柊瑞希は青春コンプレックス

黒姫百合

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66話

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 ゴミ拾い中、劇的になにか変わった出来事はなかった。
 ただ高校生がゴミを拾うだけの絵ずらである。
 どこにも誰にも需要なんてないだろう。

「やっぱり二時間もゴミ拾いをすると疲れるな」

 ずっと中腰でゴミを拾っていた瑞希は、固まった筋肉をほぐすように腰を叩いたり動かしたりする。
 高校生でもずっと中腰でいるのはきつい。
 腰にかなり負担がかかる。

「だらしないわね。こんなんで疲れるなんて運動不足なんじゃないの」

 そんな瑞希を見て呆れているのか馬鹿にしているのか、椿は嫌味を言ってくる。
 野球部の椿は全然平気らしく余裕の表情を浮かべている。
 それが癪に障り、カチンと来る。

「悪かったな運動不足で。だけど他の人も結構疲れてるだろ」
「さすがに腰が痛いわね。少し休憩でもしようかしら」
「そうだね。無理しすぎるのも体に悪いしね。他のボランティアのみんなも適宜休み取ってるし」
「だよね~。もうあたし腰が限界なんだけど~」

 女の子三人は瑞希同様、腰や脚に限界を迎えていたらしくクタクタだった。
 それを椿に指摘すると、不機嫌な表情を浮かべてきた。

「……嫌な男の娘ね」
「お前もな」

 二人の間で火花が散る。
 何度も言うが本当にムカつく男の娘である。

「まぁーまぁー二人とも。僕たちは毎日きつい野球部の練習をしてるからこれぐらい全然平気だけど、運動部じゃない人は運動不足じゃなくても結構きついと思うよ」

 二人の険悪なムードを察した帆波は、宥めようと仲裁に入る。
 椿は最悪だが、この帆波という男の娘は悪くはないと瑞希は思っている。
 むしろ好感を持っているぐらいだ。
 幼馴染とはいえ、よくこんな男の娘とずっと一緒にいれるもんである。
 瑞希なら絶交しているレベルだ。

「なによ帆波。帆波はあたしじゃなく瑞希の肩を持つ気なのっ」

 自分の肩ではなく、瑞希の肩を持った帆波が気に食わなかったのか、椿は帆波に詰め寄る。
 まるで仕事と私、どっちが大事なのと聞く彼女ぐらい面倒くさい。

「別にそういうわけじゃないよ。でも中腰でゴミを拾い続けるのって結構大変なんだよ。僕たちは部活で鍛えているけど、鍛えていない人だとほらっ、大人も子供も腰回りをストレッチしながらゴミ拾いしているでしょ」

 頭の固い椿を納得させようと帆波は椿に周りを見るように仕向ける。
 周りでは他の参加者も中腰でゴミ拾いは大変らしく、各自適宜休憩を取りながらゴミ拾いを行っている。
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