16 / 48
16 どら焼きと猫と
しおりを挟む
エミリア視点です。
――*――
学園に到着した私達は、理科準備室に行く前に屋上へ上がって、夜空を眺めながらどら焼きを食べる事にした。
運が良ければ、記録で忙しくなる前に一つや二つ、流れ星が見られるかもしれない。
「美味しいです……! 生地がもちもちして、中のこし餡も程良い甘さです」
「不思議だな、原材料が豆だとは思えないな」
「えっ、これ豆なんですか? 俺はてっきりチョコレートの仲間かと」
「色は似ているが風味が全然違うだろう。ちなみにチョコレートの原材料はカカオ豆だが実際にはマメ科の植物ではなく」
「えっ、チョコレートは豆なんですか」
「だからマメ科じゃないって言ってるだろう」
「ふふ、すっかりいつも通りですわね」
二人の掛け合いを見ていると安心する。
仲直り出来たようで、本当に良かった。
「美味しかったです、ご馳走様でした! 人気が出るのも分かりますわね」
「そうですね。普通のケーキよりさっぱりしていますし、甘い物が苦手な人でも食べやすいかもしれませんね」
「ああ、店には定番以外にも色々な種類があったぞ。気に入ったなら使用人に頼んで、城下へ行くついでに買ってきてもらうよ」
「なら今日護衛に付いた騎士に頼めば喜んで買ってきてくれますよ」
「いや、やめとく。あのおっさん、勤務中に堂々とどら焼き食べてたぞ。しかも三つも」
「またですか。あの人、鎧の中にいつも飴とかチョコとか隠し持ってるんですよ。次やったら減給って言っておいたんですけどね」
「いつもあの調子なのか……」
「騎士達はもう慣れっこですけどね。……さて、では俺は後片付けしてきます」
アレクはゴミを集めて紙袋にまとめると、屋上に設置されているゴミ箱に捨てに行った。
殿下と私は、夜空を眺めながらベンチに座っている。
屋上でランチをする生徒もいるので、ここにはベンチやテーブルやゴミ箱が設置されているのだ。
「殿下、今日はとても楽しかったですわ。お時間がある時に、また一緒にお出かけしましょうね」
「ああ。私もエミリアと一緒にいられて楽しかったよ。今度はどこへ行こうか」
「殿下は、行きたいところはありませんの?」
「私はエミリアがいる所なら、どこにいても幸せだよ」
「ふふ、殿下ったら」
ここには、ゆったりとした時間が流れている。
空は本当に綺麗に晴れていて、星がよく見える美しい夜だ。
「にゃーん」
「……ふふ、エミリア、そんな猫みたいな声を出して。甘えているのかい?」
夜空を眺めていた殿下は、私の方へ顔を向けた。
私も殿下の方に顔を向ける。
「え? 私ではありませんよ」
「にゃおーん」
「……猫?」
姿は見えないが、どこかに猫がいるみたいだ。
アレクが走って戻ってきた。
「まずい、エミリア様、隠れますよ! 猫ですよ!」
「そ、そっか、プリシラが来るのね! 殿下、頑張って下さい」
「うにゃーん」
猫の声がだんだん近づいてくる。
アレクは辺りを見回すと、給水タンクを指差した。
「あそこなら入り口からは見えなそうですね。あ、でも奥に来てしまうと丸見えですから、奥にはプリシラを近づけないで下さいね!」
「わ、わかった」
私とアレクは急いで給水タンクの陰に隠れる。
その途端、うわっ、という殿下の小さな悲鳴が聞こえてアレクは身構える。
……が、アレクはすぐに構えを解いた。
どうやら殿下の膝に猫が飛び乗ったようだ。
白と茶色の、まだら模様の子猫である。
「よしよし、良い子だ。どこから来たんだい?」
「にゃーお」
殿下は何故か猫に懐かれたようである。
優しい表情で猫を撫でる殿下と、気持ち良さそうに膝に寝そべる子猫……眼福である。
「タマちゃーん、どこにいるのぉー?」
その時、屋上の出入り口から甘ったるい声が聞こえてきた。
プリシラ・スワローである。
殿下は表情を消して猫を抱き上げ、ベンチから立ち上がった。
「あっ、殿下! どうしてここにぃ? というか、殿下が抱いてるの、タマちゃんじゃないですかぁ!」
「タマちゃん? この猫か?」
「そうですぅ! タマちゃーん、おいでぇ。お爺ちゃんが心配してるから帰ろぉ」
殿下が猫を地面に下ろすと、猫はプリシラの元に歩いていった。
殿下の場所は見えるが、プリシラの居場所はギリギリ見えない……という事は、向こうからも私達は見えていない筈だ。
「あーん、タマちゃん、良かったねぇ。殿下に遊んでもらってたのぉ?」
プリシラは猫を抱き上げて、聞いたことがないほど甘ったるい声で話しかける。まさに猫撫で声だ。
「殿下、タマちゃんを見つけて下さってありがとうございましたぁ。この子、バイト先のお爺ちゃんが可愛がっている猫ちゃんなんですよぉ。急にいなくなっちゃって、探してたんですぅ」
「そうか。見つかって良かったな」
殿下は、にこりともしない。
「あの、殿下……。お願いがあるんですぅ」
「……何だ」
「今日は、流れ星が見られるらしいんですぅ。もう少しだけ、一緒にいても良いですかぁ?」
「……少しならな」
殿下はプリシラに背を向ける。
プリシラは、殿下に近寄ってきて、頭をこつん、と殿下の背中にもたげた。
微妙に見えそうな位置だが、プリシラは殿下に夢中で、こちらには気がついていない。
私はプリシラが殿下に触れているのがショックで、徐々に目に涙が溜まってきた。
「……やめろ」
「少しだけ……少しだけですから」
……やめてほしい。
殿下に触らないで……。
涙が次から次へと溢れてくる。
声を出す訳にはいかないから、私は静かに泣いた。
隣のアレクが心配そうにハンカチを差し出してくる。
ふと、殿下がこちらをちらりと見て視線を戻し……すぐにもう一度バッとこちらを見た。
そして殿下は、ものすごく困った顔で、あたふたし始めた。
アレクが隣で小さくステイ、ステイとジェスチャーしている。
……どうしよう、殿下を困らせてるわ……。
そう思うが、一度泣き出してしまうと、もう止まらないのが常である。
幸い、プリシラは背中に額をつけて目を閉じているので、殿下のおかしな様子に気がついていないようだ。
殿下はまだ心配そうな顔でこちらをチラチラ見ているが、ひとまず落ち着きを取り戻し、プリシラに「離れてくれ」と言った。
プリシラはようやく殿下から離れると、再び私達からは見えない位置に戻った。
「あ……流れ星が」
唐突に、プリシラが言った。
こちらからは指先しか見えないが、流れ星が見えたようで、空を指差している。
「ふふ、願い事しちゃいました。殿下が振り向いてくれますようにって。叶うといいなぁ」
夢見るようにプリシラは囁く。
「殿下はお願い、出来ましたぁ?」
「……私は……」
殿下はいまだにプリシラに背を向けている。
視界がまだ歪んでいるし、こちらからお顔は半分しか見えないが、なんとなく何かを耐えているような表情に見える。
「あっ! タマちゃん逃げたぁ! 待ってぇー!」
どうやらプリシラの腕から猫が脱走したようだ。
プリシラの声が徐々に遠ざかっていく。
「殿下ぁ、また学園で会いましょうねぇー! お店にもまた寄って下さいねぇー! さよーならぁー……待ってぇ、タマちゃーん!」
完全にプリシラがいなくなったのを見計らって、殿下はこちらに小走りで向かってきた。
私とアレクも給水タンクの陰から出る。
涙はまだ止まっていない。
「エミリア……!」
殿下は走ってくる勢いそのままに、私をぎゅっと抱きしめてくれる。
「ご、ごめんなさいっ、私、殿下を困らせたくないのに……っ」
「エミリア……すまない……。もっとちゃんと拒絶すれば良かったな……」
「いいんです、仕方ないんです、私がすぐ泣いてしまうからいけないんです……」
「エミリア……」
殿下は、私を抱く力を少しだけ強くする。
こうして、殿下の胸を貸してもらっていると安心する……。
「……怒られるのを覚悟で声をおかけしますが、あと五分で七時です。俺は一足先に理科準備室に行きますから、落ち着いたら来てくださいよ」
アレクのその一言で私は我に返ったのだった。
――*――
学園に到着した私達は、理科準備室に行く前に屋上へ上がって、夜空を眺めながらどら焼きを食べる事にした。
運が良ければ、記録で忙しくなる前に一つや二つ、流れ星が見られるかもしれない。
「美味しいです……! 生地がもちもちして、中のこし餡も程良い甘さです」
「不思議だな、原材料が豆だとは思えないな」
「えっ、これ豆なんですか? 俺はてっきりチョコレートの仲間かと」
「色は似ているが風味が全然違うだろう。ちなみにチョコレートの原材料はカカオ豆だが実際にはマメ科の植物ではなく」
「えっ、チョコレートは豆なんですか」
「だからマメ科じゃないって言ってるだろう」
「ふふ、すっかりいつも通りですわね」
二人の掛け合いを見ていると安心する。
仲直り出来たようで、本当に良かった。
「美味しかったです、ご馳走様でした! 人気が出るのも分かりますわね」
「そうですね。普通のケーキよりさっぱりしていますし、甘い物が苦手な人でも食べやすいかもしれませんね」
「ああ、店には定番以外にも色々な種類があったぞ。気に入ったなら使用人に頼んで、城下へ行くついでに買ってきてもらうよ」
「なら今日護衛に付いた騎士に頼めば喜んで買ってきてくれますよ」
「いや、やめとく。あのおっさん、勤務中に堂々とどら焼き食べてたぞ。しかも三つも」
「またですか。あの人、鎧の中にいつも飴とかチョコとか隠し持ってるんですよ。次やったら減給って言っておいたんですけどね」
「いつもあの調子なのか……」
「騎士達はもう慣れっこですけどね。……さて、では俺は後片付けしてきます」
アレクはゴミを集めて紙袋にまとめると、屋上に設置されているゴミ箱に捨てに行った。
殿下と私は、夜空を眺めながらベンチに座っている。
屋上でランチをする生徒もいるので、ここにはベンチやテーブルやゴミ箱が設置されているのだ。
「殿下、今日はとても楽しかったですわ。お時間がある時に、また一緒にお出かけしましょうね」
「ああ。私もエミリアと一緒にいられて楽しかったよ。今度はどこへ行こうか」
「殿下は、行きたいところはありませんの?」
「私はエミリアがいる所なら、どこにいても幸せだよ」
「ふふ、殿下ったら」
ここには、ゆったりとした時間が流れている。
空は本当に綺麗に晴れていて、星がよく見える美しい夜だ。
「にゃーん」
「……ふふ、エミリア、そんな猫みたいな声を出して。甘えているのかい?」
夜空を眺めていた殿下は、私の方へ顔を向けた。
私も殿下の方に顔を向ける。
「え? 私ではありませんよ」
「にゃおーん」
「……猫?」
姿は見えないが、どこかに猫がいるみたいだ。
アレクが走って戻ってきた。
「まずい、エミリア様、隠れますよ! 猫ですよ!」
「そ、そっか、プリシラが来るのね! 殿下、頑張って下さい」
「うにゃーん」
猫の声がだんだん近づいてくる。
アレクは辺りを見回すと、給水タンクを指差した。
「あそこなら入り口からは見えなそうですね。あ、でも奥に来てしまうと丸見えですから、奥にはプリシラを近づけないで下さいね!」
「わ、わかった」
私とアレクは急いで給水タンクの陰に隠れる。
その途端、うわっ、という殿下の小さな悲鳴が聞こえてアレクは身構える。
……が、アレクはすぐに構えを解いた。
どうやら殿下の膝に猫が飛び乗ったようだ。
白と茶色の、まだら模様の子猫である。
「よしよし、良い子だ。どこから来たんだい?」
「にゃーお」
