遅刻勇者は異世界を行く 俺の特典が貯金箱なんだけどどうしろと?

黒月天星

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第六章 積もった金の使い時はいつか

炎熱と氷雪。そして現れる影と盾

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 ◆◇◆◇◆◇◆◇

「……ぷはぁ。よし。まだ行ける」

 ヒースが取り出した薬を一息に飲み干すと、さっきまで悪かった顔色が少しマシになった。

 さて、ヒースを助けに飛び込んだもののどうするか。

「あ~。今のは効いたぜ。ちっと腕が痺れちまったよ。お礼に……その腕二つとも切り落としてやろうか? ああん?」
『ふむ。これはまいった。実に面倒な話だ。君達もそうは思わないか? どうせ死ぬならそのまま首を差し出してもらえると、こちらとしても早く済むしそちらも痛みが少なくて済むと思うのが……どうだね?』

 怖えっ!? ネーダとかいう冒険者風の奴もそうだけど、その後ろの仮面の男は別の意味でまた怖えっ!

「はっ! 言ってくれんじゃねえか。てめえらこそ素直に詫び入れて俺にボコボコにされるってんなら優し~く殴ってやんよ! その舌が回らなくなる程度までだけどな」
「おっと。それは困るな。この者達……特にその仮面の男にはこちらも借りがたっぷりある。捕縛してごうも……尋問出来るだけの分は残しておいてくれ」

 う~む。こっちも怖さじゃ負けてない。……俺? 俺はそこまで口が達者じゃないから言わない。というか出来ればこんなのに混ざりたくはない。
 
「……ところで、ボンボーンは怪我の方は? 全身にそれなりの傷を負っていたようだが」
「おう。さっきシーメってガキに軽く手当てをな。安静にしてろって言われたけどよ……やられっぱなしは趣味じゃねえ」

 ヒースの疑問にボンボーンさんは軽く腕をあげて答える。そう言えばあの三姉妹はそれぞれ光属性使いだったな。光属性は治癒も出来るって話だ。

 横目でチラリと見ると、シーメは他の建物の陰に隠れている。小さく光っているから他の怪我人を治療中らしい。

「おうおう。もっと喋れよぉ。それが最後の団欒になるんだから未練の無いようになぁ!」

 向こうは余裕だな。こっちの作戦会議を黙って聞いているなんて……いや、向こうもよく見たら何かを口に含んでいる。この時間を利用して回復を図っているわけか。だが、

「おい。前払いのアレ使っても良いか? この糞共を手っ取り早くかつ惨たらしくぶっ潰してやりたくてよぉ」
『……良いだろう。ただし手早くな』
「そうこなくっちゃあ!」

 その言葉と共にネーダが一歩前に出る。相変わらず仮面の男は前に出ようとせず、その後ろに控えている誰かも動きはない。しかしそれがかえって不気味だ。

「おい。お前じゃねえんだよ。俺はそこの仮面野郎を殴りてぇんだ。サッサと退きな!」
「僕も同感だ。無論お前も捕らえるつもりではあるが、まずは仮面の男からだ」
「うるっせえなどいつもこいつも。お前らは黙って俺に刻まれてたら良いんだよぉ。この新しく手に入れた剣の試し切りになぁっ!」

 ネーダは今まで使っていた短剣を仕舞うと、服の内側から別の二本の短剣を取り出す。それを見た瞬間、

 ゾクッ!?

 俺の背に悪寒が走る。アレはなんかヤバいっ!

 形はどちらも同じでやや反りのある両刃。ただ色だけが対照的で、片方は刀身が透き通った深い青色。もう片方が炎のような赤みがかったオレンジ色だ。

 ただそれぞれ柄の部分に明らかに後付けと思われる黒い宝石が埋め込まれていて、そこから嫌な感じを漂わせている。

 俺に武器の良し悪しの知識はない。武器屋に行った時だって、査定しなければ数十万デンの武器も数千デンの武器もよく分からなかった。

 で、その二本の短剣は圧倒的な存在感を示していた。

 互いの緊張は一気に高まっていく。ヒースは剣を強く持ち直し、ボンボーンは拳を握って構えを取る。俺は……とりあえず小銭を握りしめる。

「さあてたっぷり休めたことだし、そろそろケリを着けようじゃねえか。お前達がボロ雑巾みたいになって死ぬって結末に向けてなぁっ!」

 そう言いながらネーダが左右に軽く短剣を切り払い、こちらに向かって突撃してくる。それが戦いの再開の合図となった。




「……くっ! 僕とトキヒサでこの短剣使いに当たる。ボンボーンは仮面の男を足止めだ!」
「命令すんな! 俺は勝手にやるだけだっ」

 ヒースは一瞬葛藤しながら、向かってくるネーダを自分と俺が当たることを宣言した。ボンボーンは大きく回り込んで仮面の男の方に向かう。

「何で俺がこっち側なんだよっ! どちらかというと後方支援が良いんだけど」
「今さっき付き合うと言ったばかりだろうが。……来るぞ!」
「ああもうっ! しょうがない。こうなったらやけくそだっ!」

