好感度MAXから始まるラブコメ

黒姫百合

文字の大きさ
87 / 99

87話

しおりを挟む
「もう五時ですね。そろそろ帰る時間ですね」
「そうだな。だから最後に乗りたいアトラクションがあるんだが良いかな?」
「はい、もちろん良いですよ」

 六月ということもあり、まだ空は明るいがもう五時である。
 そろそろ帰って夕飯を作らないといけない時間である。
 密樹は最後に乗りたいアトラクションがあるらしく、茜を誘う。
 もちろん、反対する理由なんて茜にはないので二つ返事で了承する。
 そして密樹が向かったアトラクションは定番中の定番、観覧車だった。

「うふふ、初々しいわね」

 手を繋ぎながら観覧車に乗り込んだ茜と密樹を見て、係員が微笑ましそうな表情を浮かべていた。
 きっと茜たちをカップルだと思ったのだろう。
 厳密に言えば、茜と密樹はカップルではないのだがそんな訂正はしなくて良いだろう。
 二人は観覧車に乗り込んだ後、手を離し対面に座る。

「今日は私に付き合ってくれてありがとう。とても楽しい一日だった」
「こちらこそありがとうございます。あたしも密樹先輩とお出かけできてとても嬉しかったです」

 観覧車は二人を乗せてゆっくりと上昇する。
 密樹は今日一緒に出かけてくれたことを感謝し、茜は誘ってくれたことを感謝する。

「今日茜さんとお出かけして改めて分かったんだが、やっぱり茜さんと一緒にいると癒されるな。今日は茜さんの隣にいれて楽しかった」
「私も密樹先輩と一緒に過ごすことができてとても楽しかったです。またどっか出かけたいです」
「……またか……そう言ってもらえるのは嬉しいよ」

 密樹は観覧車の中で自分の思いを話す。
 その情熱は本物で、茜の心に響く。
 これはお世辞でもなんでもなく、また密樹と出かけたいというのは茜の本心だ。
 密樹は嬉しそうなのに寂しそうな目をしながら、小さく呟く。
 良いか悪いか分からないが、今回は密室ということもあり、密樹の呟きが聞けた。

「改めて伝えるよ。私は茜さんのこと好きだ。もちろん異性として」
「あ、ありがとうございます」

 改めて自分の思いを伝える密樹に、どう反応すれば良いのか分からない茜はとりあえずお礼を言う。

「私は本気だ。出会いは図書室での一目惚れだが茜さんを知るたびにどんどん茜さんの虜になっていった。授業中も茜さんのことを想像するだけで勉強に手がつかなくなるし、茜さんのことを考えると胸がキュンキュンしてしまう。それぐらい私は茜さんにゾッコンなんだ」

 密樹は恥ずかしがることなく、茜に本気の思いを伝える。
 顔が赤いのは気づかないフリをしておこう。

「だから一つだけ聞きたいことがあるんだが、良いかな」
「はい、別に良いですけど」

 密樹は畏まった表情で茜に話しかける。
 茜は覚悟を決めながら、頷く。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。

桜庭かなめ
恋愛
 高校2年生の白石洋平のクラスには、藤原千弦という女子生徒がいる。千弦は美人でスタイルが良く、凛々しく落ち着いた雰囲気もあるため「王子様」と言われて人気が高い。千弦とは教室で挨拶したり、バイト先で接客したりする程度の関わりだった。  とある日の放課後。バイトから帰る洋平は、駅前で男2人にナンパされている千弦を見つける。普段は落ち着いている千弦が脚を震わせていることに気付き、洋平は千弦をナンパから助けた。そのときに洋平に見せた笑顔は普段みんなに見せる美しいものではなく、とても可愛らしいものだった。  ナンパから助けたことをきっかけに、洋平は千弦との関わりが増えていく。  お礼にと放課後にアイスを食べたり、昼休みに一緒にお昼ご飯を食べたり、お互いの家に遊びに行ったり。クラスメイトの王子様系女子との温かくて甘い青春ラブコメディ!  ※特別編4が完結しました!(2026.2.22)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、いいね、感想などお待ちしております。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

陰キャの俺、なぜか文芸部の白髪美少女とバスケ部の黒髪美少女に好かれてるっぽい。

沢田美
恋愛
この世の中には、勝者と敗者がいる。 ――恋人がいて、青春を謳歌し、学校生活をカラフルに染める勝者。 そしてその反対側、モブのように生きる俺・高一賢聖(たかいちけんせい)。 高校入学初日、ぼっちを貫くつもりだった俺の前に、 “二人の女王”が現れた。 ひとりは――雪のように白い髪を持つ、文芸部の女神・瀬良由良(せらゆら)。 もうひとりは――バスケ部の全国エースにして完璧超人、不知火優花(しらぬいゆうか)。 陰キャ代表の俺が、なんでこの二人に関わることになるんだ!? 「文芸部、入らない?」 「由良先輩、また新入生をたぶらかしてる〜!」 平凡で静かな高校生活を夢見ていたのに―― 気づけば俺の毎日は、ラブコメと混乱で埋め尽くされていた。 青春なんて関係ないと思ってた。 だけど、この春だけは違うらしい。

俺にだけツンツンする学園一の美少女が、最近ちょっとデレてきた件。

甘酢ニノ
恋愛
彼女いない歴=年齢の高校生・相沢蓮。 平凡な日々を送る彼の前に立ちはだかるのは── 学園一の美少女・黒瀬葵。 なぜか彼女は、俺にだけやたらとツンツンしてくる。 冷たくて、意地っ張りで、でも時々見せるその“素”が、どうしようもなく気になる。 最初はただの勘違いだったはずの関係。 けれど、小さな出来事の積み重ねが、少しずつ2人の距離を変えていく。 ツンデレな彼女と、不器用な俺がすれ違いながら少しずつ近づく、 焦れったくて甘酸っぱい、青春ラブコメディ。

小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!

竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」 俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。 彼女の名前は下野ルカ。 幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。 俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。 だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている! 堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

処理中です...