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3章 蜜月
15話 曖昧な関係 1
◇◇◇
毎日の睡眠は三時間、群馬県知事選前日は睡眠一時間。今週末こそゆっくりしようと思っていたのに、私はなぜか休日早朝の電車に揺られている。
同期のメンバーがフットサルに参加すると話していたところに出くわしたのが、運の尽き。みんなの体力に驚いていると、広斗から「弁当を持ってこい」と当たり前のように言われた。
「無理ですから」
「玉子焼き食べる」
「聞いてないです」
「おにぎりは鮭」
「だから聞いてないの!」
そう広斗には言ったはずだけれど、結局早起きをしてお弁当を持っていく。本当に、いつもいつもこう。広斗に押し切られてしまう。
七月ともなれば、梅雨明けまでもう少し。その梅雨の湿気を含んだ空気と夏の照りつける日差しが体に堪える。
フットサルに参加しているメンバーは、日差しが降り注ぐコートで忙しなく駆け回っていた。見ている側は、小さな日陰を探して、みんながそこに身を寄せ合うようにして座っていた。いつも集まることができていなかった同期メンバーも集まっていて、久しぶりに見るその元気そうな姿に笑みが零れた。
「南ちゃん、久しぶりだね」
「うん。みんなと会うの二か月ぶりね」
南野玲花。切れ長の瞳、艶やかな黒髪、透き通るような白い肌。その名の通り、華やかで美しいアジアンビューティーだ。
「湘南の研修忙しい?」
「シフトが夜中心なのよ。忙しいというよりも時間が合わないの」
彼女の他にもいつも来られないメンバーが揃い、かなりの大所帯。
久しぶりに会えたのは嬉しいけれど、お弁当は足りるだろうか。こんなに来るなんて聞いていない。広斗を恨めしく思いながらお弁当の袋を移動させていると、南ちゃんが目を丸くした。
「ゆり、すごいわね。お弁当作ってきたの?」
「命令されて。家遠いからどうしようかと思ったんだけどね」
「命令? 誰から?」
「そんなこと命令するのワガママ王子は一人だけですよ」
「ああ、矢野?」
彼女の答えに首を縦に振る。
「そっか。言ってくれたら私も作ってきたのにな。私、料理するし」
「南ちゃん、お料理上手そうだね。食べてみたいな。今度作って」
「ゆりのために?」
「そう、私のために」
「ふふ、いいよ。今度作ってくるね」
南ちゃんがその長い睫毛で縁取られた瞳を細めた。
本当に私たち同期は仲が良い。ここまで気が合う、いや一緒にいられるほどに気が遣い合える仲間は初めてかもしれない。仕事仲間で、遊び仲間で、いくらでも一緒にいられる。
毎日の睡眠は三時間、群馬県知事選前日は睡眠一時間。今週末こそゆっくりしようと思っていたのに、私はなぜか休日早朝の電車に揺られている。
同期のメンバーがフットサルに参加すると話していたところに出くわしたのが、運の尽き。みんなの体力に驚いていると、広斗から「弁当を持ってこい」と当たり前のように言われた。
「無理ですから」
「玉子焼き食べる」
「聞いてないです」
「おにぎりは鮭」
「だから聞いてないの!」
そう広斗には言ったはずだけれど、結局早起きをしてお弁当を持っていく。本当に、いつもいつもこう。広斗に押し切られてしまう。
七月ともなれば、梅雨明けまでもう少し。その梅雨の湿気を含んだ空気と夏の照りつける日差しが体に堪える。
フットサルに参加しているメンバーは、日差しが降り注ぐコートで忙しなく駆け回っていた。見ている側は、小さな日陰を探して、みんながそこに身を寄せ合うようにして座っていた。いつも集まることができていなかった同期メンバーも集まっていて、久しぶりに見るその元気そうな姿に笑みが零れた。
「南ちゃん、久しぶりだね」
「うん。みんなと会うの二か月ぶりね」
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「湘南の研修忙しい?」
「シフトが夜中心なのよ。忙しいというよりも時間が合わないの」
彼女の他にもいつも来られないメンバーが揃い、かなりの大所帯。
久しぶりに会えたのは嬉しいけれど、お弁当は足りるだろうか。こんなに来るなんて聞いていない。広斗を恨めしく思いながらお弁当の袋を移動させていると、南ちゃんが目を丸くした。
「ゆり、すごいわね。お弁当作ってきたの?」
「命令されて。家遠いからどうしようかと思ったんだけどね」
「命令? 誰から?」
「そんなこと命令するのワガママ王子は一人だけですよ」
「ああ、矢野?」
彼女の答えに首を縦に振る。
「そっか。言ってくれたら私も作ってきたのにな。私、料理するし」
「南ちゃん、お料理上手そうだね。食べてみたいな。今度作って」
「ゆりのために?」
「そう、私のために」
「ふふ、いいよ。今度作ってくるね」
南ちゃんがその長い睫毛で縁取られた瞳を細めた。
本当に私たち同期は仲が良い。ここまで気が合う、いや一緒にいられるほどに気が遣い合える仲間は初めてかもしれない。仕事仲間で、遊び仲間で、いくらでも一緒にいられる。
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