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一章:男性保育士奮闘記
男性保育士と働くお父さん 01
しおりを挟む【男性保育士と働くお父さん】
僕は昔から子供の面倒をみるのが好きだった。
それは共働きの両親の下に育ち、弟と妹が2人ずついる三男二女の長男だからかもしれない。
友人の一人に、女装姿で女言葉の男がいるが、彼からすれば、一種の病気のようなものらしい。
同級生からは揶揄うようにオカンと呼ばれていた。
要するに、心配性で他人のことばかり気に掛かる。
それだから、自分としては天職だと疑わずにいた。
保育士になりたいと、学生時分から考えていて、実際に職にも就いたのだ。
だが、現実は想っていたよりも厳しかった。
保護者の男性保育士に対する認識である。
仕方の無いことではあるだろう。
男に子供は産めない。
当然のことだ。
お腹を痛めて産んだことのない人間に何が解るんだ、と何かあるごとに言われてしまう。
其れではまるで、子供を産まない人間には子育ての資格がないようで、僕はとても悲しいのだ。
男でもシングルファーザーで子供を育てているケースも最近は多い。
病気でなかなか子供を授からない人が養子を取る場合もある。
そういったことを考えると、胸が張り裂けそうになる。
解らないのだ。
当たり前のように子供を授かり、当たり前のように出産出来ると思っている人間は多い。
それが如何に難しいことか、考えたこともないのだろう。
世の中にはどんなに頑張っても、足掻いても、どうにもならない人がいることを、忘れてはいけないのだと思うのだ。
僕がそう想うのにも訳がある。
僕の叔母さんは、子供を授かることの出来ない病気を患っている。
若い頃に発症したらしい彼女は、早々に結婚も諦め、今も独身を貫いている。
彼女の仕事は、児童施設と里親を繋ぐパイプ役のようなものだと聞いた。
叔母は親戚の僕達兄弟姉妹を実の子供のように可愛がってくれたのだ。
両親は共働きだったため、そんな親に代わり面倒をよく見に来てくれた。
僕は長男ということもあり、家事や弟妹の世話は僕が担っていて、叔母には本当に助けて貰ったのだ。
そんな彼女を身近に見てきただけに、僕は保護者達のそういった物言いが嫌で仕方が無かった。
同じ職場の保育士は、僕を除けば女性だけではあるが、出産経験はまちまちである。
気にしない先輩もいれば、僕のように不快に感じている後輩もいるようだった。
それにしても、男である僕が、一番標的にされてはいた。
子供のちょっとした変化を指摘すれば、男には解らないだろ、と理不尽にキレられたり。
こうしたらどうですか、と提案しても、聞いて貰えることは少なかった。
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