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7章 それぞれの選択
47話 大人の時間 1
髪を撫でていた手が私の後頭部を支えて、彼の唇が下りてくる。唇が離れて、また触れて。段々と熱がこもってきて、彼の舌がゆっくりと入り込む。
「っ……ン……」
反射的に胸を押し返すけど、びくともしない。後頭部を押さえられているせいで、何度も何度も舌を絡められ、それが激しくなっても逃げられない。いつの間にか夢中になっている間に、私はソファに押し倒されていた。
彼のそれに、私はすぐに息が上がってしまう。そんな私を感じて、彼はキスをしたまま笑った。
「……抵抗したり、その割には感じやすかったり。ゆりちゃんは俺を誘うのがうまいね」
「わ、私そんなことっ」
「もうちょっとだけ、誘われようかな……」
誘われようなんて言いながら、私を誘ってその手の中に堕とそうとしているのは彼の方。彼の色気にあてられて、私の頭はもうなにも考えられないみたい。彼はまた口づけて、それを深めていく。
「……ンっ……ふ……ぁ」
彼の激しさに応えるように、彼の首に腕を回す。身体が触れ合って熱を持ち始めたところで、彼が唇を離し、私を見下ろしながら目を細めた。
「ゆりちゃん……俺を煽って楽しい?」
「……え」
私は肩で息をしながら、クラクラする頭で、それでも言われた言葉の意味を理解する。
「……俺がせっかく抑えてるのに……もっとしていいの?」
「え、あ」
「手、外して」
「はい……」
言われたとおりに、彼の首に回していた手を外すと、その手を取られてソファに押し付けられた。
「わかった? これ以上されたいの?」
「……ごめんなさい」
「わかったなら、もう一回」
「あの……香取さん」
「なに?」
とても近くで香取さんのキレイな顔が止まる。
「また……キス、するんですか?」
「嫌?」
「あっ、え」
「嫌なわけないか。気持ち良さそうだもんね」
「そんな、こと」
「あるよ。その証拠に……」
再び、彼の舌が絡みついてくる。彼にキスをされるとなにも考えられなくなる。彼の舌の動きだけを感じて、ただそれに翻弄される心地よさ。柔らかくて、甘くて。何度も何度も欲しくなる。
「ぁ……」
頭が働かない。言葉が出ない。
「ほら、気持ち良さそう」
そう言って笑う彼をぼうっと見る。
「もっとしてほしい?」
「も……いい、です」
意地悪な顔をしてからかうように笑って聞いてくるから、思わずムキになって答える。彼から顔を背けて言ったけれど、両手を押さえ付けられているから、身動きがとれない。
それでも、どうにか逃れようとする私を見て、彼がまたクスクス笑っている。
「もう、なんで笑うんですか……」
顔を背けたまま抗議をしてみる。
「だって、可愛くて。それ、抵抗のつもり?」
片方の手を離されて、その指で頬をツンツンとつつかれる。
「精一杯の抵抗です」
「あはっ。精一杯って。なんで抵抗なんかするの?」
「だって、ドキドキして……もうこれ以上は……ムリです」
「……ゆりちゃん、わかっててやってるの? もっとしてほしいならいいんだけど」
「ちがっ」
私の言葉より先に、香取さんの唇が私の首筋に吸い付く。そのまま首筋を、唇が這っていく。
「やめ……て……っ……ぁ」
「ゆりちゃん、首弱いよね。この前気付いたんだ……首にキスすると、すぐに力が抜ける」
香取さんの言葉に、カァッと更に体が熱くなるのがわかる。
「熱いね……」
彼の手は私の手を離し、その代わりに体をなぞっていく。力の抜けた私は抵抗もできずに、彼の手に、唇に翻弄されていく。
「今日は……最後までしないから、もう少しだけいい? 声、聞きたい……」
聞いているくせに、私の答えなんて聞こえていない。それに抗えずに、なにも答えられずに、ただ彼の手と唇がもたらすものに声をあげるだけ。
