23 / 103
23話
しおりを挟む
「あっ、撫子ちゃん、その表情可愛いー」
「確かに金森の言う通り、少し可愛いかも」
「でしょ。やっぱり撫子ちゃんはツンケンしてる顔より笑ったり、照れてる方が可愛いよ」
「ちょっと二人とも、どうして急に私をいじり始めたのかしら。やめなさい」
「だって可愛いだもん」
「だ、そうだ」
「ちょっと二人ともからかうの禁止。いい加減にしないと怒るわよ」
撫子の拗ねた顔が可愛かったのか、舞は子猫を見るかのようにニッコリしている。
いつもクール(と言っても撫子との付き合いはまだ一週間未満)な面しか知らなかった瑞希からしても撫子の照れた表情は新鮮で、それゆえにギャップがあり可愛く見えた。
二人にからかわれたと思っている撫子は照れながらも怒っているが、それがまた可愛い。
これはどこにでもある日常の一コマだ。
でもそこにはきらめく輝きと甘酸っぱい笑顔があった。
きっとこんなどこにでもある日常の一コマなんて、大人になったらそんなことがあったことすら覚えていないだろう。
でも、確かにこの日常はあったのだ。
まだ瑞希も高校一年生。しかも春だ。
高校生にとって、この生きている時間、場所が自分にとっての『世界の全て』である。
だからこそ、瑞希は、瑞希たちは当たり前の日常が当たり前ではない日常ということをまだ知らない。
その後、撫子が本気で拗ねそうなので、瑞希も舞もそれ以上からかうことはしなかった。
教室に着き、中に入ると舞がクラスメイト……というか自分が所属しているグループたちに声をかける。
舞が所属しているグループは説明しなくても分かると思うが、いわゆるクラスカースト最上位のグループである。
簡単に言えばイケイケオシャレリア充グループだ。
彼らは自分たちがこのクラスのカースト最上位ということを自覚し、自分たちの存在を誇示している。瑞希の嫌いなタイプの人種である。
普通に考えれば同い年なのに、なぜカースト制度があるのか疑問に思うかもしれないが、子供の世界では、無意識に格付けが行われている。
基本、リア充がクラス上位を占め、普通の生徒が中位、陰キャやボッチが下位を占めている。
これは越えられない西洋の身分制度のようなものだ。
クラス下位の人間は決してクラス上位の人間には逆らえない。
だからこそ、リア充グループはこの教室(せかい)をわが物顔のように牛耳っている。
瑞希とは絶対に相容れない存在である。
言わなくても分かると思うが瑞希もクラスカースト下位だし、撫子だって同じだろう。
それにいつも一人で縮こまっている男の娘も、休み時間全て勉強しているがり勉少女もクラスカースト下位の仲間だ。
無論、クラスカースト下位だからって、上位に上がりたいとは思ってないし撫子だって瑞希と同じ思いだろう。
撫子なんて、教室に着くとすぐに一人で読書を始めていた。
あれはクラスカーストなんて全く気にしていない人の顔つきである。
瑞希は机に教科書やノートをしまった後、イヤホンを耳に付け下界から自分をシャットアウトした。
このクラスで撫子と舞以外話す人がいない瑞希にとって下界からシャットアウトしてもなんの不都合はない。
瑞希は一人音楽を聴きながら朝のホームルームまでの時間を潰していた。
これが瑞希にとっての何気ない日常であった。
「確かに金森の言う通り、少し可愛いかも」
「でしょ。やっぱり撫子ちゃんはツンケンしてる顔より笑ったり、照れてる方が可愛いよ」
「ちょっと二人とも、どうして急に私をいじり始めたのかしら。やめなさい」
「だって可愛いだもん」
「だ、そうだ」
「ちょっと二人ともからかうの禁止。いい加減にしないと怒るわよ」
撫子の拗ねた顔が可愛かったのか、舞は子猫を見るかのようにニッコリしている。
いつもクール(と言っても撫子との付き合いはまだ一週間未満)な面しか知らなかった瑞希からしても撫子の照れた表情は新鮮で、それゆえにギャップがあり可愛く見えた。
二人にからかわれたと思っている撫子は照れながらも怒っているが、それがまた可愛い。
これはどこにでもある日常の一コマだ。
でもそこにはきらめく輝きと甘酸っぱい笑顔があった。
きっとこんなどこにでもある日常の一コマなんて、大人になったらそんなことがあったことすら覚えていないだろう。
でも、確かにこの日常はあったのだ。
まだ瑞希も高校一年生。しかも春だ。
高校生にとって、この生きている時間、場所が自分にとっての『世界の全て』である。
だからこそ、瑞希は、瑞希たちは当たり前の日常が当たり前ではない日常ということをまだ知らない。
その後、撫子が本気で拗ねそうなので、瑞希も舞もそれ以上からかうことはしなかった。
教室に着き、中に入ると舞がクラスメイト……というか自分が所属しているグループたちに声をかける。
舞が所属しているグループは説明しなくても分かると思うが、いわゆるクラスカースト最上位のグループである。
簡単に言えばイケイケオシャレリア充グループだ。
彼らは自分たちがこのクラスのカースト最上位ということを自覚し、自分たちの存在を誇示している。瑞希の嫌いなタイプの人種である。
普通に考えれば同い年なのに、なぜカースト制度があるのか疑問に思うかもしれないが、子供の世界では、無意識に格付けが行われている。
基本、リア充がクラス上位を占め、普通の生徒が中位、陰キャやボッチが下位を占めている。
これは越えられない西洋の身分制度のようなものだ。
クラス下位の人間は決してクラス上位の人間には逆らえない。
だからこそ、リア充グループはこの教室(せかい)をわが物顔のように牛耳っている。
瑞希とは絶対に相容れない存在である。
言わなくても分かると思うが瑞希もクラスカースト下位だし、撫子だって同じだろう。
それにいつも一人で縮こまっている男の娘も、休み時間全て勉強しているがり勉少女もクラスカースト下位の仲間だ。
無論、クラスカースト下位だからって、上位に上がりたいとは思ってないし撫子だって瑞希と同じ思いだろう。
撫子なんて、教室に着くとすぐに一人で読書を始めていた。
あれはクラスカーストなんて全く気にしていない人の顔つきである。
瑞希は机に教科書やノートをしまった後、イヤホンを耳に付け下界から自分をシャットアウトした。
このクラスで撫子と舞以外話す人がいない瑞希にとって下界からシャットアウトしてもなんの不都合はない。
瑞希は一人音楽を聴きながら朝のホームルームまでの時間を潰していた。
これが瑞希にとっての何気ない日常であった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる