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62話
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「……ありがとう」
茜の優しさが胸に染みる。
「ほら、手握ってあげるから。これで少しは楽でしょ」
まだ体調が悪いと勘違いをしている茜は、早苗が楽に歩けるように手を握り、引っ張る。
早苗は茜の優しさに甘え、されるがまま茜についていく。
茜の手は温かくて、少しだけ汗で湿っていた。
その後、屋上の扉を開け、屋上に上がる。
「お待たせしました飯島先輩」
「いや、私も今来たところだ。……本当に二人は仲が良いのだな。妬いてしまうよ」
茜が密樹に声をかけると、密樹も二人に気を使って待ち合わせで使われる常套句一位の言葉を言う。
密樹がなにか言ったが、声が小さすぎて早苗は聞き取れなかった。
「早苗、無理はしちゃダメだよ」
「分かってるよ。もー、茜ちゃんは過保護なんだから」
「それぐらいあたしは早苗のことが心配なんだよ」
「……分かってるよ。ありがとう」
何度も心配されると早苗も嬉しい気持ちよりも面倒くさいという気持ちの方が大きくなる。
早苗が茜に文句を言うと、茜は言うことを聞かない子供を窘める声音で言う。
茜の優しさが痛いほど分かるからこそ、不貞腐ってしまう。
「おや、武田さんは調子が悪いのかい」
「いえ、全然大丈夫なので。さぁ、昼休みも短いので三人でご飯を食べましょう」
密樹も早苗の体調を心配しているが、別に体調は悪くないためこれ以上この話をしたくなかった早苗は話題を切り替える。
密樹も早苗のことを気遣って言ってくれているのが分かっているのだが、その気遣いを早苗は素直に受け取ることができなかった。
その後、屋上に設置されているベンチに座り、昼ご飯を食べる。
ちなみに席順は茜が真ん中で、茜の右側に密樹、左側に早苗が座っている。
「二人のお弁当は同じなんだな。もしかして一緒に作っているのか?」
「はいそうですね。お互い自由に家を行き来してますし。二人で作ってますね。一人分作るのも二人分作るのも変わりませんし、だったら二人で二人分作った方が楽なので」
早苗と茜が弁当箱を開けた時、二人とも同じおかずだったということもあり、すぐに密樹は二人が一緒にお弁当を作っていることを推測する。
茜の言う通り、お弁当は二人で作っている。
一人でお弁当を作るよりも茜と一緒に作った方が楽しいし、一緒に作ればその分茜と一緒にいられる時間が増えるメリットもある。
ちなみに、冷凍が多く、冷凍グラタンや冷凍唐揚げ、ミックスベジタブルやウインナーや白米などが入っている。
「あぁ~羨ましいな。私にもそんな幼馴染が欲しかった」
「飯島先輩にはいないんですか」
「まぁー……小学校の頃の友達はいるが、今は月に一回ぐらいしか遊ばないしな。電話とかラインはよくするが、一緒にお弁当を作ったり武田さんのようにベッタリはしないかな」
ラブラブな幼馴染を羨ましがる密樹。
そんな密樹に茜が質問すると、悲しそうに首を振っている。
他の幼馴染は早苗や茜ほど、ベッタリはしないらしい。
その後、ご飯を食べながら三人で談笑する。
三人で談笑すると言っても、基本密樹と茜がメインで話し、早苗は話を振られた時だけ話すという感じだ。
密樹はもちろん、茜もなんだか楽しそうに密樹と話している。
それがなんだか嫌だった。
茜の優しさが胸に染みる。
「ほら、手握ってあげるから。これで少しは楽でしょ」
まだ体調が悪いと勘違いをしている茜は、早苗が楽に歩けるように手を握り、引っ張る。
早苗は茜の優しさに甘え、されるがまま茜についていく。
茜の手は温かくて、少しだけ汗で湿っていた。
その後、屋上の扉を開け、屋上に上がる。
「お待たせしました飯島先輩」
「いや、私も今来たところだ。……本当に二人は仲が良いのだな。妬いてしまうよ」
茜が密樹に声をかけると、密樹も二人に気を使って待ち合わせで使われる常套句一位の言葉を言う。
密樹がなにか言ったが、声が小さすぎて早苗は聞き取れなかった。
「早苗、無理はしちゃダメだよ」
「分かってるよ。もー、茜ちゃんは過保護なんだから」
「それぐらいあたしは早苗のことが心配なんだよ」
「……分かってるよ。ありがとう」
何度も心配されると早苗も嬉しい気持ちよりも面倒くさいという気持ちの方が大きくなる。
早苗が茜に文句を言うと、茜は言うことを聞かない子供を窘める声音で言う。
茜の優しさが痛いほど分かるからこそ、不貞腐ってしまう。
「おや、武田さんは調子が悪いのかい」
「いえ、全然大丈夫なので。さぁ、昼休みも短いので三人でご飯を食べましょう」
密樹も早苗の体調を心配しているが、別に体調は悪くないためこれ以上この話をしたくなかった早苗は話題を切り替える。
密樹も早苗のことを気遣って言ってくれているのが分かっているのだが、その気遣いを早苗は素直に受け取ることができなかった。
その後、屋上に設置されているベンチに座り、昼ご飯を食べる。
ちなみに席順は茜が真ん中で、茜の右側に密樹、左側に早苗が座っている。
「二人のお弁当は同じなんだな。もしかして一緒に作っているのか?」
「はいそうですね。お互い自由に家を行き来してますし。二人で作ってますね。一人分作るのも二人分作るのも変わりませんし、だったら二人で二人分作った方が楽なので」
早苗と茜が弁当箱を開けた時、二人とも同じおかずだったということもあり、すぐに密樹は二人が一緒にお弁当を作っていることを推測する。
茜の言う通り、お弁当は二人で作っている。
一人でお弁当を作るよりも茜と一緒に作った方が楽しいし、一緒に作ればその分茜と一緒にいられる時間が増えるメリットもある。
ちなみに、冷凍が多く、冷凍グラタンや冷凍唐揚げ、ミックスベジタブルやウインナーや白米などが入っている。
「あぁ~羨ましいな。私にもそんな幼馴染が欲しかった」
「飯島先輩にはいないんですか」
「まぁー……小学校の頃の友達はいるが、今は月に一回ぐらいしか遊ばないしな。電話とかラインはよくするが、一緒にお弁当を作ったり武田さんのようにベッタリはしないかな」
ラブラブな幼馴染を羨ましがる密樹。
そんな密樹に茜が質問すると、悲しそうに首を振っている。
他の幼馴染は早苗や茜ほど、ベッタリはしないらしい。
その後、ご飯を食べながら三人で談笑する。
三人で談笑すると言っても、基本密樹と茜がメインで話し、早苗は話を振られた時だけ話すという感じだ。
密樹はもちろん、茜もなんだか楽しそうに密樹と話している。
それがなんだか嫌だった。
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