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18話※
しおりを挟む「──あっ、ああっ! フィン!」
両手を縛られたまま、破るように服を脱がされて、ほぼ裸同然の状態で腰を打ち付けられていた。
フィンと身体を繋げてからどのくらい時間が経ったんだろう。もう何度も絶頂まで導かれているのに、フィンは容赦なく突き上げ続けていて。ぱちゅん、ぱちゅん、と混ざり合った性液が弾けるような音を立てて、肉が激しくぶつかり合っている。
「あんっ、あっ、フィンっ、もう、イッてるの、いっぱい、イッてる、の、らめっ、あぁん」
「可愛いね、シャーリー。淫乱なシャーリーも本当に可愛い」
恥ずかしいほど乱れていく私を前に、フィンはうっとりとした表情を浮かべながら私に覆い被さる。
柔らかな胸が潰されるように彼の厚い胸板が押し付けられて、湿った感触に混じって熱が伝わる。本当なら彼をこのままぎゅっと抱き寄せたいのに、両手の自由を奪われてそれが叶わない。
フィンは腰を激しく振ったまま、私の耳に唇を押し付け、熱い吐息と共に言葉を吹き掛けた。
「……シャーリー。他に隠していることは無いよね?」
「んんっ、あっ、いやぁっ、ないっ、かくしごと、ないっ」
「ほら。また嘘ついた」
耳朶をガリッと噛まれて、小さな悲鳴がこぼれる。フィンは私を抱き寄せるように上体を持ち上げると、秘部をしっかりと繋げたままモニター室前の椅子に腰を掛けた。
「んっ、ああっ、フィン、なにを」
自分の体重が掛かったことで、臍の裏に届きそうなほどフィンの雄が深く突き刺さる。身体を突き上げるような快感に唇を噛み締めていると、フィンは私の腰を抱いたままモニター室の机の引き出しをガッと引いた。
「あっ、あうっ、んんっ」
身体を揺さぶられたまま切なく鳴き声を上げる中、視界に飛び込んだのは私が服用していた不妊治療の為の薬。
フィンは額に汗を滲ませたまま、薬を私の目の前に掲げた。
「シャーリー。これは何?」
「な、何でそれを、あっ」
「答えてシャーリー」
腰を片腕でぐっと抱き寄せられて、フィンにたっぷりと愛撫されていた花芽が新たな刺激を生む。もう身体が快楽に蝕まれて限界を迎えそうなのに、フィンは許してくれない。私を笑顔で見つめたまま顔を近づけて、下唇を甘噛みする。
「それ、は、はぁ、あか、んんっ、ちゃ、くすり」
「ん?」
「ふぃ、フィンの、赤ちゃ、ん、ほしく、て、びょういんで、おくすり、もらって」
訳も分からずボロボロと涙を流しながら、声にならない声で説明する。フィンは溜め息を吐くと、私の涙を親指でそっと拭った。
「それも俺に相談すべきことだよね。一人で抱える問題じゃない」
「ひっ、あっ、ううっ、ごめんなしゃ」
唇を震わせながら吃逆を何度も繰り返す。フィンはどこか切なげに目を細めると、声に出して泣く私をきつく抱き締めた。
「……もしかしてソフィアが言ったことも気にしていたのか?」
「んっ、んんっ、ひっ」
「ああ、可愛いシャーリー。あんな女の言葉で傷付くなんて。ソフィアを今すぐ殺してやりたい。子供が欲しかったんだね。気付いてあげられなくてごめん」
子供のように泣き続ける私に、フィンは何度も慰めるように口づける。
ちゅっ、ちゅっ、と触れるだけの優しいキスを交わしながら、フィンは私の両手首に結んだネクタイをするりとほどいた。
「おいで。シャーリー」
陰部をぴったりと繋げたままフィンの太ももの上に跨がっている状態で、両腕を広げられる。愛する夫の優しい表情に胸がきゅっと痛み、自由になった両腕を彼の首に回して、上半身を密着させた。
全身を包み込む温もりに、頬を伝った涙が彼の首筋へとこぼれ落ちていく。
「……シャーリー。病院にはちゃんと二人で行こう。子供のことは夫婦二人の問題だよ。一人で悩むことじゃない」
「うん、ごめ、んっ」
「いいんだ、シャーリー。愛しているよ」
フィンは汗だくの私の頬を舐め上げると、そのまま抱き上げるようにして目の前の机に私を押し倒した。
「あっ、あうっ、あぁっ!」
突然の快感に悶え狂う私に構わず、フィンは私のナカで荒々しい抽挿を繰り返す。動きが速くなるほど雄々しい楔がドクドクと強く脈打ち、無意識にナカが彼を貪るように締まってしまう。
「はっ、シャーリー。俺のが食い千切られそうだよ。堪らない」
「ちがっ、わたしじゃな、かってに、きゅって、なっちゃ、ああっ」
叫ぶように訴えながら、フィンの背中に必死にしがみつく。汗を私の頬に垂らして、どこか余裕のない表情で口元を綻ばせるフィンの色気に、頭の奥が甘く痺れた。
「シャーリー。もっともっと、一緒に気持ち良くなろう」
「はっ、やぁっ、これいじょ、だめっ、だめぇ」
「ダメじゃないよ。こんなに俺のを美味しそうに咥えてるのに」
フィンは突き上げるのを止めたかと思えば、最奥に先端を擦り付けるように腰を押し回して。グチュグチュと漏れる卑猥な音に耳を犯されながらも、蕩けきった媚肉が彼をより深い場所へと誘っていく。
熱くて、苦しくて、気持ち良くて、頭がおかしくなりそう。
「んっ、ああっ、フィンっ!」
全身を貫かれるような快感に、思わず身体をぐぐっと伸ばしたその時──頭に何かがぶつかったような衝撃が走った。
視界がぐにゃりと歪んでしまうような痛みに、思わず目の前のフィンに泣き縋るように抱き付く。
「いたいっ、フィン、いた、いっ」
「ああ、シャーリー。ぶつけたんだね。痛いね。痛かったね。大丈夫、大丈夫」
フィンは直ぐに蜜壺から自身をずるりと抜き、私の後頭部を優しく撫でた。彼の胸に甘えるように顔を擦り寄せ、じんじんと腫れる頭の痛みに耐えるように唇を噛み締める。
普段ならこんなことで泣かないのに、フィンに身体を本能のままに求められたせいなのか、感情の引き出しが脆くなっている。
──そして気にする余裕がなかった。私が何に頭をぶつけたかなんて。
「あれ? 何かモニターが動いてる?」
私の背中を擦ったままモニターを見つめるフィン。ふと、顔を上げたのとほぼ同時に、一番大きなモニターがノイズを発し──衝撃的な映像を映し出した。
『あんっ、やっ、フィン、もっと、もっとしてぇ』
『はっ、シャーリー。可愛いね。好きだよ、愛しているよ』
大音量で耳に流れた淫らな声と、見覚えしかない男女がまぐわう姿。先ほどぶつけた場所に目を向ければ、そこには寝室に取り付けられていた監視カメラの内臓データが嵌め込まれた再生機があって。
フィンの腕の中で石のように固まっていた──が、直ぐに我に返った。
「やっ! ちがうっ、ちがうの! フィン、みないで、みないでぇ!」
「ん? 何が違うの? シャーリーは此の部屋でずっとこの映像を見ていたんでしょ?」
「ちがっ、ちがうっ。そうじゃないのっ」
手を伸ばして再生機の停止ボタンを押そうとするも、腕を掴まれて何故か唇も奪われて。そのまま床に押し倒されてしまった。
「んっ、フィンっ、なにっ」
「そっか。寝室の本棚からあれが無くなっていると思ったら、シャーリーが持ち出していたんだね。シャーリー、いけない子だ」
「あっ、ひっ、あぁっ」
身体を床に押さえ付けられたまま、フィンに唇を舐められて。とろりと蜜が溢れ出した秘部が彼に丸見えになるように、両膝の裏をぐっと押された。
「シャーリー。子供が欲しいならちゃんと子作り頑張らないと。二人で映像を見直して、沢山愛し合おうね。この部屋はもう俺達二人だけのものだよ」
「フィンっ、あっ、あぁっ!」
彼の怒張した雄が一気に奥まで入り、目の前が真っ白になる。突然訪れた絶頂に涙を流す傍ら、フィンは躊躇わずに何度も腰を力強く突き上げた。
「好きだよ、シャーリー。愛している。ずっと一緒にいようね」
「ひっ、あっ、んんっ」
結局、その日は私が気を失うまで身体を貪られて。
寝室に設置された監視カメラの一つは、フィンが取り付けたもの──と理解したのは、翌朝になってからのことだった。
そしてこの日を境に、モニター室はフィンの言う通り、彼との愛を嗜む場所となってしまった。
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