176 / 186
第十四章 最終決戦
怖くなったら思いだして
しおりを挟む
お屋敷の灯りを利用し、再び見取り図を開いて目印を確認する。
ここから近いのは、勝手場か……包丁もったお化けが襲ってきたりとかしないよね?!
さっきのろくろ首さんが勝手場で鍵を見たと言ってたし、いかないわけにはいかないか。
縁側へと足を踏み入れ歩いていくと、やけに背後から視線を感じる。
気になって振り返ると、障子の升目全てに目がついていてこちらをじっと見ていた。
あまりの不気味さに、私は短い悲鳴を上げて隣に居たシロの服を縋るように掴んだ。
「どうした?」
「しょ、障子に目が……こっち見てる……っ」
「あ~それは目目連だな。安心しろ、不気味なだけで特に害はない」
「シロ、そういうのは怖くないんだ」
「まぁ、目に見えるだけの不気味なものは燃やせば消し炭に出来るだろ。俺が苦手なのは……」
──ザクッ、ザクッ
その時、前方の勝手場から何かを突き刺すような音が聞こえてきて、横にいたシロが物凄い速さで私の後ろに隠れた。
「なるほど、目に見えない不気味な音が苦手なんだね」
「そ、そうだな……」
「シロ、私が抱っこしていこうか? 耳塞いでてあげるよ」
「じ、自分の足で歩く。あの姿だと、不意打ちに弱いからな」
よくよく考えてみると、今のシロは視覚を封じられてずっと暗闇に居る状態だ。聞こえる物音は全て恐怖の対象になるだろう。それでも必死に耐えて音のする方へ足を進めようとしている。
かなり頑張ってくれているけれど、このペースでは鍵を見つけてクレハの元へ行くのに三時間では足りないだろう。砂時計を見ると、もう三分の一近く砂が落ちてしまっている。
人質になっている皆のことも心配だ。クレハはきっとルールは守る。だからこの砂時計が動いているうちは大丈夫だろうけど、私達が試練をクリア出来なければそれこそ皆の命の保証もない。
何とかしなければ。何とかシロを普通に歩ける状態までする方法を考えるんだ。
暗闇でも怖くない安心できる音があれば、少しはシロの恐怖心を緩和してあげることが出来るかも知れない。
スマホから音楽を鳴らすか? でも、聞き慣れていない音楽じゃ逆効果だろう。他に何か……ずっと鳴り続けていて怖くない安心できる音があれば……そっか、あれだ!
ない知恵を絞り出し、私はある方法を思いつき早速実行に移す。
「ねぇシロ。少しだけでいいから白狐の姿になってもらえないかな?」
「急にどうした?」
「少しだけで良いから、お願い」
「分かった」
白狐の姿になったシロを私はそっと抱き上げた。そして、心臓の音がよく聞こえるように抱きしめる。
「心臓の鼓動、聞こえる?」
「ああ」
「この音も怖い?」
「……怖くない。思い出すな。あの時も、お前がそうやって優しく抱きしめてくれて……助けてくれた。その鼓動が子守歌のように聞こえて、すごく……心地よかった 」
少しだけ抱きしめる力を強めて、私はシロに話しかける。
「よかった……なら、よく覚えてて。私はいつでも隣に居る。だから怖くなったら思い出して。シロは独りじゃないってことを」
「ああ……決して忘れない。この音も、お前のことも……決してな」
「……シロ?」
何かを噛みしめるようにそう口にしたシロに、一抹の不安がこみ上げる。
「もう大丈夫だ。先を急ぐぞ」
だけど言葉にするより先に、シロが変化を解いてしまい前に歩き出したから、私も急いでその後をおいかけた。目を離すとどこか遠くへ行ってしまいそうなその背中を必死に──。
勝手場の前まで来て、シロは何のためらいもなく引き戸を開けた。
血生臭い匂いが充満した勝手場には、能面のような仮面を被った男性が立っていた。その手には真っ赤に染まった包丁が握られており、地面にはなにかの生き物だったと思われる肉片が飛び散っていた。
「次の食材は人間か。さて、どう調理しようかな」
「雑魚に用はない。さっさと鍵を寄越せ」
「雑魚? この僕を……雑魚だと? ふざけるなぁあ!」
シロの言葉に、能面を被った男が怒りを露わにして襲いかかってきた。男が包丁を振り上げた瞬間、シロは衝撃派のようなものを飛ばして男を壁に吹き飛ばす。途端に男は葉っぱへと姿を変え、コトンと何かが床に落ちる音がして床には鍵が転がっていた。
一つ目の鍵を手に入れ次の目的地へ向かう。梅の間と書かれた目的地に近付くにつれ、カタン、カタンと何かを織り込むような物音が聞こえてくる。
けれど、シロは先程までとは打って変わって動じる事なく音に近付き、その場に居た鶴のお化けを倒してしまった。
「シロ、すごいね。怖くないの?」
「ああ、お前が俺から恐怖心を拭ってくれたからな。今度は俺がお前を守る番だ。いつまでも怯えてたんじゃ、格好つかないだろ」
そう言って、少し照れたように笑うシロ。その言葉通り、シロは道中私をお化けから守ってくれた。苦手を克服した彼は次々と目印に居たお化けを倒し、その背中にはすごい気迫がこもっているように感じられた。
砂時計の砂の三分の一近くを残して、気がつけば手元には三つの鍵が揃っていた。後はクレハの待つ南塔を目指すのみだ。場所を確認して、私はシロに話しかける。
「シロ、身体は大丈夫?」
ここまで補充することなく、シロは術を使いながらお化けと戦ってきた。心配になって尋ねると、右手を開いたり閉じたりした後、何かを確認するかのように蒼い炎を灯しながら答えてくれた。
「順応してきたのか、前より力を貯め込める感じがする。程よく消費しながら来たからバランスが取れてきたのかもしれない。力がみなぎってくる感じだ」
秘薬の副作用を心配していたけれど、最初の頃より辛くはなさそうだ。足取りもしっかりしているし、顔色も悪くない。
番人を倒すのに霊力の消費は激しいだろうけど、それが貯め込めるようになった霊力を良い感じで消費して身体にかかる負担を減らしバランスが取れているのだろう。
「一時はどうなることかと思ったけど、本当によかった」
「桜、まだ油断しない方がいい。クレハがこんな生ぬるいまま終わるはずがない」
確かに、シロが苦手を克復してからここまで順調すぎる道のりだった。クレハがこのまま簡単に試練を終わらせるとは考えにくい。最後に多分、また何かを仕掛けているはずだ。
「そうだね、油断せずに行こう。クレハの待つ南塔は、向こうの庭園を抜けないといけないみたい。庭園の真ん中に印があるからきっと、あそこにもお化けが居るはずだよ」
「ああ、分かった。行くぞ」
「うん」
お屋敷から庭園に出ると、シロが驚いたように辺りをキョロキョロと見渡し始めた。そして私の方を振り返り、ほっと安堵の息をもらす。
「どうしたの?」
「クレハが視覚封じを解いたらしい。目が、見えるようになった」
「ちゃんと見える?」
「ああ、お前の顔がはっきりとな」
「よかった!」
秘薬の副作用で見えづらくなっていた視界も元に戻ったようだし、本当に良かった。
でも、何故このタイミングでクレハがシロの視覚を元に戻したのか。そこに何の意図もないとは考えづらい。シロも同じ事を考えているようで、警戒しながら庭園の中へ足を進める。
しばらく歩いて庭園の真ん中辺りまでやってきて、池の周りに設置された大きな庭石の上に人影を発見した。
「生きてたのか、負け犬」
肩まで伸びた鮮やかな金髪をなびかせながら、頭に大きな二本の角が生えた褐色肌の男がそう言って笑いながら立ち上がった。口元から覗く牙は鋭利に尖っていて、噛まれたら物凄く痛そうだ。
「……っ、アクラ。何でお前がここに……」
その男の姿を見て、シロは驚きと怯えが入り交じったような声を上げた。
ここから近いのは、勝手場か……包丁もったお化けが襲ってきたりとかしないよね?!
さっきのろくろ首さんが勝手場で鍵を見たと言ってたし、いかないわけにはいかないか。
縁側へと足を踏み入れ歩いていくと、やけに背後から視線を感じる。
気になって振り返ると、障子の升目全てに目がついていてこちらをじっと見ていた。
あまりの不気味さに、私は短い悲鳴を上げて隣に居たシロの服を縋るように掴んだ。
「どうした?」
「しょ、障子に目が……こっち見てる……っ」
「あ~それは目目連だな。安心しろ、不気味なだけで特に害はない」
「シロ、そういうのは怖くないんだ」
「まぁ、目に見えるだけの不気味なものは燃やせば消し炭に出来るだろ。俺が苦手なのは……」
──ザクッ、ザクッ
その時、前方の勝手場から何かを突き刺すような音が聞こえてきて、横にいたシロが物凄い速さで私の後ろに隠れた。
「なるほど、目に見えない不気味な音が苦手なんだね」
「そ、そうだな……」
「シロ、私が抱っこしていこうか? 耳塞いでてあげるよ」
「じ、自分の足で歩く。あの姿だと、不意打ちに弱いからな」
よくよく考えてみると、今のシロは視覚を封じられてずっと暗闇に居る状態だ。聞こえる物音は全て恐怖の対象になるだろう。それでも必死に耐えて音のする方へ足を進めようとしている。
かなり頑張ってくれているけれど、このペースでは鍵を見つけてクレハの元へ行くのに三時間では足りないだろう。砂時計を見ると、もう三分の一近く砂が落ちてしまっている。
人質になっている皆のことも心配だ。クレハはきっとルールは守る。だからこの砂時計が動いているうちは大丈夫だろうけど、私達が試練をクリア出来なければそれこそ皆の命の保証もない。
何とかしなければ。何とかシロを普通に歩ける状態までする方法を考えるんだ。
暗闇でも怖くない安心できる音があれば、少しはシロの恐怖心を緩和してあげることが出来るかも知れない。
スマホから音楽を鳴らすか? でも、聞き慣れていない音楽じゃ逆効果だろう。他に何か……ずっと鳴り続けていて怖くない安心できる音があれば……そっか、あれだ!
ない知恵を絞り出し、私はある方法を思いつき早速実行に移す。
「ねぇシロ。少しだけでいいから白狐の姿になってもらえないかな?」
「急にどうした?」
「少しだけで良いから、お願い」
「分かった」
白狐の姿になったシロを私はそっと抱き上げた。そして、心臓の音がよく聞こえるように抱きしめる。
「心臓の鼓動、聞こえる?」
「ああ」
「この音も怖い?」
「……怖くない。思い出すな。あの時も、お前がそうやって優しく抱きしめてくれて……助けてくれた。その鼓動が子守歌のように聞こえて、すごく……心地よかった 」
少しだけ抱きしめる力を強めて、私はシロに話しかける。
「よかった……なら、よく覚えてて。私はいつでも隣に居る。だから怖くなったら思い出して。シロは独りじゃないってことを」
「ああ……決して忘れない。この音も、お前のことも……決してな」
「……シロ?」
何かを噛みしめるようにそう口にしたシロに、一抹の不安がこみ上げる。
「もう大丈夫だ。先を急ぐぞ」
だけど言葉にするより先に、シロが変化を解いてしまい前に歩き出したから、私も急いでその後をおいかけた。目を離すとどこか遠くへ行ってしまいそうなその背中を必死に──。
勝手場の前まで来て、シロは何のためらいもなく引き戸を開けた。
血生臭い匂いが充満した勝手場には、能面のような仮面を被った男性が立っていた。その手には真っ赤に染まった包丁が握られており、地面にはなにかの生き物だったと思われる肉片が飛び散っていた。
「次の食材は人間か。さて、どう調理しようかな」
「雑魚に用はない。さっさと鍵を寄越せ」
「雑魚? この僕を……雑魚だと? ふざけるなぁあ!」
シロの言葉に、能面を被った男が怒りを露わにして襲いかかってきた。男が包丁を振り上げた瞬間、シロは衝撃派のようなものを飛ばして男を壁に吹き飛ばす。途端に男は葉っぱへと姿を変え、コトンと何かが床に落ちる音がして床には鍵が転がっていた。
一つ目の鍵を手に入れ次の目的地へ向かう。梅の間と書かれた目的地に近付くにつれ、カタン、カタンと何かを織り込むような物音が聞こえてくる。
けれど、シロは先程までとは打って変わって動じる事なく音に近付き、その場に居た鶴のお化けを倒してしまった。
「シロ、すごいね。怖くないの?」
「ああ、お前が俺から恐怖心を拭ってくれたからな。今度は俺がお前を守る番だ。いつまでも怯えてたんじゃ、格好つかないだろ」
そう言って、少し照れたように笑うシロ。その言葉通り、シロは道中私をお化けから守ってくれた。苦手を克服した彼は次々と目印に居たお化けを倒し、その背中にはすごい気迫がこもっているように感じられた。
砂時計の砂の三分の一近くを残して、気がつけば手元には三つの鍵が揃っていた。後はクレハの待つ南塔を目指すのみだ。場所を確認して、私はシロに話しかける。
「シロ、身体は大丈夫?」
ここまで補充することなく、シロは術を使いながらお化けと戦ってきた。心配になって尋ねると、右手を開いたり閉じたりした後、何かを確認するかのように蒼い炎を灯しながら答えてくれた。
「順応してきたのか、前より力を貯め込める感じがする。程よく消費しながら来たからバランスが取れてきたのかもしれない。力がみなぎってくる感じだ」
秘薬の副作用を心配していたけれど、最初の頃より辛くはなさそうだ。足取りもしっかりしているし、顔色も悪くない。
番人を倒すのに霊力の消費は激しいだろうけど、それが貯め込めるようになった霊力を良い感じで消費して身体にかかる負担を減らしバランスが取れているのだろう。
「一時はどうなることかと思ったけど、本当によかった」
「桜、まだ油断しない方がいい。クレハがこんな生ぬるいまま終わるはずがない」
確かに、シロが苦手を克復してからここまで順調すぎる道のりだった。クレハがこのまま簡単に試練を終わらせるとは考えにくい。最後に多分、また何かを仕掛けているはずだ。
「そうだね、油断せずに行こう。クレハの待つ南塔は、向こうの庭園を抜けないといけないみたい。庭園の真ん中に印があるからきっと、あそこにもお化けが居るはずだよ」
「ああ、分かった。行くぞ」
「うん」
お屋敷から庭園に出ると、シロが驚いたように辺りをキョロキョロと見渡し始めた。そして私の方を振り返り、ほっと安堵の息をもらす。
「どうしたの?」
「クレハが視覚封じを解いたらしい。目が、見えるようになった」
「ちゃんと見える?」
「ああ、お前の顔がはっきりとな」
「よかった!」
秘薬の副作用で見えづらくなっていた視界も元に戻ったようだし、本当に良かった。
でも、何故このタイミングでクレハがシロの視覚を元に戻したのか。そこに何の意図もないとは考えづらい。シロも同じ事を考えているようで、警戒しながら庭園の中へ足を進める。
しばらく歩いて庭園の真ん中辺りまでやってきて、池の周りに設置された大きな庭石の上に人影を発見した。
「生きてたのか、負け犬」
肩まで伸びた鮮やかな金髪をなびかせながら、頭に大きな二本の角が生えた褐色肌の男がそう言って笑いながら立ち上がった。口元から覗く牙は鋭利に尖っていて、噛まれたら物凄く痛そうだ。
「……っ、アクラ。何でお前がここに……」
その男の姿を見て、シロは驚きと怯えが入り交じったような声を上げた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
バイト先の先輩ギャルが実はクラスメイトで、しかも推しが一緒だった件
沢田美
恋愛
「きょ、今日からお世話になります。有馬蓮です……!」
高校二年の有馬蓮は、人生初のアルバイトで緊張しっぱなし。
そんな彼の前に現れたのは、銀髪ピアスのギャル系先輩――白瀬紗良だった。
見た目は派手だけど、話してみるとアニメもゲームも好きな“同類”。
意外な共通点から意気投合する二人。
だけどその日の帰り際、店長から知らされたのは――
> 「白瀬さん、今日で最後のシフトなんだよね」
一期一会の出会い。もう会えないと思っていた。
……翌日、学校で再会するまでは。
実は同じクラスの“白瀬さん”だった――!?
オタクな少年とギャルな少女の、距離ゼロから始まる青春ラブコメ。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる