YELL~未来からのメッセージ~

ブックリーマン

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第1章・第1節:新生活の始まり

初対面

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自分の名前が入ったハードカバーの本。
タイトルには『YELL』と書かれている。
見覚えもない。買った覚えもない。

中身を確認しようと本を開こうとしたその時、部屋に備え付けのインターホンがタイミング悪く鳴った。
「プルルル、プルルル」
急いで、壁に備え付けられた受話器に手を伸ばす。
「佐藤さん、いま大丈夫?」
「他の新入社員の皆さんと顔合わせを行うので、玄関前に来てもらえますか」
「ハイ、大丈夫です。わかりました」

急な呼び出しに、いったん謎の本の真相を確認する暇もなく、寮母に言われた通り顔合わせに向かった。

一階に降りると、すでに3人ほど集まっていた。
順番に声をかけているようだった。自分も含めて男性4人、玄関前の空間はやや窮屈さが際立った。その後、すぐ二人が加わり、この寮の新入社員がそろったようだった。

「じゃあ、入寮に際しての諸注意と連絡事項を伝えていきます」寮母はゴミ捨て場の利用方法などを含め寮での過ごし方と、週明けの入社式に向けた説明などを行い話を終えた。

「説明は以上ですが、何か質問はありますか」
「なければ、じゃあ自己紹介していきましょうか」

寮母から右回りで名前と部屋番号の簡単な挨拶が一周した。同じ新入社員でも、まだ知り合って間もなければ、男同士の自己紹介なんてこんなものだろう。

「では、以上になります。」
「それじゃ、よろしくお願いします。」
「よろしくお願いします。」

顔合わせが終わると、まだそれほど関係性もできていない新人達はそれぞれの部屋に戻っていった。

集まった新入社員のうち、二人は自分と同じ5階フロアだった。

部屋の前まで一緒だった一人が、話を切り出した。
「夕飯食べました?もしよかったら駅前にでも飲みにでも行きませんか?」
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