13 / 48
13 王都にお出かけ
しおりを挟む
エミリア視点です。
――*――
「エミリア、今度観劇に行こう」
ラインハルト殿下は、目をキラキラさせながら突然そう切り出した。
「観劇ですか?」
「ああ、最近話題の劇団が王都に来るそうだ。演目は……」
美しい銀色の瞳を輝かせて演目の説明をする殿下は、とても楽しそうだ。
この劇団が来るのを、余程楽しみにしていたのだろう。
「それで、観劇の時間は昼間と夕方、どちらにしようか? 私としては昼間は買い物をして、カフェで一休みして、夕方になったら劇場に行って、それからレストランでゆっくりディナーを……」
「ふふ、楽しそうですわね、殿下」
「ああ、楽しみだな、本当に」
「殿下がそんなに演劇がお好きだとは、知りませんでしたわ」
「君と出かけるのが待ち遠しいよ」
「うーん、会話が微妙に噛み合ってない気がするのは俺だけですかねえ……。それに殿下、そもそもの目的、忘れてません?」
「おいアレク、台無しだ」
アレクの言葉に、殿下は一瞬で不機嫌な表情に変わる。
目的とは……観劇ではないのだろうか?
「何の話ですの?」
「プリシラ嬢に次の予定を聞き出したんですよ。そしたら街に繰り出せるっていうんで殿下が張り切り出しまして」
「街……街……なんだったかしら」
私はなんとか思い出そうと記憶を探るが、全く出てこない。
「俺は、夕方までにとある店に殿下が立ち寄るよう仕向けろとだけ言われましたが、心当たりはおありですか? えっと、店の名前は……『さん爺のおやつ』」
「中々のネーミングセンスだな」
「それ、今話題のパティスリーですわ。ご令嬢達の間で噂になっていました。小麦粉の生地で甘い豆のペーストを挟んだお菓子と、緑色のお茶を出すお店だと聞いていますわ」
どら焼きと緑茶の事だが、まだこの王国には馴染みがない。
店主のお爺さんは海外から移住してきた方で、故郷の味を再現して販売したところ、斬新だと話題になっているようだ。
転生者としては、そのお爺さんの故郷というのが一体何処なのか、気になる所である。
「へぇ、緑色のお茶とは珍しいですね」
「私は一度だけ飲んだことがあるな。確か海の向こうの国で飲まれている茶で、こちらで飲んでいる紅茶と元々は同じ品種なのだが、発酵や抽出の方法が違うのだそうだ」
「殿下、お詳しいのですね。流石ですわ」
「ふふ、エミリアに褒められると嬉しいな」
私が誉めると殿下はすごく嬉しそうにしている。
お茶会のテーブルの仕掛けを作っていた時にも思ったが、殿下は本当に博識で頭が良いのだ。
あの緻密な計算は、見ているだけで気が遠くなりそうだった。
それはさておき、プリシラが指定したお店は、物語の中に出て来た記憶がない。
もしかしたらうっすら出てきたかもしれないが……何だろう。
単純にプリシラが行ってみたかっただけだろうか、プリシラも日本人だし。
「それにしても思い出せないわ……困ったわね」
「当日になれば、何とかなるんじゃないか? この間の茶会も、結局私達が用意した仕掛けがなくても予定通りになったのだし」
「うーん、ですが相手はあのピンクの悪魔ですよ」
プリシラの話をするとアレクは身震いをする。
余程怖いのだろう。
「指定されている日付はいつなの?」
「明後日です。……あ、そういえば明後日は流星群が来るみたいですよ。夜空がよく見えるオープンテラスのレストランを予約しておきましょうか」
「お、アレクいい仕事するじゃないか」
「あ、そういえば……流れ星といえば、学園の屋上で一人で夜空を眺めている殿下がいて、一緒に流れ星に願い事をするシーンがあったわ。明後日起きるイベントかしら? うーん、でも殿下がどうして夜の学園なんて行くのかしら?」
「殿下が学園に行く理由は書かれていなかったんですか? プリシラ嬢はどうして学園に?」
「プリシラは、確かバイト先の店主が飼っている猫が逃げてしまって、追いかけているうちに学園に入ってしまったのよ」
「そのイベントにはエミリアは出てこないのか?」
「出てこなかったと思いますわ」
「そうか……」
「今見るからにやる気なくしましたね、殿下」
殿下は肩を落としている。
そもそもヒロインとの絡みがメインなんだから仕方ない。
あくまで、悪役令嬢はスパイスなのだ。
「まあでもエミリア様が関わらないイベントなら危険な事も起こらないんじゃないですか? プリシラ嬢は殿下には危害を加える事はありませんよ、多分」
「……それもそうだな。適当にちゃちゃっと済ませるか。ところでそのイベント、ディナーの前と後どっちだと思う?」
「……まったくこの人は……」
私は小説を思い出す事に集中し、殿下は当日の計画を楽しそうに考えていて、アレクは殿下に時々ツッコミを入れている。
なんと平和なんだろう……。
こんな日々が続いたらいい……いや、私達の手でこれから掴み取るのだ。
プリシラなんかに、負けないわ――。
********
「いい天気ですね。風が気持ちいいわ」
「本当によく晴れているな。これなら流星群も良く見えるかもしれないな」
私と殿下は、ただいま王都でお買い物中である。
今日の殿下はお忍びスタイルで、ラフな格好をしている。
目立つ銀髪は一つに結び、大きめの帽子を被っている。
それでもやはり高貴なオーラは隠し切れるものではない。
……要するに、目立っている。
一方、私は殆どいつもと変わらない髪型とメイクだが、歩きやすいように膝丈の清楚なワンピースを着ていて、日差しを遮るため、つばの大きい帽子を被っている。
普通に見かける、お忍びの貴族令嬢スタイルだ。
だから、なんだかいつもより視線を感じるのは絶対に殿下のせいだ。
「殿下、今日のお召し物は普段と違ってカジュアルですわね。よくお似合いですよ」
「エミリアこそ、そのワンピース、よく似合っているよ。可愛すぎて他の男に見せたくないな……ほら、また。さっきからすれ違う男共の視線を独り占めしているよ」
「そんな事ありませんわ。殿下こそ、目立っておいでですわよ。ほら、あちらこちらのご令嬢が殿下を見ていますわ」
ちなみに、今日はアレクはいない。
近くにはいるだろうが、デートを邪魔したら馬に蹴られると言って、陰から護衛をしてくれている。
学園の外で不特定多数の人間がいるから、アレク以外にも何人もの騎士が陰ながら見守ってくれているらしい。
「エミリア、危ない。よそ見してるとぶつかるよ」
「あ、申し訳ございません。殿下、ありがとうございます」
いつの間にか私は人にぶつかりそうになっていて、殿下がすっと肩に手を回して引き寄せてくれた。
くるりと殿下の方を見ると、殿下もこちらを向いていて、予想以上に近い所に顔があった。
……破壊力抜群……!
私は赤面してしまったが、殿下も耳がほんのり赤くなっている。
殿下は前を向き直すと、肩から手を離した。
離れていく体温が、少しだけ寂しい。
殿下もそう思ってくれたのか、単純に街が混雑しているからか、すぐに嬉しい提案をしてくれた。
「エミリア。人が多いから手を繋いで歩こうか」
「は、はい……!」
私が頬を染めておずおずと手を差し出すと、殿下は指を絡めてしっかりと私の手を握った。
……こ、こ、恋人つなぎである。
王都には何度か足を運んでいるが、実は手を繋いで歩くなんて初めてで、ドキドキしてしまう。
「殿下の手、大きいですね」
殿下の手は私より一回り大きくて骨張っている。
剣を握るからか、皮膚も固くなっていて、私の手とはまるで違う。
殿下は中性的と言ってもいい美しいお顔立ちだが、やはり男性の手なんだなと改めて思ったのだった。
「エミリアの手は、小さくて柔らかいな」
そう言って、殿下は優しくきゅっ、と手を握った。
私も殿下の手を握り返すと、殿下はとろけるような微笑みを浮かべたのだった。
「さて、ここが例の店だな。一体何を企んでいるやら……」
私達は、パティスリー『さん爺のおやつ』の前に来ていた。
話題になるだけあって、お店はかなり繁盛しているようだ。
お店の中にも沢山客がいるし、外にも行列が伸びている。
「……並びましょうか。プリシラはもう来ているのかしら」
並んでいる中にはピンクの髪はいないようだ。
だとしたら、店内にいるのか、これから来るのか。
「殿下、エミリア様。プリシラ嬢はどうやらここでバイトしているみたいですよ。ほら」
「あ、アレク、いつの間に」
気付いたらアレクが真横にいて、私は驚いた。
そして、アレクが指差す方を見ると、待機列を整理するために店員が出てくるのが見えた。
ピンクの髪の、店員が。
――*――
「エミリア、今度観劇に行こう」
ラインハルト殿下は、目をキラキラさせながら突然そう切り出した。
「観劇ですか?」
「ああ、最近話題の劇団が王都に来るそうだ。演目は……」
美しい銀色の瞳を輝かせて演目の説明をする殿下は、とても楽しそうだ。
この劇団が来るのを、余程楽しみにしていたのだろう。
「それで、観劇の時間は昼間と夕方、どちらにしようか? 私としては昼間は買い物をして、カフェで一休みして、夕方になったら劇場に行って、それからレストランでゆっくりディナーを……」
「ふふ、楽しそうですわね、殿下」
「ああ、楽しみだな、本当に」
「殿下がそんなに演劇がお好きだとは、知りませんでしたわ」
「君と出かけるのが待ち遠しいよ」
「うーん、会話が微妙に噛み合ってない気がするのは俺だけですかねえ……。それに殿下、そもそもの目的、忘れてません?」
「おいアレク、台無しだ」
アレクの言葉に、殿下は一瞬で不機嫌な表情に変わる。
目的とは……観劇ではないのだろうか?
「何の話ですの?」
「プリシラ嬢に次の予定を聞き出したんですよ。そしたら街に繰り出せるっていうんで殿下が張り切り出しまして」
「街……街……なんだったかしら」
私はなんとか思い出そうと記憶を探るが、全く出てこない。
「俺は、夕方までにとある店に殿下が立ち寄るよう仕向けろとだけ言われましたが、心当たりはおありですか? えっと、店の名前は……『さん爺のおやつ』」
「中々のネーミングセンスだな」
「それ、今話題のパティスリーですわ。ご令嬢達の間で噂になっていました。小麦粉の生地で甘い豆のペーストを挟んだお菓子と、緑色のお茶を出すお店だと聞いていますわ」
どら焼きと緑茶の事だが、まだこの王国には馴染みがない。
店主のお爺さんは海外から移住してきた方で、故郷の味を再現して販売したところ、斬新だと話題になっているようだ。
転生者としては、そのお爺さんの故郷というのが一体何処なのか、気になる所である。
「へぇ、緑色のお茶とは珍しいですね」
「私は一度だけ飲んだことがあるな。確か海の向こうの国で飲まれている茶で、こちらで飲んでいる紅茶と元々は同じ品種なのだが、発酵や抽出の方法が違うのだそうだ」
「殿下、お詳しいのですね。流石ですわ」
「ふふ、エミリアに褒められると嬉しいな」
私が誉めると殿下はすごく嬉しそうにしている。
お茶会のテーブルの仕掛けを作っていた時にも思ったが、殿下は本当に博識で頭が良いのだ。
あの緻密な計算は、見ているだけで気が遠くなりそうだった。
それはさておき、プリシラが指定したお店は、物語の中に出て来た記憶がない。
もしかしたらうっすら出てきたかもしれないが……何だろう。
単純にプリシラが行ってみたかっただけだろうか、プリシラも日本人だし。
「それにしても思い出せないわ……困ったわね」
「当日になれば、何とかなるんじゃないか? この間の茶会も、結局私達が用意した仕掛けがなくても予定通りになったのだし」
「うーん、ですが相手はあのピンクの悪魔ですよ」
プリシラの話をするとアレクは身震いをする。
余程怖いのだろう。
「指定されている日付はいつなの?」
「明後日です。……あ、そういえば明後日は流星群が来るみたいですよ。夜空がよく見えるオープンテラスのレストランを予約しておきましょうか」
「お、アレクいい仕事するじゃないか」
「あ、そういえば……流れ星といえば、学園の屋上で一人で夜空を眺めている殿下がいて、一緒に流れ星に願い事をするシーンがあったわ。明後日起きるイベントかしら? うーん、でも殿下がどうして夜の学園なんて行くのかしら?」
「殿下が学園に行く理由は書かれていなかったんですか? プリシラ嬢はどうして学園に?」
「プリシラは、確かバイト先の店主が飼っている猫が逃げてしまって、追いかけているうちに学園に入ってしまったのよ」
「そのイベントにはエミリアは出てこないのか?」
「出てこなかったと思いますわ」
「そうか……」
「今見るからにやる気なくしましたね、殿下」
殿下は肩を落としている。
そもそもヒロインとの絡みがメインなんだから仕方ない。
あくまで、悪役令嬢はスパイスなのだ。
「まあでもエミリア様が関わらないイベントなら危険な事も起こらないんじゃないですか? プリシラ嬢は殿下には危害を加える事はありませんよ、多分」
「……それもそうだな。適当にちゃちゃっと済ませるか。ところでそのイベント、ディナーの前と後どっちだと思う?」
「……まったくこの人は……」
私は小説を思い出す事に集中し、殿下は当日の計画を楽しそうに考えていて、アレクは殿下に時々ツッコミを入れている。
なんと平和なんだろう……。
こんな日々が続いたらいい……いや、私達の手でこれから掴み取るのだ。
プリシラなんかに、負けないわ――。
********
「いい天気ですね。風が気持ちいいわ」
「本当によく晴れているな。これなら流星群も良く見えるかもしれないな」
私と殿下は、ただいま王都でお買い物中である。
今日の殿下はお忍びスタイルで、ラフな格好をしている。
目立つ銀髪は一つに結び、大きめの帽子を被っている。
それでもやはり高貴なオーラは隠し切れるものではない。
……要するに、目立っている。
一方、私は殆どいつもと変わらない髪型とメイクだが、歩きやすいように膝丈の清楚なワンピースを着ていて、日差しを遮るため、つばの大きい帽子を被っている。
普通に見かける、お忍びの貴族令嬢スタイルだ。
だから、なんだかいつもより視線を感じるのは絶対に殿下のせいだ。
「殿下、今日のお召し物は普段と違ってカジュアルですわね。よくお似合いですよ」
「エミリアこそ、そのワンピース、よく似合っているよ。可愛すぎて他の男に見せたくないな……ほら、また。さっきからすれ違う男共の視線を独り占めしているよ」
「そんな事ありませんわ。殿下こそ、目立っておいでですわよ。ほら、あちらこちらのご令嬢が殿下を見ていますわ」
ちなみに、今日はアレクはいない。
近くにはいるだろうが、デートを邪魔したら馬に蹴られると言って、陰から護衛をしてくれている。
学園の外で不特定多数の人間がいるから、アレク以外にも何人もの騎士が陰ながら見守ってくれているらしい。
「エミリア、危ない。よそ見してるとぶつかるよ」
「あ、申し訳ございません。殿下、ありがとうございます」
いつの間にか私は人にぶつかりそうになっていて、殿下がすっと肩に手を回して引き寄せてくれた。
くるりと殿下の方を見ると、殿下もこちらを向いていて、予想以上に近い所に顔があった。
……破壊力抜群……!
私は赤面してしまったが、殿下も耳がほんのり赤くなっている。
殿下は前を向き直すと、肩から手を離した。
離れていく体温が、少しだけ寂しい。
殿下もそう思ってくれたのか、単純に街が混雑しているからか、すぐに嬉しい提案をしてくれた。
「エミリア。人が多いから手を繋いで歩こうか」
「は、はい……!」
私が頬を染めておずおずと手を差し出すと、殿下は指を絡めてしっかりと私の手を握った。
……こ、こ、恋人つなぎである。
王都には何度か足を運んでいるが、実は手を繋いで歩くなんて初めてで、ドキドキしてしまう。
「殿下の手、大きいですね」
殿下の手は私より一回り大きくて骨張っている。
剣を握るからか、皮膚も固くなっていて、私の手とはまるで違う。
殿下は中性的と言ってもいい美しいお顔立ちだが、やはり男性の手なんだなと改めて思ったのだった。
「エミリアの手は、小さくて柔らかいな」
そう言って、殿下は優しくきゅっ、と手を握った。
私も殿下の手を握り返すと、殿下はとろけるような微笑みを浮かべたのだった。
「さて、ここが例の店だな。一体何を企んでいるやら……」
私達は、パティスリー『さん爺のおやつ』の前に来ていた。
話題になるだけあって、お店はかなり繁盛しているようだ。
お店の中にも沢山客がいるし、外にも行列が伸びている。
「……並びましょうか。プリシラはもう来ているのかしら」
並んでいる中にはピンクの髪はいないようだ。
だとしたら、店内にいるのか、これから来るのか。
「殿下、エミリア様。プリシラ嬢はどうやらここでバイトしているみたいですよ。ほら」
「あ、アレク、いつの間に」
気付いたらアレクが真横にいて、私は驚いた。
そして、アレクが指差す方を見ると、待機列を整理するために店員が出てくるのが見えた。
ピンクの髪の、店員が。
97
あなたにおすすめの小説
【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした
果実果音
恋愛
まあ、ラノベとかでよくある話、転生ですね。
そういう類のものは結構読んでたから嬉しいなーと思ったけど、
あれあれ??私ってもしかしても物語にあまり関係の無いというか、全くないモブでは??だって、一度もこんな子出てこなかったもの。
じゃあ、気楽にいきますか。
*『小説家になろう』様でも公開を始めましたが、修正してから公開しているため、こちらよりも遅いです。また、こちらでも、『小説家になろう』様の方で完結しましたら修正していこうと考えています。
リリィ=ブランシュはスローライフを満喫したい!~追放された悪役令嬢ですが、なぜか皇太子の胃袋をつかんでしまったようです~
汐埼ゆたか
恋愛
伯爵令嬢に転生したリリィ=ブランシュは第四王子の許嫁だったが、悪女の汚名を着せられて辺境へ追放された。
――というのは表向きの話。
婚約破棄大成功! 追放万歳!!
辺境の地で、前世からの夢だったスローライフに胸躍らせるリリィに、新たな出会いが待っていた。
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
リリィ=ブランシュ・ル・ベルナール(19)
第四王子の元許嫁で転生者。
悪女のうわさを流されて、王都から去る
×
アル(24)
街でリリィを助けてくれたなぞの剣士
三食おやつ付きで臨時護衛を引き受ける
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
「さすが稀代の悪女様だな」
「手玉に取ってもらおうか」
「お手並み拝見だな」
「あのうわさが本物だとしたら、アルはどうしますか?」
**********
※他サイトからの転載。
※表紙はイラストAC様からお借りした画像を加工しております。
悪役令嬢に成り代わったのに、すでに詰みってどういうことですか!?
ぽんぽこ狸
恋愛
仕事帰りのある日、居眠り運転をしていたトラックにはねられて死んでしまった主人公。次に目を覚ますとなにやら暗くジメジメした場所で、自分に仕えているというヴィンスという男の子と二人きり。
彼から話を聞いているうちに、なぜかその話に既視感を覚えて、確認すると昔読んだことのある児童向けの小説『ララの魔法書!』の世界だった。
その中でも悪役令嬢である、クラリスにどうやら成り代わってしまったらしい。
混乱しつつも話をきていくとすでに原作はクラリスが幽閉されることによって終結しているようで愕然としているさなか、クラリスを見限り原作の主人公であるララとくっついた王子ローレンスが、訪ねてきて━━━━?!
原作のさらに奥深くで動いていた思惑、魔法玉(まほうぎょく)の謎、そして原作の男主人公だった完璧な王子様の本性。そのどれもに翻弄されながら、なんとか生きる一手を見出す、学園ファンタジー!
