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13.気違いじみたゲーム
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何処歩いて帰ったのか覚えてない。
呆然としてってのじゃなくて、ドキドキしすぎて。
落ち着かなくて普通に椅子に座れない。
体操座りで前後に体を揺らしてたら、危うく椅子が後ろに倒れそうになった。
コウダ来んのもうそろそろじゃないか?
椅子からそろっと下り、玄関までなんとなく忍び足。
引き戸を開けると、コウダは丁度玄関の前に来ようという所だった。
吃驚したように顔を上げ、じっと俺を瞬きもせずに睨んで、無言のまま進んで敷居を跨いだコウダ。
誰かが見てたら何の取り立てかと疑われかねない貫禄。
それでいて引き戸を閉める仕草だけは丁重。戸を気遣ったんだろうか。
適当に靴を脱ぎ散らかし、大きく足音を立てて一歩踏み入れて廊下を迷いなく歩く。
あとはダイニングの椅子にどっかりと。
もう勝手知ったる他人の家だな。
持って来たペットボトルの赤のパーをひねって一口すると、
「で?」
ちらりと俺を見遣った。
負けじとコウダの真向かいに腰かける。
深呼吸。
吸って。
吐いて…。
吸って…。
「俺」
変な間が空く。
「…その俺は次どうするんだって聞いてんだ」
トゲのある口振り。
でも、誤解してる。
念押ししよう。
「次のターゲットは俺にする!」
堂々たる『俺』宣言を聞くや否や。
コウダの目はくわっと見開き。
そのまま俺を一喝した。
「だめだ!」
ええ?
『だめだ』??
ってことは!
「出来るんだろ!!!
出来るのに今迄黙ってたんだろ!!」
テーブルをバンッと叩いて立ち上がった。
コウダは歯噛みしてる。
マズったと思ったんだろう。
「できるなら何でなんで黙ってたんだ」
畳み掛けるもコウダは言葉を発しない。
そうか。もしかして、
「『六界探訪譚』に書いてあるんだな?」
苦虫を噛み潰すような表情のまま目を左右に泳がせるコウダ。
「それで俺にその本読ませなかったんだろ。
そうじゃねぇのかよ、え?」
そんな顔しちゃあ、もう事実だって認めてるようなもんだぞ。
ほら。
言っちまえよ。
歯噛みするその隙間から辛うじて吐き出すようだった。
「…そうだ」
認めた。
遂に認めたな。
時計の秒針の音がする。
「なんでお前こういう時だけ勘がいいんだ」
唸りながら首筋を揉んだコウダはうらめしそうだ。
「普通だろ」
「ったく…。
そうだよ。御名答だ。
『六界探訪譚』に書いてある。
読ませたら絶対やりたいって言い出すだろうし、読んだイメージが定着して『中』に影響出るのが予想できたからな」
椅子に座り直し、テーブルに両肘を突いたまま両手を組んだコウダは、再びゆっくり喋り出した。
「リスクが高すぎるんだ。
やらずに済むならそれに越したこと無いと思って最初から黙ってた」
「リスクリスクって、今更だろ」
今迄だって散々だったじゃんか。
額の古傷ーーたかだか2ヵ月前だけどそう言った方がかっこいいからーーがいい証拠だ。
「桁違いなんだ。自己貫入は」
ジコカンニュウ??
