43 / 48
43 エピローグ
しおりを挟む
前半、エミリア視点です。
――*――
かくして、私、公爵令嬢エミリア・ブラウンは王太子ラインハルト・ヴァン・レインフォードの妃となったのであった。
あれから八ヶ月。
私達の結婚のニュースは瞬く間に王国中に広まり、暗いムードから一転、各地はお祭り騒ぎになったのである。
結婚披露宴は婚姻を結んでから半年後――今から二ヶ月前に、国内外から賓客を招いて盛大に催された。
城に滞在していた国外からの来賓も皆自国に帰り、後片付けも終わってようやく城は平常運転に戻った所である。
ラインハルト殿下は毎日公務に勤しんでいる。
民に親しまれ、王として待ち望まれている彼は、いつの日か賢王と呼ばれることとなるだろう。
そして私達の結婚に乗じて景気も好転し、叛乱分子の処分と貴族の領地再編も徐々に進んでいった。
クーデターの主犯であるドノバン侯爵は処刑された。
ドノバンの一族は爵位を剥奪され、目付役を付けられた上で平民として辺境の地で暮らす事となった。
フリードリヒ・レインフォードは、私の監禁以外に大きな罪を犯していないため、処刑には至らなかった。
彼は王族としての権利を失い、使用人として城の雑務をこなす事になった。
ただし、必ず二人以上での行動が求められ、外出は禁じられ、王族との接触は徹底的に避けられ、部屋は施錠された上で見張りも付けられるという軟禁状態だ。
元々無気力なフリードリヒは、不満を口にする事もなく、意外にも真面目に雑務をこなしていて、温情が与えられる可能性も出てきている。
ラインハルト殿下の側近である騎士アレク・ハーバートは、今から半年後に、私の妹、モニカ・ブラウンと結婚する予定となっている。
二人は今、ドレス選びや式場探し、招待状の準備と忙しそうにしているが、すごく楽しそうで、幸せそうで、見ているこちらも暖かい気持ちになる。
アレクは引き続きラインハルト殿下の側近として仕え、モニカは四ヶ月後に貴族学園を卒業した後、外交官として城に勤める事が決まっていて、結婚した後も私達の側にいてくれる事になった。
男爵令嬢プリシラ・スワローは、その後も真面目に貴族学園に通っている。
スワロー男爵の新事業が成功を収め、バイトをする必要の無くなった彼女は、心を入れ替えて真面目に学習に取り組んでいるようだ。
その気持ちの変化にはどうやら彼女の弟の事情が関わっているらしい。
プリシラの弟が、事業の提携をしている子爵の一人娘と婚約し、婿入りする事になりそうなのだという。
それが決定すれば、プリシラは男爵の跡を継いで女主人になることになる。
そうなった時の為にも貴族学園の卒業は必須であり、特に経営学を中心に一生懸命学んでいるようだ。
彼女の幼馴染のエディは、ラインハルト殿下のアドバイスを受け、スワロー男爵に新しい事業の提案をした。
男爵領に大きな革細工の工房を設け、領民から弟子を取り、元々飼育されていた牛や豚、馬の素材を、捨てられていた部分まで最大限に有効活用するという提案だ。
上手くいけば男爵領の新たな名産品にもなるし、元々ある素材を有効利用するので、仕入れのコストも殆ど掛からない。
それに、エディはラインハルト殿下と私の友人だ。
行く行くは、王室御用達の革工房として名を馳せる事だろう。
今は開業の準備で王都と男爵領を行き来していて、忙しそうにしている。
来年の夏頃には工房の準備も整い、早ければプリシラの卒業の頃には軌道に乗っていくだろう。
プリシラとエディの仲は進展しているような、していないような、微妙な感じである。
まだお互いの将来が定まっていないし、エディが王都を離れる事も多いから、一気に仲が縮まるという事にはならないのだろう。
だが、確実に二人は互いを恋愛対象として意識しているようで、先日催された私達の披露宴にも二人で参列してくれて、何だかんだ言いながらも楽しそうに過ごしていたのだった。
そして今、私のお腹の中には、ラインハルト殿下との愛の証が宿っている。
つい最近判明したばかりなのだが、それが分かった時には、殿下は涙を流して喜んでくれたのだった。
私の泣き虫がうつったのかと思うほど、嬉しそうに幸せそうに、ただただ泣いていた。
私はいつも殿下がしてくれていたように、殿下を優しく抱きしめて、頭を撫でて、涙を拭ってあげたのだが、そのうち私も涙が出てきてしまって、二人で抱き合ってしばらく涙を流していたのだった。
