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一章:責任取ってね?
神沼が大変です 05
しおりを挟むあわわ、と慌てて彼から目を逸らし、口をパクパクと開閉させる。
頭の中がパニックに陥り、思考が大渋滞を起こしていた。
「す、すす、好きって、っ、え?」
「え? 好きだよ? クラスメイトの中では今のところ一番な!」
明紫亜の顔を見ることが出来ず、彼に背を向け動揺も隠さずに問うように言葉を口にする。
明紫亜はそんな義一郎をきょとんとした顔で見遣る。
にしし、と口に手を当てて笑い、ゆっくりと立ち上がった。
「あ、好きって、えっと、クラスメイト、と、して、って、こと?」
安堵と落胆が同時にやって来て、義一郎は問い掛けながら肩を落とす。
「んー? そうだよ? あ、ごめんね。僕、好きって言葉にするの好きで、誰彼構わずよく言っちゃうんだよね。吃驚した?」
えへへ、と照れたように笑い頭を掻く明紫亜に小さく頷いた。
「吃驚したけど。う、嬉しい、よ」
上手く息が吸えない。
何を言っているのだろうか、と冷静に自身にツッコミを入れる自分がいる。
「そっか。なら良かった。気持ち悪い想いさせたら申し訳ないなって、ちょっと反省してたとこだったから」
目蓋が薄く綴じて細目になった彼が隣に並んでいた。
下から覗き込むように顔を見られ、息が止まる。
何処となく切なそうな微笑みが浮かんだ明紫亜の顔に酷く胸が締め付けられた。
「気持ち悪くなんか、ないよ。神沼はカッコイイ」
つい口を吐いていた言葉に自分で吃驚し、慌てて明紫亜を追い越し一人で部屋を出る。
後を追ってくる彼に追い付かれないように、でも置いてきぼりにならないように、適度な距離を取って広間にと向かった。
* * * * * *
クラス対抗で行われたゲームは、それなりに盛り上がりをみせていたが、義一郎の胸を占めていたのは明紫亜のことだった。
彼は結局、途中で部屋を抜けた。
その前に担任と何やら話していたので、また何か嫌味を言われたのかもしれない。
体調の悪い明紫亜を放り、ゲームを楽しんでいた担任に不信感が募る。
だが、副担の女性教師が明紫亜を部屋に送ったらしく、取り敢えずは安心した。
数時間、簡単なゲームをして、その後、食堂に移動し夕食となる。
義一郎は一度、部屋に戻り明紫亜の様子を確認したが、ソファーでぐっすりと寝ていた。
起こすのも可哀想で、そのまま食堂に戻り、クラスメイト達と夕食を摂る。
食べ終わり解散となった後で旅館の人にお願いして明紫亜の分の食事を貰った。
トレイに乗った食事を手に部屋にと戻る。
明紫亜は窓際のソファーの上で寝ている。
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