87 / 154
第六章 赤
第85話 「見てたらわかるよ」
しおりを挟む
セオにいくつか質問をして、虹色の髪を隠すための鬘を身につけた私は、セオを屋敷に残して街へと繰り出した。
もちろん、迷子になったり危ないことがあっては困るので、侯爵家のメイドさんにもついて来てもらった形だ。
「えっと、これとこれは買えたから、後は……」
「それでしたら、隣の通りにあるお店で買えますよ」
こんな調子で、メイドさんに街を案内してもらいながら買い物をする。
私が屋敷に戻ったのは、日が傾き始めた頃だった。
「ただいま。セオ、いる?」
私は買い物袋を抱えて、セオの部屋の扉をノックする。
セオは部屋の扉を開くと、荷物を受け取り、私を部屋の中へ招き入れてくれたのだった。
「おかえり。買い物、ありがとう。僕も一緒に行けたら良かったんだけど」
「仕方ないよ。今はセオの安全が一番大事だもの。それに、お買い物代を出してくれて助かったわ。聖王国の貨幣は持っていなかったから」
「ううん、そもそもお祖父様のものだから、予算は気にしなくていい。慣れない街で、疲れたんじゃない?」
「ふふ、ありがとう。王国とは違った活気があって、楽しかったよ」
私は、袋の中身をひとつひとつセオに確認してもらう。
今回買ってきた物は、ほとんどが日持ちのする食料である。
フレッドはこれまで、ずっと魔の森のコテージからほとんど出ずに生活していた。
買い物も魔の森の外にある小さな街で、時折土魔法で作った陶芸品や道具を売り、代わりに必要物資や食料を買っている程度だったようだ。
そのため食生活も質素なものだったようで、帝都に出かけた際などは両手いっぱいに食料を買い込んでいたし、レストランや露店で食事をした際も嬉々としていた。
今回、フレッドは買い物をする余裕もないだろうし、帝都でも生まれ故郷の品は手に入りにくいだろう。
フレッドに必ず帰ってきてもらいたいという願いも込めて、フレッドの好物をセオに確認し、たくさん買い込んできたのである。
「フレッドさん、喜んでくれるといいね」
「うん。きっと喜ぶよ。ししまるからお祖父様に伝えておいてもらおう」
「そうだね。……あと、セオにも渡すものがあるの」
「僕に?」
「うん。はい、これ」
私は、カバンの方にしまっていた小さな袋を取り出し、セオに渡す。
セオは予想外のお土産に、目を丸くしていた。
「これ……どうしてわかったの?」
「ふふ、見てたらわかるよ。セオの好きなものくらい」
セオの手に収まっているのは、聖王国の特産品である、特別な種類の林檎をドライフルーツにしたものだ。
王国や帝国では見かけない種類の林檎で、普通の物より香りが強く、甘みもぎゅっと濃縮されている。
国境を越えてから食事のたびに嬉しそうに林檎を手にしていたし、自分で上手に剥いて食べていることもあったから、この林檎が好物なんだというのはすぐにわかった。
「パステル……ありがとう」
「どういたしまして。ドライフルーツだから、しばらく楽しめるはずよ」
「うん。大事に食べるね」
「ふふ、喜んでもらえて良かった」
セオは嬉しそうに顔を綻ばせている。
こんなに喜んでくれるなら、足をのばして正解だった。
「パステル」
「なーに?」
「何か、お礼をしたいんだけど……パステルは、何かして欲しいこととか、ない?」
「ううん、そんな、お礼なんていいよ。私は、セオが喜んでくれればそれだけで嬉しいの」
「……ありがとう」
セオは、小さな袋を持ったまま、私をそっと抱き寄せた。
甘い林檎が、ふわりと香る。
セオの肩に頭を預け、背中にゆっくり手を回すと、セオはさっきよりも少しだけ強く、けれど優しく、私を抱きしめてくれたのだった。
そして、翌日。
私たちは、フレッドの手配してくれていた商隊と合流していた。
帝国と聖王国の双方に拠点を置く大きな商会で、皇室・王室御用達の品も卸している老舗なのだそうだ。
フレッドが不在になることは事前に知らされていたらしく、商隊のリーダーはスムーズに対応してくれた。
私たちは幌のかかった大きな荷馬車に乗せられる。
大きな荷馬車は、来る時に乗った豪華な馬車とは大違いだ。
幌の中には家畜用の干し草が大量に積み込まれていて、その間のちょっとしたスペースに私たちは埋もれていた。
「荷馬車だと身体が痛くなるかと思ったけど、思ったよりふかふかだね」
「うん。お日様の匂いがする」
「うー、ぼく、乾燥するぅー」
「そうよね、ししまるには辛いよね。でも、検問を通るまでは我慢よ」
「がんばるー」
この干し草は聖王都の東にある地域で仕入れたもので、聖王国各地に運ばれるらしい。
精霊の加護を受けた特別な農地では、季節に関係なく青々とした牧草が次々と生えてくる。
そのため、冬でも他の地域に干し草を出荷できるのだそうだ。
少しして、ガタゴトと大きく揺れながら、荷馬車は街を出発した。
すぐに街の入り口で止まったものの、さっと荷台を覗かれただけで、干し草に埋もれていた私たちが見つかることはなかった。
「ねえねえ、あとどのくらいこうしてればいいのー?」
しばらくして、口を開いたのはししまるだった。
干し草を濡らすわけにはいかないので、水のボールを我慢し、三色のボールを鼻でつついている。
「次の休憩の時に、降ろしてもらう予定よ。一、二時間ぐらいじゃないかしら?」
「そうだね。次の街に着く前に一度休憩するって言ってたよ。その後はパステルの家まで飛んで帰ればいい」
「そっかぁー。かゆいけど、我慢するー」
「ししまる、そういえば、メーア様の手紙に書いてあった伝言って、何だったの?」
「うーんと、えーとぉ、情報屋さんのお話はまた後でするんだけどぉ」
そうしてししまるは新しくメーアが手に入れ、ハルモニア王妃から知らされた情報を、ぽつぽつと話し始めたのだった。
「まずはじめにぃ、ハルモニア様は、大神官様の娘さんなんだって。それで、マクシミリアン聖王様とは、政略結婚だったんだってぇ」
「そうなの?」
「うん。それは僕もお祖父様も知ってた。表面的には仲が悪いようには見えなかったけど、今思うとハルモニア様は聖王陛下を怖がってるように見えたかも」
「そっか……」
もしかして、ハルモニア王妃がセオを逃し、フレッドを探し当てたのも、彼女なりのSOSだったのかもしれない。
「それからぁ、ハルモニア様、ハーフエルフなんだぁ」
ししまるの一言が予想外だったのか、セオは今度こそ目を丸くしたのだった。
もちろん、迷子になったり危ないことがあっては困るので、侯爵家のメイドさんにもついて来てもらった形だ。
「えっと、これとこれは買えたから、後は……」
「それでしたら、隣の通りにあるお店で買えますよ」
こんな調子で、メイドさんに街を案内してもらいながら買い物をする。
私が屋敷に戻ったのは、日が傾き始めた頃だった。
「ただいま。セオ、いる?」
私は買い物袋を抱えて、セオの部屋の扉をノックする。
セオは部屋の扉を開くと、荷物を受け取り、私を部屋の中へ招き入れてくれたのだった。
「おかえり。買い物、ありがとう。僕も一緒に行けたら良かったんだけど」
「仕方ないよ。今はセオの安全が一番大事だもの。それに、お買い物代を出してくれて助かったわ。聖王国の貨幣は持っていなかったから」
「ううん、そもそもお祖父様のものだから、予算は気にしなくていい。慣れない街で、疲れたんじゃない?」
「ふふ、ありがとう。王国とは違った活気があって、楽しかったよ」
私は、袋の中身をひとつひとつセオに確認してもらう。
今回買ってきた物は、ほとんどが日持ちのする食料である。
フレッドはこれまで、ずっと魔の森のコテージからほとんど出ずに生活していた。
買い物も魔の森の外にある小さな街で、時折土魔法で作った陶芸品や道具を売り、代わりに必要物資や食料を買っている程度だったようだ。
そのため食生活も質素なものだったようで、帝都に出かけた際などは両手いっぱいに食料を買い込んでいたし、レストランや露店で食事をした際も嬉々としていた。
今回、フレッドは買い物をする余裕もないだろうし、帝都でも生まれ故郷の品は手に入りにくいだろう。
フレッドに必ず帰ってきてもらいたいという願いも込めて、フレッドの好物をセオに確認し、たくさん買い込んできたのである。
「フレッドさん、喜んでくれるといいね」
「うん。きっと喜ぶよ。ししまるからお祖父様に伝えておいてもらおう」
「そうだね。……あと、セオにも渡すものがあるの」
「僕に?」
「うん。はい、これ」
私は、カバンの方にしまっていた小さな袋を取り出し、セオに渡す。
セオは予想外のお土産に、目を丸くしていた。
「これ……どうしてわかったの?」
「ふふ、見てたらわかるよ。セオの好きなものくらい」
セオの手に収まっているのは、聖王国の特産品である、特別な種類の林檎をドライフルーツにしたものだ。
王国や帝国では見かけない種類の林檎で、普通の物より香りが強く、甘みもぎゅっと濃縮されている。
国境を越えてから食事のたびに嬉しそうに林檎を手にしていたし、自分で上手に剥いて食べていることもあったから、この林檎が好物なんだというのはすぐにわかった。
「パステル……ありがとう」
「どういたしまして。ドライフルーツだから、しばらく楽しめるはずよ」
「うん。大事に食べるね」
「ふふ、喜んでもらえて良かった」
セオは嬉しそうに顔を綻ばせている。
こんなに喜んでくれるなら、足をのばして正解だった。
「パステル」
「なーに?」
「何か、お礼をしたいんだけど……パステルは、何かして欲しいこととか、ない?」
「ううん、そんな、お礼なんていいよ。私は、セオが喜んでくれればそれだけで嬉しいの」
「……ありがとう」
セオは、小さな袋を持ったまま、私をそっと抱き寄せた。
甘い林檎が、ふわりと香る。
セオの肩に頭を預け、背中にゆっくり手を回すと、セオはさっきよりも少しだけ強く、けれど優しく、私を抱きしめてくれたのだった。
そして、翌日。
私たちは、フレッドの手配してくれていた商隊と合流していた。
帝国と聖王国の双方に拠点を置く大きな商会で、皇室・王室御用達の品も卸している老舗なのだそうだ。
フレッドが不在になることは事前に知らされていたらしく、商隊のリーダーはスムーズに対応してくれた。
私たちは幌のかかった大きな荷馬車に乗せられる。
大きな荷馬車は、来る時に乗った豪華な馬車とは大違いだ。
幌の中には家畜用の干し草が大量に積み込まれていて、その間のちょっとしたスペースに私たちは埋もれていた。
「荷馬車だと身体が痛くなるかと思ったけど、思ったよりふかふかだね」
「うん。お日様の匂いがする」
「うー、ぼく、乾燥するぅー」
「そうよね、ししまるには辛いよね。でも、検問を通るまでは我慢よ」
「がんばるー」
この干し草は聖王都の東にある地域で仕入れたもので、聖王国各地に運ばれるらしい。
精霊の加護を受けた特別な農地では、季節に関係なく青々とした牧草が次々と生えてくる。
そのため、冬でも他の地域に干し草を出荷できるのだそうだ。
少しして、ガタゴトと大きく揺れながら、荷馬車は街を出発した。
すぐに街の入り口で止まったものの、さっと荷台を覗かれただけで、干し草に埋もれていた私たちが見つかることはなかった。
「ねえねえ、あとどのくらいこうしてればいいのー?」
しばらくして、口を開いたのはししまるだった。
干し草を濡らすわけにはいかないので、水のボールを我慢し、三色のボールを鼻でつついている。
「次の休憩の時に、降ろしてもらう予定よ。一、二時間ぐらいじゃないかしら?」
「そうだね。次の街に着く前に一度休憩するって言ってたよ。その後はパステルの家まで飛んで帰ればいい」
「そっかぁー。かゆいけど、我慢するー」
「ししまる、そういえば、メーア様の手紙に書いてあった伝言って、何だったの?」
「うーんと、えーとぉ、情報屋さんのお話はまた後でするんだけどぉ」
そうしてししまるは新しくメーアが手に入れ、ハルモニア王妃から知らされた情報を、ぽつぽつと話し始めたのだった。
「まずはじめにぃ、ハルモニア様は、大神官様の娘さんなんだって。それで、マクシミリアン聖王様とは、政略結婚だったんだってぇ」
「そうなの?」
「うん。それは僕もお祖父様も知ってた。表面的には仲が悪いようには見えなかったけど、今思うとハルモニア様は聖王陛下を怖がってるように見えたかも」
「そっか……」
もしかして、ハルモニア王妃がセオを逃し、フレッドを探し当てたのも、彼女なりのSOSだったのかもしれない。
「それからぁ、ハルモニア様、ハーフエルフなんだぁ」
ししまるの一言が予想外だったのか、セオは今度こそ目を丸くしたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~
ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。
休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。
啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。
異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。
これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。
隣国が戦を仕掛けてきたので返り討ちにし、人質として三国の王女を貰い受けました
しろねこ。
恋愛
三国から攻め入られ、四面楚歌の絶体絶命の危機だったけど、何とか戦を終わらせられました。
つきましては和平の為の政略結婚に移ります。
冷酷と呼ばれる第一王子。
脳筋マッチョの第二王子。
要領良しな腹黒第三王子。
選ぶのは三人の難ありな王子様方。
宝石と貴金属が有名なパルス国。
騎士と聖女がいるシェスタ国。
緑が多く農業盛んなセラフィム国。
それぞれの国から王女を貰い受けたいと思います。
戦を仕掛けた事を後悔してもらいましょう。
ご都合主義、ハピエン、両片想い大好きな作者による作品です。
現在10万字以上となっています、私の作品で一番長いです。
基本甘々です。
同名キャラにて、様々な作品を書いています。
作品によりキャラの性格、立場が違いますので、それぞれの差分をお楽しみ下さい。
全員ではないですが、イメージイラストあります。
皆様の心に残るような、そして自分の好みを詰め込んだ甘々な作品を書いていきますので、よろしくお願い致します(*´ω`*)
カクヨムさんでも投稿中で、そちらでコンテスト参加している作品となりますm(_ _)m
小説家になろうさん、ネオページさんでも掲載中。
【完結】海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません
ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。
文化が違う? 慣れてます。
命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。
NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。
いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。
スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。
今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。
「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」
ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。
そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる