YELL~未来からのメッセージ~

ブックリーマン

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第1章・第1節:新生活の始まり

飲みニケーション

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「では、とりあえずお疲れ様です」
「お疲れ」

寮の同じフロアだった3人は、駅前の居酒屋にやってきた。
ビールグラスを片手に、乾いた喉を潤す。
「何注文しますか」
「からあげに、やきとり行きますか」
「サラダ系も」
「あ、これうまそう」
和気あいあいと追加の料理を注文していく。

年齢と出身地、卒業した学校や入社経緯、上京して行ったところ、趣味の話、最近見た映画、彼女の有無、携帯の種類、メーカーなど様々な事を話した。一緒に食事し酒を飲んでいれば大体の人柄は見えてくる。仲良くなりたかったら飲みに行くのが早い。学生時代に先輩から教えられたことの一つだ。

それぞれのタバコなどの嗜好も見えてくる。若い男ともう一人はタバコを好んでいたが、もう一人は吸わなかった。

話した内容から若い男は自分が一番年上であること、2人は地方から上京してきたばかりであることを知る。
若い男も地方出身で、大学入学時に上京してきた。そんな共通点もあり、意気投合した3人は、楽しい時間を過ごした。


酔いも回って、いい時間になった頃、そろそろお開きの雰囲気になった時誰かが言った。
「メアド交換しましょうか」

「いいよいいよ」とそれぞれ携帯を取り出す。
「赤外線通信でいい?」
「あれ、これってどうやるんだっけ」
「あーできたできた」
メアド交換一つ、何かが楽しい。

線路沿いの道を3人で広がって歩いていると、せわしなく電車が交差していた。
寮の隣にあるコンビニからは、昼間のような明るさが漏れていた。

「あ、ちょっと朝飯買いによっていいですか」
「ちょうど行きたかった」
「俺も朝飯買っていこうかな」

一人暮らしには、大変ありがたい。これからの生活で一番お世話になるのは間違いなくコンビニだ。
それぞれ、明日の朝ご飯や飲み物を思い思いに調達する。

寮に戻り、階段を静かに上り、同じフロアの3人は部屋の前で解散する。
週明けは入社式、一緒に向かうことを約束した。

若い男は、いい気分で部屋の電気を付けたとき、まだ片付けが半分も終わっていない散乱した状態であった部屋の惨状に、現実に引き戻される。

「まぁ、明日にするか」
入寮初日、引っ越し作業に新しい人付き合い、様々なことで疲れを感じたこともあり、この時間から片付けの続きをする気にはならなかった。

幸いにしてあしたは日曜日。
寝る場所だけ確保して早めに寝ることにした。

布団を敷いて、ズボンだけ脱ぎ、Tシャツ姿になって、電気を消す。
かろうじて、彼女へおやすみメールを送り、横になった。

何か忘れている気もしたが、酔いも回っていたこともあったのか眠りに入るのに時間はかからなかった。
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