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転生
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「お疲れ様です!」
俺はバイト先のコンビニを出るとゆっくりと帰路についた。
俺はごくごく普通の公立高校に通う男子高校生だ。
高校生だが高校生らしいことは何もしていない。
俺の姉の手術代を稼がなくてはいけないからだ。
俺の二つ上の姉は2年前事故に巻き込まれ意識を失った。
治療するには4000万円かかるらしい。
俺の父は俺が小学生の頃に他界し、現在は母が一人で日々の生活費と姉の治療費を必死に稼いでいる。
バイトから家に帰る途中、不良に声をかけられた。
「おい、佐藤!お前暇そうだな!ちょっと練習付き合えよ!」
俺は昔、不良グループに属していた。
しかし、あることがきっかけでグループを抜けた。それからというもの、日々陰湿ないじめを受けていた。
この男が言う練習とはボクシングの練習だ。
俺はいつもこいつらのサンドバックとして呼ばれるのだ。
「おらぁ!」
ドスッドスッ!
複数の男の拳が腹に入る。
おぇっ!!
俺は胃の内容物を吐き出しそうになり地面にうずくまった。
「おい!!弱虫!立てよ!」
ドスッ!
今度はわき腹を蹴られた。
「もう…やめて…」
俺はこのままでは死んでしまうのではないかと思った。
「あ?てめーのせいで総長は死んだんだよ!!分かってんのか!?」
3か月前不良グループ同士の抗争があった。俺がへまをしたせいで、直接的にではないが不良グループのリーダーが死んでしまったのだ。
「ゆ、許して…ください…」
不良の男が座り込んでしゃべりかけてきた。
「ああ、じゃあ今日はこの辺にしてやるよ。ところで佐藤、金貸してくんね?」
「か、勘弁してください…」
「あ?今日はこの辺にしてやるっつてんだろ!?おとなしく出せよ」
ドスッ!!
もう一度俺はわき腹を蹴られ、その衝撃でポケットに入れていた財布が転がり落ちてきた。
「おーおー、最初からおとなしく出せばいいんだよ」
「今日もありがとな。また今度返すわ」
絶対返さないだろと思ったが怖くて言えなかった。
そして、俺の財布からお札をすべて取り、去っていった。
最近は毎日こんな感じで、俺が立てなくなるまで殴られた挙句、金を取られる。
毎日が生き地獄のように思えた。
家に帰ると夜の12時だった。
俺はバイトと不良どもに殴られたせいで、疲れてすぐに寝てしまった。
明日も今日と同じようにバイトをして、その後殴られ、働いたお金も取られると思うと明日なんて来ないでほしいと思えた。
スー
頬を涙が伝って落ちていくのを感じた。
「あれ?俺つかれてるのかなぁ…?」
俺は泣きながら眠りについた。
目を覚ますと見慣れない風景だった。
見渡すと俺は見慣れない広間の真ん中に立っている。
周りにはたくさんの人がいるが、多くの人が防具と武器を装備している。そして、真正面の豪華な椅子に横になり肘をついて座っているのが、王様だろうか。ずいぶんと贅沢で目立つ格好をしている。
ここはどこだ!?
夢か!?
「転生に成功しました」
目の前の魔術師らしき女が言った。女は魔法の杖らしき杖を持っており、魔術師がかぶってそうなとんがった帽子をかぶっている。
「ほう。して、能力は?」
偉そうにしている王が魔術師に聞いた。
「鑑定します」
女は持っている魔法の杖を使い何かを唱え鑑定を始めた。
10秒ほどすると再び口を開いた。
「普通、転生したものは自身の武器となる宝具や様々なスキルをもって転生するのですが、この者は全く持っていません。しいて言うなら、魔法が少し使えるくらいです。こ、こんなことが……、あり得るのでしょうか!?」
「ちょっと待て、あんたら誰なんだ?ここはどこだ?宝具とかスキルってなんだ?」
俺は急な展開についていくことができず、いくつか質問したが俺の話はすべて無視された。
「あり得るも何も、目の前で起こっているのであろう。そんな役立たず、飛ばしてしまえ」
「かしこまりました」
女魔術師が何か詠唱を始める。
詠唱が終わると、俺の体が光り、目の前が真っ白になった。
俺はバイト先のコンビニを出るとゆっくりと帰路についた。
俺はごくごく普通の公立高校に通う男子高校生だ。
高校生だが高校生らしいことは何もしていない。
俺の姉の手術代を稼がなくてはいけないからだ。
俺の二つ上の姉は2年前事故に巻き込まれ意識を失った。
治療するには4000万円かかるらしい。
俺の父は俺が小学生の頃に他界し、現在は母が一人で日々の生活費と姉の治療費を必死に稼いでいる。
バイトから家に帰る途中、不良に声をかけられた。
「おい、佐藤!お前暇そうだな!ちょっと練習付き合えよ!」
俺は昔、不良グループに属していた。
しかし、あることがきっかけでグループを抜けた。それからというもの、日々陰湿ないじめを受けていた。
この男が言う練習とはボクシングの練習だ。
俺はいつもこいつらのサンドバックとして呼ばれるのだ。
「おらぁ!」
ドスッドスッ!
複数の男の拳が腹に入る。
おぇっ!!
俺は胃の内容物を吐き出しそうになり地面にうずくまった。
「おい!!弱虫!立てよ!」
ドスッ!
今度はわき腹を蹴られた。
「もう…やめて…」
俺はこのままでは死んでしまうのではないかと思った。
「あ?てめーのせいで総長は死んだんだよ!!分かってんのか!?」
3か月前不良グループ同士の抗争があった。俺がへまをしたせいで、直接的にではないが不良グループのリーダーが死んでしまったのだ。
「ゆ、許して…ください…」
不良の男が座り込んでしゃべりかけてきた。
「ああ、じゃあ今日はこの辺にしてやるよ。ところで佐藤、金貸してくんね?」
「か、勘弁してください…」
「あ?今日はこの辺にしてやるっつてんだろ!?おとなしく出せよ」
ドスッ!!
もう一度俺はわき腹を蹴られ、その衝撃でポケットに入れていた財布が転がり落ちてきた。
「おーおー、最初からおとなしく出せばいいんだよ」
「今日もありがとな。また今度返すわ」
絶対返さないだろと思ったが怖くて言えなかった。
そして、俺の財布からお札をすべて取り、去っていった。
最近は毎日こんな感じで、俺が立てなくなるまで殴られた挙句、金を取られる。
毎日が生き地獄のように思えた。
家に帰ると夜の12時だった。
俺はバイトと不良どもに殴られたせいで、疲れてすぐに寝てしまった。
明日も今日と同じようにバイトをして、その後殴られ、働いたお金も取られると思うと明日なんて来ないでほしいと思えた。
スー
頬を涙が伝って落ちていくのを感じた。
「あれ?俺つかれてるのかなぁ…?」
俺は泣きながら眠りについた。
目を覚ますと見慣れない風景だった。
見渡すと俺は見慣れない広間の真ん中に立っている。
周りにはたくさんの人がいるが、多くの人が防具と武器を装備している。そして、真正面の豪華な椅子に横になり肘をついて座っているのが、王様だろうか。ずいぶんと贅沢で目立つ格好をしている。
ここはどこだ!?
夢か!?
「転生に成功しました」
目の前の魔術師らしき女が言った。女は魔法の杖らしき杖を持っており、魔術師がかぶってそうなとんがった帽子をかぶっている。
「ほう。して、能力は?」
偉そうにしている王が魔術師に聞いた。
「鑑定します」
女は持っている魔法の杖を使い何かを唱え鑑定を始めた。
10秒ほどすると再び口を開いた。
「普通、転生したものは自身の武器となる宝具や様々なスキルをもって転生するのですが、この者は全く持っていません。しいて言うなら、魔法が少し使えるくらいです。こ、こんなことが……、あり得るのでしょうか!?」
「ちょっと待て、あんたら誰なんだ?ここはどこだ?宝具とかスキルってなんだ?」
俺は急な展開についていくことができず、いくつか質問したが俺の話はすべて無視された。
「あり得るも何も、目の前で起こっているのであろう。そんな役立たず、飛ばしてしまえ」
「かしこまりました」
女魔術師が何か詠唱を始める。
詠唱が終わると、俺の体が光り、目の前が真っ白になった。
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