 俺は両手に硬貨を持って構える。さあ来るなら来い! ……出来れば来ないで欲しいけどな。

「ヒャッハー! くたばれやぁっ!」
「むんっ!」

 凄い速さで斬りこんできたネーダの一撃を、ヒースは長剣でがっちり受け止める。

 ネーダはさっきと同じように二刀を持って様々な角度から斬りこむが、一対一であればヒースも全てを長剣一本で受け切って見せる。

「うおりゃあっ! 黙って俺の拳を食らえやぁ!」
『“土弾”……“土槍”』

 向こうも別の意味で凄いことになっていた。仮面の男が無詠唱で放つ礫や鋭い土の槍を、ボンボーンさんはそのガタイに似合わぬ機敏さで回避しながら拳を繰り出す。

 だが向こうもつかず離れずの距離を保っているので拳がなかなか当たらない。硬直状態だ。

「どうやらあの仮面の男の掩護は期待できないようだな。なら……このまま押し切らせてもらうっ!」
「甘ぇなあ。わざわざ俺がこの剣を取り出した意味がまるで分かってねぇ。……レッドムーン!」

 その瞬間、赤い短剣の刀身が

「何っ!? うわっ!」

 ヒースは燃える斬撃を咄嗟に受け止めるが、迸る炎熱が手の甲を軽く炙る。一瞬反射的に剣を取り落としかけるも、そのまま強く上に剣で弾いて返す刀で振り下ろそうとする。しかし、

「熱いか? なら冷やしてやんよっ! ブルーム―ン!」
 
 今度は青い短剣から凄まじい冷気が放たれ、局所的な吹雪がヒースに襲い掛かる。剣で払おうにも相手が吹雪ではどうしようもない。ヒースはたまらず一度距離を取る。

「うほぉっ! スゲースゲー。実戦で使うのは初めてだが気に入った!」
「……その剣は」

 ヒースは突如として炎と氷を発生させた二つの短剣を警戒しながらそう言う。

「炎を操る短剣レッドムーンと、氷を操る短剣ブルーム―ン。今回の仕事の報酬の前払いって奴だ。……今の内に聞いといてやるぜ」
「何をだ?」

 ネーダは短剣をクルクル手で弄びながら、濁った眼で俺達を見て気味の悪い笑みを浮かべる。

「なぁに簡単だ。自分の死因くらいは選ばせてやんよ! 焼け死ぬのが良いか凍り付いて死ぬのが良いか、それとも普通に切られるか刺されて死ぬか? わざわざ選ばせてやるなんて俺ってホント優しいよなぁ! ヒャーッハッハッハ!」

 どれもごめんだよこの野郎っ! これはヒースにばかり頼ってられなさそうだな。




「おいおいどうしたよぉさっきまでの勢いは? もっと近づいてきても良いんだぜぇ。近づけるもんならな……ヒャハ八っ!」
「くっ!」

 ヒースとネーダの戦いはやや一方的なものになっていた。

 ネーダが下手にヒースに近寄らずに、炎と氷での攻撃に切り替えてきたのだ。これまでの戦いでヒース相手に接近戦は分が悪いと判断したらしい。

「卑怯者め。こっちに来て剣で戦ったらどうだ?」
「はっ! わざわざ相手の間合いに入るバカが居るかよ!」

 俺とヒースは、戦いの中で出来た瓦礫の陰に身を隠している。ヒースが挑発で接近戦に誘い込もうとしているのだが、向こうは一定の距離を保って近寄ろうとしない。

「ヒャッハー! 爆ぜろレッドムーン!」
「うおっ!」

 俺達が隠れている瓦礫の脇を、猛烈な熱風と炎が通り過ぎていく。あんなの直撃したら消し炭だぞ!

「あっぶな~! しかし何だあの剣は? 声をあげたり軽く振るうだけで炎や氷が飛んでくるなんて」
「……以前聞いたことがある。特殊な細工を施すことによって道具に魔力を込め、適性のない者でも魔法が使えるように出来ると。最近だと転移珠という物にも使われているとか」

 転移珠ってあれか! 俺が以前エプリに貰った奴。あれは空属性の適性がない俺でも使えたからな。あの剣も同じで魔力を込めるだけで使える便利な代物ってわけか。

「だけどこれからどうする? この調子じゃ埒が明かないぞ」
「このまま待つというのも一つの手だ。いつかは相手の魔力も尽きるだろうし、応援が来るまで粘ればそれだけで有利になる。……だが」
「あんまり大勢になったら、確実にあの仮面の男が逃げを打つ……だろ?」

 俺の呟いた言葉にヒースがどこか驚いたように顔を上げる。これぐらいちょっと考えれば分かると思うんだけどな。

「あいつらが俺達を狙ってるのは、おそらく目撃者を消すっていうのが目的だ。……だけど応援が来たら流石に向こうも逃げるしかなくなる。そうなったらまた追いかけっこだ。ヒースはここであいつらを捕まえたいんだろ?」
「……ああ」
「だったら何か手を考えないとな。応援が来て奴らが逃げに入る前に、奴らを捕まえるかもしくは足止めになるような手を」

 その言葉に、袖からボジョがにょろりと触手を伸ばす。存在を知られていない自分が不意を突くという事だろうか。

「奇襲は良いけど、ボジョとは明らかに相性悪そうなんだよなアイツ」

 ボジョは物理には強そうだが、如何せん相手は炎と氷。炙られて蒸発したり、凍らされて砕かれる可能性が有る。

「なあ? ヒースは魔法とか出来ないのか?」
「だからさんを付けろ! ……生憎だが水属性が少し出来るぐらいだ。水球ぐらいではあの炎も氷も突破出来ない」
「なるほど。アシュさんと同じく剣技特化なんだな」
「……アシュ先生ならあんな奴はあの二振りを使わせる間もなく瞬殺出来ていただろうに。僕はまだまだその域までは達していないようだ」

 ヒースはどこか悔しそうな顔をする。確かにヒースは強いけど、アシュさんはなんか格が違うって感じがするもんな。

「そういうお前はどうなんだ? 何か有用な攻撃手段を……すまない」
「謝るんじゃないよっ!」

 あのヒースが俺に軽くではあるが頭を下げる。金属性が不遇属性と言われているのをヒースも知っているようだ。

 一応他の属性も使えるが、どれもこれも初歩ばかり。最近エプリやセプトと一緒に練習してはいるものの、どれも実戦で使うのは難しいと太鼓判を押されたぐらいだ。

「一応それなりの金はあるから、やろうと思えば結構な威力にはなる。だけど俺は人にそんなもんを投げたくはない」
「……そうか。ならそれで攻撃するのは難しいな」

 俺は相変わらず人に本気で金を投げつけるのには拒否反応がある。相手が善人だからとか悪党だからとかそんなんじゃない。人を無闇に傷つけたくないし殺すなんて論外だ。

 ヒースも何となくその葛藤に気がついたのか、すぐに金属性で戦う事を諦める。……いや投げられなくはないんだ。威力低めとか人以外ならいけるんだって。

「となると後は……げっ!?」
「なにっ!?」

 俺達は周囲に火が放たれていることに気がつく。あの野郎っ!? ここら辺一帯を火の海にする気か!

「ヒャ~ハッハッハ! オラオラ。さっさと出てきて丸焼きになんな! それかこのまま隠れて蒸し焼きかぁ?」

 こっそり覗いてみると、ネーダはちゃっかりもう一つの剣の冷気で自身の周囲だけ冷やしている。なるほど。それで二本あるわけかあの剣は!

 先ほどまで戦っていた仮面の男とボンボーンさんも場所を移したようで、ここからだと微かに声が聞こえるかどうか。向こうまで炎に巻かれるなんてことになったら大事だぞ。

「ああもう仕方ない。まずは火のない所にひとまず移動を」
「いや待て! 今出たら狙い撃ちだぞ!」
「だからといってこのままここに居る訳には……危ないっ!」

 上を見ると、一抱えもある火の玉が五つも降ってきたっ! あの剣こんなもんまで出せんのかよっ!? ……って、冷静に判断している場合じゃないっ!

「っなろっ!」

 俺は咄嗟に持っていた硬貨を火の玉に投げつける。一つは空中で当たって爆発し、もう二つ誘爆する。しかしまだ二つ残っている。

 ヒースは咄嗟に身を躱そうとするが、このコースだとどちらも躱しきれない。

「ヒースっ!」

 ヒースがこれから来るであろう火球の衝撃と火傷に耐えるべく身を固くしたその時、


「……“影造形”」
「魔力注入……障壁、展・開っ!」


 突如飛来する火球の一つに影の槍が突き刺さり、そのまま空中で火の粉を散らす。さらにヒースと残った火球の間に誰かが割り込み、左腕に着けた小型の盾のような物を前にかざした。

 その瞬間、薄青色の半透明な幕がその人を中心に俺達を囲むように広がり、飛来する火球を受け止めてかき消す。凄いな。

「た、助かった」
「トキヒサ。大丈夫?」

 そこに現れたのは、瓦礫沿いに走ってきたセプト。そして、

「やっほ~! 大丈夫トッキー? あとヒース様もご無事ですか? どこか火傷とかしてませんか?」

 割り込んできたシーメが、盾を下ろしながらいつもと変わらぬ調子でこちらを振り向いた。
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