遅刻勇者は異世界を行く 俺の特典が貯金箱なんだけどどうしろと?

黒月天星

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第六章 積もった金の使い時はいつか

名前の一致と人違い

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「…………あっ! うんうん……今着いた。そっちは…………分かった。引き続きよろしくね」
「シーメ。向こうはどうだって?」
「先に着いて探しているけどまだ見つかってないって。まあ簡単に見つかれば苦労はないんだけどね」

 シーメは額に手を当てて連絡をしていたが、こちらが声をかけると首を横に振って答えた。もしかしたら向こうには居ないのかもしれない。




 俺達は二手に別れてヒースの居そうな場所を探していた。俺、シーメ、セプトの班と、エプリ、ソーメ、大葉の班だ。

 まずシーメとソーメは加護の関係上連絡係としてそれぞれの班に別れる必要があり、俺と大葉が一緒だと荒事では足手まといなのでここも分けなくてはいけない。

 最後にエプリとセプトがどちらも自分が俺の方に付くと言って譲らなかったが、結局エプリが一時的に離れるという事でしぶしぶ妥協した。

 これはエプリしかこの中で雲羊を操れないこと。それと風を読んで人の気配を探れることから、即行で片方の場所を探した後合流できるという点からだ。

「なるべく早く合流するから、私が居ない間無茶をしないように。特に自分から荒事に首を突っ込むことの無いように。……良いわね?」
「大丈夫! そうそう厄介なことは起こらないって! ……多分」

 そう言うとエプリは一つ大きなため息をついて「その多分がアナタが言うと非常に怖いの」と返してきた。心配性だな。

「いや……センパイのこれまでの武勇伝を聞くと、全然間違いじゃないと思うっすよ?」
「うん。すっごく心配」

 何故か大葉が困ったような顔で俺を見て、セプトはぎゅっと俺の服の裾を掴む。気のせいか服の中のボジョも同感とばかりもぞもぞ動いている。いやそれは大葉もどっこいどっこいだろっ!




 こんな感じのことがあって別れた後、俺達はやっと目的の場所に到着した。

 どうやら倉庫街らしく、建物はそこら中に建っているがどれも画一的な造りで窓もない。おまけにほとんどの扉が外側から施錠されているようで、明らかに住居としては不適格だ。

 普通の店はまるで見当たらない。考えてみれば人があまり来ない所に店を建てても仕方がないしな。

「確かにエプリの言った条件に当てはまっているけど、どういった場所なんだろうな?」
「ここらは通称物置通りって言ってね、確かテローエ男爵って貴族様が管理してるって前お姉ちゃんから聞いたよ。金を払うと一時的に物を預かってくれるんだって。……話によると後ろ暗い物なんかもあるってさ」

 なんか日本でも見たことあるな。異世界でも物の保管場所に困る人は居るらしい。でも管理人が貴族なら下手に手を出す人はいないだろうし、商売としてはよく考えられているのかもしれない。

 ふと気になったが、このノービスには何人貴族が居るのだろうか? ヌッタ子爵もそうだし、詳しくは聞かなかったけどドレファス都市長だって立場上貴族の筈だ。

 貴族というと領地や特権持ちのイメージがあるが、それが沢山だと色々大変なんじゃないだろうか?

「トキヒサ。大丈夫?」
「……えっ!? あぁ。大丈夫だ。ちょっと考え事を」
「何してんのトッキー? ヒース様を探すんでしょ? おいてくよ」

 気が付くと、いつの間にかセプトは心配そうにこちらを見ていて、シーメは既に建物の一つを外側から探っている。考え事は後だ。まずはヒースを探さないとな。




「ヒース様~。どこですか~」
「ヒースや~い! 近くに居るなら出てこ~い! こらっ! 聞いてんのか良いとこのボンボ~ン」
「何そのボンボ~ンって? 聞いたことないんだけど?」

 そこら中に響くよう声を張り上げて探していると、シーメが不思議な顔をして聞いてきた。この辺りじゃ言わないのかね?

「ああ。ボンボンってのは俺の故郷で、金持ちの親に甘やかされて育った奴のことを言うんだ。ヒースってもろにそんな感じだろ?」
「ちょっ!? いくら何でもちょっと不敬じゃない? 確かに愛情はたっぷり注がれてると思うけど」

 まああれでも都市長さんの息子だし、大抵の人に様付けされてるんだから偉いんだろうな。だが、

「良いんだよこれくらい。ヒースの為にどれだけ皆心配しているかって話だよ。むしろガツンと言ってやんなきゃ分かんないんだって」

 そう言うと、何故かセプトが無言でこちらを見る。何となく俺が言うなって言われてる気がするけど、そこは気がつかないフリでいこう。

「……そうだね。言われてみればトッキーの言う通りかも。そうと決まれば……ヒース様~。ボンボン様~。居るなら早く出てきてくださいよ~! 出てこないと以前エリゼ院長から聞いた恥ずかしい話をペラペラ喋っちゃいますよ~!」

