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本編
婚約者と浮気相手
しおりを挟む「それにしても……確かに可愛い子だ。浮気するのも頷けるな」
「………」
「しかしこれだとよく見えないな。もっと近づこうか」
「仮にも婚約者の浮気現場によく平然としてられますね……」
平然?とんでもない。こんなに心踊るのは久しぶりだ。まるで潜入捜査のようじゃないか?
バレないようにジリジリと近づき、彼女たちたちの会話がはっきり聞こえるくらいには接近することができた。
栗色の髪の少女が、甘えるようにギ……ギ……くんに腕を絡めている。
「ねえギデオン、まだ婚約破棄できないの?」
「僕からは何度も言ってるんだけど、彼女がどうしても別れたくないって泣きついてきて……」
「もうっそんなメンヘラ女早く捨てちゃいなよ!」
「ご、ごめんね……」
おや、なんて偶然。
タイムリーにも、彼らは私の会話をしているらしかった。
ん?泣きついた?誰がだ?私がか?
首を傾げている間にも、彼女たちの奇妙な会話はぎこちなく続く。
「ねえ、あたしじゃだめなのかな……?」
「フェリシア……」
「男の子に逆らうような女の子らしさがかけらもない子、ギデオンには相応しくないよ……あたし、そんな子に大好きなギデオンを渡したくない」
「フェリシア……!」
ふむ、どうやらギトオンくんとは話し合いをする必要がありそうだな。
公衆の面前でイチャつきだしたバカップルを真顔で見守る。私は一体何を見にきたのだろう。どうやらこの2人、揃って虚言癖の持ち主らしい。
「あのゴミ片付けますか?」
おっといけない、いつのまにかうちのレイくんが殺意剥き出しに手をポキポキしだした。
普段はやる気のカケラもないが、レイはこう見えて喧嘩っ早い。特に彼女たちのような爆発させていいタイプのリア充には厳しいのだ。
「ダイアナ様!」
レイをどうどうと諌めていると、聞き馴染みのある可愛い声が耳に入った。
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