ウザい先輩と可愛げのない後輩

黒姫百合

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23話

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「北野さん、一緒にストレッチしない」

 なにを血迷ったのか、一人あぶれている真希に陽子が声をかける。
 きっと一人あぶれている真希を哀れんで声をかけてきてくれたのだろう。

「……別に良いけど」

 ここで断るほど真希は馬鹿ではないし、そもそも断ったところで組む相手もいない
 なら、ペアを組もうと頼んできた陽子と組む方がベストだろう。

「あぁ~、あたしが男の娘か陽子が女の子だったら一緒にペア組めるのに~」
「それはしょうがないよ~愛理ちゃん」

 体育のペアは基本同性同士で組むのが一般的である。
 ストレッチのペアを陽子を組みたかった愛理は不平不満を垂れ、陽子が苦笑いを浮かべながら慰めている。

「はいはい、愛理も文句言わないの。ペアの私が悲しくなるでしょ」
「ごめんね弥生」

 愛理のペアの弥生という女の子も愛理をからかうような感じで宥める。

「別に私は愛理ちゃんのことが好きだからストレッチしても良いけど、男子も女子も偶数だから私と愛理ちゃんがペアを作るともう一ペアも男女ペアになっちゃうから愛理ちゃんとは組めないね」

 陽子的には愛理とストレッチするのは大丈夫だが、男子も女子も偶数のため陽子と愛理がペアを組むともう一組のペアも男女ペアになってしまう。
 そうなるから陽子は愛理とペアが組めないらしい。

「あら愛理。好きだって言われてるわよ」
「うっさい弥生。からかうな、この馬鹿」

 愛理をからかう弥生に真っ赤な顔で愛理は言い返す。
 言わなくても分かると思うが、陽子の『好き』はきっと幼馴染としての『好き』だろう。
 そして愛理の反応を見る限り、愛理の『好き』は恋愛としての『好き』だろう。
 別に真希には関係ないからどうでも良いのだが。

「陽子ー、愛理も陽子のこと好きだって」
「ちょっ、弥生、なに言ってるのよ」
「うん、ありがとう愛理ちゃん。私も好きだよ」

 弥生も高校一年生の女の子だ。
 色恋沙汰が好きな年頃なのだろう。
 愛理の色恋沙汰には興味はないが、あんなに恥ずかしそうに慌てている愛理を見るのは滑稽で面白い。
 陽子は嬉しそうな表情を浮かべながらお礼を言い、自分も好きだと伝えているが完全にすれ違っている。
 愛理には悪いがこれはこれで面白い。

「さっさとストレッチするわよ弥生」
「はいはーい」
「それじゃー私たちもストレッチしようか、北野さん」
「そうだな」

 その話題であまりいじられたくなかった愛理は無理矢理話を終わらせストレッチを始める。
 弥生もからかえて満足なのか清々しい笑顔だった。
 陽子も今がストレッチする時間だと思い出し、真希も陽子と一緒にストレッチを始めたのであった。
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