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4章 二人の男、大人の男
26話 プロジェクト決戦 3
各県の現状を把握するため、すぐにリーダーに集合をかける。新卒メンバーで集まり、それぞれの現状を報告してもらう。どうやら、栃木担当の陽子のところは余力がありそうだ。
「陽子、できれば両隣の茨城、群馬のサポートにはいってもらいたいの。大丈夫?」
「うん! 問題ないよ」
「ありがとう。みんな、私が今から関東のリーダーサポートに入るけど、私だから出来ないものは出来ないのでよろしく! 連携して、足りないところをどんどん補っていってもらいたいの」
私の言葉に憲吾が呆れた顔を見せる。
「ずいぶんハッキリ出来ないって言うな」
「だって出来ないものは出来ないよ。大丈夫。みんなを信頼してるから」
「ふふっ。私もしっかりやるからね。みんなで協力しよう!」
「だな。よし、みんなで頑張るか!」
ゆきちゃんと浩ちゃんがみんなの顔を見渡しながら、言葉を添えてくれる。埼玉と茨城のトラブルはすぐに処理できたけれど、神奈川は各エリアにかなり遅れが出ていて、速攻での処理が不可能だった。予備のスタッフを手配し、神奈川の遅れを取り戻す。
今は十二時過ぎ。このまま順調にいけば、十三時半には改善するはず。同期のメンバーに他の県を託して、神奈川の改善に集中する。私たちは休憩を取る時間もなく、忙しなく動き回っていた。
「ゆりちゃん! ごめん、任せっきりで」
「香取さん」
「九州でトラブルがでて……」
「お疲れ様です。関東は今のところ問題ありません。各県のトラブルは解決、遅れているところもありません」
「おぉ、やるね」
十四時過ぎ、香取さんが関東とは別のエリアで起こったトラブルを処理して、戻ってきた。私の返事を聞いて、その疲れた顔を少しだけ綻ばせてくれる。
「新卒同士だから良いみたいです。お互いに気兼ねなく、依頼できるし動けるし。私が関東のリーダーサポートに入るとなったら、みんなが逆にサポートしてくれました」
「君たちの同期愛は素晴らしいからね。連携もお手のものだね」
「あはは、同期愛」
「ゆりちゃん担当の千葉は?」
「自分でも驚くくらい、大丈夫です。みなさん優秀すぎて、私がいなくても全く問題ありません。若干悲しいですけど」
「あはは! そっか。良かったね」
「はい」
「そうしたら、最後までこのまま頼んでもいい? 関東のリーダーには、そのまま東京のサポートをしてもらうから」
「はい、わかりました」
その後、関東でいくつかの小さなトラブルが再び発生し、私と香取さんはクライアントとみんなの間を行ったり来たりしながら、プロジェクトを進めていった。
私の前を歩く香取さんの背中を見つめる。状況を把握してからの判断の早さ。そして、その指示の的確さ。ミスをした本人さえも笑顔にして、前を向かせてしまう。
全国の状況を把握して指示を出しつつ、関東のトラブルに私と一緒に対応してくれる。周りが走り回るほどの慌ただしさの中、彼だけが別の次元にいる。
関東だけでも千人近く、全国では数千人が動いているプロジェクト。そのトップで舵取りをする香取さん。私は、こんな人と働いていたんだ。
「陽子、できれば両隣の茨城、群馬のサポートにはいってもらいたいの。大丈夫?」
「うん! 問題ないよ」
「ありがとう。みんな、私が今から関東のリーダーサポートに入るけど、私だから出来ないものは出来ないのでよろしく! 連携して、足りないところをどんどん補っていってもらいたいの」
私の言葉に憲吾が呆れた顔を見せる。
「ずいぶんハッキリ出来ないって言うな」
「だって出来ないものは出来ないよ。大丈夫。みんなを信頼してるから」
「ふふっ。私もしっかりやるからね。みんなで協力しよう!」
「だな。よし、みんなで頑張るか!」
ゆきちゃんと浩ちゃんがみんなの顔を見渡しながら、言葉を添えてくれる。埼玉と茨城のトラブルはすぐに処理できたけれど、神奈川は各エリアにかなり遅れが出ていて、速攻での処理が不可能だった。予備のスタッフを手配し、神奈川の遅れを取り戻す。
今は十二時過ぎ。このまま順調にいけば、十三時半には改善するはず。同期のメンバーに他の県を託して、神奈川の改善に集中する。私たちは休憩を取る時間もなく、忙しなく動き回っていた。
「ゆりちゃん! ごめん、任せっきりで」
「香取さん」
「九州でトラブルがでて……」
「お疲れ様です。関東は今のところ問題ありません。各県のトラブルは解決、遅れているところもありません」
「おぉ、やるね」
十四時過ぎ、香取さんが関東とは別のエリアで起こったトラブルを処理して、戻ってきた。私の返事を聞いて、その疲れた顔を少しだけ綻ばせてくれる。
「新卒同士だから良いみたいです。お互いに気兼ねなく、依頼できるし動けるし。私が関東のリーダーサポートに入るとなったら、みんなが逆にサポートしてくれました」
「君たちの同期愛は素晴らしいからね。連携もお手のものだね」
「あはは、同期愛」
「ゆりちゃん担当の千葉は?」
「自分でも驚くくらい、大丈夫です。みなさん優秀すぎて、私がいなくても全く問題ありません。若干悲しいですけど」
「あはは! そっか。良かったね」
「はい」
「そうしたら、最後までこのまま頼んでもいい? 関東のリーダーには、そのまま東京のサポートをしてもらうから」
「はい、わかりました」
その後、関東でいくつかの小さなトラブルが再び発生し、私と香取さんはクライアントとみんなの間を行ったり来たりしながら、プロジェクトを進めていった。
私の前を歩く香取さんの背中を見つめる。状況を把握してからの判断の早さ。そして、その指示の的確さ。ミスをした本人さえも笑顔にして、前を向かせてしまう。
全国の状況を把握して指示を出しつつ、関東のトラブルに私と一緒に対応してくれる。周りが走り回るほどの慌ただしさの中、彼だけが別の次元にいる。
関東だけでも千人近く、全国では数千人が動いているプロジェクト。そのトップで舵取りをする香取さん。私は、こんな人と働いていたんだ。
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