だって——こんなの、知らない。
「っ……ン……」
反射的に胸を押し返すけど、びくともしない。後頭部を押さえられているせいで、何度も何度も舌を絡められ、それが激しくなっても逃げられない。いつの間にか夢中になっている間に、私はソファに押し倒されていた。
彼のそれに、私はすぐに息が上がってしまう。そんな私を感じて、彼はキスをしたまま笑った。
「……抵抗したり、その割には感じやすかったり。ゆりちゃんは俺を誘うのがうまいね」
「わ、私そんなことっ」
「もうちょっとだけ、誘われようかな……」
誘われようなんて言いながら、私を誘ってその手の中に堕とそうとしているのは彼の方。彼の色気にあてられて、私の頭はもうなにも考えられないみたい。彼はまた口づけて、それを深めていく。
「……ンっ……ふ……ぁ」
彼の激しさに応えるように、彼の首に腕を回す。身体が触れ合って熱を持ち始めたところで、彼が唇を離し、私を見下ろしながら目を細めた。
「ゆりちゃん……俺を煽って楽しい?」
「……え」
私は肩で息をしながら、クラクラする頭で、それでも言われた言葉の意味を理解する。
「……俺がせっかく抑えてるのに……もっとしていいの?」
「え、あ」
「手、外して」
「はい……」
言われたとおりに、彼の首に回していた手を外すと、その手を取られてソファに押し付けられた。
「わかった? これ以上されたいの?」
「……ごめんなさい」
「わかったなら、もう一回」
「あの……香取さん」
「なに?」
とても近くで香取さんのキレイな顔が止まる。
「また……キス、するんですか?」
「嫌?」
「あっ、え」
「嫌なわけないか。気持ち良さそうだもんね」
「そんな、こと」
「あるよ。その証拠に……」
再び、彼の舌が絡みついてくる。彼にキスをされるとなにも考えられなくなる。彼の舌の動きだけを感じて、ただそれに翻弄される心地よさ。柔らかくて、甘くて。何度も何度も欲しくなる。
「ぁ……」
頭が働かない。言葉が出ない。
「ほら、気持ち良さそう」
そう言って笑う彼をぼうっと見る。
「もっとしてほしい?」
「も……いい、です」
意地悪な顔をしてからかうように笑って聞いてくるから、思わずムキになって答える。彼から顔を背けて言ったけれど、両手を押さえ付けられているから、身動きがとれない。
それでも、どうにか逃れようとする私を見て、彼がまたクスクス笑っている。
「もう、なんで笑うんですか……」
顔を背けたまま抗議をしてみる。
「だって、可愛くて。それ、抵抗のつもり?」
片方の手を離されて、その指で頬をツンツンとつつかれる。
「精一杯の抵抗です」
「あはっ。精一杯って。なんで抵抗なんかするの?」
「だって、ドキドキして……もうこれ以上は……ムリです」
「……ゆりちゃん、わかっててやってるの? もっとしてほしいならいいんだけど」
「ちがっ」
私の言葉より先に、香取さんの唇が私の首筋に吸い付く。そのまま首筋を、唇が這っていく。
「やめ……て……っ……ぁ」
「ゆりちゃん、首弱いよね。この前気付いたんだ……首にキスすると、すぐに力が抜ける」
香取さんの言葉に、カァッと更に体が熱くなるのがわかる。
「熱いね……」
彼の手は私の手を離し、その代わりに体をなぞっていく。力の抜けた私は抵抗もできずに、彼の手に、唇に翻弄されていく。
「今日は……最後までしないから、もう少しだけいい? 声、聞きたい……」
聞いているくせに、私の答えなんて聞こえていない。それに抗えずに、なにも答えられずに、ただ彼の手と唇がもたらすものに声をあげるだけ。
だって——こんなの、知らない。
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