がある。
多分母さんが話してる、いや、話してるような気になってる相手は。
「母さん、俺、親父じゃないから」
苛立ちを纏って飛び出したそれは、母さんが回していた紅茶のグラスをびたりと止め、その目を縦にでかくした。
うるさい時計の秒針はこういう時もいい感じに沈黙を繋いでくれるけど、喋りはしないから母さんとの隙間は埋めてくれない。
それを埋めるものを待つ。
母さんは目が閉じ、またいつもの幅に開き直しながら、オーバーにハァーッと息を吐いたら、残りのレモンタルトを乱暴に真っ二つにした。
「宏海とね、もうそろそろ色んなこと喋っていいころじゃないかって、去年の今頃相談したんだ。
聞かれたらってことにしたんだけどさ。
にしてもあんた、時々だけど、ホント似てきた」
「誰に?」
「宏海に。
そういう、変なタイミングでズバッとくるとこ」
ヘン? どこらへんが変?
普通に話聞きながら母さんの顔見ながら、その流れで思ったこと言っただけなんだけどな。
母さんの呆れたようなうんざりしたような欠伸のようなデカい口に、自作のスイーツのデカい一切れが吸い込まれていく。
「そーそー。
そういうね、『なんで?』 って呆けた顔するのもね。
あ゛ー、思い出しちゃったわアレ」
途中でもしゃもしゃと咀嚼音を挟みながら喋るこっちゃないような。
まだ手元に残る自分の分を、相変わらずちびちび食べる俺をよそに、掘り返した昔話に移って行く。
軽い苛立ちはさっき言ったのでサヨナラしたけど、代わりに面倒臭さがコンニチハ。
「初めて会った時飲み会でね、盛り上がりそーなとこであの人、いきなりトイレ行くって席立ち上がってね。
折角場の空気呼んで茶化して『いってらっしゃ~い』ってわざわざ笑って送り出しの合図してあげたのに、あの人その場で耳元まで顔近づけてさ。
何言うかとおもったら、ボソッと『愛想笑いおつかれ』って言って肩叩いてったのよね。
あの場で『んも~やめてよ~』って可愛くあの人が言った内容周りに悟られないように返した私、偉かったわぁ~」
スイーツを飲み込んだ口に解けた氷水をそのまま流し込んでガリガリしながら、あーならないでね、と念押しする母さん。
とりあえずテキトーに頷く。
こんな感じでちょいちょい思い出したように昔話で親父との関係を赤裸々に暴露してくんだよな。
たぶんよそんちのお母さんとは違うこの情報と距離感ーー離婚してから親父のことを『お父さん』じゃなくて『宏海』と呼び出したあたりも含めーーによって、俺から親父に対する敬意が薄れている訳なんだけど。
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