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65話
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「……ジャンケンにも負けるなんてマジで最悪」
「……柊さんの言う通りね。面倒がさらに面倒になったわ」
ジャンケンで見事に一発で負けた瑞希と撫子が道具を取りに行く係に任命された。
これほど任命されても嬉しくない任命はないだろう。
「さっさと取ってきなさい」
いつも上から目線の椿がいつも通り上から目線で瑞希たちに道具を取りにいかせる。
「そう言えば柊さんって金森さんと昔からの知り合いだったの?」
「えっ……いや、高校に入ってから……いや……中学生の時も会ってるかも……」
まさか撫子がこんなプライベートなことを聞いてくるとは思っていなかった瑞希は一瞬、言葉を詰まらせた。
瑞希は舞との馴れ初めを思い出すが高校生になった時……話したことは覚えているが中学生の時に会っていたかと言われれば微妙である。
「もしかして同じ中学だったの?」
「いや同じ中学ではない。確かあれは高校の受験の時だったか。隣の席の子が筆記用具全部忘れて来ちゃっていてさ」
「なにそれ。さすがに受験当日筆記用具一式を忘れる受験生なんていないでしょ」
「それが本当なんだよ。本当に受験当日に筆記用具全部忘れてきた女の子がいてな。それが金森だったと私は推測している」
「推測? 断定はしてないのね。結構目立つ髪型してるから印象に残りそうなものだけど」
「いや、あの時の女の子は髪もボサボサでキューティクルもパサパサで黒髪で眼鏡をかけた喪女だったけど、多分金森だったような気がする」
「……全然今の金森さんとは違う印象ね。本当にその人、金森さんなの?」
自分で説明して思ったが、高校受験の舞と今の舞はまるで別人のように違う。
あくまでも高校受験の時の女の子が舞だという前提で話すが、高校受験の舞は本当に暗くて、瑞希よりも陰キャだった。
でも高校に入学して来た舞は明るく、髪も脱色しており、まさに陽キャだった。
昔の根暗さなんて一パーセントもない。
撫子が疑うのも無理もない。
瑞希だって、あれが本当に昔の舞だったか断定ができないのだから。
「だから今度聞いてみようと思う」
ずっとこのままでいるのも気持ち悪いので、聞くタイミングが合えば聞きたいと瑞希は思う。
別にあれが舞でも舞でなくても今の関係性は変わらないのだが、まるで喉に刺さった小骨のように、妙に気になってしまう。
「……そんなに早く金森さんは柊さんと出会っていたのね」
「? なにか言ったか白鳥」
隣で撫子が小さな声で呟いている。
でもその声が小さすぎて、耳をすませている瑞希でも聞き取ることはできなかった。
「いえ、なにも言ってないわ。それじゃー道具も受け取ったことだし、みんなのところに戻るわよ」
まるで瑞希に詮索されたくないかのように、撫子は今の話題を切り上げる。
瑞希は撫子がなんて言ったのか気になったものの、これ以上聞くのはマナー違反だと思い口から出かかった言葉を溜飲した。
撫子と瑞希の間には薄い細胞膜のように、少しだけ二人を隔てるものがあった。
「……柊さんの言う通りね。面倒がさらに面倒になったわ」
ジャンケンで見事に一発で負けた瑞希と撫子が道具を取りに行く係に任命された。
これほど任命されても嬉しくない任命はないだろう。
「さっさと取ってきなさい」
いつも上から目線の椿がいつも通り上から目線で瑞希たちに道具を取りにいかせる。
「そう言えば柊さんって金森さんと昔からの知り合いだったの?」
「えっ……いや、高校に入ってから……いや……中学生の時も会ってるかも……」
まさか撫子がこんなプライベートなことを聞いてくるとは思っていなかった瑞希は一瞬、言葉を詰まらせた。
瑞希は舞との馴れ初めを思い出すが高校生になった時……話したことは覚えているが中学生の時に会っていたかと言われれば微妙である。
「もしかして同じ中学だったの?」
「いや同じ中学ではない。確かあれは高校の受験の時だったか。隣の席の子が筆記用具全部忘れて来ちゃっていてさ」
「なにそれ。さすがに受験当日筆記用具一式を忘れる受験生なんていないでしょ」
「それが本当なんだよ。本当に受験当日に筆記用具全部忘れてきた女の子がいてな。それが金森だったと私は推測している」
「推測? 断定はしてないのね。結構目立つ髪型してるから印象に残りそうなものだけど」
「いや、あの時の女の子は髪もボサボサでキューティクルもパサパサで黒髪で眼鏡をかけた喪女だったけど、多分金森だったような気がする」
「……全然今の金森さんとは違う印象ね。本当にその人、金森さんなの?」
自分で説明して思ったが、高校受験の舞と今の舞はまるで別人のように違う。
あくまでも高校受験の時の女の子が舞だという前提で話すが、高校受験の舞は本当に暗くて、瑞希よりも陰キャだった。
でも高校に入学して来た舞は明るく、髪も脱色しており、まさに陽キャだった。
昔の根暗さなんて一パーセントもない。
撫子が疑うのも無理もない。
瑞希だって、あれが本当に昔の舞だったか断定ができないのだから。
「だから今度聞いてみようと思う」
ずっとこのままでいるのも気持ち悪いので、聞くタイミングが合えば聞きたいと瑞希は思う。
別にあれが舞でも舞でなくても今の関係性は変わらないのだが、まるで喉に刺さった小骨のように、妙に気になってしまう。
「……そんなに早く金森さんは柊さんと出会っていたのね」
「? なにか言ったか白鳥」
隣で撫子が小さな声で呟いている。
でもその声が小さすぎて、耳をすませている瑞希でも聞き取ることはできなかった。
「いえ、なにも言ってないわ。それじゃー道具も受け取ったことだし、みんなのところに戻るわよ」
まるで瑞希に詮索されたくないかのように、撫子は今の話題を切り上げる。
瑞希は撫子がなんて言ったのか気になったものの、これ以上聞くのはマナー違反だと思い口から出かかった言葉を溜飲した。
撫子と瑞希の間には薄い細胞膜のように、少しだけ二人を隔てるものがあった。
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