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4章 二人の男、大人の男
26話 プロジェクト決戦 1
◇◇
八月四日(日)
目覚ましのアラームに驚いて飛び起きる。時刻は三時半。真っ暗な部屋の中を見渡すけれど、香取さんはもういなかった。手には、まだ香取さんの温もりが残っている気がする。彼に撫でられていた頭を自分の手で触ってみると、彼の大きな手の感触を思い出す。
睡眠はたぶん一時間半くらいだろうか。香取さんの睡眠時間まで削ってしまった。少し反省しながら起き上がり、そのままシャワーを浴び、身支度を整えてロビーに向かう。
広斗の姿を見つけて、いつもより少しだけ緊張しながら声を掛けた。
「おはよう……」
「……ああ」
寝起きだからか、広斗は不機嫌そうに一瞬だけ視線をこちらに投げ、再び俯くように視線を落とす。
昨日、あのまま一人でいたら笑えなかったかもしれない。広斗にこうして話しかけることなんて、できなかったかもしれない。香取さんのおかげで、笑うことができている。
でも、広斗は私の視線から逃れるように、浩ちゃんとゆきちゃんの傍に行き、笑顔で話し始めた。私と話したくないだけかもしれない。元カレと同じ。あのときも、私が彼に普通に接しようとすればするほど、彼は遠ざかっていった。また繰り返すのかな。
「おはよう、ゆりちゃん」
優しい声の元を辿れば、そこには昨日と同じ優しい微笑みがあって、不安に揺れ動き始めた心が一瞬で落ち着きを取り戻した。
「おはようございます。香取さん、あの……昨日はすみませんでした」
そして、昨日の自分を思い出し、気まずさで、一気に頬が熱くなる。
「元気そうで良かった」
香取さんは昨日と同じように、私の頭をその大きな手で撫でてくれる。香取さんは眠れたのだろうか。気になって彼の顔を見つめてみるけど、ここ数日、彼の大きな目の下には深いくまが残っていて、昨日眠れたかどうかさえもわからなかった。心配そうに見上げる私の視線に気づいたのか、彼は「大丈夫だよ」と笑って、再び私の頭を撫でた。
『——ゆりちゃんの仕事は心配してないよ。信頼してる』
プロジェクト、頑張らなくちゃ。今日は本番。しっかり集中しよう。みんなで準備してきたんだもん。みんなで頑張ってきたんだから。絶対に、プロジェクトを成功させる。
八月四日(日)
目覚ましのアラームに驚いて飛び起きる。時刻は三時半。真っ暗な部屋の中を見渡すけれど、香取さんはもういなかった。手には、まだ香取さんの温もりが残っている気がする。彼に撫でられていた頭を自分の手で触ってみると、彼の大きな手の感触を思い出す。
睡眠はたぶん一時間半くらいだろうか。香取さんの睡眠時間まで削ってしまった。少し反省しながら起き上がり、そのままシャワーを浴び、身支度を整えてロビーに向かう。
広斗の姿を見つけて、いつもより少しだけ緊張しながら声を掛けた。
「おはよう……」
「……ああ」
寝起きだからか、広斗は不機嫌そうに一瞬だけ視線をこちらに投げ、再び俯くように視線を落とす。
昨日、あのまま一人でいたら笑えなかったかもしれない。広斗にこうして話しかけることなんて、できなかったかもしれない。香取さんのおかげで、笑うことができている。
でも、広斗は私の視線から逃れるように、浩ちゃんとゆきちゃんの傍に行き、笑顔で話し始めた。私と話したくないだけかもしれない。元カレと同じ。あのときも、私が彼に普通に接しようとすればするほど、彼は遠ざかっていった。また繰り返すのかな。
「おはよう、ゆりちゃん」
優しい声の元を辿れば、そこには昨日と同じ優しい微笑みがあって、不安に揺れ動き始めた心が一瞬で落ち着きを取り戻した。
「おはようございます。香取さん、あの……昨日はすみませんでした」
そして、昨日の自分を思い出し、気まずさで、一気に頬が熱くなる。
「元気そうで良かった」
香取さんは昨日と同じように、私の頭をその大きな手で撫でてくれる。香取さんは眠れたのだろうか。気になって彼の顔を見つめてみるけど、ここ数日、彼の大きな目の下には深いくまが残っていて、昨日眠れたかどうかさえもわからなかった。心配そうに見上げる私の視線に気づいたのか、彼は「大丈夫だよ」と笑って、再び私の頭を撫でた。
『——ゆりちゃんの仕事は心配してないよ。信頼してる』
プロジェクト、頑張らなくちゃ。今日は本番。しっかり集中しよう。みんなで準備してきたんだもん。みんなで頑張ってきたんだから。絶対に、プロジェクトを成功させる。
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