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7章 それぞれの選択
46話 道 2
香取さんのマンションまでの道をゆっくりと歩けば、言葉通りすぐに抜けてきたのか、香取さんが走ってきた。
「ごめん、一人で歩かせて」
「……いえ」
息を切らせながら、「変な人に声かけられなかった?」って心配そうに聞いてくる彼に、笑顔で応えた。
香取さんの家に来るのは、この前の日曜日以来。この前はただゆっくり過ごすということだったから、緊張もなにもなかったけど、私はこの後、香取さんに伝えなきゃいけないことがある。そう考えるとどうしても落ち着かなくて、意味もなく部屋を見渡してみては、用もないのに立ち上がって歩いてみる。
こんなに雰囲気のいいキレイなお部屋だっていうのに、全然落ち着かない。手汗は止まらないし、なんならおでこにも汗をかき始めている。
意味もなく窓に近づいて夜景を見てみても、キレイだなんて思う余裕もなくて、なんて話そうかって頭の中はそればかり。部屋をウロウロしていると、ソファに座っている香取さんが笑った気配がした。
「ゆりちゃん……どうしたの、さっきから。この前来たときから一週間も経ってないんだから、変わり映えしないでしょ」
「え、あ、そうですね……」
自分の挙動不審さが恥ずかしくなって、顔に熱が集まっていく。
「どうしたの? こっちおいで」
香取さんがぽんぽんと叩いたその場所に腰を下ろす。香取さんに話さなきゃいけない。正直に伝えなきゃいけないことがある。
「香取さん、あのっ……」
「うん。なに?」
「私、お話ししたいことがあって、それで」
「うん」
「はい、あの、泣いちゃうかもしれないんですけど、最後まで、聞いて……もらえますか?」
そう言いながら、すでに目には涙が浮かぶ。そんな私に、香取さんは微笑んで頷いてくれた。
土曜日に起こった出来事を自分なりに一生懸命話したけれど、たぶんかなりたどたどしかったと思う。広斗と出掛ける約束をしていたこと。でも、結果的に広斗は南ちゃんと出掛けてしまったこと。南ちゃんがその前日に広斗の家に泊まって、それがショックだったこと。
飲み会で二人が手を繋いだり、腕を組んだりして話していたことが苦しくて、その後寄り添って眠る二人を見ていられなくて家を飛び出したこと。そこに香取さんからのメッセージがきて、私が助けを求めたことも。
大人な香取さんからすれば、子供じみた恋愛話だと思う。彼の年齢を考えれば、手を握ったとか腕を組んだとか、そんなことでこんな風に泣くなんて、子供だなって呆れちゃうかもしれない。でも、香取さんは全て黙ったまま、頷きながら聞いてくれた。
「ごめん、一人で歩かせて」
「……いえ」
息を切らせながら、「変な人に声かけられなかった?」って心配そうに聞いてくる彼に、笑顔で応えた。
香取さんの家に来るのは、この前の日曜日以来。この前はただゆっくり過ごすということだったから、緊張もなにもなかったけど、私はこの後、香取さんに伝えなきゃいけないことがある。そう考えるとどうしても落ち着かなくて、意味もなく部屋を見渡してみては、用もないのに立ち上がって歩いてみる。
こんなに雰囲気のいいキレイなお部屋だっていうのに、全然落ち着かない。手汗は止まらないし、なんならおでこにも汗をかき始めている。
意味もなく窓に近づいて夜景を見てみても、キレイだなんて思う余裕もなくて、なんて話そうかって頭の中はそればかり。部屋をウロウロしていると、ソファに座っている香取さんが笑った気配がした。
「ゆりちゃん……どうしたの、さっきから。この前来たときから一週間も経ってないんだから、変わり映えしないでしょ」
「え、あ、そうですね……」
自分の挙動不審さが恥ずかしくなって、顔に熱が集まっていく。
「どうしたの? こっちおいで」
香取さんがぽんぽんと叩いたその場所に腰を下ろす。香取さんに話さなきゃいけない。正直に伝えなきゃいけないことがある。
「香取さん、あのっ……」
「うん。なに?」
「私、お話ししたいことがあって、それで」
「うん」
「はい、あの、泣いちゃうかもしれないんですけど、最後まで、聞いて……もらえますか?」
そう言いながら、すでに目には涙が浮かぶ。そんな私に、香取さんは微笑んで頷いてくれた。
土曜日に起こった出来事を自分なりに一生懸命話したけれど、たぶんかなりたどたどしかったと思う。広斗と出掛ける約束をしていたこと。でも、結果的に広斗は南ちゃんと出掛けてしまったこと。南ちゃんがその前日に広斗の家に泊まって、それがショックだったこと。
飲み会で二人が手を繋いだり、腕を組んだりして話していたことが苦しくて、その後寄り添って眠る二人を見ていられなくて家を飛び出したこと。そこに香取さんからのメッセージがきて、私が助けを求めたことも。
大人な香取さんからすれば、子供じみた恋愛話だと思う。彼の年齢を考えれば、手を握ったとか腕を組んだとか、そんなことでこんな風に泣くなんて、子供だなって呆れちゃうかもしれない。でも、香取さんは全て黙ったまま、頷きながら聞いてくれた。
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