「まず他と同じく、前例は『六界探訪譚』だけだ。
しかも『あっち』の人間は自分で自分には入れない。
だから、手引きみたいな、『中』の法則として参考にできるものはない。
多分こういうことだろうという学者の説を信じる以外に事前情報を得ることが出来無いのが一つ。
『六界探訪譚』は成功してるから、失敗事例がわからないのが特にまずい」
前例ないのが一緒ならもうどうでもいいんじゃねーか? そういう細かいの。
でもコウダの弁舌は止まらなかった。
「理論上は自分の『中』だから、『中』の人間に拒絶されることがない。
そもそも『中』に入ることを既に自分で知っているのに排斥する理由がないわけだ。
寧ろ『中』を作ってる本体を消そうとする事は有り得ないから、お前は命の危険なし」
「じゃあいいじゃんか」
「俺にとってお前は他人だ。
いつも通り2時間位したら普通に消えちまう。
お前は俺が『中』に入るのを知ってるわけだから、『中』に入ってるのが『中』の人間にバレたらアウトとかいう、いつも退却の判断材料にしてるトリガーがない。
お前が深層意識下で持ってるトラウマとか逆鱗に何かの拍子で触れた瞬間にいきなり危険にさらされ得る」
おお、そうか。確かにそれは危いかも。
でも、
「俺そんな触れられてタブーになるようなものがある人生送って無いから大丈夫だよ?」
のほほ~んだらら~んとした14年だったもん。
ビビり過ぎでしょ。
「深層意識下のことなんざ誰も自分で把握しちゃいない」
聞いても聞いてもどうでもいい気がする。
ほげーっとするばかりの俺に、コウダは改めて神妙な顔で切り出した。
「本題はここからだ。
じゃあ『中』に二人で入って、俺だけ消えたらどうなる?」
コウダだけ?
「俺一人残る?」
「そうだ。
で、お前は消えない」
あれ?
「そうだ。
お前だけは、消えないんだ。
でも俺も、俺の持ち物も、当然ゲートも、全部消える」
「じゃ、俺出れない」
「そうだ」
それは困った。
コウダは話を続けたそうだけど、ちょっとだけ俺の理解を測るように沈黙した。
「一旦話変えるぞ。
お前自身がお前の『中』に入る時、『こっち』にはお前の実体はあるか?」
え? えーっと…。
今迄『中』に入ってる間、俺の体は『こっち』には無かったよね。
自分に入ったって、幽体離脱とかって魂だけ抜け出するわけじゃないんだろ?
じゃあ。
「ない…んじゃない?」
「正解だ。
その間『こっち』にはお前の存在は無いことになってる。
しかも、お前が『中』に入った瞬間で『こっち』の時間は止まっているから、『中』にある実体としてのお前の体の生理的欲求は止まる」
難しくなってきた。つまり、
「腹減ったりしないってことでいい?」
「そうだ。
その状態で、出られないってことは、だ」
ってことは…。
「無限ループ。
お前は中学2年のお前の『中』に閉じ込められたまま、年も取らず死ぬこともできず永遠に生き続けることになるだろう」
呆然としてってのじゃなくて、ドキドキしすぎて。
落ち着かなくて普通に椅子に座れない。
体操座りで前後に体を揺らしてたら、危うく椅子が後ろに倒れそうになった。
コウダ来んのもうそろそろじゃないか?
椅子からそろっと下り、玄関までなんとなく忍び足。
引き戸を開けると、コウダは丁度玄関の前に来ようという所だった。
吃驚したように顔を上げ、じっと俺を瞬きもせずに睨んで、無言のまま進んで敷居を跨いだコウダ。
誰かが見てたら何の取り立てかと疑われかねない貫禄。
それでいて引き戸を閉める仕草だけは丁重。戸を気遣ったんだろうか。
適当に靴を脱ぎ散らかし、大きく足音を立てて一歩踏み入れて廊下を迷いなく歩く。
あとはダイニングの椅子にどっかりと。
もう勝手知ったる他人の家だな。
持って来たペットボトルの赤のパーをひねって一口すると、
「で?」
ちらりと俺を見遣った。
負けじとコウダの真向かいに腰かける。
深呼吸。
吸って。
吐いて…。
吸って…。
「俺」
変な間が空く。
「…その俺は次どうするんだって聞いてんだ」
トゲのある口振り。
でも、誤解してる。
念押ししよう。
「次のターゲットは俺にする!」
堂々たる『俺』宣言を聞くや否や。
コウダの目はくわっと見開き。
そのまま俺を一喝した。
「だめだ!」
ええ?
『だめだ』??
ってことは!
「出来るんだろ!!!
出来るのに今迄黙ってたんだろ!!」
テーブルをバンッと叩いて立ち上がった。
コウダは歯噛みしてる。
マズったと思ったんだろう。
「できるなら何でなんで黙ってたんだ」
畳み掛けるもコウダは言葉を発しない。
そうか。もしかして、
「『六界探訪譚』に書いてあるんだな?」
苦虫を噛み潰すような表情のまま目を左右に泳がせるコウダ。
「それで俺にその本読ませなかったんだろ。
そうじゃねぇのかよ、え?」
そんな顔しちゃあ、もう事実だって認めてるようなもんだぞ。
ほら。
言っちまえよ。
歯噛みするその隙間から辛うじて吐き出すようだった。
「…そうだ」
認めた。
遂に認めたな。
時計の秒針の音がする。
「なんでお前こういう時だけ勘がいいんだ」
唸りながら首筋を揉んだコウダはうらめしそうだ。
「普通だろ」
「ったく…。
そうだよ。御名答だ。
『六界探訪譚』に書いてある。
読ませたら絶対やりたいって言い出すだろうし、読んだイメージが定着して『中』に影響出るのが予想できたからな」
椅子に座り直し、テーブルに両肘を突いたまま両手を組んだコウダは、再びゆっくり喋り出した。
「リスクが高すぎるんだ。
やらずに済むならそれに越したこと無いと思って最初から黙ってた」
「リスクリスクって、今更だろ」
今迄だって散々だったじゃんか。
額の古傷ーーたかだか2ヵ月前だけどそう言った方がかっこいいからーーがいい証拠だ。
「桁違いなんだ。自己貫入は」
ジコカンニュウ??
「まず他と同じく、前例は『六界探訪譚』だけだ。
しかも『あっち』の人間は自分で自分には入れない。
だから、手引きみたいな、『中』の法則として参考にできるものはない。
多分こういうことだろうという学者の説を信じる以外に事前情報を得ることが出来無いのが一つ。
『六界探訪譚』は成功してるから、失敗事例がわからないのが特にまずい」
前例ないのが一緒ならもうどうでもいいんじゃねーか? そういう細かいの。
でもコウダの弁舌は止まらなかった。
「理論上は自分の『中』だから、『中』の人間に拒絶されることがない。
そもそも『中』に入ることを既に自分で知っているのに排斥する理由がないわけだ。
寧ろ『中』を作ってる本体を消そうとする事は有り得ないから、お前は命の危険なし」
「じゃあいいじゃんか」
「俺にとってお前は他人だ。
いつも通り2時間位したら普通に消えちまう。
お前は俺が『中』に入るのを知ってるわけだから、『中』に入ってるのが『中』の人間にバレたらアウトとかいう、いつも退却の判断材料にしてるトリガーがない。
お前が深層意識下で持ってるトラウマとか逆鱗に何かの拍子で触れた瞬間にいきなり危険にさらされ得る」
おお、そうか。確かにそれは危いかも。
でも、
「俺そんな触れられてタブーになるようなものがある人生送って無いから大丈夫だよ?」
のほほ~んだらら~んとした14年だったもん。
ビビり過ぎでしょ。
「深層意識下のことなんざ誰も自分で把握しちゃいない」
聞いても聞いてもどうでもいい気がする。
ほげーっとするばかりの俺に、コウダは改めて神妙な顔で切り出した。
「本題はここからだ。
じゃあ『中』に二人で入って、俺だけ消えたらどうなる?」
コウダだけ?
「俺一人残る?」
「そうだ。
で、お前は消えない」
あれ?
「そうだ。
お前だけは、消えないんだ。
でも俺も、俺の持ち物も、当然ゲートも、全部消える」
「じゃ、俺出れない」
「そうだ」
それは困った。
コウダは話を続けたそうだけど、ちょっとだけ俺の理解を測るように沈黙した。
「一旦話変えるぞ。
お前自身がお前の『中』に入る時、『こっち』にはお前の実体はあるか?」
え? えーっと…。
今迄『中』に入ってる間、俺の体は『こっち』には無かったよね。
自分に入ったって、幽体離脱とかって魂だけ抜け出するわけじゃないんだろ?
じゃあ。
「ない…んじゃない?」
「正解だ。
その間『こっち』にはお前の存在は無いことになってる。
しかも、お前が『中』に入った瞬間で『こっち』の時間は止まっているから、『中』にある実体としてのお前の体の生理的欲求は止まる」
難しくなってきた。つまり、
「腹減ったりしないってことでいい?」
「そうだ。
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注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
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