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王家の絆編
PART24 真耶悪夢の破壊型超能力者(後編)
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・ドン・ドルガ
ヘル・ターナーの後を引き継いだ
運の無い哀れな男、3将軍に憧れ自分も
その一人に加わりたいという
無謀な野心を抱く禿ネズミ男
種族・禿ネズミ星人
見た目が小汚いのを理由に巨人族に
駆逐され掛けたが、科学実験で病気に
以上に強い特性があるとされ
ガルスグレーサーに加わることを許された
権力と暴力に異常に弱く
強者に本能的に取り入ろうとする
常に生き汚く行動する
副官・ネズラー
長年ドン・ドルガに使えて来た子分的存在。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「嘘だろ・・ネズラーお前が・・我が輩を・・
最後に裏切るのか?」
ドン・ドルガとこのネズラー副官は
長い付き合いだ
親分子分の時代から二人は苦労を重ね
ガルスグレーサーでのし上がって来たのである
ドン・ドルガは撃たれた傷を押さえながら
キングドルガー二世の艦橋に向かった
「ひいっ!」
だがその途中で科学者達の射殺体を
見つける事になる『彼奴がやったのか?』
打たれた腹から血が滴る
『解らん・・なんで彼奴が・・
こんな事をする?』
後ろを見ると正気を無くし口だけ
笑いながら銃を構えるネズラーが追って来る
「もう諦めましょうよドン・ドルガ様」
「貢ぎ物の小娘も失い・・
基地も落とされてガルスグレーサーに
帰る場所なんてもう我々にありませんよ~」
その言葉を補うように
基地管制塔から放送が流れる
ネズラー副官の言う通り、ドン・ドルガは
徐々に敵勢力に制圧されていく基地の状況を
歯軋りして聞いていた
ドン・ドルガはこの地位に着くために
上官を出し抜きライバルを蹴落とし
時には無実の罪を着せ、横領や賄賂を欠かさず
ネズラーの助けも借りながら権力の階段を
昇って来たが・・
その築き上げてきた地位が根底から音を立て
崩れ去っていく感覚を味わっていた。
「もう死んで罪を償う以外に我々に道は残されて
いないのです・・最期くらいは潔く一緒に
地獄に行きましょう」
ドン・ドルガは腹に一発喰らった状態であるにも
関わらず遂に戦艦の第一艦橋にまで辿り着いた
だがそこも地獄だった、その艦橋に
生きている乗員は一人も居なかった
『これもネズラー一人でやったのか?嘘だろ?』
血を大量に出血してドン・ドルガは
足がふらつき床に座り込んだ
そしてネズラーの足音が近づいてくる
「死んでお互い楽に成りましょうよドン・ドルガ様」
「待ってくれ!ネズラーちょっと話を聞いてくれ!」
「今更何を待つんですか?親分・・」
親分呼び・・ネズラーはもしかしたら
昔に戻ったのかも知れない
「お・・お前には黙ってたがよぉ俺様には
ガルスグレーサーに帰る算段があるんだよぉ」
昔のチンピラ時代の話し方でネズーラーの気を
落ち着かせる・・これしかねえ!
「算段?この期に及んで親分にまだ
(何か手)が残ってるんでやすか?」
『良し!取り敢えず聞く気にはなったか・・』
「お前も知っての通り俺には他人の
隠したい秘密や弱みを嗅ぎ分ける才能が
あるだろ?」
少し間を置き・・ネズラーはケケケと笑い
「ああ確かに親分が唯一人より勝る才能ですよね
だから何です?」
第一艦橋のドアが開きネズラーの
銃を持った影が廊下の壁に投影された
ドン・ドルガは息を呑みながら一言一言
慎重に選びながら話しを続ける
「俺様は・・あの監禁室を盗聴してた・・
そして3将軍の背信の証拠を握ったんだ」
「はあ?何をトチ狂った事を・・・
あの御三方がガルスグレーサーを
裏切る訳がないでしょう?」
ドン・ドルガは低く笑い
「否・・既に裏切っていた・・此を聞けネズラー」
ドン・ドルガは司令官服のボタンを
一つ触ってその音声を再生した
______________________
(録音再生)
「巨人戦艦の性能となれば10の魔導兵器を
※(再現)できたのか?」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「この声は狼将軍だ」
「伝説ではあらゆる宇宙現象を再現し
艦隊規模を強力にしたり物体を
圧縮する魔法のような事も出来るらしいぞ!」
━━━━━━━━━━━━━
「更に大鷲将軍」
「ハハハバカバカしい話だな
お伽話にしても科学者が言う事じゃない
ウルフはたまにロマンチストになるよな」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(再生停止)
「そして此は戦鬼将軍の声だ」
「此が何なんです?オイラには
只の与太話にしか思えないすっけど」
「馬鹿お前には解らんのか?此は重大な
叛逆行為だぞ、狼将軍の言う所の
(再現)とは、巨人要塞戦艦の設計図を盗み
それで新造艦を作っていると言う意味なんだ!」
「そ・・それも捕虜の居る前で
こんな重要な情報を話して・・
態と情報を漏らした可能性まである」
「どうだ?此を持ち帰れば大手柄だ!