こうして深く私を愛してくれる殿下は、生まれてくる子にもきっと深い愛情を与えるのだろう。
そして暖かい愛に包まれ、この子にも、私にも、殿下にも、きっとこれから、希望に満ちた幸せな未来が待っている。
――世界はこんなにも優しく、暖かい。
全ては、私の記憶が蘇った所から動き出した。
十年間、愛し続けていた大切な人。
その深く暖かい愛を知る事が出来たのも、
勇気を出して私の気持ちを伝える事が出来たのも、
愛しいその人の気持ちを疑う事なくここまで来られたのも、
こうして今の幸せがあるのも、
全ては私の涙から始まったのだ――。
~END~
―――――――――――――――――
~Another Side~
「さて、と。そろそろ自分の世界に帰るかのう」
そう独り言ちるのは、パティスリー『さん爺のおやつ』の店主である。
「転移に失敗してこっちに来てしまった時には、魔法も機械もないし何の面白味もない世界だと思ったがのう。発展途上の世界もまあまあじゃったの」
爺さんは猫のタマちゃんを抱き上げて話しかける。
数年前にこちらに来てから、タマちゃんはずっと子猫の姿のまま成長していない。
かく言う爺さんもずっと変わらず爺さんだ。
「タマちゃん、土産をひとつ持って帰ろうか。何が良いかのぅ……でも大体の物は向こうにあるからのう。……おお、そうじゃ」
爺さんは、少し前までこの店でバイトしていた少女が持っていた本の存在を思い出した。
何やら親兄弟や恋人に見られたくないとかで、自分の家から持ち出して仕事用のロッカーに仕舞っていた物だ。
そしてそのままその存在を忘れてしまったようで、仕事に使っていた制服やなんやらと一緒にロッカーに置きっぱなしで、バイトを辞めてしまったのだ。
「これは推敲すれば中々良い本になりそうじゃ。表紙には日記と書かれとるが、フィクションじゃな」
爺さんの見立てでは、『王太子妃プリシラの日記』は現実に存在する人物をモデルに書かれたフィクションだ。
実際の王太子妃はエミリア殿下だし、ラインハルト殿下とエミリア殿下は十年以上も前から、今もなお、一途に互いを想い合ってきたという。
それにこの本ではエミリア殿下を悪者として記しているが、実際のエミリア殿下は優しく慈愛に満ちた聡明なお方である。
この本は、王太子夫妻が婚姻を結んだ日の前日の日付で書き終えられている。
最後の部分はこうだ。
『明日は学園の卒業パーティー。明日の朝にはラインハルトの夜会服とお揃いのドレスが届く。そしてラインハルトはこの家まで私を迎えに来て、パーティーで私をエスコートしてくれるのだ。パーティーではエミリアはアレクと入場してきて、ラインハルトはエミリアに告げる。私が本当に愛しているのはプリシラだ、君との婚約を破棄し、私はプリシラと婚約する、と。エミリアは当然怒るが、ラインハルトはエミリアの悪事を次々と暴く。お茶会のドレスのこと、補習で私を虐めて心を折ろうとしたこと、夜会で私を閉じ込めたこと。エミリアは婚約破棄され、爵位を奪われ、修道院に送られる。そしてエミリアを愛するアレクは、エミリアの護衛に着任し、そのままラインハルトの元を去るのだ。こうして私はラインハルトと結婚し、王太子妃になるのである。めでたしめでたし?』
「……なんで最後がクエスチョンマークなんじゃろうな。まあそれはいいが、タマちゃん、確か乙女ゲームやらこういう小説やら流行った時期があったのう。21世紀ぐらいじゃったか?」
タマちゃんは肯定するように、にゃーん、とひと鳴きする。
「なら、次は……」
爺さんの姿が光に包まれる。
光が収まると、そこには黒髪黒目、ジーンズにパーカーという姿の女性が立っていたのだった。
「日本に戻って物書きにでもなりましょうか。タマちゃん、目指す時代は21世紀の日本よ。時代は関係なく元の世界に一度戻らないと次の転移もできないし、折角戻るんなら面白い地点に戻りたいものね。小銭を稼いで転移のエネルギーが溜まったら、次こそは魔法文明か機械文明が発達した世界に転移しましょう……あ、それか超古代文明の世界って言うのも面白そうね」
「にゃーん」
そうして、日本人女性の姿をした何かと、タマちゃんと呼ばれた猫のような何かは、『王太子妃プリシラの日記』を土産に持ち、光の輪の中に消えていったのだった。
~聖爺さんSide、おしまい~
――*――
最後までお読みくださり、ありがとうございました!
以降、番外編を数話投稿いたします。
――*――
かくして、私、公爵令嬢エミリア・ブラウンは王太子ラインハルト・ヴァン・レインフォードの妃となったのであった。
あれから八ヶ月。
私達の結婚のニュースは瞬く間に王国中に広まり、暗いムードから一転、各地はお祭り騒ぎになったのである。
結婚披露宴は婚姻を結んでから半年後――今から二ヶ月前に、国内外から賓客を招いて盛大に催された。
城に滞在していた国外からの来賓も皆自国に帰り、後片付けも終わってようやく城は平常運転に戻った所である。
ラインハルト殿下は毎日公務に勤しんでいる。
民に親しまれ、王として待ち望まれている彼は、いつの日か賢王と呼ばれることとなるだろう。
そして私達の結婚に乗じて景気も好転し、叛乱分子の処分と貴族の領地再編も徐々に進んでいった。
クーデターの主犯であるドノバン侯爵は処刑された。
ドノバンの一族は爵位を剥奪され、目付役を付けられた上で平民として辺境の地で暮らす事となった。
フリードリヒ・レインフォードは、私の監禁以外に大きな罪を犯していないため、処刑には至らなかった。
彼は王族としての権利を失い、使用人として城の雑務をこなす事になった。
ただし、必ず二人以上での行動が求められ、外出は禁じられ、王族との接触は徹底的に避けられ、部屋は施錠された上で見張りも付けられるという軟禁状態だ。
元々無気力なフリードリヒは、不満を口にする事もなく、意外にも真面目に雑務をこなしていて、温情が与えられる可能性も出てきている。
ラインハルト殿下の側近である騎士アレク・ハーバートは、今から半年後に、私の妹、モニカ・ブラウンと結婚する予定となっている。
二人は今、ドレス選びや式場探し、招待状の準備と忙しそうにしているが、すごく楽しそうで、幸せそうで、見ているこちらも暖かい気持ちになる。
アレクは引き続きラインハルト殿下の側近として仕え、モニカは四ヶ月後に貴族学園を卒業した後、外交官として城に勤める事が決まっていて、結婚した後も私達の側にいてくれる事になった。
男爵令嬢プリシラ・スワローは、その後も真面目に貴族学園に通っている。
スワロー男爵の新事業が成功を収め、バイトをする必要の無くなった彼女は、心を入れ替えて真面目に学習に取り組んでいるようだ。
その気持ちの変化にはどうやら彼女の弟の事情が関わっているらしい。
プリシラの弟が、事業の提携をしている子爵の一人娘と婚約し、婿入りする事になりそうなのだという。
それが決定すれば、プリシラは男爵の跡を継いで女主人になることになる。
そうなった時の為にも貴族学園の卒業は必須であり、特に経営学を中心に一生懸命学んでいるようだ。
彼女の幼馴染のエディは、ラインハルト殿下のアドバイスを受け、スワロー男爵に新しい事業の提案をした。
男爵領に大きな革細工の工房を設け、領民から弟子を取り、元々飼育されていた牛や豚、馬の素材を、捨てられていた部分まで最大限に有効活用するという提案だ。
上手くいけば男爵領の新たな名産品にもなるし、元々ある素材を有効利用するので、仕入れのコストも殆ど掛からない。
それに、エディはラインハルト殿下と私の友人だ。
行く行くは、王室御用達の革工房として名を馳せる事だろう。
今は開業の準備で王都と男爵領を行き来していて、忙しそうにしている。
来年の夏頃には工房の準備も整い、早ければプリシラの卒業の頃には軌道に乗っていくだろう。
プリシラとエディの仲は進展しているような、していないような、微妙な感じである。
まだお互いの将来が定まっていないし、エディが王都を離れる事も多いから、一気に仲が縮まるという事にはならないのだろう。
だが、確実に二人は互いを恋愛対象として意識しているようで、先日催された私達の披露宴にも二人で参列してくれて、何だかんだ言いながらも楽しそうに過ごしていたのだった。
そして今、私のお腹の中には、ラインハルト殿下との愛の証が宿っている。
つい最近判明したばかりなのだが、それが分かった時には、殿下は涙を流して喜んでくれたのだった。
私の泣き虫がうつったのかと思うほど、嬉しそうに幸せそうに、ただただ泣いていた。
私はいつも殿下がしてくれていたように、殿下を優しく抱きしめて、頭を撫でて、涙を拭ってあげたのだが、そのうち私も涙が出てきてしまって、二人で抱き合ってしばらく涙を流していたのだった。
こうして深く私を愛してくれる殿下は、生まれてくる子にもきっと深い愛情を与えるのだろう。
そして暖かい愛に包まれ、この子にも、私にも、殿下にも、きっとこれから、希望に満ちた幸せな未来が待っている。
――世界はこんなにも優しく、暖かい。
全ては、私の記憶が蘇った所から動き出した。
十年間、愛し続けていた大切な人。
その深く暖かい愛を知る事が出来たのも、
勇気を出して私の気持ちを伝える事が出来たのも、
愛しいその人の気持ちを疑う事なくここまで来られたのも、
こうして今の幸せがあるのも、
全ては私の涙から始まったのだ――。
~END~
―――――――――――――――――
~Another Side~
「さて、と。そろそろ自分の世界に帰るかのう」
そう独り言ちるのは、パティスリー『さん爺のおやつ』の店主である。
「転移に失敗してこっちに来てしまった時には、魔法も機械もないし何の面白味もない世界だと思ったがのう。発展途上の世界もまあまあじゃったの」
爺さんは猫のタマちゃんを抱き上げて話しかける。
数年前にこちらに来てから、タマちゃんはずっと子猫の姿のまま成長していない。
かく言う爺さんもずっと変わらず爺さんだ。
「タマちゃん、土産をひとつ持って帰ろうか。何が良いかのぅ……でも大体の物は向こうにあるからのう。……おお、そうじゃ」
爺さんは、少し前までこの店でバイトしていた少女が持っていた本の存在を思い出した。
何やら親兄弟や恋人に見られたくないとかで、自分の家から持ち出して仕事用のロッカーに仕舞っていた物だ。
そしてそのままその存在を忘れてしまったようで、仕事に使っていた制服やなんやらと一緒にロッカーに置きっぱなしで、バイトを辞めてしまったのだ。
「これは推敲すれば中々良い本になりそうじゃ。表紙には日記と書かれとるが、フィクションじゃな」
爺さんの見立てでは、『王太子妃プリシラの日記』は現実に存在する人物をモデルに書かれたフィクションだ。
実際の王太子妃はエミリア殿下だし、ラインハルト殿下とエミリア殿下は十年以上も前から、今もなお、一途に互いを想い合ってきたという。
それにこの本ではエミリア殿下を悪者として記しているが、実際のエミリア殿下は優しく慈愛に満ちた聡明なお方である。
この本は、王太子夫妻が婚姻を結んだ日の前日の日付で書き終えられている。
最後の部分はこうだ。
『明日は学園の卒業パーティー。明日の朝にはラインハルトの夜会服とお揃いのドレスが届く。そしてラインハルトはこの家まで私を迎えに来て、パーティーで私をエスコートしてくれるのだ。パーティーではエミリアはアレクと入場してきて、ラインハルトはエミリアに告げる。私が本当に愛しているのはプリシラだ、君との婚約を破棄し、私はプリシラと婚約する、と。エミリアは当然怒るが、ラインハルトはエミリアの悪事を次々と暴く。お茶会のドレスのこと、補習で私を虐めて心を折ろうとしたこと、夜会で私を閉じ込めたこと。エミリアは婚約破棄され、爵位を奪われ、修道院に送られる。そしてエミリアを愛するアレクは、エミリアの護衛に着任し、そのままラインハルトの元を去るのだ。こうして私はラインハルトと結婚し、王太子妃になるのである。めでたしめでたし?』
「……なんで最後がクエスチョンマークなんじゃろうな。まあそれはいいが、タマちゃん、確か乙女ゲームやらこういう小説やら流行った時期があったのう。21世紀ぐらいじゃったか?」
タマちゃんは肯定するように、にゃーん、とひと鳴きする。
「なら、次は……」
爺さんの姿が光に包まれる。
