生徒会秘書に無理やり任命されました!?

雪凪 夜空

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10話 助けに来てくれた王子様

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聞きなれた声がして、その方向を見ると
明らかに怒りの表情を浮かべた響さんと優斗さんがいた。

「あの‥これは‥」

花屋敷さんたちの表情がだんだんと蒼ざめていく。さっきとは打って変わり自分が危ういと感じたのだろう

「弁解などは聞きたくもない、ここは俺が
なんとかする優斗はアイツを頼む」

響さんの言葉に頷いた優斗さんは私の元へ駆け寄った。

「大丈夫なんか?深雪ちゃん」

「え、なんで優斗さん達がここに?」

「中野さんが教えてくれたんで、大事な友人を助けてってな」

「あずにゃん‥」

本当に私はいい友人を持ったようだ。嬉しくて涙が出る。溢れた涙を拭おうとすると突然樫野さんが慌てた様な表情を浮かべた。

「って怪我しとるやん、口元切れとるし」

そう言って突然体が浮いた。こ、これはもしかした俗に言うお姫様抱っこというものではないかと思うとさっきとは違う意味で頬に熱が集まって来た。

「え、ちょっと優斗さん、おろして下さい」

「ダメや、保健室までこのままやで
響、ちょっと保健室まで行ってくるわ」

優斗さんは、そ私に色気を含んだ笑みでそう言うので私は何も言い返せずこの恥ずかし体勢のまま保健室へと連れて行くのであった。
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