此度の失態など帳消しに・・」
「フフフ」・・含み笑いが聞こえる・・
『ネズラーが笑っているのか、否この声は
彼奴の声じゃないぞ!』
「たったそれだけの情報で其処まで掴むとは
中々どうして・・貴様は警官にでもなれば
一角の人物に成っていたかも知れないな」
廊下に投影されていたネズラーのシルエットが
ぐわっと身長が伸びて凛々しい風貌に変わる
この基地で、その影の形に相当するのは
「貴様・・J・・Jジョーカーなのか!?」
第一艦橋の電気が落ちて完全な闇になる、
だが窓の外には基地にひろがる炎が燃えあがり
戦艦ドッグも火災の猛威に襲われていた
艦内を朱い光が照らし出し黒と朱の
コントラストに世界が覆われる
「これでキングドルガー2世が
ガルスグレーサーに帰還する可能性は
完全に無くなったな」
ドン・ドルガは此が現実だとは思えなかった
達の悪い悪夢なのか?
「こ・・答えろ!ネズラーはどうした!!」
Jジョーカーは冷たく言った
「心配ない奴が死ぬのはもう少し後になる」
ドン・ドルガは笑いながら「そうか・・貴様
我が輩を追い詰め、このデータの
在処を探ったか・・」大事な虎の子である
胸のボタンに指をそっと添える
「そして秘密に関係した、わが輩の部下を
ネズラーの姿で皆殺しにし・・我が輩を殺した後
奴を焼身自殺に見せかけて殺す・・徹底している・・
ガハハ流石はプロのスパイだ!」
狂ったように笑いだすドン・ドルガの眉間を
Jジョーカーは無言で撃ち抜いた。
キングドルガー2世が炎に包まれ大爆発を
起こしたのはこの後、僅か数分後の事である。
______________________
★付箋文★
多くの兵が冥王星基地を放棄し脱出し始めた頃
大城真耶は、目の前を遮る邪魔な物は全て破壊し
崩壊する基地内をさ迷い歩いていた
そんな真耶を下田明が発見した
だが下田は一瞬(我が目)を疑う
「あ・・あれが真耶君?そんな馬鹿な・・」
だがそれは残酷な現実だった
変わり果てた真耶を見て動揺しながらも
下田はすぐ様その事実をハヤテに連絡する
連絡を受けてジョン・スミスは声を荒げ
「下田こんな時に冗談は寄せ!!」と怒鳴った
<こんな時に冗談なんか言うか全部事実だ!!>
下田の声も何時になく荒ぶっている
そんな様子に勝艦長がジョンを窘める
「スミス(通信班長!)」
ジョンがビクッと反応し艦長に顔を向け
「下田隊長から・・・真耶隊員を見つけたと・・
連絡が来ました」
第一艦橋のメンバーは一瞬は喜んだが
ジョンの様子に不吉な物を感じ
報告に聞き耳を立てる
それはおよそ悪夢の報告内容だった。
________________________
★付箋文★
真耶は静かな足取りで揺ったりと歩いていた
この戦場ではあり得ない程もの静かな足取りで
彼女だけが静寂の世界に居るようだった
前方35m程の所で何人かの兵隊達が真耶に向け
銃を発砲したが、真耶は兵達の横の壁を睨みつけ
それだけで壁は粉々に割れて弾丸となり
兵達を無惨な残骸に変えてしまう
それを見た兵達が真耶を
「化け物だ!逃げろ!」
そう言って血相を変え
逃げだそうとしたが
今の(血に飢えた怪物)と化した
真耶から逃げきれる筈もなく
壊れた壁から吹き出した炎を指さし
「燃やせ!」と真耶が命じると
炎が怪物の姿になって兵達を燃える牙で
噛み砕き消し炭に変える
炎の怪物イフリートが通り過ぎた後は
黒煙を上げブスブスとクスブる消し炭が
幾つか転がるだけだった。
真耶の後を追跡していた下田は
その恐ろしい光景に身震いした
ハヤテ英雄級の下田がである
彼は歴戦の勇士である、滅多な事では
動じないのだが、この時ばかりは
本能が危険告げる警告音が全力で鳴り響く
そこに誠矢と響の二人が下田の
発信信号を頼りに駆けつけてきた
「下田!真耶を見つけてくれたのか?」
誠矢の言葉で下田は我に返り
「待て!迂闊に彼女に近づくな危険だ!」
そう言って二人を制した
「彼女はいつもの彼女じゃない、血に飢えた
殺人鬼になっているあれを見ろ、彼女の犠牲者だ」
下田は消し炭となった兵達を指さした
炭化し飛び散った黒い欠片と破壊された壁
此で二人に伝わるのだろうか?
「真耶が正気じゃないのは見れば解る」
誠矢の言葉に下田は目撃した事を告げた
「俺の目撃した限り既に50人は殺している
それも普通の殺し方じゃない!人の形が
残らない程(惨殺)して回っているんだ」
誠矢はそれを聞いて無言で銃を抜く
「何時かはこうなる覚悟はしていた・・
真耶は俺が・・処分する」
そう言って歩き始めた誠矢を
響はパラライザーで後ろから撃ち気絶させた
「何をするんだ響!!」
下田は突然の響の行動に戸惑うが
響の顔を見て、それ以上言うのをやめる
『響・・お前・・』
その顔は何処までも爽やかで何処までも
愛に満ちた男の顔だった
そんな顔をした奴を俺は止められないと
下田は思い切って行けと目線で響の背中を押す
「有り難う下田さん」
気絶した誠矢を抱き起こし下田は
響を送り出した。
響は真耶に追いつくと死を覚悟で声を掛ける
「真耶・・やめるんだ!!」
その声にスロモーな動きで振り返る真耶
「・・あれ?・誰かと思えば・・竜一さん?・・
どうしてこんな所に居るの?」
響は愛する少女に手を差し伸べる
「僕と一緒に帰ろう・・君が居ないと寂しいよ」
真耶はキョトントしながら言葉の意味を考える
「帰る何処に?私は此処が良いのよ壊したい物が
イッパイあって楽しいんだもの」
あどけない仕草で
「それより見てこの赤いドレスとっても綺麗なの
私に似合ってるでしょ?」
返り血で真っ赤に染まった囚人服が
今の真耶には赤いドレスに見えるのだろうか?
響はそれを聞き首を横に振る
「いいや全然似合ってない」
「なんでそんなこと言うの?」
返り血でどす黒く汚れた真耶の顔の
目だけが爛々と光り、
周囲の空気が一気に張り詰める
下田は心の中で響に『下手に刺激するな
殺されるぞ!』と叫ぶが、何と響が笑い出した
「だって君に合うのはどう考えても白だ
あのパーティの時に来ていた白いドレスが
天使みたいに綺麗だったからね」
それを聞いた真耶の空気が少し揺るむ
「綺麗・・?私が?」
だがそれは一瞬で危険な空気に変わる
「今の私を見て綺麗だなんて
竜一さんが言うわけ無いわ!」
真耶がそう叫ぶと同時に響は壁に叩きつけられる
だが、よろめき乍も直ぐ立ち上がり
再び真耶に近づいた
「君は綺麗だよ・・それに優しい娘だ・・」
真耶は響の顔に一筋の鮮血が流れるのを見て
恐怖を覚える
「駄目よもう帰って!私はもう止まらない
この冥王星を破壊するわ!」
その真耶の手を取り響は優しく笑いかける
「仕方ないな・君は・・悪夢を見てるから
折角迎えに来たのに帰れだ何て・・さ」
「悪夢・・此は夢なの?」
響は真耶を抱きしめて顔を近づける
「そうだよこれは夢さ、その証拠に
眠り姫が目を覚ます(御呪い)を此から
するからね」
真耶は目を丸くして身を堅くする
「エッちょっと待って!それってキ・・」
響が真耶の顎に指を掛けゆっくりと
顔を近づけると、真耶の吐息が顔にかかる
そして真耶も響の吐息を感じて目を閉じた
それを確かめた響は躊躇わず
真耶の可愛い唇に自分の唇を重ねた
あの夢のチャペルが蘇り(燦然と)
ベルが鳴り響き意識の中でこの場が
一瞬で夢の教会となり幸せな光が降り注ぐ
ウエディングドレスを着た新婦の自分と
その自分とキスをしている新郎の顔が
本物の響竜一の姿になって
その瞬間、阿鼻叫喚の地獄だった場所が
極楽浄土の世界に入れ替わった、真耶の
青白い目の光は薄らいで消えていった
キスが終わった響は真耶の頭を胸に当て
「ほらね、此が夢じゃないなら(奥手の俺が)
君にキスなんて出来るわけ無いだろ?」
そう言って髪を撫でる。
真耶は響の背中に手を回しそして
強く抱きついた
「そうね、その通りよ優しいけど凄く奥手で
少しからかうだけで真っ赤になっちゃう、
そんな竜一さんが私にキスするなんて
・あり得ないもの・・でも・・」
『凄く嬉しくて幸せな夢・・悪夢を・・
忘れちゃう凄く優しい私だけの王子様・・』
次の瞬間真耶は本当の夢の世界に落ちていった
響は真耶を抱き抱えた「お帰り真耶」
その二人に後方から銃口の狙いを付ける
敵兵達が居た 「今だ!あの魔女を仕留めるぞ」
だが音もなく一人の怪物と呼ばれる男が現れ
そんな空気の読めない連中に天罰を与えた
「坂巻龍銃拳・無音爆砕指弾」
音もなく敵の脳髄に魔導気で強化した
指を音速でぶち込み即死させる
この場の空気をちゃんと読んだ静かな技だ。
下田は坂巻の神業に笑うしかない
「良いところに来てくれた」
坂巻は下田の背中で半分動けない誠矢に
「何やってんだ誠矢?」
「いや・・響の奴に麻痺ガンを背中から
撃たれた・・あの野郎~やってくれるぜ!」
坂巻は誠矢の声が妙に嬉しそうなのに気が付き
「その割に嬉しそうじゃないか・・
どうやら成るように成ったようだな」
下田も「いや凄かったよ、あの響と言う奴は
下手すると坂巻、お前より凄い男かも知れないぞ」
坂巻は真耶を抱き抱える響を見て
「当然だ、あいつは俺と誠矢の親友で
真耶ちゃんの王子様だぞ」そして
「凄くない訳がない」
そう優しく言って微笑んだ。
_______________________
★付箋文★
1時間後
冥王星は遂に太陽系防衛軍の手に戻ってきた
ドン・ドルガ総司令官は基地と運命を共にし
武人としての最後を飾ったと戦史に刻まれる
その詳細を知るウルフシューター将軍に
グリフォン将軍そしてワイルダー将軍も
移動する移動要塞工場に居た
バダイでガルスグレーサー本星に帰還した
バダイ全自動式(宇宙戦艦工場)
全長6000メートル
全高6000メートル
全幅6000メートル
形状は完全立方体で
自信で移動可能
最大リープ速度4
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
そしてガルスグレーサーに未帰還の
冥王星からの脱走兵達は又しても
ヘルターナを頼って銀河中心部に向かい旅立つ。
冥王星を奪還した地球防衛軍艦隊は
旗艦ハヤテを先頭に地球に向けての
凱旋である、文句なしの大勝利だった。
ハヤテ第一艦橋司令室
ジョンスミス(通信班長)
「地球から連絡です進路を
NAA71に取れです」
勝艦長は了解し響に進路を
NAA71に取れと言い渡す
「首都エルナスパークの上空だな」
「何でかな?他に針路は沢山あいてるのに」
「もう直ぐ選挙があるからだろ?」
「えっ!じゃ今の政府は俺達を
選挙の道具にするつもりかよ酷いな」
この頃地球では
現・与党である政府自衛党を脅かす程の
勢いを、野党の民意党が持ち始めいて
自衛党が焦りを見せていると
政治特集の討論番組で取り上げられていた
だが詰まらない政治の話より
響はまず真耶の事が気になるので
「すいません艦長、地球到着まで時間があるので
真耶隊員の様子を見てきても構わないでしょうか?」
艦長は頷き「うむ許可しよう、岩川に引き継ぎ
暫く席を離れることを許可する」
「有り難う御座います艦長!」
艦の繰艦を岩川に引き継ぎ
第一艦橋を後にした響は医療室へと向かった。
北村医師への挨拶もそこそこに
真耶の病室に向かった響は
ベットの側の椅子に腰掛け少女の様子を伺う、
その時の真耶は静かに微睡んでいた
「調子はどうだ真耶?」
そう言って響は真耶が手に持っている
壊れた装置に気づく「それは?」
「私の超能力を封じる機械・・壊れているけど
・・此が有れば私は普通の人間に戻れるの」
「そんなのよりずっと頼りになる
男が此処にいるのにそんな顔をするのかい?」
そうおどけて言う響に真耶の表情は緩み
「そうね」
『私にはもう王子様が居るんだもの』
その心の声が響に届き
二人は思わず照れて互いに顔を背けた
━━━━━━━━━━━━━━━━━━★付箋文★
長い太陽系を巡る戦いは地球の勝利に終わり
進路前方に青い星の影から漏れる
太陽光が見え始めた。
王家の絆 (第1部前半終了)
ヘル・ターナーの後を引き継いだ
運の無い哀れな男、3将軍に憧れ自分も
その一人に加わりたいという
無謀な野心を抱く禿ネズミ男
種族・禿ネズミ星人
見た目が小汚いのを理由に巨人族に
駆逐され掛けたが、科学実験で病気に
以上に強い特性があるとされ
ガルスグレーサーに加わることを許された
権力と暴力に異常に弱く
強者に本能的に取り入ろうとする
常に生き汚く行動する
副官・ネズラー
長年ドン・ドルガに使えて来た子分的存在。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「嘘だろ・・ネズラーお前が・・我が輩を・・
最後に裏切るのか?」
ドン・ドルガとこのネズラー副官は
長い付き合いだ
親分子分の時代から二人は苦労を重ね
ガルスグレーサーでのし上がって来たのである
ドン・ドルガは撃たれた傷を押さえながら
キングドルガー二世の艦橋に向かった
「ひいっ!」
だがその途中で科学者達の射殺体を
見つける事になる『彼奴がやったのか?』
打たれた腹から血が滴る
『解らん・・なんで彼奴が・・
こんな事をする?』
後ろを見ると正気を無くし口だけ
笑いながら銃を構えるネズラーが追って来る
「もう諦めましょうよドン・ドルガ様」
「貢ぎ物の小娘も失い・・
基地も落とされてガルスグレーサーに
帰る場所なんてもう我々にありませんよ~」
その言葉を補うように
基地管制塔から放送が流れる
ネズラー副官の言う通り、ドン・ドルガは
徐々に敵勢力に制圧されていく基地の状況を
歯軋りして聞いていた
ドン・ドルガはこの地位に着くために
上官を出し抜きライバルを蹴落とし
時には無実の罪を着せ、横領や賄賂を欠かさず
ネズラーの助けも借りながら権力の階段を
昇って来たが・・
その築き上げてきた地位が根底から音を立て
崩れ去っていく感覚を味わっていた。
「もう死んで罪を償う以外に我々に道は残されて
いないのです・・最期くらいは潔く一緒に
地獄に行きましょう」
ドン・ドルガは腹に一発喰らった状態であるにも
関わらず遂に戦艦の第一艦橋にまで辿り着いた
だがそこも地獄だった、その艦橋に
生きている乗員は一人も居なかった
『これもネズラー一人でやったのか?嘘だろ?』
血を大量に出血してドン・ドルガは
足がふらつき床に座り込んだ
そしてネズラーの足音が近づいてくる
「死んでお互い楽に成りましょうよドン・ドルガ様」
「待ってくれ!ネズラーちょっと話を聞いてくれ!」
「今更何を待つんですか?親分・・」
親分呼び・・ネズラーはもしかしたら
昔に戻ったのかも知れない
「お・・お前には黙ってたがよぉ俺様には
ガルスグレーサーに帰る算段があるんだよぉ」
昔のチンピラ時代の話し方でネズーラーの気を
落ち着かせる・・これしかねえ!
「算段?この期に及んで親分にまだ
(何か手)が残ってるんでやすか?」
『良し!取り敢えず聞く気にはなったか・・』
「お前も知っての通り俺には他人の
隠したい秘密や弱みを嗅ぎ分ける才能が
あるだろ?」
少し間を置き・・ネズラーはケケケと笑い
「ああ確かに親分が唯一人より勝る才能ですよね
だから何です?」
第一艦橋のドアが開きネズラーの
銃を持った影が廊下の壁に投影された
ドン・ドルガは息を呑みながら一言一言
慎重に選びながら話しを続ける
「俺様は・・あの監禁室を盗聴してた・・
そして3将軍の背信の証拠を握ったんだ」
「はあ?何をトチ狂った事を・・・
あの御三方がガルスグレーサーを
裏切る訳がないでしょう?」
ドン・ドルガは低く笑い
「否・・既に裏切っていた・・此を聞けネズラー」
ドン・ドルガは司令官服のボタンを
一つ触ってその音声を再生した
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(録音再生)
「巨人戦艦の性能となれば10の魔導兵器を
※(再現)できたのか?」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「この声は狼将軍だ」
「伝説ではあらゆる宇宙現象を再現し
艦隊規模を強力にしたり物体を
圧縮する魔法のような事も出来るらしいぞ!」
━━━━━━━━━━━━━
「更に大鷲将軍」
「ハハハバカバカしい話だな
お伽話にしても科学者が言う事じゃない
ウルフはたまにロマンチストになるよな」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(再生停止)
「そして此は戦鬼将軍の声だ」
「此が何なんです?オイラには
只の与太話にしか思えないすっけど」
「馬鹿お前には解らんのか?此は重大な
叛逆行為だぞ、狼将軍の言う所の
(再現)とは、巨人要塞戦艦の設計図を盗み
それで新造艦を作っていると言う意味なんだ!」
「そ・・それも捕虜の居る前で
こんな重要な情報を話して・・
態と情報を漏らした可能性まである」
「どうだ?此を持ち帰れば大手柄だ!
此度の失態など帳消しに・・」
「フフフ」・・含み笑いが聞こえる・・
『ネズラーが笑っているのか、否この声は
彼奴の声じゃないぞ!』
「たったそれだけの情報で其処まで掴むとは
中々どうして・・貴様は警官にでもなれば
一角の人物に成っていたかも知れないな」
廊下に投影されていたネズラーのシルエットが
ぐわっと身長が伸びて凛々しい風貌に変わる
この基地で、その影の形に相当するのは
「貴様・・J・・Jジョーカーなのか!?」
第一艦橋の電気が落ちて完全な闇になる、
だが窓の外には基地にひろがる炎が燃えあがり
戦艦ドッグも火災の猛威に襲われていた
艦内を朱い光が照らし出し黒と朱の
コントラストに世界が覆われる
「これでキングドルガー2世が
ガルスグレーサーに帰還する可能性は
完全に無くなったな」
ドン・ドルガは此が現実だとは思えなかった
達の悪い悪夢なのか?
「こ・・答えろ!ネズラーはどうした!!」
Jジョーカーは冷たく言った
「心配ない奴が死ぬのはもう少し後になる」
ドン・ドルガは笑いながら「そうか・・貴様
我が輩を追い詰め、このデータの
在処を探ったか・・」大事な虎の子である
胸のボタンに指をそっと添える
「そして秘密に関係した、わが輩の部下を
ネズラーの姿で皆殺しにし・・我が輩を殺した後
奴を焼身自殺に見せかけて殺す・・徹底している・・
ガハハ流石はプロのスパイだ!」
狂ったように笑いだすドン・ドルガの眉間を
Jジョーカーは無言で撃ち抜いた。
キングドルガー2世が炎に包まれ大爆発を
起こしたのはこの後、僅か数分後の事である。
______________________
★付箋文★
多くの兵が冥王星基地を放棄し脱出し始めた頃
大城真耶は、目の前を遮る邪魔な物は全て破壊し
崩壊する基地内をさ迷い歩いていた
そんな真耶を下田明が発見した
だが下田は一瞬(我が目)を疑う
「あ・・あれが真耶君?そんな馬鹿な・・」
だがそれは残酷な現実だった
変わり果てた真耶を見て動揺しながらも
下田はすぐ様その事実をハヤテに連絡する
連絡を受けてジョン・スミスは声を荒げ
「下田こんな時に冗談は寄せ!!」と怒鳴った
<こんな時に冗談なんか言うか全部事実だ!!>
下田の声も何時になく荒ぶっている
そんな様子に勝艦長がジョンを窘める
「スミス(通信班長!)」
ジョンがビクッと反応し艦長に顔を向け
「下田隊長から・・・真耶隊員を見つけたと・・
連絡が来ました」
第一艦橋のメンバーは一瞬は喜んだが
ジョンの様子に不吉な物を感じ
報告に聞き耳を立てる
それはおよそ悪夢の報告内容だった。
________________________
★付箋文★
真耶は静かな足取りで揺ったりと歩いていた
この戦場ではあり得ない程もの静かな足取りで
彼女だけが静寂の世界に居るようだった
前方35m程の所で何人かの兵隊達が真耶に向け
銃を発砲したが、真耶は兵達の横の壁を睨みつけ
それだけで壁は粉々に割れて弾丸となり
兵達を無惨な残骸に変えてしまう
それを見た兵達が真耶を
「化け物だ!逃げろ!」
そう言って血相を変え
逃げだそうとしたが
今の(血に飢えた怪物)と化した
真耶から逃げきれる筈もなく
壊れた壁から吹き出した炎を指さし
「燃やせ!」と真耶が命じると
炎が怪物の姿になって兵達を燃える牙で
噛み砕き消し炭に変える
炎の怪物イフリートが通り過ぎた後は
黒煙を上げブスブスとクスブる消し炭が
幾つか転がるだけだった。
真耶の後を追跡していた下田は
その恐ろしい光景に身震いした
ハヤテ英雄級の下田がである
彼は歴戦の勇士である、滅多な事では
動じないのだが、この時ばかりは
本能が危険告げる警告音が全力で鳴り響く
そこに誠矢と響の二人が下田の
発信信号を頼りに駆けつけてきた
「下田!真耶を見つけてくれたのか?」
誠矢の言葉で下田は我に返り
「待て!迂闊に彼女に近づくな危険だ!」
そう言って二人を制した
「彼女はいつもの彼女じゃない、血に飢えた
殺人鬼になっているあれを見ろ、彼女の犠牲者だ」
下田は消し炭となった兵達を指さした
炭化し飛び散った黒い欠片と破壊された壁
此で二人に伝わるのだろうか?
「真耶が正気じゃないのは見れば解る」
誠矢の言葉に下田は目撃した事を告げた
「俺の目撃した限り既に50人は殺している
それも普通の殺し方じゃない!人の形が
残らない程(惨殺)して回っているんだ」
誠矢はそれを聞いて無言で銃を抜く
「何時かはこうなる覚悟はしていた・・
真耶は俺が・・処分する」
そう言って歩き始めた誠矢を
響はパラライザーで後ろから撃ち気絶させた
「何をするんだ響!!」
下田は突然の響の行動に戸惑うが
響の顔を見て、それ以上言うのをやめる
『響・・お前・・』
その顔は何処までも爽やかで何処までも
愛に満ちた男の顔だった
そんな顔をした奴を俺は止められないと
下田は思い切って行けと目線で響の背中を押す
「有り難う下田さん」
気絶した誠矢を抱き起こし下田は
響を送り出した。
響は真耶に追いつくと死を覚悟で声を掛ける
「真耶・・やめるんだ!!」
その声にスロモーな動きで振り返る真耶
「・・あれ?・誰かと思えば・・竜一さん?・・
どうしてこんな所に居るの?」
響は愛する少女に手を差し伸べる
「僕と一緒に帰ろう・・君が居ないと寂しいよ」
真耶はキョトントしながら言葉の意味を考える
「帰る何処に?私は此処が良いのよ壊したい物が
イッパイあって楽しいんだもの」
あどけない仕草で
「それより見てこの赤いドレスとっても綺麗なの
私に似合ってるでしょ?」
返り血で真っ赤に染まった囚人服が
今の真耶には赤いドレスに見えるのだろうか?
響はそれを聞き首を横に振る
「いいや全然似合ってない」
「なんでそんなこと言うの?」
返り血でどす黒く汚れた真耶の顔の
目だけが爛々と光り、
周囲の空気が一気に張り詰める
下田は心の中で響に『下手に刺激するな
殺されるぞ!』と叫ぶが、何と響が笑い出した
「だって君に合うのはどう考えても白だ
あのパーティの時に来ていた白いドレスが
天使みたいに綺麗だったからね」
それを聞いた真耶の空気が少し揺るむ
「綺麗・・?私が?」
だがそれは一瞬で危険な空気に変わる
「今の私を見て綺麗だなんて
竜一さんが言うわけ無いわ!」
真耶がそう叫ぶと同時に響は壁に叩きつけられる
だが、よろめき乍も直ぐ立ち上がり
再び真耶に近づいた
「君は綺麗だよ・・それに優しい娘だ・・」
真耶は響の顔に一筋の鮮血が流れるのを見て
恐怖を覚える
「駄目よもう帰って!私はもう止まらない
この冥王星を破壊するわ!」
その真耶の手を取り響は優しく笑いかける
「仕方ないな・君は・・悪夢を見てるから
折角迎えに来たのに帰れだ何て・・さ」
「悪夢・・此は夢なの?」
響は真耶を抱きしめて顔を近づける
「そうだよこれは夢さ、その証拠に
眠り姫が目を覚ます(御呪い)を此から
するからね」
真耶は目を丸くして身を堅くする
「エッちょっと待って!それってキ・・」
響が真耶の顎に指を掛けゆっくりと
顔を近づけると、真耶の吐息が顔にかかる
そして真耶も響の吐息を感じて目を閉じた
それを確かめた響は躊躇わず
真耶の可愛い唇に自分の唇を重ねた
あの夢のチャペルが蘇り(燦然と)
ベルが鳴り響き意識の中でこの場が
一瞬で夢の教会となり幸せな光が降り注ぐ
ウエディングドレスを着た新婦の自分と
その自分とキスをしている新郎の顔が
本物の響竜一の姿になって
その瞬間、阿鼻叫喚の地獄だった場所が
極楽浄土の世界に入れ替わった、真耶の
青白い目の光は薄らいで消えていった
キスが終わった響は真耶の頭を胸に当て
「ほらね、此が夢じゃないなら(奥手の俺が)
君にキスなんて出来るわけ無いだろ?」
そう言って髪を撫でる。
真耶は響の背中に手を回しそして
強く抱きついた
「そうね、その通りよ優しいけど凄く奥手で
少しからかうだけで真っ赤になっちゃう、
そんな竜一さんが私にキスするなんて
・あり得ないもの・・でも・・」
『凄く嬉しくて幸せな夢・・悪夢を・・
忘れちゃう凄く優しい私だけの王子様・・』
次の瞬間真耶は本当の夢の世界に落ちていった