光が収まると、そこには黒髪黒目、ジーンズにパーカーという姿の女性が立っていたのだった。
「日本に戻って物書きにでもなりましょうか。タマちゃん、目指す時代は21世紀の日本よ。時代は関係なく元の世界に一度戻らないと次の転移もできないし、折角戻るんなら面白い地点に戻りたいものね。小銭を稼いで転移のエネルギーが溜まったら、次こそは魔法文明か機械文明が発達した世界に転移しましょう……あ、それか超古代文明の世界って言うのも面白そうね」
「にゃーん」
そうして、日本人女性の姿をした何かと、タマちゃんと呼ばれた猫のような何かは、『王太子妃プリシラの日記』を土産に持ち、光の輪の中に消えていったのだった。
~聖爺さんSide、おしまい~
――*――
最後までお読みくださり、ありがとうございました!
以降、番外編を数話投稿いたします。
88
あなたにおすすめの小説
リリィ=ブランシュはスローライフを満喫したい!~追放された悪役令嬢ですが、なぜか皇太子の胃袋をつかんでしまったようです~
汐埼ゆたか
恋愛
伯爵令嬢に転生したリリィ=ブランシュは第四王子の許嫁だったが、悪女の汚名を着せられて辺境へ追放された。
――というのは表向きの話。
婚約破棄大成功! 追放万歳!!
辺境の地で、前世からの夢だったスローライフに胸躍らせるリリィに、新たな出会いが待っていた。
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
リリィ=ブランシュ・ル・ベルナール(19)
第四王子の元許嫁で転生者。
悪女のうわさを流されて、王都から去る
×
アル(24)
街でリリィを助けてくれたなぞの剣士
三食おやつ付きで臨時護衛を引き受ける
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
「さすが稀代の悪女様だな」
「手玉に取ってもらおうか」
「お手並み拝見だな」
「あのうわさが本物だとしたら、アルはどうしますか?」
**********
※他サイトからの転載。
※表紙はイラストAC様からお借りした画像を加工しております。
【完結】 悪役令嬢が死ぬまでにしたい10のこと
淡麗 マナ
恋愛
2022/04/07 小説ホットランキング女性向け1位に入ることができました。皆様の応援のおかげです。ありがとうございます。
第3回 一二三書房WEB小説大賞の最終選考作品です。(5,668作品のなかで45作品)
※コメント欄でネタバレしています。私のミスです。ネタバレしたくない方は読み終わったあとにコメントをご覧ください。
原因不明の病により、余命3ヶ月と診断された公爵令嬢のフェイト・アシュフォード。
よりによって今日は、王太子殿下とフェイトの婚約が発表されるパーティの日。
王太子殿下のことを考えれば、わたくしは身を引いたほうが良い。
どうやって婚約をお断りしようかと考えていると、王太子殿下の横には容姿端麗の女性が。逆に婚約破棄されて傷心するフェイト。
家に帰り、一冊の本をとりだす。それはフェイトが敬愛する、悪役令嬢とよばれた公爵令嬢ヴァイオレットが活躍する物語。そのなかに、【死ぬまでにしたい10のこと】を決める描写があり、フェイトはそれを真似してリストを作り、生きる指針とする。
1.余命のことは絶対にだれにも知られないこと。
2.悪役令嬢ヴァイオレットになりきる。あえて人から嫌われることで、自分が死んだ時の悲しみを減らす。(これは実行できなくて、後で変更することになる)
3.必ず病気の原因を突き止め、治療法を見つけだし、他の人が病気にならないようにする。
4.ノブレス・オブリージュ 公爵令嬢としての責務をいつもどおり果たす。
5.お父様と弟の問題を解決する。
それと、目に入れても痛くない、白蛇のイタムの新しい飼い主を探さねばなりませんし、恋……というものもしてみたいし、矛盾していますけれど、友達も欲しい。etc.
