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【 表 】
⑧
しおりを挟む「わからないよね。でもそれでいいんだ。僕はリセに救われた。これは紛れもない事実だから」
「えっと……?」
「でも、もちろんそれだけじゃないよ? 僕は恩返しって言う名目で、本当はただ毎日リセに会いたいっていう裏もあった」
いたずらに笑うレイドの縦に伸びる瞳孔は、どんどんと細くなっていく。
「でもきっかけなんてどうでも良いと思わない? リセへの恩義のきっかけってそんなに重要視すること? 別にいいよね? 僕はリセに恩を感じていて、そしてそれ以上に愛してる。それでいいよね? それだけでいいよね? ……うん。それでいいじゃない。僕はリセを愛してて、リセも僕を愛してる。その事実だけが存在して、リセはそれだけをわかってくれればいいんだよ?」
「レイ……ド……」
「そうだ、リセ、外はこわいこわーいところだから絶対に絶対にぜぇーったいに行ってはいけないよ? リセは僕の傍にいるときだけが安全なんだから。だって嫌でしょ? 変な人に付き纏われるのも、愛する僕から離れるのも、嫌だよね? そんなの考えたくないし、考えられないよね?」
「うんっ……離れたくないよ……」
「あ~よかった。大丈夫。僕はリセを離しはしないよ。離すわけない。ッハハ、可愛いなぁ。さあ、もうおしゃべりは終わり。口、開けて? 突き出すみたいにベロをべぇーって出して?」
「ンぅッ……!」
言われるままに、はしたなく出した舌は嬉々としているレイドの口内へと入り、熱く濡れた舌とすぐに絡まった。
レイドの舌は、熟知しているかのように私の口内を蠢き、舐められると無意識に体が跳ねてしまうところをすぐに探りあてた。
そんな濃厚なキスをしながら、レイドは腕と尻尾を使って巧みに服を脱がせ、いとも容易く一糸纏わぬ姿となっていた。
「ンンゥッ……っ、んっ、ふぁ」
「気持ち良いね、リセ」
「ハッ……ぁ、きもひっ……ィい……」
「あはぁ……♡ うん。そうだよね。リセはキス、だーいすきだもんね?」
「んぅ……す、きぃ……」
互いの肌を重ねながら行うキスはひどく気持ちいい。
唾液が混ざり合う音はひどく卑猥に響き、それが淫欲を高めていくのがわかる。
その状態で落とされる甘蜜のようなレイドの声に抗うことも、そこから放たれる言葉を否定されることもできるはずがない。
自覚するほど発情しているであろう私の顔を愉悦に見つめるレイドが、またしても甘すぎる言葉を私に纏わせていく。
「ねえ、リセ。もっともっともぉーっと、僕のことが好きって、言おうね?」
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