殿下は何故か猫に懐かれたようである。
優しい表情で猫を撫でる殿下と、気持ち良さそうに膝に寝そべる子猫……眼福である。
「タマちゃーん、どこにいるのぉー?」
その時、屋上の出入り口から甘ったるい声が聞こえてきた。
プリシラ・スワローである。
殿下は表情を消して猫を抱き上げ、ベンチから立ち上がった。
「あっ、殿下! どうしてここにぃ? というか、殿下が抱いてるの、タマちゃんじゃないですかぁ!」
「タマちゃん? この猫か?」
「そうですぅ! タマちゃーん、おいでぇ。お爺ちゃんが心配してるから帰ろぉ」
殿下が猫を地面に下ろすと、猫はプリシラの元に歩いていった。
殿下の場所は見えるが、プリシラの居場所はギリギリ見えない……という事は、向こうからも私達は見えていない筈だ。
「あーん、タマちゃん、良かったねぇ。殿下に遊んでもらってたのぉ?」
プリシラは猫を抱き上げて、聞いたことがないほど甘ったるい声で話しかける。まさに猫撫で声だ。
「殿下、タマちゃんを見つけて下さってありがとうございましたぁ。この子、バイト先のお爺ちゃんが可愛がっている猫ちゃんなんですよぉ。急にいなくなっちゃって、探してたんですぅ」
「そうか。見つかって良かったな」
殿下は、にこりともしない。
「あの、殿下……。お願いがあるんですぅ」
「……何だ」
「今日は、流れ星が見られるらしいんですぅ。もう少しだけ、一緒にいても良いですかぁ?」
「……少しならな」
殿下はプリシラに背を向ける。
プリシラは、殿下に近寄ってきて、頭をこつん、と殿下の背中にもたげた。
微妙に見えそうな位置だが、プリシラは殿下に夢中で、こちらには気がついていない。
私はプリシラが殿下に触れているのがショックで、徐々に目に涙が溜まってきた。
「……やめろ」
「少しだけ……少しだけですから」
……やめてほしい。
殿下に触らないで……。
涙が次から次へと溢れてくる。
声を出す訳にはいかないから、私は静かに泣いた。
隣のアレクが心配そうにハンカチを差し出してくる。
ふと、殿下がこちらをちらりと見て視線を戻し……すぐにもう一度バッとこちらを見た。
そして殿下は、ものすごく困った顔で、あたふたし始めた。
アレクが隣で小さくステイ、ステイとジェスチャーしている。
……どうしよう、殿下を困らせてるわ……。
そう思うが、一度泣き出してしまうと、もう止まらないのが常である。
幸い、プリシラは背中に額をつけて目を閉じているので、殿下のおかしな様子に気がついていないようだ。
殿下はまだ心配そうな顔でこちらをチラチラ見ているが、ひとまず落ち着きを取り戻し、プリシラに「離れてくれ」と言った。
プリシラはようやく殿下から離れると、再び私達からは見えない位置に戻った。
「あ……流れ星が」
唐突に、プリシラが言った。
こちらからは指先しか見えないが、流れ星が見えたようで、空を指差している。
「ふふ、願い事しちゃいました。殿下が振り向いてくれますようにって。叶うといいなぁ」
夢見るようにプリシラは囁く。
「殿下はお願い、出来ましたぁ?」
「……私は……」
殿下はいまだにプリシラに背を向けている。
視界がまだ歪んでいるし、こちらからお顔は半分しか見えないが、なんとなく何かを耐えているような表情に見える。
「あっ! タマちゃん逃げたぁ! 待ってぇー!」
どうやらプリシラの腕から猫が脱走したようだ。
プリシラの声が徐々に遠ざかっていく。
「殿下ぁ、また学園で会いましょうねぇー! お店にもまた寄って下さいねぇー! さよーならぁー……待ってぇ、タマちゃーん!」
完全にプリシラがいなくなったのを見計らって、殿下はこちらに小走りで向かってきた。
私とアレクも給水タンクの陰から出る。
涙はまだ止まっていない。
「エミリア……!」
