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24 幸せ
しおりを挟むあえかな吐息がすぐに漏れ出ていくが、ヴォルフはそれさえ絡み取るようなキスを施していく。熱気を帯びているかのような熱いキスを交わし、そのまま器用に私のガウンの紐をスルリと外した。
胸元がほどけると、ヴォルフの唇は首筋へと降りて熱い舌で肌を舐っていく。
「んっ……ヴォルフ、ガウン脱がせて……? あなたのためにドレスを選んだの」
今日のために、というよりヴォルフのために着ているナイトドレスをまだ見てもらっていない。
前回の月渡りは言われたものを着たけれど、今日は私自身が熟考したものだ。どんなものならヴォルフは喜んでくれるだろう。いやきっと何を着ても喜んでくれる。でももっともっと喜んでほしい。そう思いながら選んだ煽情的なデザインのものだ。
艶冶な姿を見せることに羞恥心はあるが、それでもヴォルフに見てほしいと思うのも、私が彼を好きな証拠なのだろうと思えた。
だからこんな縺れた状態のままじゃなく、組伏したままでも見てほしい。
「は、い……。で、では、失礼します……」
今しがたの濃密な色気を纏っていたヴォルフは、すぐに初心な少年のような反応となり、紐がほどけたガウンを奮える手でそっと開いた。
シルク地にレースをふんだんに扱った白のドレスは布面積はやや少ないが、洗練されたデザインのおかげで上品さを醸し出している。ヴォルフに興奮してほしいと思いながらも下品とは思われたくなくて、考えに考えて選んだものだ。
ヴォルフは私の姿を凝視したかと思うと、ゆっくりと体を離し少し遠目になって、私の姿を目に焼き付けるように見つめ続けた。
「……奇跡みたいです、姫様っ……」
感に堪たえないという面持ちでヴォルフが漏らした。
正直、興奮してほしかっただけでここまで感動してほしかったわけではないのだが、それでも喜んでくれることは素直に嬉しい。
恐る恐ると言った手つきで胸のふくらみを包んだヴォルフは、感嘆のため息を漏らした。
「んっ……」
「や、わらか……」
その言葉と手つきにくすぐったいと心も体も思ってしまう。
胸への刺激のせいで、乳頭がドレスの布をちょこんと突き出してしまうと、ヴォルフはまたしても感動したようにその尖りを指で優しく撫でた。
「んぅっ……あ……」
私の反応を逐一見ては、感嘆なのか法悦なのか熱いため息を吐いて、乳頭を布越しに撫でていく。するとだんだんともどかしい思いに駆られてきて、無意識に脚がもじもじと動いてしまう。
私が吐息を漏らすたびにヴォルフは頬や鎖骨に唇を落とし、奉仕に集中する。
その仕草一つで大事にしてくれているのだと伝わって、胸が熱くなった。
「ヴォルフ、キスして……」
「っ、はい。ユリアーネ様」
キスを強請ると至極嬉しそうな顔をする。それを見る私のほうが嬉しい。
体の稜線を楽しむ手がシルク地のショーツへと到達したかと思うと、そこを通り抜け太ももを撫でた。あえてくすぐったくしているような手つきのせいで背中が反り、舌が離れて吐息と共に甘い声が漏れていく。
「んっ……、くすぐったいわ……」
「はい。お可愛らしいです」
小さな抗議は甘く受け止められた。
太ももを撫でる手を止めることはせず、ヴォルフはナイトドレスを押し上げ続けている乳頭に舌を伸ばし、ドレスごと舐め始めた。
「ひあっ……!」
太ももを撫でられていたときとは違う、甘いくすぐったさに声が漏れ出てしまう。
舐められているのは胸なのに、触れられていない下腹部が疼くのがわかった。布越しの胸への愛撫と、変わらぬ太ももの愛撫が甘い責め苦となっていて、無意識にシーツを掴んだ。
「直接、触れても?」
「触れてくれないと、もどかしくておかしくなりそうよ」
ナイトドレスはどのデザインでも胸の真ん中のリボンを解くと簡単に脱げるようになっている。これは男性側の閨教育でも教えられるため、ヴォルフは私を一度起こすと恭しくリボンを解いて肩紐が引っ掛かったドレスを腕から外した。
ショーツ一枚の姿になった私をまたベッドに寝かせると、その黒い瞳がねっとりと私の裸を眺めると、そのショーツも丁寧に脱がせて一糸まとわぬ姿にした。
言葉はなくともヴォルフの目は「お綺麗です、姫様」と伝えているのがわかる。
自分の裸を綺麗とも汚いとも思ったことはない。だがヴォルフの言葉は元々低くはない自尊心をさらに浮上させていく。
てっきりすぐに胸に来ると思っていたヴォルフの唇は、肋骨を撫でるように腹に落とされた。
すると再び太ももが撫でられ、くすぐったさで体が跳ねたと同時にヴォルフの指が脚のあわいへと滑り込み、スルリと秘裂を撫でた。
「きゃっ!」
直接触れるのは胸だと思っていたために、急な刺激に声を上げてしまった。
触られて初めて、そこが潤いを帯びていることがわかり強い羞恥心が頬を染めた。
思わず身を捩って腰を引こうとしたが、ヴォルフが脚の間に体を入れてきたせいでそれは叶わなかった。それどころか潤みを帯びた秘裂を恍惚な表情で凝視していた。
見ないで、という言葉は声よりも先に脳内で響き、その間にヴォルフの舌は愛液を舐め取るかのように秘裂に埋められた。
「やあぁっ……! 待っ……ヴォルフっ……!」
前戯には舌技があることもわかってはいたが、まさかこんな早く、しかもこんなに恥ずかしいもとは思わなかった。
自分でも見たことのないその場所を、ヴォルフの熱い舌で舐めまわされナカまで侵入されることに驚きと共に、強烈な快感を齎してくる。
「だめっ……そんな、汚いからぁ……ッアァ!」
甘い嬌声での抗議は無視され、舌でほじくるようにナカを舐めたかと思えば、愛液で濡れた媚肉や秘芽を舐めては吸われていく。
グチュグチュと淫靡な音をわざと出しているのかと思うほどに大きく聞こえてきて、その恥ずかしさに身悶えたいのに、絶えず齎される快感でそれすらままならない。
「……あっ……ふ、ぅ……」
「あぁ、ユリアーネ様……。あなた様は何もわかっておられない」
するとヴォルフの舌は秘芽へと集中し、その間にもしとどに愛液が溢れる秘裂を節くれだった指が撫でたかと思うと、ゆっくりと挿入してきた。
「んあっ……ヴォル、フっ……」
「御身がこの世のなによりもお綺麗なのだと、わかっておられない」
まるで独り言のように、でも私に言い聞かせているように、秘芽を舐め指を蜜壺の奥へと進めながらヴォルフが呟いた。
だがその黒い瞳が、眉尻が下げて嬌声をあげ続ける私を見上げた。
「ユリアーネ様。どうか、この世の至高を俺の舌で穢す栄誉を賜りませ」
愛液で濡れた唇を艶めかしく舌で舐め取るヴォルフの仕草を見て、顔に熱が集中し目頭が熱くなっていく。
許可を取るなら行動する前に言ってほしい。
だけどそんな抗議よりも、今はヴォルフが齎す刺激が欲しくて小さく頷くと、黒い瞳が嬉しそうに細まった。
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