ローレンスの性格が割とやばめですが、それ以外にもダークな要素強めな主人公と恋愛?をする、キャラが二人ほど、登場します。世界観が殺伐としているので重い描写も多いです。読者さまが色々な意味でドキドキしてくれるような作品を目指して頑張りますので、よろしくお願いいたします。
完結しました!最後の一章分は遂行していた分がたまっていたのと、話が込み合っているので一気に二十万文字ぐらい上げました。きちんと納得できる結末にできたと思います。ありがとうございました。
ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です
山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」
ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。
【完結】きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
Mimi
恋愛
若様がお戻りになる……
イングラム伯爵領に住む私設騎士団御抱え治療士デイヴの娘リデルがそれを知ったのは、王都を揺るがす第2王子魅了事件解決から半年経った頃だ。
王位継承権2位を失った第2王子殿下のご友人の栄誉に預かっていた若様のジェレマイアも後継者から外されて、領地に戻されることになったのだ。
リデルとジェレマイアは、幼い頃は交流があったが、彼が王都の貴族学院の入学前に婚約者を得たことで、それは途絶えていた。
次期領主の少年と平民の少女とでは身分が違う。
婚約も破棄となり、約束されていた輝かしい未来も失って。
再び、リデルの前に現れたジェレマイアは……
* 番外編の『最愛から2番目の恋』完結致しました
そちらの方にも、お立ち寄りいただけましたら、幸いです
最初から勘違いだった~愛人管理か離縁のはずが、なぜか公爵に溺愛されまして~
猪本夜
恋愛
前世で兄のストーカーに殺されてしまったアリス。
現世でも兄のいいように扱われ、兄の指示で愛人がいるという公爵に嫁ぐことに。
現世で死にかけたことで、前世の記憶を思い出したアリスは、
嫁ぎ先の公爵家で、美味しいものを食し、モフモフを愛で、
足技を磨きながら、意外と幸せな日々を楽しむ。
愛人のいる公爵とは、いずれは愛人管理、もしくは離縁が待っている。
できれば離縁は免れたいために、公爵とは友達夫婦を目指していたのだが、
ある日から愛人がいるはずの公爵がなぜか甘くなっていき――。
この公爵の溺愛は止まりません。
最初から勘違いばかりだった、こじれた夫婦が、本当の夫婦になるまで。
【完結】島流しされた役立たず王女ですがサバイバルしている間に最強皇帝に溺愛されてました!
●やきいもほくほく●
恋愛
──目が覚めると海の上だった!?
「メイジー・ド・シールカイズ、あなたを国外に追放するわ!」
長年、虐げられてきた『役立たず王女』メイジーは異母姉妹であるジャシンスに嵌められて島流しにされている最中に前世の記憶を取り戻す。
前世でも家族に裏切られて死んだメイジーは諦めて死のうとするものの、最後まで足掻こうと決意する。
奮起したメイジーはなりふり構わず生き残るために行動をする。
そして……メイジーが辿り着いた島にいたのは島民に神様と祀られるガブリエーレだった。
この出会いがメイジーの運命を大きく変える!?
言葉が通じないため食われそうになり、生け贄にされそうになり、海に流されそうになり、死にかけながらもサバイバル生活を開始する。
ガブリエーレの世話をしつつ、メイジーは〝あるもの〟を見つけて成り上がりを決意。
ガブリエーレに振り回されつつ、彼の〝本来の姿〟を知ったメイジーは──。
これは気弱で争いに負けた王女が逞しく島で生き抜き、神様と運を味方につけて無双する爽快ストーリー!
婚約破棄された王太子妃候補は第一王子に気に入られたようです。
永野水貴
恋愛
侯爵令嬢エヴェリーナは未来の王太子妃として育てられたが、突然に婚約破棄された。
王太子は真に愛する女性と結婚したいというのだった。
その女性はエヴェリーナとは正反対で、エヴェリーナは影で貶められるようになる。
そんなある日、王太子の兄といわれる第一王子ジルベルトが現れる。
ジルベルトは王太子を上回る素質を持つと噂される人物で、なぜかエヴェリーナに興味を示し…?
※「小説家になろう」にも載せています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる