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孤児のダンジョン生活
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ブルファーイはようやくその巨体を地面へと伏せた。
ヨグはそれを機に槍でブルファーイの喉を貫こうと槍を突くが肉厚のためあまり意味をなしていない。
あれをやり続けてもかなりの時間をかけなきゃ貫くことはできないだろう。
あの距離だと私の魔術じゃ巻き込んじゃうしどうすればいいのだろうか?
…『竜喰』じゃあ巻き込んじゃうし『エアロスラッシュ』はあそこまで届くか微妙だ。
だったら近づけばいいっていう話なんだが近づいた瞬間ブルファーイが起き上がったらヨグへの支援ができなくなるから危ない。
私は遠距離だからこそ生かせる技が多い。
…だったら私が今やるべきことは。
ナイフを腰にしまい両手を動かし、擬似的な並行思考を行い、頭を捻り、頭痛を我慢して魔法陣を空へ描く。
一つの魔法陣はヨグのいる座標を予測しブルファーイには当たらぬようにする。
もう一つの魔法陣はブルファーイのいる座標を予測してヨグには当たらないよう調整する。
私ができることは全て行う。
「魔法陣展開!ブルファーイへハンブル!ヨグへクイック&ブースト!」
空に描かれた魔法陣が輝き弾となり下へと発射される。
禍々しい黒い弾は巨体を持つ者へ。
淡い赤色の弾と薄い水色の弾は槍を振る者へ。
それぞれの光に包まれた輝く弾はそれぞれの者の身体へと飲まれ混ざり体表に表れた。
黒い弾に当たったブルファーイは起きようとしていた身体がぐらつきもう一度地へと伏せた。
身体には黒い靄がかかりそれが身体を拘束するかのようにへばりつく。
淡い赤色と薄い水色の弾に当たったヨグは武器に淡い赤色がかかり、身体全体に薄い水色がかかり槍の威力がみるみるうちに増していく。
その槍の威力はもはやさっきのような子供同然な威力の突きではなく一般の兵士にも劣らない威力の突きを行っている。
ブルファーイの皮を貫き肉を抉り巨体からは遠吠えのような悲鳴をあげる。
このままいけば数分もかからずにブルファーイを倒すこと倒すことが可能だろう。
「ぐぅ…」
あぁ頭が割れるみたいな痛みがががが…。
やはり今まで並列思考のスキルに頼りきっていたから頭を急に働かせるとヤバいな。
吐き気がするし目が回る。
「これで倒しきってくれよ…マジで」
そんな独り言が口から溢れてくる。
もう日に日に少しずつ貯めたMPは底を尽きてしまった。
というかダンジョンを下がっていくことでわかったんだが5層の魔素の量が地上より断然多いな。
地上より1層が多く1層より2層の方が多い。
このことからこの地上の魔素の薄さはダンジョンが原因なのだろうな。
ここで休憩すれば簡単に魔素を回収してMPを回復することができそうだが…。
まぁこんな気が休まらない場所に休憩することなんてしたくないし現実的じゃないか。
ふとそんな思考を首を振り思考の隅っこに追いやり今も戦っているヨグの方を見る。
ヨグは必死に槍で突き横に振るい薙ぎブルファーイを死へと追いやる。
ブルファーイも蹄が痛々しく割れもはや立てない状況ながらも抵抗するかのようにその巨体を転がし押し潰そうとする。
この状況ではブルファーイが自然回復する方が早いと決めつけたヨグは自分の手を見て握りしめて槍を掲げ懐の物を髪留めの紐で槍に結びつけヨグは槍を振りかぶりその一撃に全てを賭ける。
狙うは今まで狙い続け肉薄となった喉。
そこから脳へ直撃するよう狙いをつけ足を前に出し身体全体を傾ける。
腕は一番最後に動かし遠心力がかかるようにしいつも石を投げるかのように力任せに腕を振り落とし槍から手を離す。
「穿てぇぇぇぇぇぇッ!」
手から解き放たれた槍は回転を増し喉を穿ちブルファーイの体内へと侵入し脳へと一直線に突撃していく。
血が撒き散らされ地面を濡らす。
だがヨグのステータスには不完全体があり全てにおいて下降補正が入っている。
そのため肉は裂けても骨を貫くほどの威力は出ない。
ブルファーイは血走った眼でヨグの方を見て笑いそして口の中に槍がつっかえているのにも関わらず大きな咆哮を上げる。
空気が震え土埃が宙を舞う。
だがここでヨグは止まらない。
最後の一手を切るため懐から一つの石を取り出し投げる。
それはブルファーイを倒すためではなく勢いがまだ足りなくて起動しなかった物へ、そしてつける場所が悪かった物へと一直線に投擲される。
「そして…爆破しろッ!」
その瞬間轟音がその空間を支配した。
その後に来るのは猛烈な熱気と強風。
地面の土や石粒が顔に当たり顰めながら爆音の方向を見る。
…そこには横たわる身体から上が無くなった巨体な獣がいた。
周りは悄然と化して静まり…そうしてすぐにその空間に大きな音が鳴り響く。
「…お、おおぉぉぉっと!?これはこれは!まさかの挑戦者の勝利ですッ!皆様挑戦者に大きな歓声をッ!そして拍手、喝采をッ!」
周りからは手と手を合わせ出す音が響く。
「よくやった挑戦者ッ!」という声や「すごいぞッ!」という野太い声が聞こえてくる。
そしてブルファーイは地面へとその身を消し一つの宝箱と化した。
「やったぁぁぁぁぁぁッ!」
ヨグは一つの相棒とも言える武器を失いながらもあの巨体を倒しきったことに勝利の咆哮をあげた。
ヨグはそれを機に槍でブルファーイの喉を貫こうと槍を突くが肉厚のためあまり意味をなしていない。
あれをやり続けてもかなりの時間をかけなきゃ貫くことはできないだろう。
あの距離だと私の魔術じゃ巻き込んじゃうしどうすればいいのだろうか?
…『竜喰』じゃあ巻き込んじゃうし『エアロスラッシュ』はあそこまで届くか微妙だ。
だったら近づけばいいっていう話なんだが近づいた瞬間ブルファーイが起き上がったらヨグへの支援ができなくなるから危ない。
私は遠距離だからこそ生かせる技が多い。
…だったら私が今やるべきことは。
ナイフを腰にしまい両手を動かし、擬似的な並行思考を行い、頭を捻り、頭痛を我慢して魔法陣を空へ描く。
一つの魔法陣はヨグのいる座標を予測しブルファーイには当たらぬようにする。
もう一つの魔法陣はブルファーイのいる座標を予測してヨグには当たらないよう調整する。
私ができることは全て行う。
「魔法陣展開!ブルファーイへハンブル!ヨグへクイック&ブースト!」
空に描かれた魔法陣が輝き弾となり下へと発射される。
禍々しい黒い弾は巨体を持つ者へ。
淡い赤色の弾と薄い水色の弾は槍を振る者へ。
それぞれの光に包まれた輝く弾はそれぞれの者の身体へと飲まれ混ざり体表に表れた。
黒い弾に当たったブルファーイは起きようとしていた身体がぐらつきもう一度地へと伏せた。
身体には黒い靄がかかりそれが身体を拘束するかのようにへばりつく。
淡い赤色と薄い水色の弾に当たったヨグは武器に淡い赤色がかかり、身体全体に薄い水色がかかり槍の威力がみるみるうちに増していく。
その槍の威力はもはやさっきのような子供同然な威力の突きではなく一般の兵士にも劣らない威力の突きを行っている。
ブルファーイの皮を貫き肉を抉り巨体からは遠吠えのような悲鳴をあげる。
このままいけば数分もかからずにブルファーイを倒すこと倒すことが可能だろう。
「ぐぅ…」
あぁ頭が割れるみたいな痛みがががが…。
やはり今まで並列思考のスキルに頼りきっていたから頭を急に働かせるとヤバいな。
吐き気がするし目が回る。
「これで倒しきってくれよ…マジで」
そんな独り言が口から溢れてくる。
もう日に日に少しずつ貯めたMPは底を尽きてしまった。
というかダンジョンを下がっていくことでわかったんだが5層の魔素の量が地上より断然多いな。
地上より1層が多く1層より2層の方が多い。
このことからこの地上の魔素の薄さはダンジョンが原因なのだろうな。
ここで休憩すれば簡単に魔素を回収してMPを回復することができそうだが…。
まぁこんな気が休まらない場所に休憩することなんてしたくないし現実的じゃないか。
ふとそんな思考を首を振り思考の隅っこに追いやり今も戦っているヨグの方を見る。
ヨグは必死に槍で突き横に振るい薙ぎブルファーイを死へと追いやる。
ブルファーイも蹄が痛々しく割れもはや立てない状況ながらも抵抗するかのようにその巨体を転がし押し潰そうとする。
この状況ではブルファーイが自然回復する方が早いと決めつけたヨグは自分の手を見て握りしめて槍を掲げ懐の物を髪留めの紐で槍に結びつけヨグは槍を振りかぶりその一撃に全てを賭ける。
狙うは今まで狙い続け肉薄となった喉。
そこから脳へ直撃するよう狙いをつけ足を前に出し身体全体を傾ける。
腕は一番最後に動かし遠心力がかかるようにしいつも石を投げるかのように力任せに腕を振り落とし槍から手を離す。
「穿てぇぇぇぇぇぇッ!」
手から解き放たれた槍は回転を増し喉を穿ちブルファーイの体内へと侵入し脳へと一直線に突撃していく。
血が撒き散らされ地面を濡らす。
だがヨグのステータスには不完全体があり全てにおいて下降補正が入っている。
そのため肉は裂けても骨を貫くほどの威力は出ない。
ブルファーイは血走った眼でヨグの方を見て笑いそして口の中に槍がつっかえているのにも関わらず大きな咆哮を上げる。
空気が震え土埃が宙を舞う。
だがここでヨグは止まらない。
最後の一手を切るため懐から一つの石を取り出し投げる。
それはブルファーイを倒すためではなく勢いがまだ足りなくて起動しなかった物へ、そしてつける場所が悪かった物へと一直線に投擲される。
「そして…爆破しろッ!」
その瞬間轟音がその空間を支配した。
その後に来るのは猛烈な熱気と強風。
地面の土や石粒が顔に当たり顰めながら爆音の方向を見る。
…そこには横たわる身体から上が無くなった巨体な獣がいた。
周りは悄然と化して静まり…そうしてすぐにその空間に大きな音が鳴り響く。
「…お、おおぉぉぉっと!?これはこれは!まさかの挑戦者の勝利ですッ!皆様挑戦者に大きな歓声をッ!そして拍手、喝采をッ!」
周りからは手と手を合わせ出す音が響く。
「よくやった挑戦者ッ!」という声や「すごいぞッ!」という野太い声が聞こえてくる。
そしてブルファーイは地面へとその身を消し一つの宝箱と化した。
「やったぁぁぁぁぁぁッ!」
ヨグは一つの相棒とも言える武器を失いながらもあの巨体を倒しきったことに勝利の咆哮をあげた。
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