リストに従い、持ち前の執務能力、するどい観察眼を持って、人々の問題や悩みを解決していくフェイト。
ただし、悪役令嬢の振りをして、人から嫌われることは上手くいかない。逆に好かれてしまう! では、リストを変更しよう。わたくしの身代わりを立て、遠くに嫁いでもらうのはどうでしょう?
たとえ失敗しても10のリストを修正し、最善を尽くすフェイト。
これはフェイトが、余命3ヶ月で10のしたいことを実行する物語。皆を自らの死によって悲しませない為に足掻き、運命に立ち向かう、逆転劇。
【注意点】
恋愛要素は弱め。
設定はかなりゆるめに作っています。
1人か、2人、苛立つキャラクターが出てくると思いますが、爽快なざまぁはありません。
2章以降だいぶ殺伐として、不穏な感じになりますので、合わないと思ったら辞めることをお勧めします。
悪役令嬢の品格 ~悪役令嬢を演じてきましたが、今回は少し違うようです~
幸路ことは
恋愛
多くの乙女ゲームで悪役令嬢を演じたプロの悪役令嬢は、エリーナとして新しいゲームの世界で目覚める。しかし、今回は悪役令嬢に必須のつり目も縦巻きロールもなく、シナリオも分からない。それでも立派な悪役令嬢を演じるべく突き進んだ。
そして、学園に入学しヒロインを探すが、なぜか攻略対象と思われるキャラが集まってくる。さらに、前世の記憶がある少女にエリーナがヒロインだと告げられ、隠しキャラを出して欲しいとお願いされた……。
これは、ロマンス小説とプリンが大好きなエリーナが、悪役令嬢のプライドを胸に、少しずつ自分の気持ちを知り恋をしていく物語。なろう完結済み Copyright(C)2019 幸路ことは
悪役令嬢に成り代わったのに、すでに詰みってどういうことですか!?
ぽんぽこ狸
恋愛
仕事帰りのある日、居眠り運転をしていたトラックにはねられて死んでしまった主人公。次に目を覚ますとなにやら暗くジメジメした場所で、自分に仕えているというヴィンスという男の子と二人きり。
彼から話を聞いているうちに、なぜかその話に既視感を覚えて、確認すると昔読んだことのある児童向けの小説『ララの魔法書!』の世界だった。
その中でも悪役令嬢である、クラリスにどうやら成り代わってしまったらしい。
混乱しつつも話をきていくとすでに原作はクラリスが幽閉されることによって終結しているようで愕然としているさなか、クラリスを見限り原作の主人公であるララとくっついた王子ローレンスが、訪ねてきて━━━━?!
原作のさらに奥深くで動いていた思惑、魔法玉(まほうぎょく)の謎、そして原作の男主人公だった完璧な王子様の本性。そのどれもに翻弄されながら、なんとか生きる一手を見出す、学園ファンタジー!
ローレンスの性格が割とやばめですが、それ以外にもダークな要素強めな主人公と恋愛?をする、キャラが二人ほど、登場します。世界観が殺伐としているので重い描写も多いです。読者さまが色々な意味でドキドキしてくれるような作品を目指して頑張りますので、よろしくお願いいたします。
完結しました!最後の一章分は遂行していた分がたまっていたのと、話が込み合っているので一気に二十万文字ぐらい上げました。きちんと納得できる結末にできたと思います。ありがとうございました。
貧乏奨学生の子爵令嬢は、特許で稼ぐ夢を見る 〜レイシアは、今日も我が道つき進む!~
みちのあかり
ファンタジー
同じゼミに通う王子から、ありえないプロポーズを受ける貧乏奨学生のレイシア。
何でこんなことに? レイシアは今までの生き方を振り返り始めた。
第一部(領地でスローライフ)
5歳の誕生日。お父様とお母様にお祝いされ、教会で祝福を受ける。教会で孤児と一緒に勉強をはじめるレイシアは、その才能が開花し非常に優秀に育っていく。お母様が里帰り出産。生まれてくる弟のために、料理やメイド仕事を覚えようと必死に頑張るレイシア。
お母様も戻り、家族で幸せな生活を送るレイシア。
しかし、未曽有の災害が起こり、領地は借金を負うことに。
貧乏でも明るく生きるレイシアの、ハートフルコメディ。
第二部(学園無双)
貧乏なため、奨学生として貴族が通う学園に入学したレイシア。
貴族としての進学は奨学生では無理? 平民に落ちても生きていけるコースを選ぶ。
だが、様々な思惑により貴族のコースも受けなければいけないレイシア。お金持ちの貴族の女子には嫌われ相手にされない。
そんなことは気にもせず、お金儲け、特許取得を目指すレイシア。
ところが、いきなり王子からプロポーズを受け・・・
学園無双の痛快コメディ
カクヨムで240万PV頂いています。
転生令嬢はのんびりしたい!〜その愛はお断りします〜
咲宮
恋愛
私はオルティアナ公爵家に生まれた長女、アイシアと申します。
実は前世持ちでいわゆる転生令嬢なんです。前世でもかなりいいところのお嬢様でした。今回でもお嬢様、これまたいいところの!前世はなんだかんだ忙しかったので、今回はのんびりライフを楽しもう!…そう思っていたのに。
どうして貴方まで同じ世界に転生してるの?
しかも王子ってどういうこと!?
お願いだから私ののんびりライフを邪魔しないで!
その愛はお断りしますから!
※更新が不定期です。
※誤字脱字の指摘や感想、よろしければお願いします。
※完結から結構経ちましたが、番外編を始めます!
【完結】島流しされた役立たず王女ですがサバイバルしている間に最強皇帝に溺愛されてました!
●やきいもほくほく●
恋愛
──目が覚めると海の上だった!?
「メイジー・ド・シールカイズ、あなたを国外に追放するわ!」
長年、虐げられてきた『役立たず王女』メイジーは異母姉妹であるジャシンスに嵌められて島流しにされている最中に前世の記憶を取り戻す。
前世でも家族に裏切られて死んだメイジーは諦めて死のうとするものの、最後まで足掻こうと決意する。
奮起したメイジーはなりふり構わず生き残るために行動をする。
そして……メイジーが辿り着いた島にいたのは島民に神様と祀られるガブリエーレだった。
この出会いがメイジーの運命を大きく変える!?
言葉が通じないため食われそうになり、生け贄にされそうになり、海に流されそうになり、死にかけながらもサバイバル生活を開始する。
ガブリエーレの世話をしつつ、メイジーは〝あるもの〟を見つけて成り上がりを決意。
ガブリエーレに振り回されつつ、彼の〝本来の姿〟を知ったメイジーは──。
これは気弱で争いに負けた王女が逞しく島で生き抜き、神様と運を味方につけて無双する爽快ストーリー!
婚約破棄された王太子妃候補は第一王子に気に入られたようです。
永野水貴
恋愛
侯爵令嬢エヴェリーナは未来の王太子妃として育てられたが、突然に婚約破棄された。
王太子は真に愛する女性と結婚したいというのだった。
その女性はエヴェリーナとは正反対で、エヴェリーナは影で貶められるようになる。
そんなある日、王太子の兄といわれる第一王子ジルベルトが現れる。
ジルベルトは王太子を上回る素質を持つと噂される人物で、なぜかエヴェリーナに興味を示し…?
※「小説家になろう」にも載せています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる