柊瑞希は青春コンプレックス

黒姫百合

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77話

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「……さすがにそれはストーカーに片足突っこんでるぞ」
「えっ、マジ。そんなつもりはなかったのに」

 さすがに舞のその行動は行き過ぎなような気もする。
 舞はまさか自分がストーカーまがいなことをしていたとは思っていなかったらしく衝撃を受けている。
 その後靴を履き替え瑞希たちは帰路に着く。
 文化部とかは毎日部活があるわけではないので、瑞希以外の生徒たちも通学路を歩いている。

「そう言えば瑞希ちゃんっていつも一人だよね。もっと友達とか作らないの?」
「昼休みも話したと思うが、別に友達がほしいと思ったことがないからな。むしろ一人でいる方が楽しいし」
「そうなんだ……瑞希ちゃんって大人だね」
「大人?」

 なぜ一人が好きなことが『大人』なのか意味不明だった瑞希は首を傾げる。
 一般的に舞のように高校生は、友達を作って友達と遊ぶ方が一人でいるよりも楽しいと感じる人は多いのかもしれない。
 それに瑞希は大人ではない。
 『高校生』だ。
 子供から大人になる途中の段階だ。

「えっ、だって一人でいても寂しくないなんて大人だよ……」
「金森は寂しいのか?」
「……うん、あたしは寂しいかな。だから友達作って楽しく過ごしたいな……だって一人は寂しいもん」

 舞も舞で瑞希が驚いていることに驚いている。
 瑞希がもう少し深く質問すると、舞のトラウマに触れてしまったのか表情が陰る。

「すまない。その一人が寂しいという感情が分からん」

 残念ながら瑞希はどうして舞が一人で寂しいとか言っているのか分からなかった。

「うそっ。だって一人って寂しいじゃん。あたし、中学の頃一人だったから……あはは、この見た目じゃ想像がつかないよね。あたし、中学生の頃は本当に暗くて友達もいなくて、寂しかった。だから、高校はイメチェンしてギャルになってたくさん友達作って、楽しく過ごすんだって……」

 今の舞は明るくて社交的でクラスにも瑞希以外の友達もたくさんいる、クラスの中心的な女の子だ。
 だから舞が言っている中学時代の舞は全然想像ができなかった。
 ……いや……待てよ。
 瑞希の頭の中にある記憶が蘇る。
 それは、この間舞に聞こうとして結局授業が始まって聞けなかったある記憶だった。

「……もしかしたら私、知ってるかもしれない」
「……えっ」

 瑞希の呟きに舞はなにかを願うかのように言葉を漏らす。
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