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81話
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「あたしも気まずさはあるさ。でも北野後輩より先輩だからな。あたしが照れたり気まずそうな顔してたら北野後輩に余計気を使わせてしまうだろう」
「紗那がそんなこと考えているなんて予想外でした。紗那も意識はしているのですね」
「へぇ~意外。てっきり紗那のことだからそういうの全く意識してないと思ってた。紗那もちゃんと先輩してるじゃん」
「なんだその表情は。あたしだってなにも感じてないわけじゃないんだからな。清美も茶化すのは止めろ。なんだその『ちゃんと先輩してるじゃん』は。あたしはちゃんと先輩だ」
紗那の気遣いを知った麗奈と清美は驚いた表情を浮かべる。
本当に馬鹿にしすぎである。
紗那だって先輩なりに後輩の真希に気を使っているのだ。
「そうですね。紗那はちゃんと先輩ですね。北野さん思いの良い先輩です」
「そうそう。紗那にしてはちゃんと先輩してるよね。紗那は後輩思いの良い先輩だよ」
「……なんか急に褒められると照れるのだが」
麗奈と清美に『後輩思いの先輩』と肯定され嬉しいのだが、なんだかむず痒く恥ずかしかった。
「先輩の紗那が気まずさを感じているなら後輩の北野さんはもっと気まずさを感じているはずです」
「あたしだって気まずさを感じてるんだから北野後輩はそれ以上に気まずさを感じてるよなー」
麗奈に指摘された紗那は、真希が自分以上に気まずさを感じていることを再確認する。
先輩の自分も気まずさで真希と話しづらいのだ。
後輩の真希はそれ以上に気まずくて話しづらいだろう。
「あたしはどうすれば良いと思う? 気にしないのも無理だし忘れるのも無理なら万事休すじゃないか」
紗那も真希もお互い、意識して話しかけづらい。
キスを忘れることも無理。
もう打つ手がない。
「忘れたり気にしないのが無理ならもう一度北野さんと話すべきです。これからどうしたいのか、このままで良いのか。紗那だってこのままの関係は嫌ですよね」
「もちろんだ。でもなんて話しかければ良いのか分からないんだ」
麗奈の言っていることはもっともだ。
紗那だってずっと真希と気まずいままは嫌だ。
真希との関係をなんとかしたいと思いつつも、真希と気まずいせいで紗那もどんな顔で話しかければ良いのか分からない。
こんな経験は初めてだ。
「えっ、そんなの簡単じゃん。いつも通り話しかければ良くない?」
「それができたら苦労はしないんだが」
「お互い意識しているから気まずいんでしょ。なら意識しないで話しかけてみたら。もしかしたら北野も紗那が意識していることが伝わってますます気まずくなってるかもしれないよ」
清美の言う通りいつも通り話せたらなにも苦労はしない。
だが、そのいつも通りが今は難しいのだ。
「……その可能性は想定外だった」
清美に指摘された紗那は頭を抱えた。
その可能性は考えていなかった。
「紗那がそんなこと考えているなんて予想外でした。紗那も意識はしているのですね」
「へぇ~意外。てっきり紗那のことだからそういうの全く意識してないと思ってた。紗那もちゃんと先輩してるじゃん」
「なんだその表情は。あたしだってなにも感じてないわけじゃないんだからな。清美も茶化すのは止めろ。なんだその『ちゃんと先輩してるじゃん』は。あたしはちゃんと先輩だ」
紗那の気遣いを知った麗奈と清美は驚いた表情を浮かべる。
本当に馬鹿にしすぎである。
紗那だって先輩なりに後輩の真希に気を使っているのだ。
「そうですね。紗那はちゃんと先輩ですね。北野さん思いの良い先輩です」
「そうそう。紗那にしてはちゃんと先輩してるよね。紗那は後輩思いの良い先輩だよ」
「……なんか急に褒められると照れるのだが」
麗奈と清美に『後輩思いの先輩』と肯定され嬉しいのだが、なんだかむず痒く恥ずかしかった。
「先輩の紗那が気まずさを感じているなら後輩の北野さんはもっと気まずさを感じているはずです」
「あたしだって気まずさを感じてるんだから北野後輩はそれ以上に気まずさを感じてるよなー」
麗奈に指摘された紗那は、真希が自分以上に気まずさを感じていることを再確認する。
先輩の自分も気まずさで真希と話しづらいのだ。
後輩の真希はそれ以上に気まずくて話しづらいだろう。
「あたしはどうすれば良いと思う? 気にしないのも無理だし忘れるのも無理なら万事休すじゃないか」
紗那も真希もお互い、意識して話しかけづらい。
キスを忘れることも無理。
もう打つ手がない。
「忘れたり気にしないのが無理ならもう一度北野さんと話すべきです。これからどうしたいのか、このままで良いのか。紗那だってこのままの関係は嫌ですよね」
「もちろんだ。でもなんて話しかければ良いのか分からないんだ」
麗奈の言っていることはもっともだ。
紗那だってずっと真希と気まずいままは嫌だ。
真希との関係をなんとかしたいと思いつつも、真希と気まずいせいで紗那もどんな顔で話しかければ良いのか分からない。
こんな経験は初めてだ。
「えっ、そんなの簡単じゃん。いつも通り話しかければ良くない?」
「それができたら苦労はしないんだが」
「お互い意識しているから気まずいんでしょ。なら意識しないで話しかけてみたら。もしかしたら北野も紗那が意識していることが伝わってますます気まずくなってるかもしれないよ」
清美の言う通りいつも通り話せたらなにも苦労はしない。
だが、そのいつも通りが今は難しいのだ。
「……その可能性は想定外だった」
清美に指摘された紗那は頭を抱えた。
その可能性は考えていなかった。
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