風船タコさん会えるかな?

いもり〜ぬ(いもいもぶーにゃん)

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風船タコさん会えるかな?

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保育園のお迎えに大好きなおととお父さん
いつもおととの右手とぼくの左手はギュッ。おうちまでぶらりぶらりと帰る。

「おとと、あそこで、たこやきうってはる」

「ほんまや。夜ご飯はたこ焼きにしよか」

「しよしよ!」


🐙 🎈 🐙 🎈 🐙


おととの左手は、おいしいソースいいにおい、ホカホカたこ焼きの入った袋。
ボクの右手は、風船タコさんのひも。
風船タコさん、たこ焼き屋さんでくれはった。
風船タコさん、ボクの頭の上をぷっかぷっか気持ちよさそう。

風船タコさんがボクをちらっ、ちらっ。
そしてボクをじーっと見る。
ボクも風船タコさんを見る。
そして「タコさん、わかったで」とうなずく。


🐙 🎈 🐙 🎈 🐙


ボクはおととの手をチョイチョイと引っ張って止まる。
おととも止まって、どっこいしょとおっちん。
ボクと背の高さがいっしょ。
ボクの頭におととの手がポンッポン。

「どしたんや?」

「あんな、さっきな、たこやきやさんでもらったな、タコさんな、にがしてあげてもいいか?」

「うん?逃がすの?」

「うん。タコさんな、ひろいとこな、いきたいみたいやねん」
 
ぼくはタコさんを見る。
タコさんは頷く。

「自分がいいんやったら、逃がしてあげたらいいで」

「ほんま!?いい、いいっ!タコさんにがしてあげる」

ボクは、タコさんにご挨拶。

「タコさん、げんきでいきな!ほんなら、バイバイ!」

手のひもをゆっくりパー。
自由になったタコさん、ゆらゆら、ゆらり。
ゆらゆら、ゆらり、水色とピンク色が混ぜ混ぜな夕暮れのお空へ旅立つ。


🐙 🎈 🌟 🎈 🐙


ふわりふわり。
ピカピカお星さん、
青色まん丸い、
見えたんかな。
丸くてボコボコまん丸い、
ウサギさんと会えたんかなぁ。


🌝 🐙 🌝 🐙 🌝


今日の保育園のお迎えのおとと。
おでこべちょべちょ。 
ぜーはーぜーはー。

「おとと、はしってきたん?」
「そやでー。顔見たかってん!」

やっぱり、おととの右手とぼくの左手はギュッ。


🐙 🌝🎈🌝 🐙


おうちまでぶらりぶらり。
川の向こうの山から明るいお月さんの頭がチラリ。
ボクは気になる。
おととの手を引っ張って止まる。
そして、指をさす。

「ほら、おとと、みて、みて!おつきさんでてきはった!」

「あっ、ほんまや!しかもえらい明るいお月さんや!」

お月さん、ゆっくり出てきて、こんばんは!


🐰 🌝 🐙 🐰 🌝 🐙


「あっ!満月や」
「わっ!まんまるのおつきさんや!」

おとととボクは大喜び!

「おつきさ~ん!」

ボクは大きな声で呼んで両手をふりふり。
お月さんがニコッ。
お月さんのおなかで、ウサギさんとタコさんがダンシング。

「おとと、タコさんとウサギさんあそんだはる!」

「おっ!ホンマやなぁ。楽しそうやん!」

ボクはおととの右手を。
おととはボクの左手を。
一緒に…ギューッ。

(タコさんにまた会えるかな?)
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