ウザい先輩と可愛げのない後輩

黒姫百合

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22話

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「別に気にしてないから大丈夫」

 なぜか陽子の方が気を使っているが別に真希はなにも気にしてはいなかった。

「……ちっ」

 そしてなぜか陽子と話を交わしただけで睨まれ舌打ちをされる。
 この女は相当面倒くさくて嫉妬深い女だと言うことが分かる。
 人とあまり接してこなかったが、どうして真希が愛理の目の敵になっているのかだいたいは予想がつく。
 きっと愛理は陽子のことが好きなのだ。
 陽子はどうかは分からないがきっと、幼馴染とぐらいしか思っていないだろう。
 でもその陽子が、愛理と話す時間を割いてまで真希と話していることが気に入らないのだろう。

「それじゃー愛理ちゃん、またね」
「うん。またね……」

 更衣室の前にたどりついた三人は、男女で別々の更衣室に分かれる。
 陽子はいつも通りの優しい笑みを浮かべていたが、愛理は物寂しそうな表情を浮かべ、なぜか真希を羨ましそうな目で睨んでいた。
 着替えは男女別々なんだから、そんなことで文句を言われても迷惑だ。
 真希は心の中でため息を吐いた。

「陽子、遅かったね」
「うん、愛理ちゃんや北野さんと来たから少し遅くなっちゃった」
「へぇーそうなんだ」

 男子更衣室に入るとすぐにその中にいた男の娘に話しかけられる陽子。
 陽子はクラスの中でも人気なため、陽子に話しかけてくる人は多い。
 陽子に話しかけてきた男の娘も、入学初日から仲良くなった取り巻きの一人だろう。

「北野さんも着替えよっ」
「牧野に言われなくても着替えるから大丈夫だ」

 陽子は友達のいない真希に気を使い話しかけてくる。
 それが大きなお世話ということになぜ陽子は気づいていないのだろうか。

「無理して北野と仲良くすることないんじゃないの」
「別に無理してないの。私はみんなと仲良くなりたいだけだから」
「……陽子がそういうならあたしはこれ以上なにも言わないけど……」

 真希に邪険に扱われている陽子を見て、取り巻きが陽子にお節介を焼く。
 陽子が無理してではなく自分が好きでやっていることだと言われると、取り巻きは渋々引き下がった。
 もうすぐ体育の時間も始まると言うこともあり、すぐに体操着に着替え校庭に集合する。
 ちなみに男女とも上は白の半そで、下は青のハーフパンツである。
 四月で季節も春ということもあり、日差しは穏やかで過ごしやすい気候である。
 気候は最高に過ごしやすいのだが、体育の時間は他の授業と比べてかなり憂鬱な時間だ。

「では二人でペアを作って、ストレッチをしてください」

 それは体育の時間だと、毎回こうして二人でペアを作らされるからだ。
 他の授業なら隣同士の人とやればいいが、体育だと好きなように移動することができる。
 そうすると、自然と仲の良い同士で集まることなる。
 ボッチの真希には誰も集まることなく、一人だけあぶれることになる。
 普段は一人でいる方が気が楽な真希だが、この時ばかりは居心地が悪い。
 ペアであぶれると仲の良い三人組の誰かと組まされることが多い。
 そうなるとお互い気まずくて地獄である。
 だからこういう生徒同士でペアを作らせるのは、真希みたいな被害者を作らないために廃止した方が良いと思うのだが、言ってもそれは真希ぐらいしか当てはまらないため却下されるのがオチだろう。
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