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87話
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「もう五時ですね。そろそろ帰る時間ですね」
「そうだな。だから最後に乗りたいアトラクションがあるんだが良いかな?」
「はい、もちろん良いですよ」
六月ということもあり、まだ空は明るいがもう五時である。
そろそろ帰って夕飯を作らないといけない時間である。
密樹は最後に乗りたいアトラクションがあるらしく、茜を誘う。
もちろん、反対する理由なんて茜にはないので二つ返事で了承する。
そして密樹が向かったアトラクションは定番中の定番、観覧車だった。
「うふふ、初々しいわね」
手を繋ぎながら観覧車に乗り込んだ茜と密樹を見て、係員が微笑ましそうな表情を浮かべていた。
きっと茜たちをカップルだと思ったのだろう。
厳密に言えば、茜と密樹はカップルではないのだがそんな訂正はしなくて良いだろう。
二人は観覧車に乗り込んだ後、手を離し対面に座る。
「今日は私に付き合ってくれてありがとう。とても楽しい一日だった」
「こちらこそありがとうございます。あたしも密樹先輩とお出かけできてとても嬉しかったです」
観覧車は二人を乗せてゆっくりと上昇する。
密樹は今日一緒に出かけてくれたことを感謝し、茜は誘ってくれたことを感謝する。
「今日茜さんとお出かけして改めて分かったんだが、やっぱり茜さんと一緒にいると癒されるな。今日は茜さんの隣にいれて楽しかった」
「私も密樹先輩と一緒に過ごすことができてとても楽しかったです。またどっか出かけたいです」
「……またか……そう言ってもらえるのは嬉しいよ」
密樹は観覧車の中で自分の思いを話す。
その情熱は本物で、茜の心に響く。
これはお世辞でもなんでもなく、また密樹と出かけたいというのは茜の本心だ。
密樹は嬉しそうなのに寂しそうな目をしながら、小さく呟く。
良いか悪いか分からないが、今回は密室ということもあり、密樹の呟きが聞けた。
「改めて伝えるよ。私は茜さんのこと好きだ。もちろん異性として」
「あ、ありがとうございます」
改めて自分の思いを伝える密樹に、どう反応すれば良いのか分からない茜はとりあえずお礼を言う。
「私は本気だ。出会いは図書室での一目惚れだが茜さんを知るたびにどんどん茜さんの虜になっていった。授業中も茜さんのことを想像するだけで勉強に手がつかなくなるし、茜さんのことを考えると胸がキュンキュンしてしまう。それぐらい私は茜さんにゾッコンなんだ」
密樹は恥ずかしがることなく、茜に本気の思いを伝える。
顔が赤いのは気づかないフリをしておこう。
「だから一つだけ聞きたいことがあるんだが、良いかな」
「はい、別に良いですけど」
密樹は畏まった表情で茜に話しかける。
茜は覚悟を決めながら、頷く。
「そうだな。だから最後に乗りたいアトラクションがあるんだが良いかな?」
「はい、もちろん良いですよ」
六月ということもあり、まだ空は明るいがもう五時である。
そろそろ帰って夕飯を作らないといけない時間である。
密樹は最後に乗りたいアトラクションがあるらしく、茜を誘う。
もちろん、反対する理由なんて茜にはないので二つ返事で了承する。
そして密樹が向かったアトラクションは定番中の定番、観覧車だった。
「うふふ、初々しいわね」
手を繋ぎながら観覧車に乗り込んだ茜と密樹を見て、係員が微笑ましそうな表情を浮かべていた。
きっと茜たちをカップルだと思ったのだろう。
厳密に言えば、茜と密樹はカップルではないのだがそんな訂正はしなくて良いだろう。
二人は観覧車に乗り込んだ後、手を離し対面に座る。
「今日は私に付き合ってくれてありがとう。とても楽しい一日だった」
「こちらこそありがとうございます。あたしも密樹先輩とお出かけできてとても嬉しかったです」
観覧車は二人を乗せてゆっくりと上昇する。
密樹は今日一緒に出かけてくれたことを感謝し、茜は誘ってくれたことを感謝する。
「今日茜さんとお出かけして改めて分かったんだが、やっぱり茜さんと一緒にいると癒されるな。今日は茜さんの隣にいれて楽しかった」
「私も密樹先輩と一緒に過ごすことができてとても楽しかったです。またどっか出かけたいです」
「……またか……そう言ってもらえるのは嬉しいよ」
密樹は観覧車の中で自分の思いを話す。
その情熱は本物で、茜の心に響く。
これはお世辞でもなんでもなく、また密樹と出かけたいというのは茜の本心だ。
密樹は嬉しそうなのに寂しそうな目をしながら、小さく呟く。
良いか悪いか分からないが、今回は密室ということもあり、密樹の呟きが聞けた。
「改めて伝えるよ。私は茜さんのこと好きだ。もちろん異性として」
「あ、ありがとうございます」
改めて自分の思いを伝える密樹に、どう反応すれば良いのか分からない茜はとりあえずお礼を言う。
「私は本気だ。出会いは図書室での一目惚れだが茜さんを知るたびにどんどん茜さんの虜になっていった。授業中も茜さんのことを想像するだけで勉強に手がつかなくなるし、茜さんのことを考えると胸がキュンキュンしてしまう。それぐらい私は茜さんにゾッコンなんだ」
密樹は恥ずかしがることなく、茜に本気の思いを伝える。
顔が赤いのは気づかないフリをしておこう。
「だから一つだけ聞きたいことがあるんだが、良いかな」
「はい、別に良いですけど」
密樹は畏まった表情で茜に話しかける。
茜は覚悟を決めながら、頷く。
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