響は真耶を抱き抱えた「お帰り真耶」
その二人に後方から銃口の狙いを付ける
敵兵達が居た 「今だ!あの魔女を仕留めるぞ」
だが音もなく一人の怪物と呼ばれる男が現れ
そんな空気の読めない連中に天罰を与えた
「坂巻龍銃拳・無音爆砕指弾」
音もなく敵の脳髄に魔導気で強化した
指を音速でぶち込み即死させる
この場の空気をちゃんと読んだ静かな技だ。
下田は坂巻の神業に笑うしかない
「良いところに来てくれた」
坂巻は下田の背中で半分動けない誠矢に
「何やってんだ誠矢?」
「いや・・響の奴に麻痺ガンを背中から
撃たれた・・あの野郎~やってくれるぜ!」
坂巻は誠矢の声が妙に嬉しそうなのに気が付き
「その割に嬉しそうじゃないか・・
どうやら成るように成ったようだな」
下田も「いや凄かったよ、あの響と言う奴は
下手すると坂巻、お前より凄い男かも知れないぞ」
坂巻は真耶を抱き抱える響を見て
「当然だ、あいつは俺と誠矢の親友で
真耶ちゃんの王子様だぞ」そして
「凄くない訳がない」
そう優しく言って微笑んだ。
_______________________
★付箋文★
1時間後
冥王星は遂に太陽系防衛軍の手に戻ってきた
ドン・ドルガ総司令官は基地と運命を共にし
武人としての最後を飾ったと戦史に刻まれる
その詳細を知るウルフシューター将軍に
グリフォン将軍そしてワイルダー将軍も
移動する移動要塞工場に居た
バダイでガルスグレーサー本星に帰還した
バダイ全自動式(宇宙戦艦工場)
全長6000メートル
全高6000メートル
全幅6000メートル
形状は完全立方体で
自信で移動可能
最大リープ速度4
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
そしてガルスグレーサーに未帰還の
冥王星からの脱走兵達は又しても
ヘルターナを頼って銀河中心部に向かい旅立つ。
冥王星を奪還した地球防衛軍艦隊は
旗艦ハヤテを先頭に地球に向けての
凱旋である、文句なしの大勝利だった。
ハヤテ第一艦橋司令室
ジョンスミス(通信班長)
「地球から連絡です進路を
NAA71に取れです」
勝艦長は了解し響に進路を
NAA71に取れと言い渡す
「首都エルナスパークの上空だな」
「何でかな?他に針路は沢山あいてるのに」
「もう直ぐ選挙があるからだろ?」
「えっ!じゃ今の政府は俺達を
選挙の道具にするつもりかよ酷いな」
この頃地球では
現・与党である政府自衛党を脅かす程の
勢いを、野党の民意党が持ち始めいて
自衛党が焦りを見せていると
政治特集の討論番組で取り上げられていた
だが詰まらない政治の話より
響はまず真耶の事が気になるので
「すいません艦長、地球到着まで時間があるので
真耶隊員の様子を見てきても構わないでしょうか?」
艦長は頷き「うむ許可しよう、岩川に引き継ぎ
暫く席を離れることを許可する」
「有り難う御座います艦長!」
艦の繰艦を岩川に引き継ぎ
第一艦橋を後にした響は医療室へと向かった。
北村医師への挨拶もそこそこに
真耶の病室に向かった響は
ベットの側の椅子に腰掛け少女の様子を伺う、
その時の真耶は静かに微睡んでいた
「調子はどうだ真耶?」
そう言って響は真耶が手に持っている
壊れた装置に気づく「それは?」
「私の超能力を封じる機械・・壊れているけど
・・此が有れば私は普通の人間に戻れるの」
「そんなのよりずっと頼りになる
男が此処にいるのにそんな顔をするのかい?」
そうおどけて言う響に真耶の表情は緩み
「そうね」
『私にはもう王子様が居るんだもの』
その心の声が響に届き
二人は思わず照れて互いに顔を背けた
━━━━━━━━━━━━━━━━━━★付箋文★
長い太陽系を巡る戦いは地球の勝利に終わり
進路前方に青い星の影から漏れる
太陽光が見え始めた。
王家の絆 (第1部前半終了)
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