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とある夏の日、メールにて。
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「もう死にたい。」
はっと目が覚める。いつもと変わらない夢、いつもと変わるわけがない町並み。鳴き盛りの蝉の声を聞きながら、テレビをつける。そのとき、ちょうどやっていたニュースに目を留めた……。
「本日未明、広島県で強盗殺人が起きました。現在、警察が調査中とのことです。」
テレビの下の方にテロップが出てきた。死亡の欄に彼女の名前が出ていた。俺は俺の中の何かが切れた感覚とともに彼女に電話をしたが、彼女は出なかった……。
あれから何時間経ったのだろうか。気がつけばうつ伏せで寝ていたみたいだ。机には酒の空き缶がたくさん倒れていて、周りは薄暗い。不安、悲しみを吹き飛ばすために酒を飲んでいたのだろう。それにしても、自分ながら、意識を飛ばすほど酒を飲んでいたであろう俺に恐怖を感じる。机に置いてある携帯を手に取ると、メールが来ていた。
「どうしたの?電話なんかしてきて。」
彼女だ。俺は少し安心して
「よかった。」
と返信した。
「何かあったの?」
「ニュースでお前と同姓同名の子が強盗殺人で亡くなった、って聞いたから心配してた。」
「あぁ、そのことなんだけど……。」
彼女は何か書き出しそうだったが、そこでメールが途切れた。
次にメールが来たのはそこから三日後だった。
「今から言うところに向かえる?」
と彼女のメールに書かれていた。
「どこ?」
と俺が聞くと、彼女は場所を指定したら、俺は用意を済ませ、急いで向かった。自転車でおよそ20分…そこまで遠くもない距離。だが、気味が悪かった。今まで暑かったはずの気温が急に心地良くなったのに加え、今は夏なのに、蝶々がたくさんはばたいていたからだ。目的地に着くために小高い丘をのぼる。のぼりきった先が目的地だ。
目的地には大きな石と桜の木、そして落下防止の柵があり、そこから町を一望できる。こんな場所、来たことないけれど、見覚えがある。夢の中で見た場所と似ていたからだ。そして、その柵の近くから町を見下ろしている女性が居る。黒髪でセミロング、ハーフのような白い肌、身長は結構小さめ……。彼女だ。
「来てくれたんだ。」
という言葉とともに振り返った彼女は首や左側が赤いデザインの服を着ていた。
「待ち合わせってここであってる?」
「うん。」
「ここ、来たことなかったんだけど、こんなキレイな所があったなんて……。」
「覚えてないの?」
そう言われた瞬間に頭が痛んだ。すべて思い出した。ここは君と出会った場所で、君との日々が始まった場所、そして……。続けて君がまた口を開く。
「私たちが行った罪は重いから、早く楽になろうよ。」
そう言って君は俺をハグしたまま飛び降りた。太陽が下に映る、上下反対になった世界はとても美しく、吸い込まれるように感じた。
「さようなら。」
この一言が聞こえ、目を覚ます。時刻は8月15日午前9時半。俺は今でも君を探している。また会える日を願って……。
はっと目が覚める。いつもと変わらない夢、いつもと変わるわけがない町並み。鳴き盛りの蝉の声を聞きながら、テレビをつける。そのとき、ちょうどやっていたニュースに目を留めた……。
「本日未明、広島県で強盗殺人が起きました。現在、警察が調査中とのことです。」
テレビの下の方にテロップが出てきた。死亡の欄に彼女の名前が出ていた。俺は俺の中の何かが切れた感覚とともに彼女に電話をしたが、彼女は出なかった……。
あれから何時間経ったのだろうか。気がつけばうつ伏せで寝ていたみたいだ。机には酒の空き缶がたくさん倒れていて、周りは薄暗い。不安、悲しみを吹き飛ばすために酒を飲んでいたのだろう。それにしても、自分ながら、意識を飛ばすほど酒を飲んでいたであろう俺に恐怖を感じる。机に置いてある携帯を手に取ると、メールが来ていた。
「どうしたの?電話なんかしてきて。」
彼女だ。俺は少し安心して
「よかった。」
と返信した。
「何かあったの?」
「ニュースでお前と同姓同名の子が強盗殺人で亡くなった、って聞いたから心配してた。」
「あぁ、そのことなんだけど……。」
彼女は何か書き出しそうだったが、そこでメールが途切れた。
次にメールが来たのはそこから三日後だった。
「今から言うところに向かえる?」
と彼女のメールに書かれていた。
「どこ?」
と俺が聞くと、彼女は場所を指定したら、俺は用意を済ませ、急いで向かった。自転車でおよそ20分…そこまで遠くもない距離。だが、気味が悪かった。今まで暑かったはずの気温が急に心地良くなったのに加え、今は夏なのに、蝶々がたくさんはばたいていたからだ。目的地に着くために小高い丘をのぼる。のぼりきった先が目的地だ。
目的地には大きな石と桜の木、そして落下防止の柵があり、そこから町を一望できる。こんな場所、来たことないけれど、見覚えがある。夢の中で見た場所と似ていたからだ。そして、その柵の近くから町を見下ろしている女性が居る。黒髪でセミロング、ハーフのような白い肌、身長は結構小さめ……。彼女だ。
「来てくれたんだ。」
という言葉とともに振り返った彼女は首や左側が赤いデザインの服を着ていた。
「待ち合わせってここであってる?」
「うん。」
「ここ、来たことなかったんだけど、こんなキレイな所があったなんて……。」
「覚えてないの?」
そう言われた瞬間に頭が痛んだ。すべて思い出した。ここは君と出会った場所で、君との日々が始まった場所、そして……。続けて君がまた口を開く。
「私たちが行った罪は重いから、早く楽になろうよ。」
そう言って君は俺をハグしたまま飛び降りた。太陽が下に映る、上下反対になった世界はとても美しく、吸い込まれるように感じた。
「さようなら。」
この一言が聞こえ、目を覚ます。時刻は8月15日午前9時半。俺は今でも君を探している。また会える日を願って……。
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