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8 わかっていない
しおりを挟むテオドア様との顔合わせを終え自室へと戻り、ソファに身を委ねて一息つくことにした。
ようやく全員と顔合わせが済んだことから、改めて後宮入りした者が記載されている者と辞退者リストを眺めていた。
渡されたときから思っていたが、よくわからない人選だ。
上級婿に王配派はいないし比率で言えば女王派が多いが、王配派のしかも力が強い家の者が多い。そんな者達を後宮に入れてしまったら余計に力をつけてしまうというのに。
王配派の筆頭で父の実家であるディグラン子爵家からは適した令息がいないため、後宮入りしていないのが唯一の救いだが、それにしてもおかしい。
しかも選定したのは父だ。
「……」
無意識にリストを見る目を細め、眉根を寄らせた。
初回の夜伽、つまり私の処女を散らすのは上級婿と決められているが、二回目以降にその縛りはない。
だが暗黙の了解で、第一子は上級婿の中から選ぶもの、つまり王婿は上級婿の中から選ぶものとされている。
だが私が万が一王配派の誰かを寵愛し、その者との間に第一子をもうけてしまったら、王配派の立場は今よりも格段に強くなる。
その状態のまま私が女王となった際、王配派の子が王太子となれば今の女王派と王配派の力関係が逆転することも十分有り得る話だ。
王配派に利己的なものが多い。
奴らに政権を渡せば、今父が取り掛かっている国の生活基盤対策もそっくり自分達の手柄にし、自分達だけが甘い汁を啜るよう改訂され、国民が苦しむのが目に見えている。
もちろんそうならないために、私が夜伽相手に王配派を選ばなければいい話だが、女王派だって一枚岩とは言えない。
特にユタバイト家は国で唯一の公爵家ということもあり、王家も簡単には口出しできないほどに力も大きい。そしてそのことを密かに良く思っていない女王派も多い。
となると残る上級婿はルスラルド様だけなのだが、単純な話、あの人から遠回しに拒否されている気がする。
多分あの人、私のような若い小娘はお好みではないのだと思う。つまりは食指が動かない。そうなると子作りもできない可能性もある。
誰を選ぶべきか、誰の子を産むのか。そして未来がどうなるか、すべての始まりは私の行動次第。
そう考えると辟易もするし、身が引き締まる思いにもなる。
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