遅刻勇者は異世界を行く 俺の特典が貯金箱なんだけどどうしろと?

黒月天星

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第六章 積もった金の使い時はいつか

考察するエプリ

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「ちょっと待って下せえ」

 店を出ようとした時、後ろからおやっさんが声をかけてきた。やっぱ何も頼まなかったのはまずかったか?

「すいません。今は時間がないんで注文は出来ないんですが、次来た時にたっぷり頼みますから」
「ああいや。そうじゃねえんです。こちら、お土産にどうぞ」

 そう言って手渡されたのは、少し大きめの木製の器に蓋の付いた物だった。蓋を開けると、中には熱々の餃子のような物が沢山入っていた。……ラーメンがあったからもう驚かないぞ。

「おっ! 餃子っすか!? やっぱラーメンには付き物っすよね!」
「これはヒース様の好物で、毎回帰りに買って行かれやした。……器は返さなくても構いません。餃子も今回は無料ですんでそのままお持ち下せえ」
「ありがとうっす!」

 大葉が代表して受け取り、ホクホク顔で早速摘まんでいる。熱々で口をハフハフさせているがとても美味しそうだ。

「ありがとうございます。でも何でこれを?」
「あっしには皆様の話はよく分かりやせん。ただ、ヒース様は大事な常連さんです。力になれるならなりてぇんでさ」

 最後に「うちの常連さんをよろしく頼んます」と言って、おやっさんは深々と頭を下げて見送ってくれた。

 屋敷に居る人達だけじゃない。こうしておやっさんみたいな関わった人も心配してくれている。なのに一体どこに行ったんだヒースは?

「早いとこ見つけないとな」
「……ムグムグ……そうっすね」
「……そうだよね……ムグムグ」

 大葉にシーメ。シリアスな雰囲気なのに餃子を頬張りながら言うのはやめような。セプトなんか悲しそうにそっちを見てるじゃないか。

 決して美味しそうだから自分も食べたいと思って見ているのではないと信じたい。




 そうしてエプリ達が雲羊と待機している通りに辿り着いたのだが、

「……遅かったわね。それと餃子を私達にも渡しなさい」

 お前もかいエプリっ!! あとってことはソーメも狙ってんのか!?

「ちょっとだけ……本当にちょっとだけ、お腹が空いてしまって。すみません」

 シーメと同じ顔だが、その内面を表すようにソーメはどこか遠慮がちな表情でそう呟く。……気付けば今まで服の中で大人しくしていたボジョまで触手を出して催促している。

「ああもう分かった。時間が無いからさっさと食べてしまおう。セプトも遠慮せず食え! 俺も食う!」
「ありがと。トキヒサ」

 こうして器にたんまり入っていた餃子は僅か数分で空っぽとなった。器をどうするか悩んだが、折角蓋もあるし持っていくかとこっそり換金する。

「エプリの方は何か分かったか? 話は聞いてたんだろ?」
「……そうね。私の中で大まかなヒースの足取りについては纏めたわ。後は」
「エプリさん! アーメ姉が教会に着いたみたい。今をエリゼ院長と話してます」
「そう。じゃあ各自雲羊クラウドシープに乗り込んで。……残りの話は移動しながらしましょう」

 エプリはそう言って颯爽と雲羊に乗り込む。後に続いて俺達もモフモフの中に沈んでいく。

「全員乗ったわね? ……出るわよ」

 エプリの合図と共に、雲羊は一鳴きして走り出した。その動きには迷いがなく、的確に目的地を目指しているようだ。

「なあエプリ。そう言えば今どこに向かってるんだ? 何か目星でも付いたのか?」
「……そうね。では一つずつ話していきましょうか。と言っても気になった点を自分なりに考えてみただけだから、必ずしも正しくはないかもしれないけどね」

