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本編
後日談と
しおりを挟む女性の姿でも少女を虜にするダイアナ様……なんて罪深いのでしょう……。
わたくしは昨晩の素晴らしい出来事を思い出し、感嘆のため息をつきました。
高貴な金髪が生える真紅のドレスを完璧に着こなす美しいダイアナ様、私たちを仕草ひとつで黙らせる魔性のダイアナ様、モブ男を挑発する可愛らしいダイアナ様、モブ女を唆す悪いダイアナ様……神はなんて素晴らしいお方を作りたもうたのでしょう。
それらを見ることができなかった、クローディア叔母様を含んだ隊員は泣いて残念がっていましたわ。
お可哀想……歴史書に載ったっておかしくないほどの神々しい瞬間だったといいますのに。
「ねえ、貴方もそう思いませんこと?」
「世迷言もほどほどにしないとお父上に叱られますよ、カノン殿下」
まあひどい……貴方も本当はそう思っているくせに。ダイアナ様の1番のお気に入りだからって、言って良いことと悪いことがありますわ。
早く帰りたいという内心を隠そうともせず慇懃無礼な態度で紅茶を啜る美青年に、呆れたため息が出た。
彼が内側から守り、私たちが外側から守る。
10年協力関係にあっても、結局私たちはダイアナ様という共通の想い人がいなければ分かち合えない。
ダイアナ様───私の王子様。
弱虫で泣いてばかりだった私を唯一抱きしめてくれた人。
今は叔母様に独占されがちだけれど、私が王位についたら、きっとダイアナ様は私を選んでくれる───
他にもダイアナ様が可愛がる令嬢はいるけれど、あれらはあくまでダイアナ様を守るための兵隊。近々ほとんどの子が結婚するでしょうね。そうすればやっと邪魔者は彼1人だけ。
彼さえいなくなればダイアナ様は私のもの……ふふ、どうやって排除しようかしら。そうだ、ダイアナ様に殺されるなら彼も本望なんじゃない?私だったら死ぬ程嬉しい─
「カノン、お主はポーカーフェイスというものを覚えた方がよいな」
「まあ叔母さま、いらしましたの?」
不機嫌な叔母の声にふと我に帰ります。まあ私ったら、頭の中で勝手に死なせていましたわ。うっかり。
「ひどい言いようじゃの……ああ、本当にひどい。妾をさしおいてダイアナのドレス姿を見るとは、随分な身分になったものじゃ」
「お可哀想な叔母さま……出来損ないの息子のせいでダイアナ様を娘にし損ねた上、その息子が愚かにもダイアナ様を貶めるなんて……流石のダイアナ様も、叔母さまを見損なったに違いないわ」
「ああ、だから責任を取って、ダイアナを妾の養子にした上で跡を譲り辞任することにした。あやつは捕まえ次第お前に引き渡す。妾にできることはそれぐらいじゃの」
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