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本編
親衛隊
しおりを挟む「ああ、カノンか。やあ、良い夜だね」
「良い夜だね、じゃないです!いらっしゃるならどうして言ってくださらなかったのです?!」
「しかもそのような超超超レアなお姿で……!!」
「やっぱり変かい?」
「なにを言っているんですか??!!嫉妬するのも烏滸がましいほどの絶世っぷりですよ!!」
「今日来てないファンクラブ会員が可哀想でっ可哀想で……っ!!」
「はは、相変わらず凄く褒めてくれるな」
「だめだこの方何もわかってない!!!」
「絵師さんこの人です!!」
彼女たちは私のお茶仲間だ。私にとても良くしてくれる子たちで、とても可愛らしい。
彼女たちに続き続々と令嬢たちが集まってくるが、そのせいで女嫌いのレイが怯えている。姉としてあえて気づかないふりをした方がいいのだろうか。しかし、とても辛そうだ。……仕方ないな。
私は唇に人差し指をあて、柔らかく微笑んだ。
「すまない皆、今日はクローディア閣下の願いを聞くためにここに来ているんだ。………協力してくれる?」
1秒とたたずに黙りこくった彼女にニコリと笑うと、何人かの令嬢が倒れた。何故だ。
「……(もちろんです。ダイアナ様の為なら銀行強盗だろうと暗殺だろうとなんでもしますわ)」
「すまないソフィア、私はテレポートは使えないんだ」
「・ー・」
「すまないシエナ、モールス信号もわからない」
私の友人は皆真面目だ。王宮の使用人も顔なしの連帯感で何事もなかったようで元に戻った
「……魔性」
「え?なんて?」
「難聴かよいっそ生やせニューハーフが」
ごめんそれは聞こえた。
「それにしても相変わらずうるさい連中ですね。周囲の視線も少しは気にしてください」
「え、そんなにうるさかったかい?」
流石に騒ぎすぎたかと観察対象に視線を戻すと、やはりあちらもこっちを見ていた。
あー、これ無視したら感じ悪い奴だ。こうなればしょうがないな……。私は姿勢を正し、カツカツとヒールを鳴らして彼女たちに近づいた。
ギ……くんの方は近づくたびに驚愕の顔つきになり、ついには目を擦り始めている。
取り巻きの貴族子息たちはポカンと口を開け呆けており、フェリシア嬢は殊勝にこちらを睨みつけていた。
おやおや、随分警戒しているご様子。ここは間女として、嫌味の一つでも言っておくべきかな?
「やあ、浮気者」
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