殿下は走ってくる勢いそのままに、私をぎゅっと抱きしめてくれる。
「ご、ごめんなさいっ、私、殿下を困らせたくないのに……っ」
「エミリア……すまない……。もっとちゃんと拒絶すれば良かったな……」
「いいんです、仕方ないんです、私がすぐ泣いてしまうからいけないんです……」
「エミリア……」
殿下は、私を抱く力を少しだけ強くする。
こうして、殿下の胸を貸してもらっていると安心する……。
「……怒られるのを覚悟で声をおかけしますが、あと五分で七時です。俺は一足先に理科準備室に行きますから、落ち着いたら来てくださいよ」
アレクのその一言で私は我に返ったのだった。
89
あなたにおすすめの小説
リリィ=ブランシュはスローライフを満喫したい!~追放された悪役令嬢ですが、なぜか皇太子の胃袋をつかんでしまったようです~
汐埼ゆたか
恋愛
伯爵令嬢に転生したリリィ=ブランシュは第四王子の許嫁だったが、悪女の汚名を着せられて辺境へ追放された。
――というのは表向きの話。
婚約破棄大成功! 追放万歳!!
辺境の地で、前世からの夢だったスローライフに胸躍らせるリリィに、新たな出会いが待っていた。
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
リリィ=ブランシュ・ル・ベルナール(19)
第四王子の元許嫁で転生者。
悪女のうわさを流されて、王都から去る
×
アル(24)
街でリリィを助けてくれたなぞの剣士
三食おやつ付きで臨時護衛を引き受ける
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
「さすが稀代の悪女様だな」
「手玉に取ってもらおうか」
「お手並み拝見だな」
「あのうわさが本物だとしたら、アルはどうしますか?」
**********
※他サイトからの転載。
※表紙はイラストAC様からお借りした画像を加工しております。
悪役令嬢の品格 ~悪役令嬢を演じてきましたが、今回は少し違うようです~
幸路ことは
恋愛
多くの乙女ゲームで悪役令嬢を演じたプロの悪役令嬢は、エリーナとして新しいゲームの世界で目覚める。しかし、今回は悪役令嬢に必須のつり目も縦巻きロールもなく、シナリオも分からない。それでも立派な悪役令嬢を演じるべく突き進んだ。
そして、学園に入学しヒロインを探すが、なぜか攻略対象と思われるキャラが集まってくる。さらに、前世の記憶がある少女にエリーナがヒロインだと告げられ、隠しキャラを出して欲しいとお願いされた……。
これは、ロマンス小説とプリンが大好きなエリーナが、悪役令嬢のプライドを胸に、少しずつ自分の気持ちを知り恋をしていく物語。なろう完結済み Copyright(C)2019 幸路ことは
悪役令嬢に成り代わったのに、すでに詰みってどういうことですか!?
ぽんぽこ狸
恋愛
仕事帰りのある日、居眠り運転をしていたトラックにはねられて死んでしまった主人公。次に目を覚ますとなにやら暗くジメジメした場所で、自分に仕えているというヴィンスという男の子と二人きり。
彼から話を聞いているうちに、なぜかその話に既視感を覚えて、確認すると昔読んだことのある児童向けの小説『ララの魔法書!』の世界だった。
その中でも悪役令嬢である、クラリスにどうやら成り代わってしまったらしい。
混乱しつつも話をきていくとすでに原作はクラリスが幽閉されることによって終結しているようで愕然としているさなか、クラリスを見限り原作の主人公であるララとくっついた王子ローレンスが、訪ねてきて━━━━?!
原作のさらに奥深くで動いていた思惑、魔法玉(まほうぎょく)の謎、そして原作の男主人公だった完璧な王子様の本性。そのどれもに翻弄されながら、なんとか生きる一手を見出す、学園ファンタジー!
ローレンスの性格が割とやばめですが、それ以外にもダークな要素強めな主人公と恋愛?をする、キャラが二人ほど、登場します。世界観が殺伐としているので重い描写も多いです。読者さまが色々な意味でドキドキしてくれるような作品を目指して頑張りますので、よろしくお願いいたします。
完結しました!最後の一章分は遂行していた分がたまっていたのと、話が込み合っているので一気に二十万文字ぐらい上げました。きちんと納得できる結末にできたと思います。ありがとうございました。
悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません
れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。
「…私、間違ってませんわね」
曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話
…だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている…
5/13
ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます
5/22
修正完了しました。明日から通常更新に戻ります
9/21
完結しました
また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います
ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です
山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」
ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。
貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む!~
みちのあかり
ファンタジー
同じゼミに通う王子から、ありえないプロポーズを受ける貧乏奨学生のレイシア。
何でこんなことに? レイシアは今までの生き方を振り返り始めた。
第一部(領地でスローライフ)
5歳の誕生日。お父様とお母様にお祝いされ、教会で祝福を受ける。教会で孤児と一緒に勉強をはじめるレイシアは、その才能が開花し非常に優秀に育っていく。お母様が里帰り出産。生まれてくる弟のために、料理やメイド仕事を覚えようと必死に頑張るレイシア。
お母様も戻り、家族で幸せな生活を送るレイシア。
しかし、未曽有の災害が起こり、領地は借金を負うことに。
貧乏でも明るく生きるレイシアの、ハートフルコメディ。
第二部(学園無双)
貧乏なため、奨学生として貴族が通う学園に入学したレイシア。
貴族としての進学は奨学生では無理? 平民に落ちても生きていけるコースを選ぶ。
だが、様々な思惑により貴族のコースも受けなければいけないレイシア。お金持ちの貴族の女子には嫌われ相手にされない。
そんなことは気にもせず、お金儲け、特許取得を目指すレイシア。
ところが、いきなり王子からプロポーズを受け・・・
学園無双の痛快コメディ
カクヨムで240万PV頂いています。
【完結】きみは、俺のただひとり ~神様からのギフト~
Mimi
恋愛
若様がお戻りになる……
イングラム伯爵領に住む私設騎士団御抱え治療士デイヴの娘リデルがそれを知ったのは、王都を揺るがす第2王子魅了事件解決から半年経った頃だ。
王位継承権2位を失った第2王子殿下のご友人の栄誉に預かっていた若様のジェレマイアも後継者から外されて、領地に戻されることになったのだ。
リデルとジェレマイアは、幼い頃は交流があったが、彼が王都の貴族学院の入学前に婚約者を得たことで、それは途絶えていた。
次期領主の少年と平民の少女とでは身分が違う。
婚約も破棄となり、約束されていた輝かしい未来も失って。
再び、リデルの前に現れたジェレマイアは……
* 番外編の『最愛から2番目の恋』完結致しました
そちらの方にも、お立ち寄りいただけましたら、幸いです
最初から勘違いだった~愛人管理か離縁のはずが、なぜか公爵に溺愛されまして~
猪本夜
恋愛
前世で兄のストーカーに殺されてしまったアリス。
現世でも兄のいいように扱われ、兄の指示で愛人がいるという公爵に嫁ぐことに。
現世で死にかけたことで、前世の記憶を思い出したアリスは、
嫁ぎ先の公爵家で、美味しいものを食し、モフモフを愛で、
足技を磨きながら、意外と幸せな日々を楽しむ。
愛人のいる公爵とは、いずれは愛人管理、もしくは離縁が待っている。
できれば離縁は免れたいために、公爵とは友達夫婦を目指していたのだが、
ある日から愛人がいるはずの公爵がなぜか甘くなっていき――。
この公爵の溺愛は止まりません。
最初から勘違いばかりだった、こじれた夫婦が、本当の夫婦になるまで。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる