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孤児と愚者の英雄譚
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顔に傷を負いワイバーンは天を突くが如くの絶叫を上げ後退しバランスを崩しその場へうつ伏せになる。
その隙を見逃さずに魔法陣に対して更に魔法陣を重ねる重複魔術を仕込みワイバーンの行動を阻害する。
「まさか…貴方様が来てくださるとは」
「なぁに俺様の領地を見たら異物が混ざり込んでいるもんだからさ…盟友もコレには骨が折れるだろうて」
私がワイバーンを妨害し咆哮する口を押さえたことによってようやく隊の中でも指折りの実力を持つ者はその威圧という支配から脱することができたようだ。
そんなヤツを一瞬の怯えもなくぶっ叩くことが出来る…中々の傑物と思って間違いないだろう。
そんな傑物に対して当主様は平伏してるところを見ると…まぁ恐らくだがアレが私達が行こうとしていた獣人達の王族なのだろう。
聞いていた特徴にもある程度一致してるしな。
まぁ所々思っていたのと違う容姿ではあるが…。
容姿としては黒い毛皮を肩からマントのようにし手はグローブの様な物の先から大きな爪が出てる。
そんでもって身長が私よりはデカいがアルキアンよりかは小さい。
というか王族なのに護衛が1人もいないのは何故だ?
周りにも獣人達がいるようにも思えないし気配も感じない。
本当に1人で来たのか…それだったらなんとも不用心というか何というかだな。
「さぁてそろそろ戦わないと腕が鈍っちまうぜ…盟友は怪我の治療に専念しな」
「いやはや何をおっしゃいますか…我々もこうしちゃいられませんよ!全隊員傾注ッ!動ける者は続けッ!」
「「「オオォォォォーッ」」」
黒い羽織りを翻し獣人は地を走りワイバーンの黄土色の第3の目をくり抜こうとその大きな爪を振り下げるが寸のところで体勢を強引に変え躱す。
それに続き当主様がその手に持つ剣に魔力を纏わせ着実に体力を奪おうと翼を斬り落とそうとするが弾かれる…流石に変異によってその硬度はかなりの物となっている様だ。
そんな一見すると好手な戦いだがワイバーンもやられてばかりではなく勿論抵抗をする。
口からは咆哮と共に先程まで唯の声だったモノが竜種の恐るべきブレスへと変化し山吹色の光線を放つ。
ドラゴンハートからの純粋な土属性のみの魔力を含んだ光線は地を抉り木を薙ぎ倒す。
変異によって慣れていなかった身体が徐々に適応しつつあるのだ…。
それを抑えるのはこの私である…そう抑え込んでるのが私しかいない。
他の全員はあの獣人の野郎に釣られる様について行きやがる。
攻撃をすることでワイバーンは激昂し身体を捻らせ邪魔な鎖を外そうとする。
その度に私の身体はその鎖を離さない様に耐えなければならない。
出てるのは掌の魔法陣自体だがその魔力を提供しているのは自分だ…魔力を精密に扱わないといけない魔術において何かを縛りその縛る対象が暴れるってのはかなりキツい。
抵抗され魔力が暴れその分魔力は消耗する…というか弱体化してコレとはどれだけ強いんだか。
「これ以上保たせるのはかなりキツいな…」
私がこうやって出している鎖というモノは魔法陣から引き伸ばせば伸ばすほどに効力は弱まる。
逆に言えば短くすればするほどにその効力は元の想定していたモノと同じになる…こういう拘束する系の魔術は対象を縛るまでは鎖を引き延ばす事はできるが縛った後に更に引き延ばすのは想定していない。
鎖を引きつける事はできるんだが…こうも暴れられると私の身体が引き付けられてしまうな。
「起死回生の一手…それが今必要だな」
「…なら僕がその一手になるよ」
背後に火柱が立ち登りその中から声が聞こえる。
アルキアンが前線で攻撃し倒れた他の隊員を運びここまで戻ってきてくれたのだ。
何で向こう側にいたのに私の声が聞こえたのかは…何故だろう?
大罪の能力は本当に持っている人のみがわかるモノだし歴代のモノと全く違うのが多い。
個人ごとに違う能力を持っているのだ。
肩に手を置かれ前に出す掌に掌が重なる。
魔法陣自体に黒い炎が巻き付き徐々に掌が熱くなる。
アルキアンが後ろから私の手を重ねてくれる…信頼しているからこそ魔術への介入を許す。
魔術は魔力の制御が大事…それに他の魔力の介入なんてあったら暴発するのが普通だがね。
こうやって魔術の知識をアルキアンに教えていて良かった…どうやらアルキアンにはあの才能があんましなかったからか魔術を扱ってくれないが支援するってのは知識として教えてはいた。
帰りの船の中で暇だったから教えたことだがこんなところでぶっつけ本番になるとは思わなかったが。
「鎖ならアレが必要かな魔法陣改竄開始」
「僕もできるところまで手伝うよ…鎖なら僕はコレをすれば良いんだよね」
魔術を使う魔法陣に今使っている効力を保ちながらより強固に…だがここで眠る死者の声は聞かず。
眠る死者と言っても野生みの溢れる過去の魔物だ…元々あまり恨みや呪いは少ない。
だからこそここにあった怒りを利用する。
手を重ね更なる魔法陣を作り出す。
その怒りは仲間をここで殺され憤慨する感情。
アルキアン的にこの技はあまり好きにはなれないと教えている時言われたがそんなこと言っている場合ではない。
怒りを武器として扱う人が言ってても説得力すらないと言ったら…何か怒られた。
何でもこだわりがあるとかで?
魔力で満たされ水色や白の粒子を放ち輝く魔法陣には徐々に黒い炎が巻き付き真っ黒に染め上げる。
魔法陣には新たなシンボルが浮き上がり土属性との親和性を持たせる為に土のシンボルを作り出す。
親和性を持つ土に纏われその隙を突いて全身に憤怒の炎を喰らわせる。
「「魔法陣改竄完了ッ!星ノ呪縛ッ!」」
黒い鎖は更に黒く…根本の鎖は揺らぎ熱を持つ。
赤熱はせずとも熱風を放ち鎖を紡いでワイバーンの身を焦がす。
ワイバーンは今一度大きく咆哮を天に上げると共に身体を大きく揺らし天を仰ぐ。
その星空には一つの大きな魔法陣が見えた。
私とアルキアンが放つ起死回生のその一撃。
それは想定していたより禍々しく空に浮かぶ。
その隙を見逃さずに魔法陣に対して更に魔法陣を重ねる重複魔術を仕込みワイバーンの行動を阻害する。
「まさか…貴方様が来てくださるとは」
「なぁに俺様の領地を見たら異物が混ざり込んでいるもんだからさ…盟友もコレには骨が折れるだろうて」
私がワイバーンを妨害し咆哮する口を押さえたことによってようやく隊の中でも指折りの実力を持つ者はその威圧という支配から脱することができたようだ。
そんなヤツを一瞬の怯えもなくぶっ叩くことが出来る…中々の傑物と思って間違いないだろう。
そんな傑物に対して当主様は平伏してるところを見ると…まぁ恐らくだがアレが私達が行こうとしていた獣人達の王族なのだろう。
聞いていた特徴にもある程度一致してるしな。
まぁ所々思っていたのと違う容姿ではあるが…。
容姿としては黒い毛皮を肩からマントのようにし手はグローブの様な物の先から大きな爪が出てる。
そんでもって身長が私よりはデカいがアルキアンよりかは小さい。
というか王族なのに護衛が1人もいないのは何故だ?
周りにも獣人達がいるようにも思えないし気配も感じない。
本当に1人で来たのか…それだったらなんとも不用心というか何というかだな。
「さぁてそろそろ戦わないと腕が鈍っちまうぜ…盟友は怪我の治療に専念しな」
「いやはや何をおっしゃいますか…我々もこうしちゃいられませんよ!全隊員傾注ッ!動ける者は続けッ!」
「「「オオォォォォーッ」」」
黒い羽織りを翻し獣人は地を走りワイバーンの黄土色の第3の目をくり抜こうとその大きな爪を振り下げるが寸のところで体勢を強引に変え躱す。
それに続き当主様がその手に持つ剣に魔力を纏わせ着実に体力を奪おうと翼を斬り落とそうとするが弾かれる…流石に変異によってその硬度はかなりの物となっている様だ。
そんな一見すると好手な戦いだがワイバーンもやられてばかりではなく勿論抵抗をする。
口からは咆哮と共に先程まで唯の声だったモノが竜種の恐るべきブレスへと変化し山吹色の光線を放つ。
ドラゴンハートからの純粋な土属性のみの魔力を含んだ光線は地を抉り木を薙ぎ倒す。
変異によって慣れていなかった身体が徐々に適応しつつあるのだ…。
それを抑えるのはこの私である…そう抑え込んでるのが私しかいない。
他の全員はあの獣人の野郎に釣られる様について行きやがる。
攻撃をすることでワイバーンは激昂し身体を捻らせ邪魔な鎖を外そうとする。
その度に私の身体はその鎖を離さない様に耐えなければならない。
出てるのは掌の魔法陣自体だがその魔力を提供しているのは自分だ…魔力を精密に扱わないといけない魔術において何かを縛りその縛る対象が暴れるってのはかなりキツい。
抵抗され魔力が暴れその分魔力は消耗する…というか弱体化してコレとはどれだけ強いんだか。
「これ以上保たせるのはかなりキツいな…」
私がこうやって出している鎖というモノは魔法陣から引き伸ばせば伸ばすほどに効力は弱まる。
逆に言えば短くすればするほどにその効力は元の想定していたモノと同じになる…こういう拘束する系の魔術は対象を縛るまでは鎖を引き延ばす事はできるが縛った後に更に引き延ばすのは想定していない。
鎖を引きつける事はできるんだが…こうも暴れられると私の身体が引き付けられてしまうな。
「起死回生の一手…それが今必要だな」
「…なら僕がその一手になるよ」
背後に火柱が立ち登りその中から声が聞こえる。
アルキアンが前線で攻撃し倒れた他の隊員を運びここまで戻ってきてくれたのだ。
何で向こう側にいたのに私の声が聞こえたのかは…何故だろう?
大罪の能力は本当に持っている人のみがわかるモノだし歴代のモノと全く違うのが多い。
個人ごとに違う能力を持っているのだ。
肩に手を置かれ前に出す掌に掌が重なる。
魔法陣自体に黒い炎が巻き付き徐々に掌が熱くなる。
アルキアンが後ろから私の手を重ねてくれる…信頼しているからこそ魔術への介入を許す。
魔術は魔力の制御が大事…それに他の魔力の介入なんてあったら暴発するのが普通だがね。
こうやって魔術の知識をアルキアンに教えていて良かった…どうやらアルキアンにはあの才能があんましなかったからか魔術を扱ってくれないが支援するってのは知識として教えてはいた。
帰りの船の中で暇だったから教えたことだがこんなところでぶっつけ本番になるとは思わなかったが。
「鎖ならアレが必要かな魔法陣改竄開始」
「僕もできるところまで手伝うよ…鎖なら僕はコレをすれば良いんだよね」
魔術を使う魔法陣に今使っている効力を保ちながらより強固に…だがここで眠る死者の声は聞かず。
眠る死者と言っても野生みの溢れる過去の魔物だ…元々あまり恨みや呪いは少ない。
だからこそここにあった怒りを利用する。
手を重ね更なる魔法陣を作り出す。
その怒りは仲間をここで殺され憤慨する感情。
アルキアン的にこの技はあまり好きにはなれないと教えている時言われたがそんなこと言っている場合ではない。
怒りを武器として扱う人が言ってても説得力すらないと言ったら…何か怒られた。
何でもこだわりがあるとかで?
魔力で満たされ水色や白の粒子を放ち輝く魔法陣には徐々に黒い炎が巻き付き真っ黒に染め上げる。
魔法陣には新たなシンボルが浮き上がり土属性との親和性を持たせる為に土のシンボルを作り出す。
親和性を持つ土に纏われその隙を突いて全身に憤怒の炎を喰らわせる。
「「魔法陣改竄完了ッ!星ノ呪縛ッ!」」
黒い鎖は更に黒く…根本の鎖は揺らぎ熱を持つ。
赤熱はせずとも熱風を放ち鎖を紡いでワイバーンの身を焦がす。
ワイバーンは今一度大きく咆哮を天に上げると共に身体を大きく揺らし天を仰ぐ。
その星空には一つの大きな魔法陣が見えた。
私とアルキアンが放つ起死回生のその一撃。
それは想定していたより禍々しく空に浮かぶ。
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