 そう言って自身の推測を話し始めたエプリの姿は、一瞬俺にはパイプや安楽椅子が似合う名探偵のように見えた。




「……まず気になったのは、ヒースのこれまでの言動と目的が合っていなかったことよ」

 エプリは雲羊を駆りながら、俺達に聞こえるようゆっくりと話し始めた。

「私はあの場に居なかったけど……トキヒサ。ヒースを店で見つけた時、なんて言ったか覚えてる?」
「……確か、ラニーさんとのデート用の店を見繕っていて、個人的に気に入ったから時々来ている……だったか?」
「そうね。そう私はトキヒサから聞いたわ。……その時点で思ったのだけど、あの店は合わないんじゃない? ましてそれなりに気位の高そうなヒースが」

 確かに、あの店のラーメンは美味いけど、地理的に不便だし馬なんかで乗り付けるのも問題だ。それに何となくだけど、ヒースはラニーさんを誘うならもっと華やかな場所にする気がする。

「だけどあそこまでのラーメンはそうないし、美味さ重視で考えたって可能性も」
「うん。ラーメン。とても、美味しかった」

 俺の疑問にセプトも追従するが、エプリは軽く首を振って否定する。

「それにしたって他の候補を探さないってことはないわよ。……あと数日に一度来ているって話だったけど、そもそもヒースは毎日屋敷を抜け出していた訳ではない筈。つまり、抜け出してほぼ毎回あの店に寄っているという事になる。この時点で店探し云々は辻褄が合わない」

 つまりデートの話は俺達を納得させる為の嘘ってことか? だけどなんでまたそんな嘘を。

「というかエプリ。あの時点で気付いてたんなら話してくれれば良いのに」
「……何故嘘を吐いたのかが分からない以上、下手に話してアナタが首を突っ込むのを防ぐ為よ」

 首を突っ込むって……その内エプリの俺に対するイメージを一度聞いた方が良いかもしれん。

「あそこで食事をしてから他の店を探していた……ということも考えたけど、なら来る時間はともかく出る時間がいつも夕方くらいという点に疑問が残るわ。探すなら早いに越したことはないもの」

 そう言われればそうだ。エプリはそれを確かめる為にさっき聞いていたのか。

「じゃあヒースは何をしていたか? これはさっきの店主の話でなんとなく分かったけど、この町の何処かを探しているといった所ね。……しかも毎回帰りが夜中になるという都市長の話から、おそらく普通の店ではない。何故だか分かる?」
「えっ!? え~っと……何でっすかねセンパイ?」
「俺かよっ? ……何故だろうな?」

 急にエプリが大葉に振り、大葉は俺に振るがよく分からない。

「簡単じゃん! 単にその時間までやってる店が少ないってことでしょ!」
「そう。夜は、皆早く寝る。トキヒサ……いつも夜更かし」
「……まあ無い訳ではないけど、あまり真っ当な店ではないでしょうね。だけど、特定の店に入り浸るならわざわざ地図の印を消すなんてことはない。……つまり、今もまだ何かを探しているってことね」

 シーメはエプリの問いに簡単に答える。この辺りは生活習慣の違いかね? 日本じゃ二十四時間営業の店も普通だったけど、こっちじゃ明かり代も馬鹿にならないから夜は早く閉める店も多いという。

 あとセプトは俺が夜更かししてるというけど、アンリエッタへの報告で夜中起き出してるだけだからな。日本では早寝早起きをモットーにしていたぐらいだ。

「それでエプリさん。そのヒースって人が探してるのは何なんすか? さっきからこの羊をガンガン走らせてるっすけど?」
「……確信って程じゃないわ。ただ、さっきの店からヒースが毎回同じ時間に出発している点。店主から餃子をいつも帰りに買っていたという事。そして地図を見ながら呟いた言葉。……そこから考えるに、といった所でしょうね」

 もしかして……刑事ドラマでよく見る張り込みか! 餃子がその最中に食べる夜食だとしたら辻褄が合う。

「今はさっきの店から私がヒースらしき人影を見た場所、その先に向けて走らせているわ。細かい場所の特定は、さっきソーメを通してアーメに調べるよう頼んでいるからその結果待ちね。まあ……」

 そこでエプリは一瞬間をおいて、どこか憂鬱そうな表情をフードの下から覗かせる。

「近くに飲食店の類が無く、夜になると人気が無くなり後ろ暗いことをしてもバレにくく、ラーメン屋を起点として同じくらいの距離に同じような条件が整った場所なんて、そうそう見つかるとは思えないんだけどね」
「……うん。分かった…………エプリさん。今アーメ姉から、院長先生がそういう場所に心当たりがあるって……連絡が来ました。」
「こっちも受け取ったよ! エプリの読み通りじゃん!」

 シーメとソーメが口々にそう言うのを聞きながら、エプリがどこか驚いたような表情を見せる。

「……普通に有ったな」
「……そうね。推測に推測を重ねた物だったから、当たっていると逆にどう受け取ったものか分からないわね」
「まあ別に良いんじゃないっすか?」

 自分でも当たっているとは思っていなかったらしい。微妙な顔をするエプリに、大葉がにょっきりと羊毛をかき分けて笑いかける。

「何にせよ当たってたんっすから! あたしだったらこれ幸いと全力で乗っかるっすよ! はっはっは! どうだスゴイだろうっす! 崇め奉ってゴハン奢ってくれても良いっすよってな具合で」
「俺もそう思うぞ。よくまあ少ない情報だけであそこまで考えられるもんだと感心したよ。どこの刑事か探偵かって思ったもの。推理モノのドラマを現実に見てるって気がしたくらいだ」
「……よく分からないけど、アナタ達よりは多く考えているって分かったわ」
 
 なんか呆れられた気がする。失敬な。そこの後輩よりこっちの方が真面目に考えていたぞ。そう思って大葉を見ると、向こうもどうやらほぼ同じタイミングでこちらを見ていた。解せぬ。




 そんな事を言っている内に、いつの間にか雲羊はヒースを見かけた辺りまで走っていた。

 視線をそこらに向けると、通りのあちらこちらで人影が見える。都市長さんの屋敷の人と、レイノルズの部下の人達かね?

「ゴメン。少しだけ止めてくれエプリ。……すみませんっ! ヒースの情報は何かありましたか?」
「貴方方でしたか。……いいえ。こちらではまだ何も。先ほどからレイノルズ殿の部下の方も探してくれているのですが、あちらもまだ見つけられていないようです」

 適当に屋敷で見たことのある人に声をかけたが、向こうも手掛かりが無くて困っているらしい。

「分かりました。こっちは雲羊クラウドシープでもう少し範囲を広げて探してみます」
「よろしくお願いします。私共はもう少しこの近辺を探してみますので。……それと申し訳ありません。客人にまで手伝ってもらうなんて」
「気にしないでください。困った時はお互い様ですよ。……エプリ。頼む」

 屋敷の人が頭を下げるのを押し止め、俺達は再び雲羊で走り出した。

「カッコつけて走り出したは良いんだけど、俺達はどこに向かってるんだ? エリゼさんの心当たりっていうのがあるんだろ?」
「ちょっと待って。……さっき私とソーメがお姉ちゃんから受けた連絡によると、この先にあってエプリの出した条件に合う場所は二つあるみたい」
「……二つ?」

 エプリが聞き返すと、はいとソーメが頷く。

「どちらも店から大体同じくらいの距離で、近くに食べ物屋もなくて、夜に人気がなくなる場所……だそうです。道は私とシーメ姉が先導するから大丈夫。……だけど」
「……この二つ自体は離れている。といった所かしら?」
「そういう事。ヒース様が居るとしてもどっちかは不明。最悪どっちにも居ないって事もあるかもよ」
「それは仕方ないんじゃないっすか? むしろここまで絞り込めたエプリさん凄いって話っすよ!」

 大葉はどこか気楽な感じにそうシーメに返す。そこは俺も同感だ。

「ってことは……途中でまた二手に別れて探すってことになるのか?」
「……それが妥当でしょうね。わざわざ全員で一か所ずつ探すのは手間だもの。……今の内にどう別れるか決めておいた方が良さそうね」

 と言ってもさっきも二手に別れたし、そこまで悩むことでもない気がするけどな。

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