 シーメは少し俺の言葉を聞いて考えたかと思うと、にんまりと少し楽しげな感じでそう声を張り上げた。おぉ……これはヒドイ。

 一応話し方からそれなりに敬っているのは感じていたが、それとは別に言いたいことの一つや二つ溜まっていたらしい。

「ヒースのボンボンや~い。……なんか楽しくなってきたな。アシュさんにぶっ飛ばされまくっているボンボンや~い」
「ボンボ~ン。ボンボ~ン」
「ボンボ~ンのヒース様の恥ずかしい秘密その一~! 実は小さい頃、教会に遊びに来た時うっかりお漏らししたことがある~っ! その二~! その時こっそり部屋の壁に描いた落書きがまだバレてないと思ってる~っ! ちなみに内容は『らにーだいすき』。その頃から甘酸っぱいですよ~!」
「……シーメ。武士の情けでそこまでにしといてやってくれ。流石にちょっとかわいそうになってきた」

 そんな感じで呼び掛け続ける中、遂に、

「ボンボ~ン」
「ボンボ~ン!」
「ボンボボ~ンのボ~ン!」
「やかましいわこの野郎っ!!」

 おっ! 反応があった! 建物の一つから、明かりを持って誰かがのしのし歩いてくるのが見える。

 そうして出てきた人物に対し、俺はようやくかとばかりに声をかける。

「やっと見つけたぞヒー……って、誰だあんたは?」

 そこに居たのはヒースではなく、見るからにガラの悪そうなガタイの良い男。袖から見えるムキムキの腕は古傷だらけで、いかにも荒事に慣れてますって言わんばかり。いやホントに誰?

「散々今まで無茶苦茶言いやがっただろうがっ! このボンボーン様によぉっ!」
「えっ!? あんたボンボーンって名前なのっ!?」
「そうだよ悪いかっ! さっきから黙って聞いていれば、ぶっ飛ばされただのお漏らしだのと何言ってやがんだこのチビが!」

 その男、ボンボーンは凄まじい剣幕で詰め寄ってくる。チビと言われて一瞬ムカッとしたが、向こうの言っていることが本当なら悪いのはこっちだ。

 まさかこんな場所に、丁度ボンボーンなんて名前の人が居るなんて思わなかった。

 どうしたものかとシーメとセプトの方をチラリと見たら、なんと素早く二人は俺から距離を取っていた。……セプトの方はこっちに来ようとしているようだが、シーメが肩に手を置いてさりげなく止めているようだ。

 この薄情者と言いたいところだけど、下手にセプトが来たら状況が悪くなる可能性もあるのであながち間違っていない。しかし、

「おい。どうしたよ!」
「なんだなんだそのガキ共は?」

 建物の中から他にも二人やってきた。どちらもボンボーンに負けず劣らずガラが悪そうな顔してる。

 ごめんエプリ。荒事に首を突っ込むつもりはないけど、向こうからガンガンやってくるみたいだ。




「外が騒がしいと思ったら、どうしたよボンボーン?」
「お前らか。このガキ共に今からちいっとヤキを入れてやろうと思ってな。さっさと済ませるからそっちは戻んな」
「ヒヒッ。良いねぇ。酒も切れて退屈していた所だ。俺も混ぜろよ」

 ボンボーンが手を振って追い返そうとするが、男の内一人が歪んだ笑みを浮かべて近づいてくる。

「ちょっと待ってくださいよ。これは色々な偶然が生んだ悲しいすれ違いって奴で、俺達は決してそこのボンボーンさんを貶してた訳じゃないんですって!」
「そうだよそこのお兄さん達。私達はちょっとヒトを探していただけで、そこのお兄さんがボンボーンって名前だなんてこれっぽっちも知らなかったんだよ!」

 俺とシーメは慌てて何とか弁解しようとするのだが、二番目の男は止まる気配がない。よく見たら顔が赤みがかっていて薄ら酒臭い。この人酔っぱらってんじゃないか!?

「……ったく。俺がやるから良いってのに。自分で歩いて帰れる程度にしとけよ。わざわざ遠くに放り出すのも楽じゃねえんだから」

 ボンボーンも明らかにぶっ飛ばしてやるぜって様子だし、これもうどうしたら良いんだ?

「トキヒサ。このヒト達、やっつける?」
「待てってセプト。こういう時は話し合いで解決しないと」

 小さな声で、セプトが俺達にだけ聞こえるよう呼びかけてきた。よく見たら明かりに照らされたセプトの影がやや不自然に蠢いている。なんでこっちもそんな喧嘩腰なの? 

 シーメもよく見たら謝りながら身構えている。実力とかはよく分からないけど、いつでも逃げ出せるように準備しているのだろうか?

「そこら辺にしておけよ。お前ら」

 そんな時、これまで何も言わなかった三人目の男が止めに入った。もしや話せば分かる人か!?

「おいチビ。お前らの言い分は分かった。ボンボーンを貶したのはあくまでも偶然だってんだな?」
「……はい。その通りです。偶然とは言え気を悪くさせたことは謝ります。申し訳ありませんでした」

 チビと言われたことはグッと飲みこみ、俺は素直に頷いて頭を下げる。怒られて殴られるくらいは仕方ないから受け入れよう。痛いのは嫌だけど、“相棒”の拳骨に比べれば大丈夫だろう。

「そうか。なら許してやってもいい。俺達も話の分からねえ訳じゃないんだ」
「本当ですか!? ありがとうございます」
「おい! 良いのかよ?」
「まあ待てって。……その代わり、そっちも誠意って奴を見せてもらわねえとなぁ」

 ボンボーン達が不服そうな顔をするが、それを諫めながら男はニヤリと笑う。なんか嫌な予感がするな。

「もしかしてお金とか? あまり手持ちがないのでそんなに払えないんですが?」
「ガキの小遣いなんか期待してねぇよ。なぁに簡単だ。……そっちのオンナ二人を置いていきな」
「…………へっ!?」

 今言われたことが理解できず、つい呆けた顔をして聞き返してしまった。今なんて言ったこの人。

 その言葉と共に、シーメがセプトを連れて一歩下がり、セプトの影もより荒々しく蠢き始める。

「二人共可愛い顔してっからよぉ。最近ご無沙汰だったし、軽く遊ぶのも悪くねぇと思ってな。ちいっと一人はガキ過ぎて好みじゃねえが、まあそういうのが好きな物好きに渡せば金になりそうだ。むしろ男は要らねえ。消えな」
「何だそういうことかよ! ヒヒヒッ。なら小せぇ方は俺に寄こせ。渡す前に大事に遊んでやっからよ。安くならない程度になぁ!」

 そう言いながら、二人目の男が好色そうな笑みを浮かべながらセプトに手を伸ばした。だが、あと少しで触れるという所で動きが止まる。ボンボーンが横から手で腕を掴んで止めていたからだ。

「何のつもりだボンボーン?」
「そりゃあこっちの言葉だ。舐められたらその分ぶちのめすのは当然だが、ガキに手を付ける程日照っちゃあいねえ。……ほどほどにぶちのめして追っ払うつもりだったが、気が変わった。おいガキ共。さっさと行け。今回は見逃してやる」
「おいおい。そりゃあないぜボンボーンよぉ」

 なにやら男達とボンボーンの間に険悪なムードになってきた。一触即発って奴だ。だが、そんな事よりも問題なのは。

「……うん? ヒヒッ! なんだチビ助。消えろって言われたのに逃げないなんて悪い子だなぁ。ああそうか! お前もそこの奴らと遊ぶのに交じりたごはあぁぁっ!?」

 俺は目の前で聞くに堪えない言葉を垂れ流す男の顎に、取り出した貯金箱を下からかちあげるように叩きつけた。

 勢いよく地面に倒れ込んだ男は完全に白目を剥いていたが、呼吸はしっかりしているようなのでまあ死にはしないだろう。流石に死なせたら目覚めが悪いしな。

「黙って聞いていたら無茶苦茶言って、いい加減にしろよっ!!」

 俺の突然の行動に周囲の視線が集まる。セプトの影まで心なしか落ち着いているのはアレか? 人が怒っているのを見るとその分冷静になるってことか? だが安心しろ。俺は冷静に怒っている。

「こっちはちゃんと謝るつもりだったんだ。ボンボーンさんを貶してしまったのは事実だから殴られるくらいは仕方ないと思ったし、多少なら金を払っても良いと思ったさ。けどな……仲間を、しかも美少女を身代わりに差し出せなんて言われて、黙ってられるわけないだろうがっ!!」

 セプトは言わずもがな、シーメも中々の美少女っぷりだ。それを初対面でいきなり手を出そうなどと恥を知れこの野郎。

 おそらくセプトなら普通に撃退出来ていただろうとは言え、ここで言わなきゃ男じゃないっ!

「そうよ。もっと言ってやってトッキー! 特に美少女の所を重点的に」
「おうよ……ってそこっ!? ま、まあそれも言ってやるからしっかりセプトを抑えててな。あとそこのあんた!」

 シーメの声援を受けながら、俺は三番目の男をビシッと指差す。本来なら人を指差すのはちょっと行儀が悪いことだけど、今は勢い重視なので許して欲しい。

「そもそも迷惑をかけたのはボンボーンさんであって、あんたらじゃないの! なのに横からしゃしゃり出て言いたい放題。俺をチビって言ったのもムカッと来たが、美少女二人をいきなり手籠めにしてあまつさえ売り払おうとはどういう了見だっ!! 一発こっちがぶん殴ってやるからそこに直れっ!」

 俺の言葉を最後に、静寂がその場を支配する。……頼むから誰か何か言ってくれ。何か俺が盛大に滑ったみたいな感じになっちゃったじゃないか。
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