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一章:調教スタート
カクチョウ 01*
しおりを挟む【カクチョウ】
風呂場から僕の部屋まで鎖を引かれ四つん這いで向かう。
人間であるにも関わらず、犬のように床を四足歩行で歩かされる屈辱に涙が滲む。
全裸であることもまた僕の精神をズタボロにしていた。
それであれ、逆らえど終わりは見えない。
寧ろ、逆らっただけ悲惨な未来が待っているように思えた。
首を引っ張るリードに尊厳が音を立てて崩れ堕ちようとも、ただ犬であることを選ぶ方がマシに感じられる程に絶望に支配される。
僕の部屋に辿り着くなり体躯を持ち上げられ、ベッドに放り出された。
どさり、と音を立ててベッドが僕を受け止める。
安物のパイプベッドは、軋んでいることを大袈裟に主張してきた。
両手首と両足首にそれぞれ拘束具を着けるキヨに抵抗する気も起きない。
黒いバンドのような物を嵌められベルトを締められた。
自力では外せそうにない。
バンドにはそれぞれ紐のようなものがついており、ベッドの四隅に固定されている。
ある程度は伸びるようだが、身動きは自由に取れない。
「キ、キヨ。なに、何する、ん、だ?」
これから何をされるのか、ただそれだけが恐ろしかった。
風呂場での痛みと快感に塗れた行為は、思考能力を奪われていく。
ひたすらに人間の本能は快楽を追ってしまうのだ。
理性が残らず消え去り、本能だけに支配されてしまったら、人間として大切な何かを失う気がした。
それが酷く怖くて堪らない。
震える声色で尋ねた僕に返ってきたのは「カクチョウ」の一言だけだった。
「ほら、お兄ちゃん。僕のザーメン垂れてきてるよ? イヤらしいね。ローション要らないかなあ?」
脚を持ち上げられ無理矢理開脚させられる。
体内に残る弟の体液が穴から溢(こぼ)れ落ち尻の狭間を汚していた。
猥路の入口がひくつき、蠢く秘処はまるで潤滑油のように男の情欲で溢れていく。
男根を銜え込んでいた後孔が赤く色付き弟を誘っていることに僕は気付いていなかった。
無理に男を受け入れた直腸は、切れて傷付いたのだろう。
ズキズキとした痛みがある。
けれども、痛みの中から快感を拾うことを知ってしまった身体は、疼くようなムズムズとした感覚を訴えてくる。
痛いところを硬い物でぐちゃぐちゃに擦りたい。
痒いような痛いような、むず痒い疼痛に思わず弟を縋るみたいに見上げていた。
彼はニタニタと気味の悪い笑みを浮かべたまま、いきなり指を二本突き入れ、ぐちゃあ、とナカに残る自身の精液を絡めて肉襞を乱暴な強い力で擦る。
「ぁっ、っ、だ、駄目、っ、だ! やめ、やめ、っっ、ろ」
体躯は素直に歓び指の動きに合わせて腰を揺らす。
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