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一章:編集長は快楽に流されました
快楽に勝てる人間など、いないに等しい 06
しおりを挟む胸が詰まり、苦しくて痛い。
ぼたぼた、と零れ落ちた涙を楼の舌に舐め取られ、また「やぐら」と彼を呼んだ。
何度も何度も名前を口にした。
彼の名が口から滑り落ちる度に寧は切なくて堪らなくなる。
「寧さんのハジメテを全部、僕に下さい」
耳元に吹き込まれた言葉に何も言えないままで唇を奪われた。
柔らかな弾力のある口唇が押し付けられている。
楼を押し退けようとする腕は彼の胸部で固まり動かせない。
楼の服を、ぎゅう、と掴み、固く瞼を閉ざした。
受け入れたい訳ではなくとも、拒絶はしたくない。
故に、寧は身動き取れずにいる。
「舌、出して?」
艶のある色気を滲ませた男の声色が寧の理性を溶かしていく。
おずおずと言われるがままに伸ばした舌が楼の口に吸い込まれてしまう。
くちゅくちゅ、と立つ水音が羞恥を誘うが、それどころではなかった。
吸われると、ぞくん、と腰が重くなり、噛まれたところから、じんわり、とした痛みが走る。
交互に繰り返されると、痛いのか気持ち良いのか解らなくなってしまう。
頭が混乱し、噛まれた痛みでさえも次第に心地良く思えてくる。
「や、ぐら、っ、っ、ま、て、……っ、む、無理、だ」
寧には正直、ハードルが高かった。
顔を揺らし楼の唇から逃げる。
彼の胸に手を当て、ぐっ、と押しやった。
「何が、無理、なんですか? 気持ち良いでしょ? 余計なことは考えないで、僕に任せて下さい。大丈夫ですから」
抵抗する手首を掴まれ、顔の横に縫い付けられてしまう。
有無を言わせず下唇を楼の舌が這う。
ぞわり、と背筋を走った快感に怖くなった。
「寧さん。気持ち良いことは怖くないですよ。さっきのフェラだって気持ち良かったでしょ?」
ふっくら、とした唇に歯を立てようとして、寧の頬が濡れていることに気付いた楼は、ヤクザのような強面に舌を這わせる。
先程から泣いてばかりいる年上の男をズルズルに甘やかし、楼がいなくては生きていけない身体にしたくなる。
快感に慣れていない無垢な身体に、40歳近くなっても純粋な心に、楼だけを教え刷り込んでしまいたい。
「うっ、る、っ、せぇよ! あ、あんなん、あんなの、小説の中だけだと」
耳も項も真っ赤に染め、少しでも楼の視線から逃れようと顔を背けている。
口淫をした時に出した彼の性器は、いつの間にか衣服の中に仕舞われ、寛げた筈のズボンも綺麗に整えられていた。
「ほら、寧さんのデカマラ、ちゃんと僕に見せて下さいよ。童貞ちんぽ、たっぷり可愛がってあげますから」
拘束している手を解放し、伸ばした指先で下肢を撫で上げる。
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